ステージを温めておく
結局、ステージでパフォーマンスを繰り広げていたミュージシャンの名前は分からなかった。MCは身体の大きな黒人の男で、「黒も白も金持ちも貧乏もない、みんな平等なんだ!」としきりに繰り返して観客を熱くさせていた。だがその直後、「ひとつジョークを言ってもいいか?」と問いかけ、「ノー!」と必死に声を上げる観客をものともせず、「バイクはどうして座って乗るかわかるか?」と切り出し、「それは、立って乗ると“TWO TYRE (too tired)”だからだ!」とのたまった。「オーッ!」と悲痛な叫びがそこかしこで巻き起こる。さっきまでの熱い雰囲気が台無しだった。
「ステージを温めておく」というフレーズはよく耳にするが、MCのダジャレを受けて登場したのは、ボブ・マーリーの息子、キマーニ・マーリーだった。
会場に歓声がこだまする。父にトリビュートを捧げるパフォーマンスの数々。それまで芝生に寝転がっていたオーディエンスが「おおっ!」っとステージ前に集結し、といっても激しい音楽ではないので、みんなで身体を揺らしながら、陽が落ちていく時間帯を泳ぐように体感した。
もうすっかりどこか見知らぬ草原にでもやってきたかのような解放的な気分だが、次の瞬間にハッとさせられる。
ここはロンドンのど真ん中なのだ。
| 固定リンク
「雑記in UK」カテゴリの記事
- UK日和(2006.08.31)
- いざ、レディングへ(2006.08.31)
- 天使のような子供たち(2006.09.02)
- バンクホリデーの過ごし方(2006.09.04)
- ノッティングヒル・カーニバル(2006.09.05)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137483/11779395
この記事へのトラックバック一覧です: ステージを温めておく:








