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2008/11/18

アレックス・コックス来日!

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この人がいったい誰なのか、ひと目見ただけでピンと来たなら、あなたは相当な映画通です。彼こそ、5年の沈黙を破り新作を発表した“インディペンデント界の鬼才”アレックス・コックス!!

新作『サーチャーズ2.0』のプロモーションで来日したコックス氏。試写会後に「Q&A」が開かれました。どんなニヒルで刺々しい御仁なのかと覚悟していたら、写真のように穏やかで温かく、とにかく笑顔の絶えない方でした。

アレックス・コックスへのインタビューはこちら

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アップリンク配給のもと、2009年1月10日(土)よりアップリンクX、吉祥寺バウスシアター、横浜シネマジャック&ベティ他、ロードショーとなる『サーチャーズ2.0』。

これが相当な掘り出しモノというか、映画ファンの魂を貫く、エッジの効いた現代劇なんです。

下敷きになってるのがジョン・フォードの『捜索者(The Searchers)』。
(ただし、観たことなくても全然OK)

幼い頃、西部劇の撮影で精神的トラウマを受けたふたりの子役。
いまやすっかり中年になった彼らは、そのときの脚本家に復讐を果たそうと
モニュメント・バレーで開催される上映会の「Q&A」へとひた走る・・・

まさに血みどろ、爆発、銃撃のオンパレード

・・・という大方の予想を完全に裏切り、ここでは復讐をめぐる“オフビートなロードムービー”が繰り広げられていく。

そう、キーワードは「復讐」。

コメディという範疇の中で、とにかくこの復讐をめぐる
会話のキャッチボールがたまらなく面白いです。

9.11をきっかけに押し寄せてきた「目には目を」の価値観。
古典劇で描かれてきた因果応報的な復讐。
はたまた西部劇の勧善懲悪ぶり。

ヒーローとは一体何なのか?
復讐を遂げた者は、その報いを受けるべきなのか。

ゆるい空気の中にアレックス・コックス特有の
現代を鋭く見据えた批評眼が
手榴弾のごとく炸裂しまくってます。

何よりこの作品、
アレックス・コックスが自身のホームページで製作費を募ったという、まさに「2.0」な作りというのだから驚きです。今回このような体勢をしいた背景には、過去の映画作りの影響で(特に『ウォーカーズ』という作品)ハリウッドからの製作依頼が来なくなったという現状があるらしいのだが、本人はそれを痛手とも思っていないようで、

「新聞か何かで、ネット上で資金集めをしている人の記事を見て、自分でもやってみようと思いたちました。幸いロジャー・コーマンというビッグネームの協力も得られて、うまく進めていくことができました」

と朗らかに振り返って見せる。そして、イラク戦争、石油、資本主義、ブッシュ政権といったテーマを果敢に盛り込んでいく批評精神についてはこう真理を突いた。

「自分が外国人(イギリス人)であること、そしてこの映画がコメディであることが非常にうまく機能していると思う。コメディであれば何でも遠慮せずにモノが言えますからね(笑)。つまり、言いたいことがあれば、それを言えるような“環境作り”をするということこそ、表現者にとっていちばん重要なんです」

でも、これほど反骨精神にあふれた人でも、映画製作において自身を突き動かすものについて問われると、愛を告白するかのようにこう答える。

「映画をつくるのが、ただただ大好きなだけです。たとえお金にはならなくてもいい。私はきっとそういう人間に生まれついてしまったんです。どんな苦難の中であっても、同じスタッフや支援してくれる知人たちと一緒に仕事をしていくうちに、映画のことがどんどん理解できていく。それでまた、なおいっそう映画のことが好きになっていくんです」

まるで「結婚」や「夫婦」について語っているかのようなコメント。あふれんばかりの情熱が伝わってきました。

アレックス・コックスの映画愛に満ちた最新作『サーチャーズ2.0』、必見です!

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