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2006/01/23

『オーシャンズ12』

“ワビ&サビ”を基本に何かとせせこましく生きている日本人にとって、前作『オーシャンズ11』で体験したとびきりゴージャスな作風にはいまいち乗り切れない部分があったのは確かだ。ただ、大スター様たちにとってはこれが何よりの楽しいひと時だったようで、いつのまにか続編の製作が決定。しかもまたもや彼らは格安のギャラで出演を快諾、更には前作以上にキャストの面でもパワーアップを果たして帰還を遂げたのである。

今回はアムステルダムやパリやらヨーロッパの雰囲気がいっぱい。ヨーロッパ仕込みの貴族風ライバルだって登場する。演じるのはフランスを代表する俳優ヴァンサン・カッセル。彼とオーシャン一味の華麗な頭脳戦もあり、他にもキャサリン・ゼタ・ジョーンズ演じるユーロポール(欧州警察)による裏をかいた包囲網や、まさかのジュリア・ロバーツのセルフ・パロディ、更にはあっと驚くサプライズ・ゲストもありで、『オーシャンズ11』で見られたクライム・ムービーの王道からはちょっと方向性を異にした、とにかく遊び心満載の作品として仕上がっている。

中でもやはり、ソダーバーグのこだわりが前作よりも多めに発揮されているのがポイントで、シリーズ2作目にしてようやく豪華キャストが“よき材料”として機能させられ始めた印象だ。まるでライブ・セッションを見ているかのように、役者どうしが現場で影響しあうことによって醸しだされる臨場感が伝わってきて、そのオーガナイザーとしてソダーバーグがいる。なんと濃密な関係だろう。確かにストーリーや仕掛けの巧妙さといった部分ではやや物足りなさも残るが、そこに香り立つ雰囲気を味わうことにこそ、本作に身を浸す本当の意味が現れるのではないかと思う。

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