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2009/04/02

『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』

つくづく奇妙な映画である。

ロマンティックな気分になだれこんで、一夜を共にするはずだった恋人たち。彼らが訪れた一軒家で事件は起こる。幽霊の怨念でもなければ、どこか異星からやってきた生命体による奇襲攻撃でもない。そこでは覆面を被った謎の訪問者<ストレンジャーズ>が、ドライブスルーに立ち寄りでもするかのように、意味不明の嫌がらせを繰り返すのである。

想像してほしい。

たとえばこんな覆面の男が、何の脈絡もなく、とつぜん家を訪ねて来るのだ。

Stranger01_2

本作は実際に起こった事件を題材にしているという。

その「実際」がこの覆面とどの程度結びつくかについては多少の手厳しい追究が必要になるだろうが、言うなれば『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』は「覆面」がすべてのホラー映画だ。

『13日の金曜日』のジェイソンから『スクリーム』のハロウィン・マスク男、『バットマン・ビギンズ』のスケアクロウ、それに『20世紀少年』の“ともだち”にいたるまで、覆面の放つインパクトは凄まじいものがある。さらに言えば、ホラー映画で如何なる覆面をチョイスするか?といった命題に打ち勝ちさえすれば、低予算であっても何らかの成果を納めうるのである。

「成果」と書いたが、本作を観た方は心底驚かれると思うけれど、この映画は実際に全米で大ヒットを納めた。

事実だけを伝えておこう。2008年5月30日に2466館で封切られた"The Strangers"は、オープニング3日間で2,100万ドルを売り上げ、週末興業成績ランキング第3位に初登場した。誰もがこの結果に目を疑ったに違いない。なにしろ1位に『セックス・アンド・ザ・シティ』、2位に『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』、4位に『アイアンマン』、5位に『ナルニア国物語2 カスピアン王子の角笛』がひしめく極度の激戦区である。これはちょっとした事件だった。

ボックスオフィスではたまにこのような異変が起きる。大作主義に飽き飽きした観客が逆行的に“珍味”を求めるのである。映画館が盛り上がっていてこそ成しえた奇跡。オルターナティブとしての立ち位置を"The Strangers"が一手に引き受けた、と解釈することも可能だろう。

本作は結局、4週に渡ってTOP10圏内にとどまった後、全米だけで興収5,260万ドルを計上した。製作費は900万ドルと言われているので、これはかなり効率的な稼ぎ方だ。これで気を良くしたのかブライアン・ベルチノ監督、"The Strangers 2"を構想中とも伝えられているが・・・老婆心ながら、それはやめておいた方がいい、とだけ伝えておく。

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ストレンジャーズ/戦慄の訪問者
監督:ブライアン・ベルチノ
出演:リヴ・タイラー、スコット・スピードマン、ジェマ・ワード、キップ・ウィークス
(2008年/アメリカ)プレシディオ

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