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2005/10/02

こんなに楽しい『天才マックスの世界』が公開されなかった日本の映画界って不思議。

『天才マックスの世界』といえば、『ライフ・アクアティック』や『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』などの独特の作風で知られるウェス・アンダーソン監督の初期の作品。日本では劇場未公開となっているまぼろしの作品としても有名だ。

主人公のマックスときたら、頭が良すぎて学校の成績はガタ落ち。とにかく多くの部活動を両立することに意欲的で、自ら率いる演劇部による新作の評価も上場。しかしそんなマックスがとある美人先生に恋心を抱いてしまったことでとんだ騒動が勃発する。ややこしいことに、そこにはマックスの親友にして(大人なのに)工場長のブルーム(ビル・マーレイ)も複雑に絡まりあって、まったく大人なんだか子供なんだかよく分からない展開が続いていく。なかなか出口の見えないがグタグタの状態が続いていくけれども、やがてそんな混沌にも温かな光が差し込んでくる・・・本作はそんな具合に素敵な作品。

何十も歳の離れた親友でありながら、美人先生をめぐって熾烈な争いを繰り広げるマックス(M)とブルーム(B)は、後半このようなセリフでもってめでたく仲直りを果たす。ブルームを演じるビル・マーレイのあの飄々とした雰囲気をイメージしながら次のやり取りをご覧ください。

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M: I was gonna try and have that tree over there fall on you.

(僕はあそこの木をあなたの上にぶっ倒してやりたかった)

B:That big one? It would have flattened me like a pancake.

(あの木かい?パンケーキみたいにぺしゃんこになっちゃっただろうな)

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おかしみの中にちょっぴりほろ苦さを感じさせるとても素敵なシーン。

ビル・マーレイの芸達者さはもちろんながら、しかし何より主演のジェイソン・シュワルツマンが最高にうまい。経歴を紐解くと、1980年生まれで本作が米公開されたのは98年だから、撮影中はまさしく役どおりの“高校生”だったってことになる。「いったい何者なんだ?シュワルツマン」と思ってたら、なんと母親は『ゴッドファーザー』にも出演していたタリア・シャイア(コッポラの妹)だった。ということは、彼にとってフランシス・フォード・コッポラは叔父にあたり、共に映画監督のソフィア・コッポラとロマン・コッポラ、更にニコラス・ケイジに至るまでがぜーんぶ“従兄弟”ということになる。うーん、さすが血は争えない。名家の出だったのだ。(ちなみにニコラス・ケイジの本名って“ニコラス・コッポラ”だって知ってました?)

ジェイソン・シュワルツマンは、最近では『ハッカビーズ』にてジュード・ロウ、マーク・ウォルバーグ、ナオミ・ワッツ、ダスティン・ホフマンらと豪華共演を果たし、ソフィア・コッポラの新作『マリー・アントワネット』にも出演している。

あの歳であの存在感はありえない。その奇跡の第一歩を『天才マックスの世界』でぜひ確認していただきたい。

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