『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
アカデミー賞 主演男優賞、撮影賞、獲得!
「300文字レビュー」とは、映画への想いをたった300文字に凝縮させる、とてもお手軽な文系スポーツ。というわけで、今回のお題は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』です。
野心と愛憎とオイルにまみれた、怒涛の2時間36分!
まさに大胆不敵。『マグノリア』で現代の最重要映画作家のひとりとなったPTA(*)が挑むのは、一人の石油採掘師の不気味なまでに破天荒な人生だ。黙々とカットを繋ぐ序盤では確かな優しさを垣間見せていたデイ=ルイスが、やがて石油に黒くまみれ、愛憎の表裏一体化した怪物のように変わっていく。忍び寄る父と子の確執、そして兄と弟の猜疑心。物語が暗黒色を強める中、時折フラリと現れる牧師役ポール・ダノには要注意だ。穏やかな表情の裏側にとんでもない狂信を秘め、観客を仰け反らせること間違いなし。人はアメリカン・ドリームの前でかくも豹変する生き物なのか。これは石油をめぐる現代風刺でもあり、またそれを超えた壮大な人間ドラマでもある。
(*)もちろんポール・トーマス・アンダーソンの略
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス、ポール・ダノ、ケヴィン・J・オコーナー、
キアラン・ハインズ、ディロン・フレイジャー
(2007年/アメリカ)ウォルトディズニースタジオモーションピクチャーズジャパン
4月26日よりシャンテシネほか全国順次ロードショー
本作の原作であり、長らく絶版となっていたアプトン・シンクレアの「石油!」(1927年発刊)が復活!。『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』よりも更に長い大河ドラマを繰り広げています。なお、本作のサントラを手がけたのは、なんとレディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッド!不協和音と現代音楽をかき混ぜたような不気味な音色が圧倒的な映像世界を見事に盛り上げています。
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