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2021年1月21日 (木)

フィッシャー・キング


もうずいぶん昔のことで、本人は全く覚えていないと思うけれど、この映画を最初に僕にオススメしてくれたのは、中高時代の友人でした。僕が「牛」ならば、彼もまた動物の名前のつく人で、多分、同級生の多くは「ああ、あの人ね!」と思い当たると思います。

 

当時の僕は、映画鑑賞といえばスピルバーグとかグレムリンとかゴーストバスターズがメインで、この謎めいた『フィッシャー・キング』という映画を見ても、ドキドキワクワクもしなければ、感動して涙を流すこともなかった。

 

どう考えても、中学生や高校生が熱狂するタイプの映画では全然ない。大好きなロビン・ウィリアムズは出てくるけれど、かと言って彼が面白おかしく笑わせてくれるわけでもない。基本、心に傷を抱えた中年男たちの友情の物語。大人のドラマです。

 

それが、今あらためて本作を見ると、本当に心に沁みた。感動しました。気づけば、自分もすっかりこの主人公らと同じくらいの年齢なのですよね。そりゃあ心情に共鳴して、泣けるわけだ。

 

『フィッシャー・キング』の誕生から今年で30年。今になってようやく、「うん、面白かった!感動した!」と胸を張って言えそうです。あの動物の名のつく友人に。

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