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2010/04/27

ヒックとドラゴン

北米の週末興業成績ランキングにて1位へ再浮上を果たした"How to Train Your Dragon"。日本では『ヒックとドラゴン』という邦題で8月に公開となる。
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猫も杓子も3Dという時代が訪れているが、実はこの『ヒックとドラゴン』について言えば、オープニング成績はあまり芳しいものではなかった。たしかに鳴りもの入りで封切られた『アバター』やティム・バートン&ジョニー・デップの知名度が光る『アリス・イン・ワンダーランド』、それに血沸き肉踊る『タイタンの戦い』などに比べると、『ドラゴン』の第一印象には熱狂性の薄さがある。少なくとも3Dに“リアルなもの”を求める大人たちは、3等身のキャラクターたちが駆け回る3Dアニメという形態に時代の逆行感を抱いてしまうかもしれない。

この抵抗感はあくまで推測の域を出ない。しかし実際問題として、本作のオープニング興収を受けてドリームワークス・アニメーションの株価は8%下落した。ほんの一瞬ではあったが、市場は緊張し、3D映画の未来に影を投げかけた。。。

が、結論から言うと、『ヒックとドラゴン』は素晴らしい作品だった。試写しながらずっと「そうそう!この感じ!」と心の中で叫び続けていた。『アバター』以来すっかり忘れかけていた3Dの陶酔感をようやく取り戻せたような気がしたのだった。もっと言うと、ドラゴンにまたがって空を駆け回るシークエンスで思わず感極まって泣きそうになった。急降下する風圧が3Dメガネ越しにビュンビュンと吹きつけてくるかのようで、バーチャルな息苦しさすら覚えた。

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自分たちの生活を守るために日々ドラゴンと闘わざるを得ないバイキングたち。その最大の勇者とも言える父の背中を仰いで育ちながらも、その能力が発揮できない青年ヒック。村人からも「あいつはダメなやつだ」と笑われる。そんなある日、彼は、翼を痛めた「謎のドラゴン」に遭遇する。ヒックが変わり者であるように、そのドラゴンも他とはちょっと変わっているようだった。変わり者のふたりは次第に心を通い合わせる。そしていつしか、ふたりは大空を駆けまわる友人となっていた。。。

ドラゴンは一言も言葉を発しない。その表情や仕草で感情を伝える。その表現力の豊かさ。さすが『リロ&ステッチ』の監督が手掛けただけある。そして圧倒的にアクロバティックなクライマックスを経て、エンディングに流れるのは、あの聞きなれた歌声。これは・・・アイスランドのバンド“シガーロス”のボーカル、ヨンシーじゃないですか!北欧つながりとはいえ、このドラゴンの疾走感と彼の歌声は神秘的なまでに相性が良く、またも心の中の陶酔が立体的に膨張していくのを感じた。
 
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