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2005/09/12

『悪霊喰』

キリスト教から異端の扱いを受ける“罪喰い"の儀式の謎に迫ったオカルト・ホラー。監督・脚本は「L.A.コンフィデンシャル」でアカデミー脚色賞を受賞し、同じく脚色作「ミスティック・リバー」が公開中のブライアン・ヘルゲランド。出演には、「チョコレート」「サハラに舞う羽根」のヒース・レジャーに加え、他にシャニン・ソサモン、マーク・アーディーといったヘルゲランドの監督作「ロック・ユー!」での共演組が再集結。「ロボコップ」のピーター・ウェラーが久々にスクリーンに顔を出しているのも注目。

ニューヨークに住む司祭アレックス(H.レジャー)は、ある日、恩師のドミニクが急死したことを知らされる。その死に不可解な点があるとされ、真相を究明すべくローマへと飛ぶように命じられた彼は、師の遺体が発見された現場で何か儀式の跡らしきものを見つける。アレックスは親友のトーマスと心に傷を負った女性マーラと共に調査を開始。事件を穏便に片付けたい教会から激しい風当たりを受けながらも、彼らはアンダーグラウンドで得た情報により“罪喰い"という宗教上のタブーとされる儀式に行き着く。それは、臨終のふちにある者の“罪"を代わりの者が喰らい、その魂を天へと導く、というものだった。何百年もこの役目を背負い続けてきた能力者がこのローマにいる。その人物の目的とはいったい何なのか。謎に迫る3人は、“罪喰い"によって張り巡らされた巧妙なワナにいつしか自らの身体が絡み取られていようとは知る由もなかった…。

スタッフや関係者に相次いだ数々の災いがたたり、2年間にわたって5回も公開延期を余儀なくされたいわくつきの問題作がまさかの日本公開。きっとアメリカの20世紀フォックス本社には悪霊による密かな圧力が及んでおり、日本公開が実現しなければ更なる災いが降り注ぐと脅されたに違いない。もちろんオカルト・ホラーの要素はてんこ盛りなわけだが、「ミスティック・リバー」が同時期に公開中というグッド・タイミングの今、やはりB.ヘルゲランドの文脈で本作を鑑賞するという楽しみを味わっていただかないわけにはいかない。悪霊うんぬんという前に“人間の抱える闇"の部分を“ノワール"風に描こうとする試みは、きっとヘルゲランド流のオカルト復興計画の一環なのだろう。B級色満載な上にシリーズ化をも匂わせる展開に、この手の映画好きは思わずニヤリとしてしまうかも。

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