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2009/02/27

『ザ・バンク 墜ちた巨像』

 カメラは神の眼だとよく言われるが、トム・ティクヴァの映像から感じるのはまさにそれだ。ヒンヤリと石の冷たさが伝わってくるヨーロッパの街並み。淡々と俯瞰される登場人物の運命。僕らが住む地上とはいささか次元を異にしたかのような研ぎ澄まされた静謐感に彩られ、『ラン・ローラ・ラン』『ヘヴン』『パフューム』をはじめとする主人公はみな、神の定めたルールの前にそれぞれの運命を粛々と遂行していった。

 そんなティクヴァが本格的なサスペンス・アクションに挑戦した。主人公はインターポールの捜査官。彼がその鋭い眼光で睨み付けるターゲットは、世界の権力を牛耳るべく違法行為に手を染めるメガバンクだ。その闇は深い。真実に近づいた者はすべて消され、証拠は隠滅。そして捜査側にも根回しが施され、上層部によって事件自体が無かったことにされていく。

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2009/02/24

試写日記 Feb.23

鳥籠のカナリアのごとく、皆さまに先んじて未知なる新作映画に飛び込んでいく日々。その直後のリアクションを、とりとめもなく、ただそのままの生々しさで綴っていきます。つまりはノートの切れ端にメモしておいた備忘録。
さてさて本日出逢った映画は・・・

『ある公爵夫人の生涯』と『オーストラリア』です。

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2009/02/23

全米ボックスオフィスFeb.20-Feb.22

さあ、いよいよあと数時間でオスカー授賞式が開幕。
その直前まで繰り広げられていた興業成績バトルも
オスカー効果で候補作品が軒並み元気。
それでも質さえ高けりゃ1位が獲れるってもんじゃあないのが
ボックスオフィスの奥深さであり、面白さでもある。
はたして今週のトップを制したのは・・・?

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2009/02/20

試写日記 Feb.20

鳥籠のカナリアのごとく、皆さまに先んじて未知なる新作映画に飛び込んでいく日々。その直後のリアクションを、とりとめもなく、ただそのままの生々しさで綴っていきます。つまりはノートの切れ端にメモしておいた備忘録。
さてさて本日出逢った映画は・・・

『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』と『愛を読むひと』です。

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2009/02/18

グラン・トリノ

 人生長らく連れ添った妻に先立たれ、マイホームにひとり取り残されてしまった頑固な爺様、ウォルト。それが今度のイーストウッドだ。朝鮮戦争へ従軍した過去を持つ。気性は荒々しい。二言目には悪態が飛び出す差別主義者、というか他人の成すことすべてが気に入らない。葬式中もこめかみがピクピクとうごめき、癇癪玉はもう発火寸前。こどもや孫たちも手を焼き、老後の面倒を誰が見るかでも「知~らない~」っと押しつけ合う。唯一、教会の神父が気にかけて訪ねてくれるが、「お前のような若造になにがわかるってんだ!」と追い返す始末。そんなジジイ。

 そんな彼にも宝物がある。ビンテージカー“グラン・トリノ”。天気の日には表に出して念入りに調整する。まさに完璧なフォルム。ピカピカの車体。軒先でビール片手にじっと見つめて、爺様ひと言。

 「完璧とはこのことだ・・・」

 そんな矢先、ウォルトは全く意図せずしてお隣に住むアジア系“モン族”一家の青年のピンチを救ってしまう。親戚一同から感謝されるウォルト。翌日に目が覚めると軒先にたくさんの感謝の品が並べられている。

 「やめてくれ、そんなつもりじゃなかったんだ」

 かくして、ウォルトとモン族の不思議な異文化交流が幕を開ける・・・。

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2009/02/16

全米ボックスオフィスFeb.13-Feb.15

不吉な13日の金曜日、そして翌日はバレンタイン・デー。
このホラーとラブの板挟みのごときタイミングに導かれ、
あのシリーズ最新作が一気に火を噴いた。
そのほか2つの新作が入り乱れる週末ボックスオフィス、
あるいは、観客と映画のランデブー。
はたしてそこに愛は生まれたのか?

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2009/02/12

全米ボックスオフィスFeb.06-Feb.08

緊急経済法案の採択に揺れるホワイトハウスをよそに
昨年の同時期に比べ40パーセント近くも売り上げを伸ばした週末興業。
それもそのはず、新作4本がランクインし、
ラブ、キッズ、コメディ、アクション、ホラーと
見事なほどバラエティに富んだランキングとなりました。

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2009/02/07

リチャード・ジェンキンス

 まずはアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされている5人を見てみよう。

 起死回生に燃える元米大統領リチャード・ニクソンを圧倒的迫力で演じた『フロスト×ニクソン』のフランク・ランジェラ。 アメリカ史上初めて同性愛者であることを公表した政治家ハーヴェイ・ミルクを体現した『ミルク』のショーン・ペン。80歳の身体で生まれどんどん若返っていく男の生涯を生きた『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のブラッド・ピット。身体の蝕まれた中年レスラーが再び人生のリングに挑もうとする『The Wrestler(原題)』のミッキー・ローク。そして・・・

 『The Visitor(原題)』のリチャード・ジェンキンス。

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『扉をたたく人 The Visitor』

 『扉をたたく人 The Visitor』はリチャード・ジェンキンスにとって初の主演映画である。長年に渡り名バイ・プレイヤーとして親しまれてきた彼は、本作ではじめて「自分がいなければ始まらない撮影現場」というものを体験したという。

The_visitor_2 

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2009/02/03

全米ボックスオフィスJan.30-Feb.1

不況になれば人々は映画館へと足を運ぶ?
その法則を裏付けるかのように、2009年1月のボックスオフィスは
チケット売り上げ10億ドルを達成。

そんな中、懸案の“ふとっちょ警備員”にストイックな蹴りを入れたのは、
“全ての主人公の師匠”とも呼ばれる、あの男でした。

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