2019/12/01

「博士の異常な愛情」

スタンリー・キューブリック監督が1964年に公開したブラックコメディの傑作『博士の異常な愛情』。1999年に亡くなった巨匠はこの映画に一体どのような思いを詰め込んだのか、そしてケネディ暗殺事件がこの映画に与えた影響とは。詳しくはCINEMOREに書いた記事をご覧いただければと思います。

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2019/11/26

アイリッシュマン

NETFLIXにて配信される『アイリッシュマン』について映画.comでレビューを執筆させていただきました。

『沈黙-サイレンス-』のマーティン・スコセッシが放つ3時間半に及ぶ超大作。しかも今回は『タクシードライバー』や『レイジングブル』などでも組んだロバート・デ・ニーロ、それにこちらもスコセッシ組常連のジョー・ペシ、さらには大御所アル・パチーノが揃い踏みです。出演者としてきちんと頭の中に入れて臨みながらも、いざ3者がスクリーンに映し出されていると(私は劇場上映版で観たのですが)何度も「マジか・・・」という気分になりました。マジです。本当にそんな時代がやってきたのです。この重厚な語り口は他では真似できない。本当に脳天ぶち抜かれるような映画体験でした。気になった方は是非レビューをご覧いただければ幸いです。

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コーエン兄弟デビュー作『ブラッド・シンプル』

コーエン兄弟といえば、あまりに特色が幅広すぎて、一概にその作風を特定するのは困難です。それでも、どんな深刻な事態に陥ろうとほのかなユーモアが漂っていたり、切羽詰まったおかしな面々が顔を揃えていたり、その中の一人はカウボーイハットをかぶっていたりといった、まるで観客に向けてウィンクでもしているかのような「らしさ」はどの作品にも健在。これはもはや彼らの生き方とでも呼べるものなのかもしれません。

そんなコーエン兄弟が1984年に公開した劇場長編デビュー作『ブラッド・シンプル』を久々に見直してみました。詳しくはぜひCINEMOREに書いた記事をご覧いただきたいところですが、前もってお伝えしたいのは、彼らがこの映画の製作資金を募るために事前製作したという予告編の存在です。

Blood Simple - Investor Trailer from Janus Films on Vimeo.

いきなり出資してくださいとお願いしても、誰も引き受けてくれたりはしない。そこで、見どころとなるシーンやコンセプトを組み入れた予告編を作った上で、それを見てもらって出資を決めてもらうという流れが出来上がる・・・。80年代の当時としては非常に斬新な手法だったと思われます。そのアイディアをもたらしたのが誰であったのかも含めて、ぜひ記事をご覧いただければ幸いです。

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2019/11/24

ボーン・アイデンティティー

『ボーン・アイデンティティー』ほどのメジャー映画に、今さら語るべき点などないと思っていた。この手の映画は作品内で起こることがすべてで、それ以上深掘りしても、せいぜい「ボーンのアクションにはフィリピンの格闘技カリの要素が含まれている」程度のトリビアしか得られないだろう、と。

しかしいざ掘り下げると、本作にはダグ・リーマン監督の強い思いが発露していることに気づかされた。そのあたりについてCINEMOREで書かせてもらっています。前に『バリー・シール』の映画評を書いたときに知った事実なども絡まり、やはりこの監督、ただ者ではないと思い知らされました。

『ボーン』シリーズは2作目以降のポール・グリーングラス監督の方が評価されがちだけど、リアルに徹する彼に比べ、前任者ダグ・リーマンはむしろ飄々と面白いものを次々と生み出す発明家っぽいところがある人だと、僕は思ってます。決して一箇所にとどまらず、常に興味のアンテナを張り巡らし、動き続ける。そしてちゃんと結果を出す。そこが凄い。現在ポスト・プロダクションに入ってる新作はチャーリー・カウフマン脚本だというし、トム・クルーズと再タッグを組む『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の続編も楽しみです。

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2019/11/11

MSP公演『ローマ英雄伝』

明治大学シェイクスピアプロジェクトの公演『ローマ英雄伝』を観に久しぶりに母校へ。
自分とはもはや親子ほど年齢の離れた学生さんたちが作り上げる舞台はもちろんのこと、受付や誘導のスタッフの機敏な立ち振る舞いや丁寧な応対に至るまで、そこで見たこと、経験したことひとつひとつに感動しっぱなし。すっかり涙腺緩みおじさんと化していました。親戚や知り合いが出てるとかそういうのでは全くないのに、不思議なものです。

今から400年前、グローブ座などで上演されていた頃から常に庶民の最も近いところにあり続けたシェイクスピア。学生さんたちにとってそれらの作品を日本という国で受け止め、咀嚼し、解釈し、さらには日本語の舞台として作り上げて観客に届けるという行為は凄まじいパワーを要するものだと思います。でもこの日本最大規模の学生カンパニーが奏でる一大プロジェクトは見事に呼吸を合わせてそれをやってのけていた。見ていてただただ壮観でした。

世界中で「ポピュリズム」というものが注目される今、それを色濃く描いた「ジュリアス・シーザー」と「アントニーとクレオパトラ」という、シェイクスピア物としてはそれほど有名とは言えない二本の戯曲を二部構成にして提示した趣向にも唸るものがありました。古代の物語なのにそこには自ずと現代世界が透けて見えてくるかのよう。とりわけ、メインとなる登場人物に匹敵する「民衆」という得体の知れない、しかしとてつもなく強力な存在の描き方にゾクゾクさせられた3時間超えの圧倒的な空間。見に行って本当に良かった。

「学生さんたちにとって素晴らしい経験になったと思う」なんて口が裂けても言いたくない。何よりもそれを観た僕自身にとって素晴らしい経験になりましたし、大きなパワーをもらいました。もしかしたら400年前の観客たちも、こうやってシェイクスピアから生きる喜びを与えられていたのかもしれません。そんなことを考えながら帰途に着きました。心から感謝。また来年も必ず見に行きたいと思います。

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『12モンキーズ』と『めまい』

ヒッチコックの『めまい』は、決して紋切り型の言葉で片付けることのできない映画だ。ある意味、掴みどころのない作品とも言えるのかもしれないが、その実、鑑賞中に受けとめたイメージの連続は知らず知らずのうちに深層心理に蓄積され、5年後、10年後、自分が思ってもみなかったタイミングで「ああ、そういうことなのか」と納得がいったりもする。ある程度の齢を重ねた人がしみじみと衝撃を受けるタイプの作品であるのは間違いない。

以前、『12モンキーズ』について調べていた時、テリー・ギリアム監督の「全然意識していなかった場面で、気がつくと『めまい』と同じ撮り方をしていた」という発言を目にしたことがあった。その他にも『めまい』と『12モンキーズ』は重要な場面でともに「セコイアの森」が登場するといった繋がりがある。(詳しくはCINEMOREで執筆した記事を御覧ください)

僕が『12モンキーズ』を観たのは、まだヒッチコックを一本も見たことのない学生時代で、まさかこのSF映画にヒッチコックの遺伝子が刻まれているとは知る由もなかった。これまた公開から20年以上が経過してようやく「ああ、そういうことなのか」と納得した次第。人生と同じく、映画の世界もそういう「遅れてやってくる気づき」で一杯なのだ。

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2019/11/07

ギャスパー・ノエ最新作『CLIMAX』

ギャスパー・ノエ、それは我々の世代にとってかなり衝撃的な名前だ。フランスの鬼才にしてタブーを犯すことを恐れない魔人。かつてシネマライズで観た『カノン』は、上映中に画面が点滅して「警告。今から衝撃的な場面あり。五秒以内に立ち去るべし」みたいな文言が大写しにされたりもしたものだった。

そんなノエの最新作の『クライマックス』は驚きと楽しさと衝撃が相まった、逸品だった。R-18+なので、あらゆる人にお勧めできるわけではないし、毛嫌いする人も多いかと思う。だが、序盤からエンドロールが流れ始めるという意表をつく展開を抜け、雪に閉ざされた体育館でのダンスが始まると、そこはもうハイテンションの渦。長回しで撮られていく生々しいパフォーマンスの交錯がとにかく素晴らしい。

ワン・アイディアを反射神経で95分の映画へと昇華させたような身軽さがまた秀逸なのだけれど、おそらく参加したキャストたちは本作がどんな仕上がりになるのか想像もできなかったのではないか。案の定、そこには過去のノエ作品のエッセンスを全て詰め込んだような楽しき地獄絵図が待っていた。うーん、こんな映画を作ってしまうなんて、やっぱりノエは唯一無二で底知れぬ才能に満ちた怪人だ。

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