『明るい瞳』
「300文字レビュー」とは、映画への想いをたった300文字に凝縮させる、とてもお手軽な文系スポーツ。というわけで、今回のお題は『明るい瞳』です。
この新人監督の名は必ず覚えておこう
突拍子の無い言動が周囲に煙たがられる主人公の女性。そんな彼女の「歩く」という行為が、いつしか「運転する」行為へと受け継がれ、中盤に「タイヤ交換」を迎え、それからまた「走り出す」。この連続性の中に遊び心が幾つも吹き込まれ、奇想天外な動作のもたらすハプニングの数々が不思議なリズムを生む。そして驚くべきことに、本作ではやがて言葉がほぼ消滅し、異国の森で会話がままならずとも心触れ合う男女の姿が浮き彫りになっていく。その光景は何か幸福なサイレント映画を観ているようでもあり、知らぬ間に僕らは、この生きにくい世の中でたったひとつのオアシスにでも辿り着いたかのような、とてつもない安心感に包まれているのである。
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明るい瞳
監督:ジェローム・ボネル
出演:ナタリー・ブトゥフ、マルク・チッティ、ジュディット・レミー
(2005年/フランス)アステア
9月1日より、渋谷シアター・イメージフォーラム他、全国順次ロードショー
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