『ブラザー・グリム』で、ギリアムの異端ぶりを確認
あれこれ想像をたくましくしたところで、その実物を見てみないことには始まらない!ってことで、観てきました、『ブラザーズ・グリム』。もう最初っから終わりまで特殊効果をそっちのけで暴走しまくる役者のバイタリティ&テリー・ギリアム仕込みの顔芸の数々に気分が高揚しっぱなし。
あのモンティ・パイソン時代のギリアムが狂人のごとくして見せていたあの表情!その後のギリアム作品でも『12モンキーズ』のブラピ→『ラスベガスをやっつけろ』のジョニデと受け継がれ、今度はマット・デイモン&ヒース・レジャーへ(ついでにジョン・タトゥーロにも伝染)。映画終わって自宅に帰って、こっそり鏡の前で練習してみたくもなるほどの素晴らしい表情だった。
このグリム兄弟が本物のモンスター退治に立ち上がるっていう類のストーリーは、ハリウッドのほかの監督であっても十分に映像化可能だと思う。しかし、たとえ同じストーリーであっても決してギリアムのようにはならないと断言できる。逆に言えば、ギリアムに任せたならば、ぜったいにマトモな作品にはならないということ。1ショット1ショットの本当に手を抜けばいいような簡単なシーンにいちいち乾いた小ギャグを入れていくサービス精神と、そんな彼からは想像できないくらいに芸術的なシーンとをフル回転で往復しつつ、しかも「想像力」VS「リアリズム」、そして現代世界が直面している「ファンタジー」VS「リアリズム」という対立構造をもおのずと実感させられる内容となっている。つまり、モンティ・パイソン時代からのゾクゾクするような冒険ファンタジーを受け継いだ良作。
ちなみに撮影中の洪水でテリー・ギリアムがメガホンを取っていた『ドン・キホーテの殺した男』の製作がストップしてしまったという悲劇に密着した『ロスト・イン・ラマンチャ』は、ギリアムが映画作りにかける破天荒だがとても情熱的な実直さのようなものをひしひしと伝えてくれる傑作ドキュメンタリー。『ラスベガスをやっつけろ』から『ブラザーズ・グリム』に至るまでに彼の身にどれほど大きな試練が待ち受けていたのかに触れることで、ファンタジーの作り手が直面するリアリズムとの闘いのようなものが浮き彫りになってくる。それはすなわち、『ブラザー・グリム』のテーマそのものでもあるような気さえするのだ。
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マット・デイモン、ヒース・レッジャー、モニカ・ベルッチ主演
ドイツの童話作家 グリム兄弟の物語
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受信: 2005年9月26日 (月) 01時29分








