ショートムービーが面白い!
参照リンク:短篇.jp
かつてエドワード・ヤン監督は、撮影現場でオペラやクラシックの音楽を聴いていたそうです。彼いわく、「全体の“構成”についてよく学べるんだ」。なるほど、クラシックの大曲やオペラの構成は、ちょうど長編映画の息の長さと共鳴するものがあるかもしれません。
とすると、「短篇映画」の位置づけは、さながらシングル曲、あるいはアルバムに収録された1つ分の楽曲にあたるのでしょうか。CD全体を聴くのであれば相当体力を消耗しますが、ほんの4、5分の楽曲ならば、手軽に何度も再生しちゃうってこと、よくありますよね。
目を見張るような職人芸でいつも丹精込めて作品を作り出す「短篇.jp」というショートムービー配信サイトがあります。そこのプロデューサーさんから、「また新たな作品たちが出来上がりました」とのメールをいただきました。
プロジェクトの立ち上げ当初からいろいろ作品を拝見しているのですが、今回お披露目になった6本は「短篇.jpルーキーズ」という枠組みで、まだ商業映画デビューを果たしていない若き才能を発掘するシリーズなのだとか。
世間では大容量のデータ通信が浸透し、youtubeをはじめ「ネットで映像配信」というメディア形態も珍しくはなくなってきましたが、そのコンテンツはどこかインパクト勝負的な空気で満ちています。まるでバブル崩壊寸前のお笑いブームのよう。しかし、「短篇.jp」で披露されている6本は、どれもそういう一瞬の夢のような快楽ではなく、もっとどっしりと映像と間向かって普遍的な表現形態を模索している感触を受けました。ネット環境に付随する「on/off」で好みの激しく二極化するユーザーの心にふっと入り込んでくるような瞬間がいくつも見受けられる。そういうときって、観てる僕らは、それがネットであろうとDVDであろうと劇場であろうと、メディアの垣根をグッと飛び越えるんですよね。
前述したプロデューサーさんから「監督にとって長編映画が“句点”なのだとしたら、それに代わる“読点”のような発表の機会があってもいいはずなんですよね」と聞かされたことがあり、その言葉がずっと耳に残っています。
CDアルバムの中の一曲分だからこそ出来ること。読点だからこそ挑戦できること。
もしもご興味ある方がいらっしゃれば、ぜひ「短篇.jp」へアクセスしてみてください。6本の作品は11月4日まで無料配信中です。また映像監督を志している方々、まだこの「ルーキーズ」シリーズは続くようですので、次のチャンスがあればぜひご自身の短篇企画を応募してみてください。
冒頭に挙げたエドワード・ヤン監督も、劇場デビュー作は4人の監督で織り成す『光陰的故事』というオムニバス映画でした。彼もアルバムの中の一曲、読点から第一歩を始めた人だったわけです。そこから始まる何かがきっとあるはずです。
そして観る側の私たちにも、そこでしか受け取れない“何か”がきっとあるはず。
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