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2009/06/19

人生に乾杯!

おじいちゃんとおばあちゃんがこんなに元気だと気持ちがいい。

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1950年代、まだ社会主義下のハンガリーでエミル&へディは劇的に出逢いを果たした。ふたりはロミオとジュリエットのごとく、正反対の立場ながらも一瞬にして恋に落ちる。記念の品はあのイヤリング。

そして現代、すっかり老いさらばえたふたりは小さなアパートで慎ましい生活を送っていた。年金は些少。借金返済は滞る。そんな日々の果てにエミルはついに行動を起こす。たまりかねて銀行強盗に打って出たのだ。そんなじいさんギャングなど瞬時にして逮捕されてしまうか、と思われたが、あんがい作戦は成功。

その後夫婦は手を取り合って逃避行をはじめ、『俺たちに明日はない』のボニー&クライドさながらにどんどん襲撃を繰り返していく。これが可笑しいやら、可愛らしいやら。彼らの気持ちをよーく理解した市民らは糾弾するどころか、「いいぞ!いいぞ!」「そもそも政府が悪いんだ!」とエミル&へディを大応援。しかしなにせ高齢なので、匿ってくれる知人も少なければ逃げるスピードも遅い。そのうち警察による追跡はどんどん距離を縮めていき・・・はたして彼らはうまく逃げおおせるのか!?

アンタッチャブルで恐れ多い「ご老人」という存在をギャング団に仕立て上げてしまう潔さ。またこれを単なる寓話ではなく、母国の社会問題をも散りばめて戦後の社会主義国のたどった社会の変容ぶりをさりげなく集約させている点は巧みだ。また追う側の警察にも男女のもつれが存在し、ある意味、逃げる側のエミル&へディは夫婦生活に関する神々しいメンター(師匠)のようにも見えてくる。

ただこれだけディテールがしっかりしているのだから、個人的にはもうちょっとクライマックスで高く飛べたのではないかと高望みもしてしまった。

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Konyec
監督:ガーボル・ロホニ
出演:エミル・ケレシュ、テリ・フェルディ、ユーディト・シェル
(2007年/ハンガリー/107分)アルシネテラン

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