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2006/09/10

やったね、ジャ・ジャンクー(弟63回ヴェネツィア国際映画祭閉幕)

8月30日より11日間に渡って開催されていた弟63回ヴェネツィア国際映画祭が閉幕。『パプリカ』や『蟲師』といった邦画のコンペ出品も話題となったものの、多くのメディアはスティーブン・フリアーズの『The Queen』こそ本命と、その製作姿勢とクオリティを絶賛していましたが・・・果たして結果やいかに?

なんとサプライズ。中国映画『三峡好人(Still Life)』が金獅子賞を受賞しました。『プラットホーム』『青の稲妻』で有名なインディペンデント映画作家、ジャ・ジャンクーの作品です。ちなみに本作は映画祭コンペ部門のサプライズ・エントリー作品。そういえば昨年も『Takeshis'』がサプライズ・エントリーされてましたね。

『三峡好人』は、中国の三峡ダム開発に翻弄される人々を追った作品。94年に始まったこの世界最大規模のダム建設は、実に約113万人もの人々に立ち退きを迫り、彼らの人生を大きく変えていきました。激変していく中国の象徴をカメラに納め続ける、まさにジャ・ジャンクーならではの作品と言えるでしょう。ちなみに、2006年11月17日より開催される第7回東京フィルメックスでの特別上映が決定しています(11/17 18:30~)。もちろん、日本での劇場公開は決定済み。配給はジャ・ジャンクー作品ではお馴染みのビターズエンドです。

中国映画といえば、つい先日、ロウ・イエ監督が検閲を通さずにカンヌへ出品したとして5年間の映画製作禁止を言い渡されたばかりで、今回の受賞結果は暗にそれについての抗議を臭わせる、というのは明らかに言いすぎですが(笑)、ちょうど同じ時期に世界の注目が中国映画界に向けられることを考えると、そこで生じる世界中の微細な反応が中国映画人を救うための原動力になりうるかもしれません。

その他の主要賞は…

銀獅子賞(監督賞)アラン・レネ“Private Fears in Public Places”

主演女優賞 ヘレン・ミレン“The Queen”

主演男優賞 ベン・アフレック“Hollywoodland”

審査員特別賞 “Daratt”マハマット=サレー・ハルーン

ヘレン・ミレンの主演する“The Queen”は、こうタイトルだけ見ると、エリザベス1世が登場するような時代モノとも思われがちなんだけど、時代設定は意外や意外、1997年。それも衝突事故でなくなったダイアナ妃をめぐって騒然となる王室内で、ブレア首相とのやり取りを経てエリザベス女王がひつとうの決断にたどり着くまでを描いた作品。

英国のブレア首相は、まさに映画祭期間中に「1年以内に退陣しまーす」と宣言したばかり。ヴェネツィアでこの作品と共に退陣報道を知った人たちはデジャブでも見るように奇妙な気持ちに襲われたことでしょうね。

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