大学生の頃の自分へ
大学生になって東京に出てきた頃、全国ロードショー作品と単館作品の違いが分かりませんでした。「つまるところ、長崎では劇場にかからず、直でレンタル店に並んでお目見えするのが単館映画なんでしょ?」。入学当時の僕は真顔でそう尋ねるくらいに何も知らない人間でした。
そんな自分が、ゴールデンウィークになって初めてミニシアターを訪れました。忘れもしません。銀座にある「銀座テアトル西友」。作品名は言いませんが、いまではかなり伝説化したサスペンスで、出演者のひとりの冴えない男優は今ではオスカー俳優になってしまいました。いま考えると、まだ「地下鉄マップ」も頭に入っていないのに(銀座という概念もよく分かっていなかった)、よくもまあ、テアトル西友までたどり着けたなあ、と思います。「あっちかこっちか、ふたつにひとつだ」と心に決めて「あっち」を目指したのを覚えています。映画を観るということはこんなにギャンブルなことだったんでしょうか(もっと下調べしておけよ)。
そうやって半ば全身を心臓の音でバクバク言わせながら訪れたミニシアターだったものですから、いざ映画が始まると何だか無性に疲れがこみ上げてきてかなりの時間をウトウトしながら過ごしてしまいました。ただ劇場を後にする時はどういうわけか満足感でいっぱいで、トイレの鏡に映った自分は実に清々しい表情をしていました。僕にとってそこに足を踏み入れるだけでもキャパいっぱいだったんですね。まさに人生で一度きりのことだったから、いまだに新鮮に響くのでしょうね。
あの頃の自分を思い出す度に、彼はGW、ミニシアターへと向かいます。
そんな彼に今の僕は何がしてやれるでしょうか。きっと感覚的には今でもあまり成長していないはずだから、僕が面白いと思えるものは彼も面白がってくれるでしょう。というわけで、このGWオススメの3本を紹介しておきます。気が向いたら是非観にいってください。おっと、ミニシアターに赴く際にはきちんと下準備をするように。でも、映画を観ることはいわゆるギャンブルでもあるのだと、今の僕はそのようにも考えています。
『君とボクの虹色の人生』・・・ブログ記事はこちら
それでは、月並みな言い方ですが、素敵なGWを。
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