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2010/05/28

ぼくのエリ/200歳の少女

昨年、イギリスで観て衝撃を受けた北欧ホラー。まったく、こんな映画と出逢ってしまうと、他の凡庸な映画群が陳腐に思えてくるから困る。海外の批評家にはこの作品を年間のNO.1に挙げる人も少なくない。そのレビューも「衝撃的。そしてなおかつ、心をえぐられる繊細さに満ちている」という点で共通している。

Lettherightonein_2 
原作はヨン・アイヴィデ・リングヴィスト著「モールス」(←リンクは拙ブログのBOOKレビューに飛びます)。彼は今回、自らの手で本作の脚本をも手がけている。

この映画の新しさは、まずその主人公が12歳の男の子というところにある。学校でいじめられ、両親は離婚。やり場のない感情を、彼は孤独にナイフを木に突き立てることで紛らわせる。そしてふと人の気配に気付く。後ろのジャングルジムに女の子が立っている。「エリ」と名乗る彼女の正体は、ヴァンパイアだった。。。

スウェーデンの真っ白な雪景色の中に血しぶきが飛ぶ。時おり目を覆いたくなるような残酷な描写も登場する。しかしすべては12歳という繊細な年頃に寄り添い、一貫して狂おしいまでの美しさに満ちている。まさにダーク・ファンタジーと初恋メロディの合わせ技。そこにやはり、雪に閉ざされた空間がもたらす北欧独自の人間性が色濃く刻まれている。

Let_the_right_one_in_2
原題は"Let the Right One In"(正しき者を招き入れなさい)。すでに大詰めを迎えているハリウッド・リメイクのタイトルは"Let Me In"。『クローバー・フィールド』のマット・リーヴスが監督を務めており、オリジナルで“パパ”と呼ばれる人物を、リメイク版では『扉をたたく人』のリチャード・ジェンキンスが演じている。これは非常に面白いキャスティング。シンプルな物語を重層的に膨らませる重要な役だけに、彼のアプローチが楽しみだ。

日本では7月公開。これは見逃さない方がいい。

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