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2006/10/16

EYESCREAM発売中

USENより出版されている月刊マガジン「EYESCREAM」の11月号が、ただいま全国の本屋さんやレコードショップで絶賛発売中です。今月の表紙はダフトパンク。僕ってば、あのヘルメットかぶったダフトパンクさんたちの中身はてっきりロボットかなんかだと思ってたんですが、あれってちゃんと人間が入ってるらしいですね。そんでもってちゃんとインタビューにも答えたり、フォトセッションでもきちんとポージングしてるし、自分にとっては衝撃的な特集でした(そもそもダフトパンクはこんな風にあんまりインタビュー受けたりしないらしいですしね)。

それで、この号の中で僕がインタビューさせてもらっているのが、『紀子の食卓』の園子温(その・しおん)監督。この映画がかなり凄いことになってます。そもそもプチョン国際ファンタスティック映画祭で観客賞&主演女優賞(吹石一恵さん)を受賞したりと、国際的評価を勝ち得た作品ではあるのですが、だからといって一概に「すばらしい!」と賞賛できる作品というわけではなく、なんだか観終わってから3時間くらいは口が聞けなくなるような、中学生未満とあとおじいちゃんおばあちゃんには決して見せられないような、そんな衝撃的度合いの高い作品です。それでいて、この現代社会のカオスの中をもがき、苦しみ、鏡に映った自分の姿と全力で対峙するかのような“覚悟”を秘めた作品であることも事実。インタビューしているときに監督が語った次の言葉がとりわけ印象的でした。

「最初っから“成功作”を撮ろうなんてさらさら思ってないですね。そんな綺麗な枠におさまるくらいなら、失敗して枠からおもいっきりハミ出した方がどれだけマシなことか。そんな映画をこれからも作っていきたいですね」

いやあ、『紀子の食卓』はまさにそんな作品なんです。この2時間半の超大作は、そんじょそこらのありふれた才能、そしてありふれた商業的エネルギーでは到底成しえない価値観、世界観を観客に突きつけます。そしてそこで提示したものをそのまま自己完結で閉じてじまうわけじゃなく、しっかりと観客の手に結論を委ねている。

つまり、この先、現代を生きていくのは観客自身なのだと覚醒させる。実際、あの吹石一恵さんがクライマックスでは本当に物凄くシュールで凄惨な事態に陥ってしまうのだけれど、そこを突き抜けた暁には嵐の去ったような爽やかな余韻が待っている。そんな映画です。現在、東京は新宿K's CINEMAにて公開中。

ちなみにこれから年末にかけて園作品が怒涛の公開ラッシュを迎えます。11月11日からはオダギリジョー主演『HAZARD』がシアターN渋谷にて公開。12月下旬からは『気球クラブ、その後』が公開予定。

他にもいくつか映画レビューを書かせてもらってます。

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