« ミレニアム2 火と戯れる女 | トップページ | リトル・ランボーズ »

2010/07/17

ストーンズ・イン・エグザイル~「メイン・ストリートのならず者」の真実

2010年カンヌにおけるミック・ジャガーの登場は、大スター不在にあえぐ映画祭の“ハイライト”として華々しく報じられた。彼が携えたのはストーンズが自ら製作し、スティーヴン・キジャックが監督を務めるドキュメンタリー作「ストーンズ・イン・エグザイル」。本作は「監督週間」にてお披露目され、貴重な未公開映像と興味深いエピソードの数々に観客は酔いしれた。その作品が超スピードで日本到着である(7月12日~劇場公開、7月後半にはDVDリリース)。これは嬉しい。現在公開中の『パリ20区、僕たちのクラス』ですら、カンヌ最高賞受賞から丸2年も待たされたというのに。

Stones
ストーンズの映画といえば、一昨年には巨匠マーティン・スコセッシ監督が自ら入念なリハーサルのもと撮り上げた彼らのライブ映画『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』も話題になった。本作はそれらとは一線を画し、数々の未公開映像と共にストーンズの輝かしい軌跡のワンシーンを再訪する。

時代を遡ること40年前、英国で大きな成功を収めていたストーンズはウィルソン政権下で自分らに掛けられた所得税93パーセント(!)に辟易して国外へと飛び出す。亡命先はフランス。この新天地で試行錯誤の末に生まれたのが「ダイスを転がせ」を含む2枚組アルバム「メイン・ストリートのならず者」だ。これについて著名人たちが語る。「あれは名盤だよ!」 「いや、実際、あまり評価は高くなかった」 続くスコセッシのコメントが、本作の幕開けにふさわしい祝辞となって響く。

「あの頃、彼らに戻るべき場所などなかった。その焦りが音楽へと照射され、この異色なアルバムが生まれたんだ。。。」

これはストーンズがまだ「生きる伝説」と称される以前の物語だ。若さを持て余し、奔放な生活に溺れ、危ない香りのパーティーを開催して警察に目をつけられたりもする。だが、やっぱり何よりも彼らは生来のミュージシャンなのだ。いつしかメンバーは本能的に楽器を手にし、それぞれに音色を奏ではじめる。ここからは鋭意集中の時間である。これらの創作風景や、音作りの役割分担、クリエイティブな人間関係を垣間見ることは、あたかも歴史的瞬間を目の当たりにするような、心地よくも敬虔な気持ちを呼び起こしてくれる。

ストーンズはどうして今になってこんな作品をこしらえたんだろう。もういい歳したおじいちゃんなので、早々に歴史を編纂する必要性を感じたのだろうか。

その答えはいつも哲学者のような相貌のチャーリー・ワッツの口から語られた。

「まあ、いいじゃないか。遠い過去の記憶から学ぶことはたくさんあるものだよ」

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

【TOP】【レビュー】【TWITTER

-------

|

« ミレニアム2 火と戯れる女 | トップページ | リトル・ランボーズ »

【ドキュメンタリー万歳】」カテゴリの記事

【音楽×映画】」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137483/48897111

この記事へのトラックバック一覧です: ストーンズ・イン・エグザイル~「メイン・ストリートのならず者」の真実:

« ミレニアム2 火と戯れる女 | トップページ | リトル・ランボーズ »