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『ノーカントリー』

アカデミー賞 作品賞、監督賞、助演男優賞(ハビエル・バルデム)、脚色賞、獲得!

300文字レビュー」とは、映画への想いをたった300文字に凝縮させる、とてもお手軽な文系スポーツ。というわけで、今回のお題は『ノーカントリー』です。

この素晴らしき黙示録の世界で

80年代、テキサス。狩りの途中で無数の死体と大金を発見したモスは、衝動的に金を持ち去る。案の定、それを追って動き出す奇妙な殺し屋がひとり。彼の行く先で罪なき大勢が犠牲となり、また事件を追って老保安官までもが動き出すが…。コーエン兄弟の最新作は音楽や台詞をそぎ落とし、静寂の中でボシュッボシュッ(*)という音がこだまする。ヤツだ!ヤツが来た!このおかっぱ頭の殺し屋は、もはやハビエルにとって一世一代の当たり役。彼のもたらす緊張と弛緩が観客を極限まで翻弄する。モスは言う。「ヤツは悪の根源なのか?」いや違う、恐らく彼は悪でもあり、神でもある。そして、その得体の知れなさこそ、まさにこの映画。コーエン兄弟流の黙示録へようこそ。

(*)これがなんの音かは、口が裂けても言えません。

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ノーカントリー
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、
ウディ・ハレルソン、ケリー・マクドナルド
(2007年/アメリカ)パラマウント/ショウゲート
3月15日(土)シャンテシネほか全国ロードショー

『ノーカントリー』の原作は、コーマック・マッカーシー(「すべての美しい馬」など)による「血と暴力の国」です。お馴染み“このミステリーがすごい”最新版では12位にランキングしたこの奇妙な物語も、ひとたびコーエン兄弟の手にかかると久々に『ファーゴ』をも思わせる暴力と、可笑しさと、そして哀しいほどに人間味あふれる傑作に仕上がっています。

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受信: 2008年3月16日 (日) 23時47分