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2010/05/14

パリより愛をこめて

タイトなアクションの詰まった『96時間』でスマッシュヒットを飛ばした監督ピエール・モレル&脚本リュック・ベッソンのコンビが、間髪いれずに新たなアクションを起動させた。前作ではリーアム・ニーソン演じる主人公が中盤からパリへ殴りこんできたが、今回は完全にパリのみが舞台となる。

さぞや大ヒットを飛ばすことだろう、と期待して全米ボックスオフィスの結果を眺めこんでみた。が。。。今回はかなりの不発だったようです。2月公開ながら、いまだ世界の興収を合わせても製作費の5200万ドルをカバーできていない。うーん、なにか重大な失敗をしでかしてしまったのだろうか???

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とまあ、観る前から半分“駄作”と踏んで臨んでしまった自分がいたのも事実だ。最初の方のややもたついた展開にも「ああ、やっぱりね」と何度もニヤついた。辛口を気取ってどんな欠点をも見逃さないぞという気分で95分をやり過ごした。そして出た結論は。。。これ、軽~く見る分には意外と面白い!

ジョナサン・リース・マイヤーズ演じる大使館員にはCIAエージェントとしての裏の顔がある。聞こえはカッコいいのだが、でも実際に回ってくる仕事は車のナンバープレートを取り換えたり、盗聴器を仕掛けたりと地味なのばっか。「もっとスゴイ仕事くださいよ~、オレ、ぜったいやりこなしてみせますから!」と必死でアピールする彼。その数日後、願いは叶った。携帯電話の指示では「すぐに空港へ行け」と言う。「お前のパートナーがやってくる。ふたりで任務を遂行せよ」と。

そこで出逢った相手こそ、このオッサン。

2010_from_paris_with_love

コイツが出てきた瞬間にすべてのツジツマが合った。なぜ全米で沈没したか。それはジョン・トラヴォルタがあまりに濃すぎるキャラだからに決まってる。普段の容姿&演技でも濃いのに、本作ではなぜかスキンヘッド!これじゃあ『バトルフィールド・アース』並みじゃないか。みんな予告編やポスター見ただけで胃もたれして、心の中で「ムリ!ムリ!」と叫んだことだろう。

でもオッサン、がんばった。リース・マイヤーズだけだと単調だった流れが彼の登場でグングン勢いを増して暴走特急のように転がっていく。観光客の絶対に訪れないパリの危険地帯を、アジア系からアラブ系まで世界地図をめぐるみたいに西へ東へと大忙し。飛び散る弾丸。築かれる死体の山。もう『ブロークン・アロー』や『フェイス/オフ』のジョン・ウー演出をもう一度、ってな感じで、トラヴォルタが巨体をヨイショと浮かせながら、アクロバティックな銃撃戦を繰り広げる。わーこれはジョン・ウーの足元にも及ばないが。。。でも胃もたれを通り越して笑えてきた。そして気持ち良くなってきた。

まあ、確かにツッコミどころは多々あるが、常々バディ・ムービーの楽しさを忘れていた気がする。任務のためなら人殺しも辞さないアメリカ的なご都合主義=ひとつのファンタジーに身をゆだねる楽しさを忘れていた。これはたかが95分の身分相応のアクション映画でしかないが、どこか懐かしい香りさえ漂う。

気軽な「パリ裏街道の旅」と捉えればそれなりに楽しめるはず。間違っても『007/ロシアより愛をこめて』と比較しないで。タイトルで意識はしていても全くの別物だから。

007

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