« 2024年10月 | トップページ | 2024年12月 »

2024年11月21日 (木)

夜のまにまに

CINEMOREにて磯部鉄平監督の新作『夜のまにまに』について執筆しました。タイトルにもある「夜」が印象深く映し出される作品なのですが、小学生の頃から筋金入りの深夜族だった私にとって、この物語のスピードといい、おおらかさといい、物語の重層的な折り込み方といい、すべてが心地よかった。

磯部監督の作品では、よく主人公らが語らいながら夜の街を歩きます。ある時はゆっくりと、またある時には急に走ったり、自転車に乗って泳ぐように駆け抜けたり。脚本、セリフ、演技、夜の灯り、背景に映り込む大阪の街の構造物(大きなビルだったり巨大な橋だったり)、音楽といったあらゆるものが一体化しながら心象を物語り、鼓動を打っていく様を、ぜひ多くの方にご堪能いただきたいです。

日本全国のいろんな場所で公開されますように、と祈りつつ。

|

2024年11月20日 (水)

EYESCREAM別冊号

EYESCREAM別冊号の映画コーナーにて、『サンセット・サンライズ』『お坊さまと鉄砲』『キノ・ライカ 小さな町の映画館』のレビューを担当しています。今回はいつもとやや趣向を変え、新作映画の中から”ライフスタイル”にテーマを絞ってのチョイス。他にどんな作品が掲載されているのか、ご機会ありましたらぜひ手にとってご覧ください。

|

八犬伝

隔月刊誌「カンパニータンク」の11月売り号内の映画コラム「シネマでひと息」で『八犬伝』についてご紹介しています。ご興味おありお方はWEBでもお読みいただけますのでぜひチェックしてみていただけますと幸いです。よろしくお願い致します!

Pxl_20241120_083012417

|

故郷の長崎へ

久々となる故郷の長崎へ帰省。前回の旅のお供の一冊は遠藤周作の「女の一生」上下巻でしたが、今回はカズオイシグロの初長編小説「遠い山なみの光」を選択。しっかり読み込んで感情を高めた上での旅路となりました。

Pxl_20241106_110203994

長崎観光といえば、お馴染みのグラバー園とか、大浦天主堂とか、眼鏡橋、中華街、平和公園などが真っ先に思い浮かぶものですが、私にとっては路面電車とか稲佐山とか、長崎で暮らしていた幼少期〜青年期には当たり前の日常だった光景に再び触れられることが、何よりも嬉しく、懐かしく思えました。ガタガタと揺れる路面電車の車内には優しい日差しが注ぎ、それが心地良くて、僕はいつも気がつくとすっかり眠ってしまいます。

Pxl_20241112_015431284mp

宿泊先の窓から稲佐山が見えました。ちょうど読み終わったばかりの「遠い山なみの光」にも登場人物たちがロープウェイで稲佐山を登る場面が登場します。そんな彼らにしばし思いを馳せつつ・・・。

Pxl_20241111_061258400

夜になると薄紫の照明が電波塔をミステリアスに彩ります。ずっと窓から見入っていると、夜22時きっかりにぱっと明かりが消えました。その時間まで誰かがそこにいて、お仕事されていることを想像し、自ずと「お疲れ様です。おやすみなさい」とつぶやいてしまいました。

Pxl_20241112_123954758

久々の帰省で日々、多くの方々にお会いしました。昼も夜もお酒やおご馳走をいただく機会が目白押しだったため、空いた時間には宿泊先のジムのランニングマシーンで適度に走り込み、怠惰にならないように体づくり。おかげで3泊4日で気持ちがすっかり若返りました。世界中のどんな国へ赴くより、やっぱり故郷が与えてくれるものは格別ですね。

|

« 2024年10月 | トップページ | 2024年12月 »