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2010/08/16

ヤギと男と男と壁と

歴史は周期で巡ってくる。そして人類はその節目節目にヤギを生贄に捧げてきた。戦争→反省→価値観の多様化→その揺り戻し。。。多分この繰り返しは何百世代続いてもずっと辞められないのだろう。本作はそういった歴史の過渡期を生き抜いた軍隊男たちの、嘘のような、本当の物語。

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時はベトナム戦争直後。人々があまりに多くの死体と血のしぶきに身をさらし、もうほとほと嫌になっちゃった頃合いに、あるニューエイジかぶれの男が軍隊の改革を訴える。最初は祈りやと瞑想といったスピリチュアルな方法論でラブ&ピースを標榜していた彼らだったが、次第に体内のフォースを操れば「カベを自在にすり抜ける」「眼力だけでヤギを殺す」といったスペシャルQの技が実行可能だとして、その実態が「超能力部隊」へと変貌を遂げていく。またその能力部隊をダークサイドに導く隊員もいたりして。。。

それから数十年後、イラク戦争を取材中の記者はとある不審な男に遭遇する。かつて超能力部隊の逸話を聞かされたことのある記者はピンとくる。これは奴だ。あの、とんでもない部隊の生き残りだと。どうやら男は何かの絶対的な感覚にしたがってこの砂漠地帯までやってきたようだった。記者はそれに随行して、謎の超能力部隊について明らかにしようと試みるのだが。。。

冒頭からして衝撃的だ。『アバター』の無慈悲な筋肉バカ将軍を演じたスティーヴン・ラングのドアップで幕を開け、至って真面目な顔をした彼がいきなり壁に向かって全力疾走…そして・・・!こんな感じで名優たちのちょっとイッちゃった表情と動きが鮨詰めにされたコメディ、といったところか。でもそれ以上に何かスクリーンを越境して胸に飛び込んでくるモノがあっただろうか、と振り返ってみる。

…ごめんなさい。よくわからない。タイトルも、題材も、キャストも全てがガッチリと固められ、魅力的。だが、それらがすべてスクラムを組んでぶつかっていったとき、その帰結部分で肝心のボールが一向に見当たらない。観客として必死に探してはみたのだが、そのままボールが見つからないまま、ゲームセット

物語について語るときによく「着地点」と人は言う。だがこの映画は文字通り、飛んでっちゃうのだ(それが許されるのは『赤い風船』と『天空の城ラピュタ』くらいだろう)。砂塵を撒き散らして上昇するヘリを見上げながら、「おいおい~!」って気持ちに陥った。そして恐らくユアン・マクレガーも、あの時、似たような気持ちだったと思うのだ。

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