『ジェリーフィッシュ』
「300文字レビュー」とは、映画への想いをたった300文字に凝縮させる、とてもお手軽な文系スポーツ。というわけで、今回のお題は『ジェリーフィッシュ』です。
イスラエルから新しい感性の胎動が聞こえる
新しい才能に出逢いたければカンヌの新人監督賞(カメラドール)に注目するといい。昨年はイスラエルの新鋭コンビがこれを受賞。まるで『マグノリア』を小さくしたようなこの群像劇は、「ウェイトレスと不思議な少女」「ハネムーン中のカップル」「フィリピン人ヘルパーと言葉の通じない老婆」の物語が同時進行し、やがて誰もが“海”や“船”のイメージに導かれ、人生という名の大海へ漕ぎ出していく。ウェイトレスは語る。「私達はしょせん第二世代なのよ」。なるほど、タイトルの“くらげ”のように瑞々しく、変幻自在。それは彼らの尊い可能性なのだ。争いの時代を超えて、この国を新たな芸術性で包み込もうとする新世代の挑戦が唯一無二の透明感を残す。(牛)
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ジェリーフィッシュ
監督:エドガー・ケレット、シーラ・ゲフェン
出演:サラ・アドラー、ニコル・ライドマン、ゲラ・サンドラー
(2007年/イスラエル=フランス)シネカノン
3月15日(土)より渋谷シネ・アミューズほかにて全国順次公開
カンヌ映画祭カメラドール受賞作を並べてみました。審査員の好みが先走りすぎたり、表現された感性があまりに新しかったりで日本未公開になるパターンも多いんですが、2005年の受賞作『君とボクの虹色の世界』や2003年受賞の『恋に落ちる確率』などは『ジェリーフィッシュ』と近しいものがあるのではないでしょうか。そしてカンヌに愛された映画人、河瀬直美監督の歴史が1997年にカメラドール受賞の『萌の朱雀』からはじまったことは言うまでもありません。
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