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2010/06/05

ルンバ!

厳しさを増す一方の映画業界に、ひとりの天使、いや道化師、しかも3人、が現れた。本当に、よくぞこんな素敵な映画を見つけ出してくれたものだ。

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こんな感触は初めてだった。ベルギーから届いたこの異色のコメディにはほとんどセリフが無い。言葉は無いが、アクション(動き)がある。観客は彼らのコミカルでしなやかな身体の動きに誘われて、彼らが仕草だけで交わす感情表現の渦にすっかり惹きこまれてしまう。いつもよりも10倍くらい右脳を使っている感じ。まるでバスター・キートン、ハロルド・ロイド、チャップリンら、無声時代の喜劇王たちの精霊が彼らのもとへ降り立っているかのよう。ただしここにはモノクロでなく、ポップな色彩が溢れているのだけれど。

パリで道化師になるために勉強していた3人の男女がタッグを組んで製作、監督、脚本、出演をこなした。中でもメインとなる男女(ドミニク・アベル&フィオナ・ゴードン)は実生活でもパートナーだという。それゆえコンビネーションの良さは格別だ。

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ルンバ大好きの小学校教師夫婦が、ダンス大会(優勝)の帰り路に事故に逢い、二人して二度とルンバが踊れないほどの重傷を負う。。。というお話。しかし本作は一瞬たりとも絶望を匂わせることなく、悲劇のそばからコミカルな日常を丹念に積み上げていく。笑っていいのか、哀しんでいいのか。その感情のせめぎ合いの部分で独特の浮世離れしたテイストが生まれていく。これは正直、クセになる。

しかも7月31日から東京で封切られる本作は、嬉しいことに同じ3人組の初長編作『アイスバーグ!!』(2005)も同時上映されるという。つまり日本初上陸のこの機会に、僕らは2本立てで彼らの才能の目撃者となれるわけだ。合計すると上映時間は3時間近く。これは休日の過ごし方としてあまりに幸福と言わざるを得ない。

僕は平日の試写で2本続けて拝見したが、帰りの電車の中でずっとニヤニヤ笑いが止まらなかった。それどころか終始身体がウズウズして、些細な電車の揺れにも必要以上のオーバーアクションを取ってしまう自分がいた。また、そんな自分が決して嫌いではなかった。

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ベルギー映画と聞いて思い出すのはここら辺が関の山なのだけれど、まさか『ルンバ!』や『アイスバーグ!』のような最終兵器が潜んでいようとは。。。

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