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2010/05/21

赤ちゃんをも魅了する"Babies"

地元密着型の映画館に足を運ぶと、大声や騒音を出してもOKな"Big Scream"上映を見かけることが多々ある。そのほとんどは赤ちゃん連れのママさんたちが子供をあやしたり、授乳したりしながら気兼ねなく観賞するためのものだが、とはいえ、親も子も揃って楽しめる作品ってのは案外少ないものだ。

その点、現在アメリカで公開中の赤ちゃんドキュメンタリー"Babies"はまさに打ってつけのプログラムと言える。

Babiestrailer
先日お伝えしたように、溜息が出るほど可愛らしい予告編の力も相俟って、公開されるや否や“母の日”を挟んで密かなブームとなった本作だが、興収的にはそれほど爆発的なヒットを飛ばしていないにしても、ひとつ確かなのは、日ごろあまり映画館へ足を運ばないお客さんがこの映画には格別の興味を抱いているらしいということだ。

AP通信の記事によると、現在、上に掲げたような"Big Scream"上映が全米各地で開催されているという。中には地元の赤ちゃん用品店などがスポンサーになるケースも多い。何よりも微笑ましいのは、本作が幼子たちにとっての記念すべき“映画館デビュー作”となっていることだ。上映中もスクリーンを食い入るように見つめ、自分よりもやや小さい赤ん坊が巨大縮尺で映写される姿を指さして、「だー」とか「あー」とか、いちいち反応するのだそう。なんて可愛らしい。。。

これよりもうちょっと年長さんになると、今度は自分の見知っている生活との差異に関心がいくようだ。世界4つの地域に生まれ落ちた赤ん坊たちをフィーチャーしながら紡がれる本作だが、たとえばモンゴルの赤ちゃんがタライで水浴びしていると、背後からヤギが忍び寄り、ちゃっかり水を飲んじゃったりもする。誰も動じない。さもそれが日常の風景であるかのようだ。

Babies_3
また、ナミビアで暮らす赤ちゃんはオムツなど装着していない。あちらは子だくさんなので、時には年長の赤ん坊が年少の赤ん坊の面倒を見る場面に出くわすこともある。

そして客席でこういう場面に心奪われている幼子の中にも、親の妊娠によって近々お兄ちゃんになったり、お姉ちゃんになったりする子がいるわけである。赤ちゃんが赤ちゃんを見つめる。このメタ赤ちゃん学によって、彼らが生命の尊さ、兄や姉としての責任感について何か感じ取ってくれれば、と願うのは親として当然の想いだろう。

ちなみに、本作の劇場公開にあたってのレイティングは"G(誰でもOK)"ではなく、"PG"(親の指導が必要)。理由としては"Cultural and maternal nudity throughtout"とあるが、これをあえて明記するのは野暮な気もする。。。

けれど年長の子の親たちは、上映中の我が子の様子から「ああ、これは上映後、質問攻めにあうだろうな」と直感するという。妊娠、出産、それぞれの国の文化や風土、はたまた男女の身体の違いについて。。。これらの素朴な質問に曖昧に返すよりは、何らかの指針を持って真摯に答えてあげた方がいいのだろう。そして親子で観賞する際には初めからその態度を明確にして臨んだ方が良いのかもしれない。

つまり、結局はレイティングの示す通り、“親の指導が要求される映画”と言えるようなのだ。

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