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2007/06/10

『リトル・チルドレン』

「300文字レビュー」とは、映画への想いをたった300文字に凝縮させる、とてもお手軽な文系スポーツ。というわけで、今回のお題は『リトル・チルドレン』です。

卓越した手腕で描く、変則型ヒューマン・ドラマ

かつて怒れる神はノア以外のすべてを嵐で吹き飛ばしたというが、“大人になれない大人たち”がはびこるこの街でも、嵐は形を変え、確実に吹き荒れる。その前兆の窒息しそうな日常の中でふいに出逢い、激しい不倫に魅せられていく男女。そして事態が引き戻せない方向に進み始めたとき、ついにあの男が街にやってくる。瞬時に大パニックをもたらす彼の存在は、ワンアクションで嵐を巻き起こす神の域にも近いが、それ以上にフィクション上の大仕掛けを担っている点は見逃せない。彼を起点に物語がいかに興隆を帯びるのか。そして嵐の後、人々は何に気付くのか。ラスト10分、決して悲劇では終わらせまいとする作り手の強靭な意志に心底圧倒される。

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リトル・チルドレン
監督:トッド・フィールド
出演:ケイト・ウィンスレット、パトリック・ウィルソン、ジェニファー・コネリー
(2006年/アメリカ)ムービーアイ
7月28日よりBunkamuraル・シネマ、シャンテシネほか全国ロードショー

トッド・フィールド監督が本作で最も重要なキャストとして白羽の矢を立てたのが、長らく俳優業から遠ざかっていたジャッキー・アール・ヘイリー。子役時代には『がんばれベアーズ』でバイクにまたがって現われる不良少年役で注目されたものの、その後は不遇時代が続き、92年からはピザのデリバリーなど職を転々としていたが、やっぱり役者の道が捨てられず、『オール・ザ・キングスメン』(2006)で遂に念願のカムバック!続く本作では「心の襞(ひだ)までをも表現できる怪優」としてアカデミー助演男優賞にノミネートされるなどの高評価を獲得。現在45歳にして人生最高のスポットライトを浴びている。

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