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2010/02/02

さよなら試写室

都内にある試写室の古株だった映画美学校試写室が、京橋再開発計画にともなう片倉ビルの取り壊しにより姿を消すことになりました。
伝え聴いた話だと、1月27日のマスコミ試写『ランニング・オン・エンプティ』がラスト(もしかするとその後にも関係者上映があったかも)。

これは居ても立ってもいられぬと、すべての仕事を放り投げて試写へ駆けつけ、終映後のスクリーンに幕が下りた状態を「火の落ちた」と呼ぶのかはしらないが、とにかくその光景を一枚カメラに収めて、「ありがとう」とつぶやきながらその場を後にしました。

Preview_2

ラストで観た『ランニング・オン・エンプティ』は、おそらく生涯忘れられぬ映画となることでしょう。『まだ楽園』(2005)で注目を浴びた佐向大監督の商業映画デビュー作。愛する人が囚われの身となって「金を用意しろ」と要求されてもなかなか身を入れて走りだそうとしない男と、その男に何を求めているのかだんだん分からなくなってくる女と、それを傍観する男の兄貴の物語。またはその3者間を伝書鳩のように飛びまわる役者・杉山彦々。それぞれがエンプティの上でキリモミしながら全然前に進めていない虚しさに、富永作品でおなじみの撮影・月永雄太が切り取る映像がスローモーションで絡みついていくような作品でした。

Front_4

試写室のある片倉ビルは1922年に建築された由緒ある建造物。東京の街並みからまたひとつ、なじみの風景が消えていきます。

京橋再開発後のイメージはこのようになるみたいです。

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