『バレット・モンク』
不死身のチベット僧が悪の組織と空前のバトルを繰り広げるヒーロー・アクション。アメリカン・コミックから飛び出したような主人公を演じるのは「男たちの挽歌」「グリーン・デスティニー」でお馴染みのチョウ・ユンファ。他に「アメリカン・パイ」のショーン・ウィリアム・スコットと「ブロウ」のジェイミー・キングらが脇を固める。監督は、エミネムやジェニファー・ロペスなど大物ミュージシャンから絶大なる信頼を受けるポール・ハンター。MTV界の出身で、これが劇映画への監督デビューとなる。
ニューヨークにひとりのチベット僧(チョウ・ユンファ)が現れた。彼は60年前にチベットの寺院で奇跡の巻物を受け継ぎ、その守護者として数々の奇跡の力に守られながら生きる男。悪を相手に素手で弾丸の雨に立ち向かい、悟りの力で宙をも舞う。だがその長きに渡った任務期間もまもなく終了しようとしていた。彼は新たな後継者を探し続けており、その果てになぜかスリの青年(ショーン・ウィリアム・スコット)と謎の美少女ストリート・ファイター(ジェイミー・キング)らに目をつける。僧は厳しい修行を施すことで彼らの優れた素質を次第に実感していく。そんな中、巻物の存在を聞きつけたストラッカー(カレル・ローデン)率いる悪の組織の影が3人の背後へと忍び寄っていた。
まるで漫画だ。だいたい巻物一本をめぐってのこれだけの大バトルはいったいなんだ。いまどきこんなに漫画的な作風も珍しいと頭を抱えながらも、あのチョウ・ユンファがここまでやるのなら…と、意外と許せる気にもなるわけだ。同じ二丁拳銃でも「男達の挽歌」で見せたスタイリッシュでクールな映像感覚とは一味違い、そもそも彼が終始チベット僧の恰好をしているというしごく基本的な点がなんだか可笑しくてしょうがない。そういったセルフ・パロディの要素も盛り込みながら、アクションと脱力感が交互に楽しめるMTV感覚溢れた作品へと仕上がっている。最終的に私の興味を捉えて離さなかった最大の驚きは、監督のポール・ハンターが弱冠22歳(!)であるということだったのだが。製作にあのジョン・ウーが参加していたり、音楽をリュック・ベッソン作品でおなじみのエリック・セラが担当していたりとスタッフ面での発見も多い。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 『シューテム・アップ』(2008.05.31)
- 『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008.05.27)
- 『アフタースクール』(2008.05.24)
- What would Jesus buy?(2008.05.23)
- ナルニア国物語 第2章(2008.05.22)
コメント