『IZO』
いやもう、なんだか、頭が痛い・・・いっそのこと、このコメント欄に「うぎゃー!」とか「あへー!」とだけ記しておきたい衝動に駆られている。脳内にはまだ混乱が残っているし、もう一度観たいかと問われればもちろん否、と答える、かな、と見せかけて、実はもう一回くらいいけるかもと踏んでいるのだった。
幕末を駆け抜けた殺人剣の達人・岡田以蔵は、死罪執行の瞬間にその魂をあらゆる次元へと放出させる。現代で、過去で、あるいはその両者が混濁した空間で、いまや怨霊となった“IZO”がとにかく斬って斬って斬りまくる。
IZOによって斬られる人達・・・
SAT隊員、新撰組、高僧、ヤンキー、剣客、岡っ引き、PTA、ボブ・サップ、ビートたけし、片岡鶴太郎、岡田真澄、普通の平和そうな家族、道行く人・・・などなど。
単に斬るだけならまだしも、不条理でワケの分からないストーリーがまるで前衛芸術のようにのた打ち回る。そうだ、僕はこれを観ながらずっとあの映画のことを思い出していた。
『石井輝男の地獄』。
東京ファンタでこの作品を観た時のとんでもなさ、というより、俺なんでこんなところに来たんだろう、という後悔、無情、そして意識が落ちるところまで落ちたところで生まれるある種の感動、やけっぱち、再生、復活、その他もろもろ。
間違いない、『石井輝夫の地獄』の予算がもうちょっとだけ高かったら、ちょうど『IZO』のようになっていたはずだ。むろん、三池でなければ金は集まらなかったのだが…。
三池崇の国際的な評価が高まっている今だからこそ極限までに意味不明のことを詰め込んで、あぶない橋さえ意外と冷静に渡れてしまう三池の計算高さ(しかもコレでヴェネツィアに行ってるし)、彼を突き動かす周りのしたたかさに恐れ入った。
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