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2006/09/13

ヒースローにて

イギリス滞在中、イスタンブールで英国人が死傷する爆弾テロがあり、こりゃあ帰国日(8月29日)の空港はたいへんなことになるだろうなあ、と予感していた。

ブリティッシュ・エアウェイズの離発着はヒースローの第一ターミナルで(これはブリティッシュ・エアウェイズの便に関して乗換えがスムーズにいくようにとの取り計らいらしい。他の航空会社を利用した場合、日本からの到着、日本への出発のほとんどが第3ターミナルとなる)、ヒースロー・エキスプレスを使うとパディントン駅からだいたい15分くらいで到着できる。普通、旅行会社で航空券を購入する場合、「だいたい3時間前までには着くように」と釘を刺されるのだが、この日は用心に用心を重ねた結果、15時45分のフライトなのに12時前には空港に到着。

で、実際の空港内はというとそんな殺気だった気配もなく、のんびりと時間は流れている様子。時折、リアル銃を構えた警官が隊列を組んで現われ、「泣く子はいねかー?」となまはげのような要領で怪しい人々を吟味して歩くのだけれど、何しろここはイギリスなので、その例えが適当かどうかは分からない。と、突然、リアル銃を構えた警官が顔を真っ赤にして叫び出し、何事かと振り返ると、利用客が荷物をベンチに置いたままトイレかどこかに行こうとしたらしく、「ダメダメ、荷物からは離れないで」と念を押されていた。一瞬張り詰めた緊張感は映画で言うスローモーションのようでもあり、そのシーンが過ぎるとあたりは元のスピードに踵を返すように戻っていった。

その後、ニコリとのしねえインド系の係員に「チャックイン時間は、だいたい2時間半前です」と無情の宣告。1時間くらいベンチでボーっとして過ごす。どこか売店を覗きたくとも荷物があるから離れられない。先ほどの警官は今では二階の位置に陣取って眼下の人々の往来に目を尖らせている。その目線に気付きもしない利用客がときどき軽々しく荷物を置き去りにし、案の定、頭上からの咆哮を浴びる結果となる。もちろん咆哮は咆哮なのでなんて言ってるのかは一向に理解できないのだけれど、怒られている本人はなんとなくテレパシーで分かるようで、打ちひしがれた表情で「分かりました」と最後は首をうなだれる。

チェックイン。カウンターの係員はトム・ヨークによく似た人だったが、別段ユラユラした話し声を駆使するでもなく、しっかりと明るい口調での対応。そして機内に持ち込める手荷物は一個までとのお決まりの説明を受ける。そのサイズには厳しい制限が設けられており、「あそこにあるボックスに入るかどうか試してみてください」と言われ、え、それ、どういう意味?と頭を悩ませていると、なるほど、そこには制限どおりの寸法で作られたプラスティックのボックスが備え付けられており、その上から手荷物を入れ込んで「はい、手荷物がちゃんと隠れました」と証明することで持ち込みが許可される、という大岡裁きにも似た寸劇がやりたいらしい。っていうか、こんなちっちゃなサイドバッグがNGなわけがねえ。ちなみに、このチェックを受けるまで、僕はそのボックスのことをゴミ箱だとばかり思っていた。

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