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2005/09/12

『ゼブラーマン』

哀川翔100本目の主演作は、なんと東映の大得意とする“ヒーローもの”!この異色作を哀川作品の金字塔にしようと、更に日本一忙しいふたりの男が立ち上がる。まずは、今や日本が世界に誇る型破りな映画監督・三池崇。そして、お馴染みの超売れっ子脚本家・官藤官九郎。彼らが手を組んだとあれば、もはや普通の“お子ちゃま向け”映画を期待することは困難だ。鈴木京香、渡部篤郎らのあっと驚くキャラをも巻き込みながら、日本にいま、シマウマ旋風が吹き荒れる!

その昔、たった7話で打ち切られたヒーロー番組があった。“シマウマ”をモチーフにしたキャラクターを人は「ゼブラーマン」と呼んだ。時は流れて2010年、小学校教師・市川(哀川翔)は、幼い頃にテレビで目にしたそのヒーローが忘れられず、せっせとコスチュームをこしらえては鏡の前でポーズを決める日々を送っていた。ある日、彼の教えるクラスに車椅子の少年・浅野が転校してくる。「ゼブラーマン」について詳しい浅野に、ようやく完成した新コスチュームを見せたくなった市川は、それを着たままコッソリと街に出てみるが、そこで偶然にも蟹のカブリモノを着込んだ危険人物に遭遇。格闘の末、そのカニ怪人をなんとか倒したものの、これはまだ序奏に過ぎなかった。多発する怪事件の数々に防衛庁の及川(渡部篤郎)も動き出し、いま、この街に隠された驚愕の事実が明らかになろうとしていた。

国際的にも顔が知られる三池なだけに、既に本作を狙っている映画祭もあると聞く。だが、ここではっと気付かされるのは、“ヒーローもの”というジャンルの持つ特殊性だ。「スパイダーマン」や「バットマン」とも一味違う、この日本という風土からしか生まれ得なかった、人々の共有財産とも言うべきこのジャンルが果たして外国人に理解できるだろうか。だいたい、どんなヒーロー番組を見ていたかでその人の年齢すらもおよそ特定できてしまうという浸透ぶりには、とても深遠な文化性を感じずにはいられない。本作はそこに目をつけて製作された、日本人による、日本人のための、そしてもうちょっと言うならば“大人のための”ヒーロー映画なのであり、特に劇中での「ゼブラーナース」なる異様なサブ・キャラの作り込み様には思わず笑ってしまった。もちろん、三池ならではの暴力性やビザールっぷりも大いに盛り込みつつ、子供には決して見せられないシロモノへと結実している。

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