『アイム・ノット・ゼア』
「300文字レビュー」とは、映画への想いをたった300文字に凝縮させる、とてもお手軽な文系スポーツ。というわけで、今回のお題は『アイム・ノット・ゼア』です。
神様の人生を描くには、アヴァンギャルドな手法がよく似合う
ロックの神様、ボブ・ディランの人生が映画化!…といっても、そこでは名前も年齢も性別も違う6人の俳優たちがそれぞれ詩人、アウトロー、映画スター、革命家、放浪者、ロックスターとしてタスキを繋ぐ。まるで群像劇。でもこれらはすべて紛れもないディランの人生なのだ。一箇所に留まることを知らず、世界を変幻自在に渡り歩く存在。気がつくと彼はもう次なるステージへと昇っている。つまり、“He’s not there!”なのだ。彼のいちばんカリスマティックな部分を演じるケイトも印象的だが、急遽したヒースの体現する苦悩と孤独、それに黒人少年(彼もまたディラン)の神々しい屈託のなさが、ディランの知られざる側面に彩りを添える。
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アイム・ノット・ゼア
監督:トッド・ヘインズ
出演:クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、マーカス・カール・フランクリン、
リチャード・ギア、ヒース・レジャー、ベン・ウィショー
(2007年/アメリカ)ハピネット/デスペラード
4月26日より、シネマライズ・シネカノン有楽町2丁目ほか全国ロードショー
ボブ・ディランに関しては、マーティン・スコセッシが渾身の力を込めて撮り上げた3時間半のドキュメンタリー『ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム』や、ディラン本人が主演・脚本・音楽などを手がけたコメディ映画『ボブ☆ディランの頭のなか』などがあります。また最近では、『アヒルと鴨のコインロッカー』や『ラッキー・ユー』など、ディランの精神性が物語の重要な位置を占める映画作品も誕生しています。
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