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2005/09/12

『スパイダーマン2』で、ヒーローの愚痴を聞く楽しみを。

たいていの映画なんてものは、「人生は開かれている!」「あなたの前には可能性という名の道がいくつも延びている!」なんてまるで軍隊PRのようなプロパガンダでまくしたてるけれど、このヒーローはやっぱりひと味違う。一見華やかに見えるスパイダーマンという職業(ボランティアなの?)も意外とトホホなんだよ、っていう弱気な部分を堂々と見せてくれる。まるで着ぐるみヒーローのグチを楽屋で聞かせてもらっている感じ。もちろんデパート屋上で。

それで主人公ピーターの悩みもまた真に迫っているんだ。「大きな力を持つことで失うものも多い」って悩み、いまにも多くの歴代ヒーロー達が集まってきて「そうだよなあ…」なんて相談会が始まっちゃいそうだもの。ヒーローってホント大変。

で、今日の地球上で、政治の世界であれ商売の世界であれ人助けであれ、ピーターみたいに悩みに打ちひしがれながらヒーローやってる人間っているんだろうか、って話。素顔隠してボロボロになって、恋人にも愛を告げられず、怪物にはボコボコにされ、新聞にはオモシロおかしく書き立てられ、親友には平手打ち食らわせられ…。

けれど、口の悪い編集長はきっと誰よりもスパイダーマンが大好きだし、叔母さんはいつも慈愛に満ちた眼差しで彼を包み込んでくれる。近所の子供らは密かに彼を目標として大きな夢を抱くことができるし、愛する人だっていつか彼の気持ちに気付いてくれるはず。

なんで単なるヒーローものでこんなにもいろんなことを考えさせられるんだろう、とふと気づくんだけど、やっぱり『死霊のはらわた」なんていうカルト映画を作っていたサム・ライミだからこそ成せるワザなんじゃないかな、と思う。ヒーローが超人なんて時代はもうとっくの昔に終わってはいるけれど、彼らのウジウジした部分に臆することなくねちっこく迫れるのはきっとライミの力。

第3弾ではどんなヒーローの楽屋バナシが聞けるのか、いまから楽しみにしています。

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