« トイレット | トップページ | 全米興行成績Aug.27-29 »

2010/08/29

ファンタスティック Mr. Fox

何を今更と言われるかもしれないが、飛行機のなかでウェス・アンダーソン監督作"Fantastic Mr.Fox"を観た。

Fantasticmrfox

原作は「夢のチョコレート・工場」や「ジャイアント・ピーチ」などの児童文学でもおなじみ、ロアルド・ダール。これが奇才ウェス・アンダーソンの手にかかると、『ザ・ロイヤル・テネンバウムス』『ライフ・アクアティック』の文脈にピタリとはまるストップモーション・アニメへと様変わりするのだから本当に驚かされる。

父さんギツネの声を演じるのはジョージ・クルーニー。母さんギツネにはメリル・ストリープ。冒頭、押し入った農場で罠にかかり天井からは鉄柵がガチャン。閉じこめられたふたりは焦るどころか、ここぞというタイミングで人生の方向性を決定づける重要な会話を交わす。「わたし、赤ちゃんができたみたいなの」「そうか。。。」 それから2年後、ふたりの暮らしにはひとりの少年が加わっている。反抗期なのか、オリジナルすぎるのか、とにかく扱いに困る奇妙な少年。それが彼らのひとり息子、Fox.Jrだった。

あまりにゴーイング・マイ・ウェイな父親と、彼の注意を惹きたい息子、それに付かず離れずの母親。家庭の事情で一時的に面倒観ることになった親戚の子供。周囲の奇妙な仲間たち。いつしか近隣する3軒の農場との大戦争が勃発し、彼らは一致団結して事に当たろうとするのだが。。。

ほらね、やっぱりいつものアンダーソン節。アンダーソンと彼のコラボレーターのノア・バウムバック手がける脚本は、すべてのキャラクターが彼らの過去作品からせり出してきたかのよう。この造形といい、動きの軽妙さといい、会話の練り込まれかたといい、一瞬一瞬にお家芸が尽くされて思わず溜息と笑いがこぼれる。

『ライフ・アクアティック』ではヘンリー・セリックの担当したストップ・モーション・アニメ部分に“ジャガー・シャーク”という伝説の生き物が登場する。対して本作では“オオカミ”がその役目を担っている。また、ウェス・アンダーソン作品ではときどき手を肩から天高くサッと挙げる合図が見られるのだが、このとき交わされるのもそれと全く同じものだった。このさりげない合図が、遠く離れてたかと思われたふたつの異なる存在を瞬時にして結びつけるのだ。

間違ってもアンダーソンの作品は宗教臭くない。が、それらは小さな小さなコミュニティにおける人間と神の対話のようにも感じられ、ちょっとだけ敬虔な気持ちに包まれた。

この記事が参考になりましたら、クリックのほどお願い致します。

TOP】【レビュー】【TWITTER

|

« トイレット | トップページ | 全米興行成績Aug.27-29 »

【家族でがんばる!】」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137483/49287140

この記事へのトラックバック一覧です: ファンタスティック Mr. Fox:

« トイレット | トップページ | 全米興行成績Aug.27-29 »