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2005/09/12

『再見 ツァイツェン また逢う日まで』 

両親の不慮の死により離ればなれになった兄弟姉妹が、20年の歳月を経て感動の再会を果たすまでを描いた物語。中国では歴代興行収入の第一位の大ヒットを記録し、また、カステリナリア(スイス)国際青年映画祭ではゴールデン・キャッスル賞、モスクワ国際児童青少年映画祭ではブロンズ・テディベア特別賞に輝くなど、海外の映画祭でも数々の賞を受賞している。

時は現代、女性オーケストラ指揮者チー・スーティエン(ジジ・リョン)は20年ぶりに祖国・中国の大地を踏みしめた。アメリカで音楽の才能を開花させ国民的な成功者となった彼女は、祖国でのコンサートを長らく夢見る一方で、20年前にはなればなれになったきり音信が途絶えていた兄弟姉妹たちとの再会を待ち望んでいた。思い出すのはかつての愛に満ちた家族の日々。音楽教師の父としっかりものの母、そして責任感の強い兄、やんちゃな弟、妹。そのかけがえのない記憶すべてが彼女の成功の原動力だった。父母の不慮の死をきっかけに養子として方々に散っていった兄弟姉妹を探すために、スーティエンはマスコミを通して呼びかける。そのとき彼女の手に握られていた家族写真をきっかけに、ひとり、またひとりと消息が判明していく。

この映画の持つ力強さを言葉で表すならば、私が参加した試写での模様をお伝えするのがいちばん分かりやすいに違いない。もう、涙涙。特にクライマックス付近はすすり泣きの大合唱で、隣の席の男性が必死にハンカチを探していたのを思い出す。誰の心をもグッとわしづかみにするのは、きっとこの家族の肖像があまりに日常の風景に根ざしていて私達の原風景にさえピタリと一致するのと、やはり貧しい中で見せる彼らの笑顔が深い意味をもって染み入ってくるからなのだろう。無邪気な表情の愛らしい子役の魅力もさることながら、彼らを優しく、時に厳しく見守る父親役、ツイ・ジェンがまた素晴らしい。彼のプロフィールには「中国初のロック・ミュージシャン」との肩書き。話題作「鬼が来た!」の音楽や本作の劇中曲も手掛けており、その才人ぶりが十分に伺える。

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