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2009/09/15

Aucshwitz2~格安フライトでポーランドへ~

「アウシュビッツ」という名前が頭に浮かんだ時に、僕はすぐにドイツの地図を広げていました。しかしそれはちゃんとした義務教育を積んできた大人ならすぐに間違いだと気付くはず(実際にはポーランドにあります)・・・10分後、まだドイツの地図を拡げて格闘を続ける僕がいました。

ナチス侵攻による侵攻後、ポーランドの南部に位置する「オシフェンチウム」は「アウシュビッツ」とドイツ風の地名を与えられます。その街に立ち並んでいた兵舎がポーランド人政治犯の収容所として最適と考えられその歴史が刻まれていきます。ヨーロッパ全土とのアクセスをたやすくする鉄道線が集中していたこともこの地が選ばれた大きな理由だったとか。のちにヨーロッパ中からおびただしい数のユダヤ民が運ばれて悲惨な運命をたどることになろうとは誰もが想像しえなかったことだと思います。

今回イギリスに滞在することが前提だった僕は別として、ただ単純に日本からポーランドを目指そうとすると少し厄介です。なにしろ日本からの直行便がないのですから。旅慣れた人は「トランジットでスキポール空港に5~6時間」などという試練にも笑顔で平静を装うのでしょうが…とにかくポーランドを目指すには、アムステルダムやロンドン、パリなどの空港を経由する必要があるわけです。

ただ、一気にポーランドへと飛ぶ強行軍を実施するよりは、どこかの国を経由して少しずつ歩を進めるのも各国の文化の違いに触れられて良いものです。それにヨーロッパには日本と違い格安の航空会社がいくつも存在します。いまや鉄道よりも飛行機でサッサと移動してしまった方が時間的にも金額的にも節約できる…そんな時代が到来したことに今回初めて気付かされました(もちろん国から国へのグラデーションを堪能できる鉄道の素晴らしさを否定するものではありません)。

これもEUがひとつの国家のようにまとまろうと努めてきた成果なんですね。

今回の僕は、ヨーロッパで庶民派の代名詞となった格安航空会社easyjetを使用(ヨーロッパではもうひとつライアン・エアーという航空会社が有名です)。ロンドンのルートン空港からポーランドのクラクフ空港までほんの2時間10分ほどのフライトです。

この航空会社は勝手さえ分かれば本当に有難い存在です。それでも初体験の利用者は誰でもかなり緊張を強いられることになると思うので、今回は以下、イージージェットについて書き残しておくことにします。以下アウシュビッツのことは一言たりとも登場しませんので、ご興味のない方は読み飛ばしてください。

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まず、格安なだけあって出発時間が極端に早かったり遅かったりします。今回の目的地、ポーランドのクラクフ(英語ではクラコウ、ポーランド語ではクラコフ)行きの出発時刻は朝の6時40分。その30分前には搭乗が締め切られるので、せめて1時間以上ほど余裕をもって到着しておくことが求められます。とくに空港によっては出発ロビーからモノレールなどでターミナル移動を余儀なくされたり(ロンドンのスタンステッド空港)、搭乗口まで歩いて20分くらいかかったりする場合(主要空港はどこでもそれくらいかかりますが)もあったりと、各空港に独自のトラップが仕掛けられてますので注意が必要です。

基本的にフライトに伴うチケットは事前にネットを通して購入。ロンドン・ルートン空港とポーランド・クラクフ空港は往復28000円ほど。これは時価です。チケットは発売開始と同時にまずは一番の低価格(それも嘘のような低価格)で売り出され、フライト当日に向けて徐々に値上がりしていくという販売スタイルです。つまり僕がネット上でこのチケットを購入したのはフライトの2週間ほど前でしたので、これ以降になるとこの価格はもっと高くなり(たった一日でボンと高騰することもあるそうです)、逆にこれよりもっと早ければより安くで手に入れることも可能だったということです。

現在、イージージェットのホームページではすでに2010年春の航空券が発売開始されていますが…いまの段階での予約だとやはり嘘みたいに安価です。お時間ある方はぜひ覗いてみてください。

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預ける荷物がなければネット上でオンライン・チェックインも可能。この日、手荷物がバック一個だった僕は、空港到着後そのまま「Departure」へと直行しました。

一方、荷物を預ける人はチケット購入時に有料申し込しておく必要があります(あとから空港でも直前申し込みできますが、料金が割高になります)。初期のイージージェットは荷物の預け入れが1個まで無料だったそうですが、現在では有料になっています。こんな具合にサービスは日々アップデートされます。昨日の常識が明日の非常識になっている可能性だってあります。ネットの普及により検索すると過去のものから最新のものまでたくさんの旅行記がヒットする時代になりましたが、それらを参考にされる場合は必ず書かれた日付、あるいは書き手の旅行実施日をご確認ください。(ここに記載してある旅行は2009年8月27日に実施されたものです)

付け加えておくと、ネット予約時に混乱してしまったのが"holding bagage"という言葉でした。

これは“預け荷物”に該当し、先述の有料申し込みの必要な荷物のことを指します。これに対してhand bagageというのが搭乗者が機内に持ち込む手荷物のこと。こちらは「既定サイズ内のもの1個まで」であれば課金されません。つまり荷物がこれ一個にまとまって、なおかつ事前にオンラインチェックイン済みであれば、出発当日、荷物のチェックイン(預け入れ)の列に並ぶ必要もなく、まっすぐ「Departure」に向かって、手荷物検査&ボディチェックに臨めるわけです。

搭乗券は自宅のプリンターで印刷しておいたペラッペラの紙切れ(ちゃんとBoading Passと書いてある)。「こんなんで本当に乗せてくれるのか?」と半信半疑で、しかも僕の搭乗券はプリンターの不具合で本来オレンジのはずのカラーがピンクになってしまっており、当日は時間もあったのでイージージェットのカウンターで「こんな色になったんだけど大丈夫?」と尋ねてみました。受付嬢はフッと笑って"It's fine"と返答(ああ、fineって「元気!」なだけじゃないんですね)。要はチケットにあるバーコードさえ読み取れる状態ならば大丈夫とのこと。無理にカラーじゃなくとも、白黒でもよかったんですね。ちなみに空港でもチェックインした人にはペラ紙ではない通常の(よく見かける)チケットが手渡されるようです。

空港係員による手荷物&ボディ・チェックを済ませると(英国を飛び立つ際には「出国」のスタンプは押されません)、出発ラウンジが待ち構えています。免税店などが並ぶこの場所で搭乗口が決定するのをひたすら待ち続けるのも通常の国際線と変わりません。ただ格安会社は搭乗ゲート決定もギリギリなので、アナウンス&モニター表示されるや否や、みんな一斉に搭乗口へ向かいます。そうして向かった先には、整然とした階級分けの世界が待っています。

イージージェットは全席自由席。座席は早い者勝ちです(乗客数が客席を上回るということはありませんのでご安心を)。しかし「ヨーイ、スタート!」で座席を奪い合われては容易に死者が出かねませんので、そこは階級制(?)によって最低限の秩序を保ちます。といっても人種や国籍による差別化ではなく、自分で印刷したペラ紙、あるいは空港チェックインの搭乗券に記載された「SA・SB」やら「A」やら「B」といった記号によってグループわけされ、列が出来上がっていくわけです。

我先に機内へ乗り込みたい人はネットでのチケット購入時に申し込みます(先の預け入れ荷物申し込みと同じ画面で、優先搭乗の項目にチェックを入れるだけです)。もちろん有料。しかし実際にはそれらの優先権にこだわる人も10人程度しかおらず、それも子供やご老人連れのご家族や、スーツ姿のビジネスマンくらいでした。

彼らが搭乗ゲートへと消えた後に、続いて「A」の入場。これはネットでチェックインした人に加え、空港でチェックインした人のうち先着30人に限られたグループです。最後に「B」。つまり、その他大勢です。

搭乗ゲートでは航空会社係員による最終確認が待っています。紙切れ搭乗券のバーコードをピッと読み取り、同時にパスポートチェックが行われます。そして肝心なのは機内持ち込み手荷物のチェック。機内持ち込みは決められたサイズのもの1個までと決められています。といっても係員が厳しい目つきでチラッ、チラッと眼で確認するだけなんですが、これが「大目に見てくれるだろう」といった伸びきった感じでいると余裕で呼び止められて追加料金をふんだくられます(そういった個別の追加料金によって成り立っている航空会社でもあるのです)。あと、リュックを抱えた人が呼び止められている姿をいくつか目撃しました。理由はよくわかりませんが、とりあえずバックパッカーはご注意ください。

これでようやく機内へ搭乗です。搭乗時にはちょっとした祭りみたいになります。

わっしょいわっしょい。

目の前に現れるのはジャンボジェットよりも一回りも二回りも小さい中型機。そこまで20~30メートル、歩いて向かいます。前からでも後ろからでも搭乗可能。自分の足でタラップを駆けあがり、フライトアテンダントにもう一度搭乗券を見せて笑顔で「ハロー!」。「OK」とか「Thank you」とか事務的な返事が返ってきます。高額な国際線とは違い、彼らは「このたびはご登場いただき…」など余計なことは口にしません。でもぶしつけなわけでもなく、むしろサバサバと軽快な感じにも受け取れます。画一化されたサービスというより、それぞれの個性が滲み出る接客といった具合。手厳しいフライトアテンダントにあたると、最初から最後まで「シートベルト付けて!」「リクライニングを元に戻して!」と学校の先生みたいに注意されます。僕の目の前で、「フライト中は電子機器は使わないでください」とアイポッドを取り上げられた青年がいました。3度目の注意で、フライトアテンダントもついに頭にきた様子でした。僕と隣の乗客は思わず「こっわー!」と顔を見合せてしまいました。

機内は日本の国内線やジャンボジェットで見慣れた「2・3・2」という客席の列配備とは違い、「3・3」です(通路は一本のみ)。ドリンク・サービスは有料。トイレも有…いえいえ、こちらは大丈夫、無料です。

そんなこんなで機体は定刻よりやや遅れてエンジン始動。ちなみに、安価なだけあって定刻よりも出発がだいぶ遅れたり、天候によってはキャンセルになった…なんて話もネット上でちらほら目にしました。どのフライトもそうですが、最後は天に祈るのみですね。

おおっと、中型機かつ使用空港も中型なせいか、離着陸時に機体がななめ10度くらい傾いたり、無闇やたらと揺れたりもします。幼児が多いとちょっとした地獄(?)かと思われるほど阿鼻叫喚の渦に包まれますが、あなたが大人ならば、きっと大丈夫。

以上、長くなりましたが、easyjet体験記でした。興味がある方はぜひ渡欧時にこれらの格安航空を気軽に利用してみてください。きっと驚くほど行動範囲が広がるはずです。

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