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2010/05/10

ザッツ・マジックアワー

2度のオスカー受賞、現アカデミー協会副会長。。。そんな偉大な父トム・ハンクスの影に隠れ、どう贔屓目に見えても派手とは言えない息子コリン・ハンクス。そんな彼が実生活で“結婚”という名の主演の座に立ったという。お相手は、亡き母と同じ“サマンサ”という名のパブリシスト。これは素直にめでたい。ということで、婚礼を祝して、彼の代表作にして日本未公開作「ザッツ・マジックアワー/ダメ男ハワードのステキな人生」をご紹介。

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本作でさえもコリンは受け身だった。つまり引き立て役。映画の中での彼は、ジョン・マルコヴィッチ演じる奇術師バック・ハワードの付き人としてアメリカ津々浦々を営業して回る。その大半は田舎町だ。観客も中高年が多い。

このハワードってのがよくわからないやつで、バッタもん臭さをプンプンさせながらも、いざショウが始まると、オールド・スタイルの奇術で観客をそこそこに楽しませ、最終的には拍手喝さいを浴びる。これには舞台袖に控えるコリンも「ほー!」と感心してしまう。「派手さは無いが、それなりに凄い」と。お言葉ですが、それはそのまま、俳優コリンに対する世間一般の評価でもあるんですけど。

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っていうかマルコヴィッチも、よくぞこんな役を承諾したものだ。彼はときどきこういった変な役、変な演技に好んで身を捧げるところがある。『マルコヴィッチの穴』然り、『バーン・アフター・リーディング』然り。

そんな真偽不明の彼がひとたび催眠術をかけると・・・

Great_buck_howard_2_5
あらら、このとおり???
ますますもって才能の真偽のほどは分からずじまい。
ちなみに本作は、ショーン・マッギンリー監督がその若かりしときに実際に付き人をしていた“とある奇術師”をモデルにしているのだそう。

人には誰でも、ひとつやふたつ、自分の理解を越えた不思議な存在を、不思議なまま残しておきたいという願望がある。幼いころに見つけた謎の洞窟は謎なままで今も変わらず故郷に存在していてほしいし、絶対カツラだと噂されていた高校教師の素の姿など今さら見たいなどとは思わない。魔法は魔法のまま、ずっと効力を保ちつつ、記憶の中で輝き続けてほしい。

本作のマルコヴィッチ&コリンにもそれと同じものを感じる。ほんの束の間、魅了し、魅了された関係性。これは本当に取るに足らない映画だが、油断して見ているとミョーに人生の普遍性に触れる瞬間がある。

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本作のプロデューサーを務めたトムも、ちゃっかりコリンの父親役として登場。ずっと伏せ目がちだったコリンの胸中にはどんな想いが去来していたのだろうか。 


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