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2010/04/02

SRサイタマノラッパー2

「一生大切にしたくなる」 そんな安易かつ率直な言葉でしか片づけられない映画が年に1、2本ずつくらい増え続け、やがて僕の脳内は借金がかさんだみたいにそれらの記憶で一杯になるだろう。それでもなお今の想いは、もう、プロポーズにも似たこの言葉でしか、片づけられないのだ、メーン!

というのも、イマジカでこの映画を試写。

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『SRサイタマノラッパー2 ~女子ラッパー☆傷だらけのライム~』。ほんの軽い気持ちで観に行ったのに、早くも歴史の証言者になった気分だ。情報に敏感な映画ファンはすでに第1弾が口コミで評判を高め異様なヒットを記録したことをご存じだろう。今度の舞台は群馬だ。主人公もガーリーだ。かつて高校時代に自分の夢や希望をライムに刻んで歌う楽しさを知った5人の女子たち。いまや20代後半になって、出口の見えない冴えない暮らしを送る彼女らが、再び等身大の想いをフリースタイルでぶちまける。

まさにエミネム主演の『8マイル』in GUNMA。あるいはヒップホップ映画の傑作『ハッスル&フロウ』featuring女子ラッパー。

ここには豪華なステージなど存在しない。彼女たちのラップはお世辞でも上出来とは言えないし、最初はどこか違う国の言語を無理して着込んだような、ぎこちない印象を受ける。でもこれが、いつの間にか心地よく耳に響いてくる不思議。うまくなくったって想いが伝わることもある。いや、むしろそのぎこちなさやズレこそがリアルな生活臭を生み出し、行間を読むかのように彼女たちの想いが流れ込んでくる。物理的なステージなど存在しなくていい。ここでは日常そのものがステージであり、ひとりひとりの人間がパフォーマーなのだ。

とくに噂で聞いてたラスト5分(10分?もう時間を忘却した)の長回しは圧巻だった。これこそ壮絶なるラップバトル。日常との闘い。よくもこんなシーンを創出できたものだ。もはや演技やパフォーマンスを楽しむといった次元ではなかった。スクリーン上で巻き起こるうねりをつぶさに体感する勢いだった。しまいにはボロボロ泣けて、メガネをかけずに観る3D版『アバター』みたく、スクリーンが滲んで歪んで見えた。けど想いは分厚くドカンと伝わってくるんだよな。

ほんとうに素晴らしい映画は、視覚効果など使わなくとも、観客の心に立体的なインパクトを与えるもの。まさにその典型のような作品だった。SAY HO~!

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