今日の一本 vol.16

400文字ちょうどで綴っている映画レビューはこちら。そのほか、最近観た映画に関する呟き一覧はこちら

・『いとしきエブリデイ』というマイケル・ウィンターボトムの作品がある。90年代の上京時、身の回りの全てが衝撃だった僕にとって、とりわけミニシアターの存在はこれまでの「映画」の位置づけ180度覆すものだった。そこでよくかかっていたのがウィンターボトムで、『バタフライ・キス』とか『I want You』には傷口に塩を塗るみたいにヒリヒリさせられたものだ。だが、2010年代に入って製作されたこの『いとしきエブリデイ』は違った。十数年前のヒリヒリ感は薄れ、親子の日常を刻みつつも広くて普遍的な愛で包み込むかのような温もりを感じた。これはウィンターボトムの変化であり、歳をとった僕の変化でもあるのだろう。刑務所に収監されている父を待ち続ける妻と幼い子供たちの5年間の物語。本当に5年の歳月をかけて撮影を重ねて日々を捉え(子供らもどんどん大きくなっていく)、そこに流れるマイケル・ナイマンの寄せては返す絶え間ない波のような音楽がまた胸を打つ。

Everyday

『いとしきエブリデイ』(2012年/イギリス)
監督:マイケル・ウィンターボトム 出演:シャーリー・ヘンダーソン、ジョン・シム

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2023年5月24日 (水)

ワイルド・スピード ファイヤーブースト

映画.comにて『ワイルド・スピード ファイヤーブースト』のレビューを執筆しております。シリーズ誕生から22年。10作目となる本作。気になっている方はぜひお読みいただけると嬉しいです。

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2023年5月23日 (火)

バックドラフト

CINEMOREで『バックドラフト』について執筆しております。91年、ちょうど私が中2だった頃、同級生らと男子三人で地元の映画館を訪れたのがつい昨日のことのよう。もうあれから30年が経過したなんて信じられません。劇場の座席で炎の恐怖に震えていたときには考えもしなかった「映画の舞台裏」を、今こんな角度で検証することができて、嬉しいというか、少し不思議な気分です。どこかあの頃の自分に向けて書いたようなところがある解説記事です。

 

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2023年5月 3日 (水)

COMPANY TANK5月号

隔月刊誌「COMPANY TANK」にて連載中の「シネマでひと息」。

5月1日発売号ではイタリア映画『帰れない山』をご紹介しています。

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2023年4月29日 (土)

ビターな後味残る映画5選

Safari Onlineにて「ビターな後味残る映画5選」を執筆しております
ハッピーなGWの幕開けにふさわしからぬ5本ですが、あくまで映画好きどうしの酒のつまみとして、「ああ、そんな映画あったね!」とお楽しみいただけれ幸いです。ネタバレ付きなので、まだ本編をご覧になったことがない方はご注意を。

 

 

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2023年4月24日 (月)

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

ウェス・アンダーソン監督の初期代表作『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』について書かせて頂きました。つい最近の作品のように思ってましたが、気がつくともう20年以上前なんですね。もはやクラシックの域。名優ジーン・ハックマンも数年後には引退してしまいましたが、本作に刻まれた鋭い個性は他の何者にも代えられません。「彼じゃなきゃダメなんだ!」とアンダーソンがとことんこだわり抜いたわけが伝わってきます。現在、都内で開催中の「ウェス・アンダーソンすぎる写真展」も盛況のようですが、ご興味あればこちらの記事もぜひご覧ください。



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2023年4月23日 (日)

『凪の憂鬱』パンフ寄稿しました

下北沢の映画館「シモキタ-エキマエ-シネマK2」にて公開中の『凪の憂鬱』パンフレットにレビュー寄稿させて頂きました。この『凪の憂鬱』は一度観てからすっかり惚れ込んでしまったというか、大好きな作品でしたので、依頼を受けたときには本当に嬉しかったです。

この映画、最大の魅力といえば、何と言っても主人公の凪。このキャラクターがとっても素晴らしいんです。まっすぐで、一生懸命で、それゆえ周囲に思い切り振り回され、困惑したり、眉をへの字に曲げたりしながら、何気ない毎日を懸命に積み重ねていきます。そんな姿を微笑ましく感じたり、かと思ったらなんだか胸がジンと熱くなってきたり。不思議な磁力に引き寄せられる映画です。これからもずっとずっと、凪シリーズが続いていってほしい。皆様もぜひ彼女の魅力に触れてみてください。すっかり虜になること間違いなしです。

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2023年4月 4日 (火)

Movie Walker Press『ダンジョンズ&ドラゴンズ』

Movie Walker Pressにて映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に関するコラムを書かせていただきました。つい先日、映画.comにてレビュー執筆したばかりなので総評として気になる方はそちらをご覧いただくとして、こちらのコラムではキャラクターや俳優陣を中心に取り上げています。Dungeonsdragonshonoramongthieves260387h2

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2023年4月 3日 (月)

ダンジョンズ&ドラゴンズ映画評

映画.comにて「ダンジョンズ&ドラゴンズ』映画評を書かせていただきました。はっきり言って、予想していたレベルの数段上をゆく快作でした。ヒュー・グラントがまたいいんですよね。ゲームが好きな方も、そうでない方も、楽しめる作品だと思います。

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2023年3月25日 (土)

リアルなスパイ映画5選

Safari Onlineにて「息もつかせぬスリリングなスパイ映画5選」について書かせていただいております。「ミッション:インポッシブル」や「007」などの系統とは違う、いわゆるリアルなスパイ映画が集まっています。40年代を舞台にしたクラシックなものから、00年代の世界情勢を投影したヒリヒリと神経がすり減りそうになるものまで、それぞれ異なるカラーを持った5作品をご堪能ください。

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