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2010/09/30

十三人の刺客

この映画がヴェネツィア国際映画祭で上映された折、海外のメディアは「サプライズ満載のカルト監督が王道の時代劇アクションを作り上げた」と褒めたたえ、これを三池崇史の色が薄まったものと曲解した僕は、上記の批評に「だが・・・」と注意書きが続いていることに気づいていなかった。

「だが、カルト色は少なからず存在する」と。

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2010/09/29

スター・ウォーズ復活!

ジョージ・ルーカスがついに決断をくだした。

海外の映画メディアが一斉に報じ始めた情報によると、長らく3Dスクリーンが全世界に浸透するタイミングを見計らっていたルーカスは、この機にいよいよ『スター・ウォーズ』シリーズ6作品をすべて3Dコンバージョン化&劇場公開する意向を固めたという。

まずは2012年の早い段階で『ファントム・メナス』3Dが封切られる。THRによるとその後は、毎年連続で1作ずつ残りのシリーズが公開されている予定だという。また他のメディアでは「2作目以降の公開時期はまだ未定」と書かれているものもある。ここらへん、すべては『ファントム・メナス』の反響次第ということになるのだろう。

長らくシリーズの3D化を構想してきたジョージ・ルーカスは、『アバター』のクオリティの高さを目の当たりにしたときにようやく「機が熟した!」と確信した、とも言われている。

また、本作が封切られる頃は家庭用3Dテレビもかなりの割合で普及し始めているに違いない。おそらくルーカスはこのタイミングも考慮に入れているのだろう。劇場公開のみならず、本作の3D版ソフト販売が更なる市場の起爆剤となることが期待される。

基本となるものは同じでも、こうして映像の形態が様変わりするたびに少しずつアップデートを遂げ、永遠に観客を魅了しつづける。。。これぞ「永遠の名作」にのみ追究することを許された“使命”なのか。

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モリアーティ教授役決定?

正式なスタジオ発表ではないので、あくまでタイトルは「?」で締めてみた。

Ratino Reviewが関係者から入手した情報として『シャーロック・ホームズ2』でホームズの宿敵となる“モリアーティ教授”のキャスティング結果を明かしている。曰く、前々からウワサに昇っていたブラッド・ピット、ではなく、ダニエル=デイ・ルイスでもなく、コリン・ファースでさえなく。。。最終的にこの重役を担うことになったのは、TVドラマ「マッドメン」に出演し、『ハリー・ポッター』シリーズで初代ダンブルドア校長を演じた大俳優リチャード・ハリスの息子でもあるジャレッド・ハリスとのこと。

Harris

知名度がイマイチなので、ちょっと心配なのだが。

1961年ロンドン生まれ。アメリカの大学を卒業後、ロンドンに戻ってロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで研鑽を積む。96年の『アンディ・ウォーホールを打った男』でウォーホール役を演じ注目を浴び、そのほかの出演作に『スモーク』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』「フリンジ」『ハピネス』『レディ・イン・ザ・ウォーター』など。

『シャーロック・ホームズ2』をめぐってはオリジナル版『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』のノーミ・ラパスの出演やホームズの兄マイクロフト役にスティーヴン・フライが決定するなど、キャスティングも大詰めを迎えていた。ホームズ&ワトソン役にはお馴染みロバート・ダウニーJR.とジュード・ロウ、監督は前作同様、ガイ・リッチーが務める。

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2010/09/28

『スーパーマン』監督候補に新たな名前

『バットマン』シリーズのクリストファー・ノーラン指揮下で進められている『スーパーマン』の再起動計画。

つい先日にもノーランが温める監督候補者リストについてお伝えしたばかりだが、ここで挙げられていた名前に加え、いつの間にか『ザ・タウン』の好調なベン・アフレックと、これまた『ブラック・スワン』でアカデミー賞レース参戦が期待されるダーレン・アロノフスキーが候補入りし、ベン・アフレックに関しては早々にその意志がないことが明らかになった。

候補者をもう一度まとめておくと、『月に囚われた男』のダンカン・ジョーンズ(彼はデイヴィッド・ボウイの息子でもある)、『アンストッパブル』のトニー・スコット、『ガフールの伝説』のザック・スナイダー、"Battle:Los Angesl"のジョナサン・リーブスマン、"Let Me In"のマット・リーブス。これに加え、新候補アロノフスキー。

そもそもダーレン・アロノフスキーは、その昔、ノーランに先駆けて『バットマン』再起動の可能性を真剣に模索していたことがある。が、方向性の違いにより監督を辞退。その後、彼が敷いた方向性にノーランが乗っかって開発を進め、結果的に『バットマン・ビギンズ』で大ブレイクした。

この大チャンスを逃したアロノフスキーの運命は対象的だった。彼はフォックスで手掛けた『ファウンテン』で大コケを喫してしまうものの、しかしこの映画をきっかけに唯一無二の伴侶レイチェル・ワイズと結ばれる幸運を手にすることができた。世の中は本当に、不思議な必然で満ちている。

監督候補に挙がっている面々は誰もが天才ばかりだが、アロノフスキーとノーラン、ふたりの共闘も見てみたい気がする。

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サウンド・オブ・ミュージック45周年

今なお人々を魅了しつづける名作ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』が世に出て45周年。この節目を記念して、10月29日オンエアーの「オプラ・ウィンフリー・ショー」にて当時の出演者が一堂に会することになった。

The_sound_of_music
同作で家庭教師マリア役を演じたジュリー・アンドリュース、トラップ大佐クリストファー・プラマーをはじめ、当時の子役たち、さらには今なおご健在のトラップ一家メンバーを含むコーラス・グループ"The von Trapp Children
"の歌声も披露される予定だという。

ジュリー・アンドリュース(10月1日で75歳になります)は98年の声帯手術後、人前で歌声を披露する機会はほとんどなくなったものの、00年以降も『プリティ・プリンセス』や『シュレック』などに出演、最近では"Tooth Fairly"や『シュレック・フォーエバー』にも名を連ねている。

対するクリストファー・プラマー(現80歳)は昨今、映画界には無くてはならない存在感を示す重鎮と化している。『Dr.パルナサスの鏡』では期せずしてタイトルロールを演じ、『カールじいさんの空飛ぶ家』では屈折した老冒険家チャールズ・F・マンツの声を演じ、そして『終着駅 トルストイ最後の旅』ではロシアの文豪トルストイその人を演じてアカデミー賞助演男優賞候補となった。

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ただし、『サウンド・オブ・ミュージック』は歴史を生き抜いた当人たちからするとかなりエンタテインメント化されたフィクショナルな物語で、虚構と事実との狭間で家族が思い悩んだ部分も大きかったと伝え聞きます。これらをまた別の角度から知りたい方にはドイツ製作の映画『菩提樹』、『続・菩提樹』やマリア本人が執筆した書籍などがお勧めです。

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『パイレーツ』の強力タッグ、再び?

2007年に『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールズ・エンド』を手掛け、現在はパラマウントにて2011年公開のアニメーション作品"Rango"を準備中のゴア・ヴァ―ビンスキー監督。こちらの作業がようやく山を越えたのか、このたびDeadlineがそのまた先の企画について報じている。

それはラジオ&TVシリーズ「ローン・レンジャー」の再・再映画化。ジェリー・ブラッカイマーが製作を担い、ジョニー・デップが「インディアン、嘘つかない」のセリフで有名なトントを演じることでディズニーが長らく調整を進めてきた作品だ。これに現在交渉中のヴァ―ビンスキーが正式に加わると、晴れて『パイレーツ・オブ・カリビアン』旧3部作の最強チームが復活することになる。

Loneranger

ちなみにジョニー・デップは"Rango"でも声優を務めており、アンジェリーナ・ジョリーとの共演作"The Tourist"、"The Rum Diary"『パイレーツ・オブ・カリビアン4』、ティム・バートンとの再タッグ作"Dark Shadows"なども控えるなど、この先も待機作、準備作が盛りだくさんだ。

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2010/09/27

全米興行成績Sep.24-26

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Sep.24-26 weekend 推計

01 Wall Street: Money Never Sleeps (-) $19.0M
02 Legend of the Gurdians (-) $16.3M
03 The Town (↓) $16.0M 
04 Easy A(↓)$10.7M
05 You Again (-) $8.3M
06 Devil (↓) $6.4M
07 Resident Evil:Afterlife (↓) $4.9M
08 Alpha and Omega (↓) $4.7M
09 Takers (↓)$1.6M
10 Inception(↓)$1.2M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

Wall_street
■『ウォール街』の続編となる『ウォール・ストリート』がNo.1を獲得。『ワールド・トレード・センター』『ブッシュ』と史実を最速でスクリーンに投影させてきたオリバー・ストーン監督が、23年前のテーマ“Greed(強欲)”を再び蘇らせ2008年の金融危機の渦中へ鮮やかにぶちまける。

■ストーン作品としては『ワールド・トレード・センター』を凌ぐ最高のオープニング興収ではあるものの、名作の続編、そして首位作品としてはやや弱い数字か。ただし、劇場に足を運んでいる客層の65パーセントは30代以上で占められており、これらの中高年層は初週以降にゆっくりと足を運ぶ傾向にあることから、今後の興収の下げ止まりにも注視したいところだ。出演はマイケル・ダグラス、シャイアラブ―フ、ジョシュ・ブローリン、キャリー・マリガン、それに前作のチャーリー・シーンもカメオ出演している。

■若きフクロウの冒険を描く『ガフールの伝説』は3D作品としては期待外れの数字となった。製作費は8000万ドルとも伝えられている(ロイターによる数字)。芸術性の高いCG描写と鮮烈なバイオレンスとの合わせ技が持ち味のザック・スナイダー監督だが、本作は“ファミリー向け”なのでどうかご安心を。

■先週の覇者"The Town"は2ランクダウン。だが、通常は平均50パーセントほど下落する2週目の週末興行でも下落率33パーセントという驚異のしぶとさを見せつけ、口コミ効果がかなり浸透してきていることを示している。製作費は3700万ドルだが、早くも累計は5000万ドルに達しようというところ。続く4位の"Easy A"も下落率40パーセントに押しとどまり思わぬ強さを見せた。製作費800万ドルながら既に累計3200万ドルを突破。

■さて、TOP10より下位には全米4館で限定上映のはじまった"Waiting For Superman"が1館当たりのアベレージ35250ドルという高い数字をはじき出している。『不都合な真実』のデイヴィッド・グッゲンハイムによる最新ドキュメンタリー。今回はアメリカの教育問題に切り込んでいる。本編中にてインタビュー出演するビル・ゲイツはこの映画の理念に深く共鳴し、サンダンス映画祭をはじめとする上映会に自ら足を運び人々の注目を集める役を買って出ている。

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ホームズの兄貴役が決定!

着々と進む『シャーロック・ホームズ2』のキャスティングに新たにホームズの兄貴マイクロフト・ホームズが加わった。演じるのは英国人俳優にしてコメディアン、スティーヴン・フライ。最近ではTVシリーズ「BONES」でもお馴染みの顔になってきた。一部で驚かれているのは、彼がこのキャスティング情報をBBCのラジオ番組で明かしたことだ。自他共に認める"Twitter王子"だったはずなのに。。。

Stephenfry

彼が演じるマイクロフトといえば、ホームズにも増して頭脳明晰で、それゆえ変人度も高い人物。政府における謎のポジションに従事し国家を動かす程の影響力を持つとも言われる。映画版では広場や群衆が大の苦手な人物としても描かれるとか。

『ホームズ2』をめぐってはつい先日にも『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』のノーミ・ラパスの出演が決まったばかり。そろそろ宿敵“モリアーティ教授”キャスティングも大詰めを迎えている頃だろうか?

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マイクロフト登場回としては、「ホームズ最後の挨拶」の中の一編「ブルース・パーティントン設計書」が有名。

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俳優組合、異例の勧告

アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダをはじめとする各国の各種俳優組合が、『ホビット』に関して組合員に異例の勧告を出した。その要旨は「これは組合不在の作品です。くれぐれもこの仕事を請け負わないように」というもの。

組合側の主張によると、ニュージーランドで製作中の『ホビット』製作陣は、オーストラリアのMedia Enterrtainment and Arts Alliance(MEAA)傘下にあるNZ Actors Equityが求めてきた俳優たちの労働条件に対して長らくNOを唱え続けてきており、ここにきて組合側が国際的なネットワークを用いて大規模な抗戦に打って出た構えとなる。

対する『ホビット』側はピーター・ジャクソンが直々に声明を発表。曰く、「我々は俳優との独自の契約のもとでやっている。断わっておくが、私はハリウッドの監督協会にも製作者協会にも所属しており、アンチ組合派の人間ではない。それでもこのような流れに至っているのには理由がある。そもそもニュージーランドに2000人の俳優がいるとして、その中でNZ Actors Equityに所属しているのはそのたった10%に過ぎない。俳優たちの権利を守る組織としてその役割はあまりに脆弱だ。

今回の一連の動きは(オーストラリアを本拠地とする)MEAAがニュージーランドにおいても組合員を増やすべく本作をあえて槍玉に挙げたものと思われ、我々は断じて承服しかねる。何なら今後、本作をニュージーランドでなく、ヨーロッパで撮影することも考えられ得る」との趣旨を展開している。

と、僕自身、きちんと論旨を掴めているのかどうか。とにかくこのピーター・ジャクソンによる抗議文は恐ろしく長い。それでいて彼は彼なりに「俳優たちに敬意を払っている」ということらしい。詳細にご興味あるかたはDeadline Hollywoodの記事を参照されたし。

つまり今回の騒動は、俳優組合というものが充分に根付いていないニュージーランドにおいて俳優たちの権利をどのように守っていくのかという論議をめぐる衝突といえそうだ。

MGMの経営難に加え、今回の組合騒動。『ホビット』はもはや不滅のサウロンの呪いがかかっているとしか思えない。関係者およびに観客は、今まさに、真っ暗闇の道程を明るく照らし出してくれる白のガンダルフの登場を心待ちにしていることだろう。

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2010/09/25

『ミレニアム』俳優、『ミッション4』へ

The Hollywood Reporterによると、ブラッド・バード監督作『ミッション:インポッシブル4』に、スウェーデン版『ミレニアム』で主人公のジャーナリスト“ミカエル”役を演じたミカエル・ニクヴィストが出演するとのこと。それも主要な悪役のひとり、として。

製作を務めるJ.J.エイブラムスとトム・クルーズらは前作『ミッション3』でも悪役にフィリップ・シーモア・ホフマンというアクション映画とは完全に無縁の存在を起用して話題を呼んだ。実は『ミッション4』のキャスティングにおいては、『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』のタイトル・ロールを演じたノーミ・ラパスも出演がウワサされていたのだが、まさか“ミカエル”のほうに決まるとは、スペシャルQな決着でした。その代わり、ノーミは『シャーロック・ホームズ2』への参加が決定している。

パラマウントがトム・クルーズのカリスマ性への陰りを危惧して様々な憶測が飛び交った『ミッション4』だが、今のところ、『ハート・ロッカー』でオスカー候補となったジェレミー・レナーが2枚看板の一翼を担う形で参入、そのほかポーラ・パットン、ウラジミール・マシュコフ、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグらの出演が決まっている。2011年12月16日公開。

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ピクサー初の女性監督

THRによると、ピクサーは13本目の作品、"The Bear and the Bow"のタイトル改め"Brave"に初の女性監督を起用する。彼女の名はブレンダ・チャップマン。これまでのキャリアを振り返ると、98年にドリームワークスで『プリンス・オブ・エジプト』を監督するほか、『カーズ』『ライオン・キング』『美女と野獣』などで物語の骨格づくりに参加し、その他の作品でも作画部門に名を連ねるなど、技術的&統括的な立場で作品を俯瞰できる存在であることが頷ける。

本作の主人公はおてんばお姫様。ただひたすらアーチェリーの腕を磨きたいと願う姫がくだした一つの決断が、思いもよらず父の治める王国に重大な事態をもたらしてしまい・・・。

声の出演はリース・ウィザースプーン、ビリー・コノリー、エマ・トンプソン、ジュリー・ウォーターズほか。全米公開は2012年6月15日。あれっ、いま同じピクサー作品"John Carter of Mars(アンドリュー・スタントン監督)"の全米公開日を確認したら、これも2012年6月8日だって。。。まあ、1年半ほど先のことなので、製作の度合いを見て日程の調整をしていくのかもしれませんね。

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2010/09/24

キックアス少女、エミリー役に

DeadlineTHR情報によると、『キック・アス』で超絶少女“ヒットガール”を演じたクロエ・モレッツが、現在映画化の進められている「エミリー・ザ・ストレンジ」のタイトル・ロールを演じることになりそうだ。ユニバーサルとダークホース・エンタテインメントが製作を務める。監督、脚本はまだ決まっていない。

ロブ・レジャー率いるコズミック・デブリスが1993年にクリエイトしたこのキャラクターは、ステッカー、Tシャツ、絵本、コミックなど、多岐にわたりその世界を広げていったことで知られている。日本では書籍版の翻訳を宇多田ヒカルが手掛けたことでも話題になった。

なお、クロエ・モレッツは『ぼくのエリ/200歳の彼女』の米リメイク"Let Me In"やマーティン・スコセッシが手掛ける3Dファンタジー『ユゴーの不思議な発明』などに出演するなど、2010年はまさに“ヒットガール”の魅力そのままの活躍ぶりで映画界を駆け抜けている。

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新生スーパーマン企画に動き?

『バットマン』シリーズ、『インセプション』のクリストファー・ノーラン&エマ・トーマス(彼らは実生活のパートナーでもある)が“godfather(どういうわけか、どのメディアもこの表現を使っている)”的立ちまわりで新たな生命を吹き込もうとしている「スーパーマン」企画にようやく動きが見え始めた。

Deadline Hollywoodのマイク・フレミング氏によると、現在ふたりは監督候補として『アンストッパブル』のトニー・スコット、"Let Me In"のマット・リーヴス、"Battle: Los Angeles"のジョナサン・リーヴスマン、『月に囚われた男』のダンカン・ジョーンズ、『ウォッチメン』のザック・スナイダーらをリストアップしており、この中の数名とはすでに話し合いを開始している模様。この先、数週間以内には最終的な候補を絞り込み、スタジオ側に提出する予定だという。

以前、スタジオ側がギレルモ・デル・トロの起用を望んでいる、との声もあったが、これがどうなったかについては詳細がつかめていない。なお、スタジオ側は2013年になると「スーパーマン」の映画化権を失効してしまうゆえ、この権利を生かすには12年中に新作を発表することが求められる。

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『キングス・スピーチ』予告編、登場

トロント国際映画祭でピープル・チョイス・アワードを受賞し、アカデミー賞レースでも本命枠出走が期待される"The King's Speech"の予告編が登場した。→本作は邦題『英国王のスピーチ』として2011年2月28日より公開です。拙ブログのレビューはこちら

期せずして(次男なのに!)王座に就くことを強いられた不運な男が、吃音障害に悩みながらも戦下の英国でラジオから壇上から力強い言葉を絞りだし、懸命に国民を励まそうとする物語。『シングルマン』のコリン・ファース主演。

時を同じくして、デビッド・フィンチャーの仕掛ける『ソーシャル・ネットワーク』を目にした人々が大絶賛の声を上げ始めている。これら2作が、今年から来年にかけての台風の目となることだろう。

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2010/09/23

アンジー初監督作、主演女優決定

AP通信情報。現在着々と準備が進められているアンジェリーナ・ジョリー初監督作の主演女優が決定した。現在27歳のボスニア人女優で、名前をZana Marjanovic(ザナ・マルジャノヴィチ)という。2008年のカンヌ批評家週間グランプリを受賞した"Snow"という作品で国際的に知られているとか。

Snow
彼女はすでにアンジーの手掛けた脚本に目を通しており、「すばらしい!」と手放しで称賛。年末からハンガリーとボスニアで行われる撮影のことが待ちきれないとも語っている。本作はボスニア紛争の渦中で繰り広げられるボスニア人女性とセルビア人男性のラブストーリー。タイトルは未決定。

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怒れるマット・デイモン映像

休日の午後に、こんな動画はいかがですか?
もう2年くらい前に、ABCの「ジミー・キンメル・ライブ」にて繰り広げられたマット・デイモンVSキンメルの飽くなき闘争劇。これで世間のデイモンに対する“優等生”的先入観は一変したとも言われています。

恋人に裏切られたジミーがついに逆襲(?)に打って出たのがこちらの回。

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『ディスタービア』訴訟に決着

2007年公開の『ディスタービア』がヒッチコック映画『裏窓』のパクリであると訴えられていた件に決着がついた。司法が下した結論は「類似点はあるが、著作権侵害にはあたらない」。

そもそも『裏窓』はコーネル・ウールリッチによる短編小説が原作で、今回の訴状も1968年に死去した彼に代わる著作権管理者によって提出されていた。原告によるとヒッチコックの『裏窓』は適切にこの原作の映画化権を取得して製作されているという。

『ディスタービア』は、とある事件をきっかけに自宅から出ることをを禁じられた青年(シャイア・ラブ―フ)が自部屋から双眼鏡で付近住民の生活を覗き見る中で、世間を騒がせている失踪事件の犯人と思しきあやしき隣人を発見し、限定空間にいながらにして彼との直接対決を余儀なくされていく物語。

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ドラゴン・タトゥー関係者がデマを否定

まだ公開前の『ソーシャル・ネットワーク』が大絶賛どころか「オスカー確実!」とまで叫ばれ始めているデイヴィッド・フィンチャー。そんな彼の次回作となるのリメイク版『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』に関して、ここ数日、各メディアは「タイトル・ロール役を演じるルーニー・マーラが重傷?撮影延期?」とのウワサを駆け巡らせていたようだ。

しかしここにきてDeadline Hollywoodの記者マイク・フレミング氏が関係者に話を訊いたところ、マーラは3週間前のバイク運転時に転倒したものの、その後の様子ではまったく問題ないようだった、とのこと。撮影は10月2日ごろより再開される。

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2010/09/22

スコセッシ演出のTVドラマ、好調な滑り出し

マーティン・スコセッシによるTVシリーズ進出作として注目を集めていた"Boardwalk Empire"。言わば巨匠のメンツをかけたこの闘いが9月19日のHBOの初回プレミア放送(スコセッシ自らが演出)によって切って落とされ、巨額を投じて彩られた華々しいセットと重厚な人間模様(への期待)が480万の視聴者を魅了した。これは同社のTVドラマとしては2004年の"Deadwood"以来の記録的数値だという。

Boardwalkempire
これに気を良くしたHBOは早々にシーズン2のゴーサインを出したそう。初回放送時点でのこの決断はとても珍しいことだという。機会があればもう幾つかエピソードを手掛けてみたいとも語っていたスコセッシだが、さてアンコール登板はあるだろうか?

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巨匠の息子、英国史の暗部に迫る

英国には孤児たちにまつわる哀しい歴史があるのをご存じだろうか?

19世紀、政府は移民プロジェクトの一環として、身寄りのない子供たちを秘密裏にオーストラリアをはじめとする英国連邦諸国へと移住させることを決めた。そうすることで植民地における白人層の割合を増やそうと考えていたのだ。

新鮮なオレンジと気持ちのいい陽光を約束され、各地の孤児院から送りだされていった数多くの子供たち。その実、輸送先で待ち構えていたのは、劣悪な住居環境、強制労働、飢え、暴力、虐待にまみれた生活だった。そして驚くべきことにこれらの政策は1970年代まで続いていたという。子供たちは3歳になると「あなたのご両親は亡くなった」と吹きこまれ、拒否権もなく遥かの地へと旅立っていった。多くの子供たちの人生がこうして無惨に失われていった。英国政府、豪政府がこれらを公式に謝罪したのはつい最近のことだ。

Orangesandsunshine_2
この問題に、巨匠ケン・ローチの息子、ジム・ローチ(41歳)が切り込んだ。英国Gurdianによると、初長編監督作"Oranges and Sunshine"は、1980年代を舞台に、
この移民政策を語る上で欠かせないひとりの女性、マーガレット・ハンフリーズをメインに据えた映画だという。ソーシャルワーカーだった彼女がこの政策を歴史の明るみに引きずりだし、政府を力強く批判し、かつて強制的に引き離された数多くの家族の人生に関わってきた。『奇跡の海』のエミリー・ワトソンがマーガレット役を演じている。

もちろんマーガレット・ハンフリーズは今も健在だ。彼女は当初、被害者の心の痛みをいたずらに蒸し返すかもしれない映画企画に難色を示していたという。だが、ジムは父親譲りのひたむきさで8年に渡り彼女と交渉を続け、ようやく承諾を得た。彼女は非公式のアドバイザーとしてジムに協力し、つい先週、初号試写を目にした際、自分の判断は間違っていなかった、と感じたそうだ。

今秋開催のローマ映画祭の上映作品としても選出されている本作は、英国本国で来春公開予定。また、この苦難の歴史を実際に体験した人々を招いての上映会も企画されているという。英国人でなくとも少なからず衝撃を受ける近現代史の1ページ。これをめぐる本国、そして世界の反応に注目したいところだ。

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2010/09/21

伝説監督の一作、解禁

伝説のインド人監督として知られ、1992年に没した後もなお多くの観客を魅了しつづけるサタジット・レイ。そんな彼の手掛けた作品群の中にはインド国内で長らく上映禁止の憂き目にあってきたものもある。"Sikkim"と呼ばれるドキュメンタリーがそれにあたる。そしてこのたび、インド政府によって本作の禁が解かれたことがサタジット・レイの遺族によって明かされた。

Satyajit_ray_2
BBCがその詳細を伝えている。

そもそも"Sikkim"という作品は、今から40年前、レイが当時ヒマラヤに存立していたシッキム王国の王様の依頼を受けて観光PR目的で製作されたものだった。しかしその完成作を目の当たりにした王とお妃は大変驚き、不快感をあらわにしたという。それはレイがこの王国の美しさと共に、王宮の裏側で貧しい人々が食べ残しを奪い合う陰の情景さえもが刻印されていたから。王はレイにこれらの場面をカットして作りなおすように命じたという。

だが、その後ようやくレイが作品を手掛け終えようという頃、情勢は大きく変わっていた。1975年、インド軍がシッキム王国に侵攻し、この地を併合してしまったのだ。そして併合直後のデリケートな地域情勢ゆえ、インド政府はシッキム民の反応を警戒して本作"Sikkim"に上映禁止処分を言い渡してしまった。サタジット・レイの長男サンディップによると、その後はごく限られた私的上映を除いてはインド国内で人々の目に触れる機会は一度も無かったという。

そこにきて、今回の解禁である。併合から35年後、ようやく歴史のほとぼりが冷めたということになる。

現在、世界で残存の確認されている本作のプリントはアメリカとイギリスに1点ずつ。解禁後初となる上映がいつになるかまだ定かではないが、これに触れたことのある巨匠や研究者たちが軒並み絶賛を表明していることからも、多くの映画人や映画ファンにとって待ち焦がれた瞬間となることだろう。

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2010/09/20

トロント閉幕

ツイッター上ではもう午前3時くらいにつぶやいていたのだが、改めてトロント国際映画祭の受賞結果を概観しておきたい。映画祭側による審査結果リリースはこちら(ちょっと見にくいが)。

まずここの映画祭の最大の特徴はコンペ部門が無いことにある。最高賞の対象はすべての作品、そして選ぶのは観客自身。「ピープルズ・チョイス・アワード」がこれにあたる。あくまで「観客主体」を打ち出しているわけだ。

ただし、それだけだとどうしてもシリアスな作品群や地元カナダ作品に脚光の当たらないケースが多々あるので、それらをカバーすべく審査員や国際批評家連盟による授賞が最高賞を補う形で存在する。なるほど、この2枚岩だとヴェニスのような批判は起こりようがないわけだ。

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さて、今年のトロントで観客賞を受賞したのは下馬評通り"The King's Speech"だった。2年前の『スラムドッグ・ミリオネア』、昨年の『プレシャス』につづく、“逆境における人間の底力”を余すところなく表現した作品として、本作は批評家筋&観客から大絶賛を獲得。今後、トロントでの評価が直結するアカデミー賞レースでも大いに名前が聞かれることになるだろう。

"Midnight Madness"という深夜上映枠で観客賞を受賞したのはヴァンパイア・スリラー"stake Land"。ドキュメンタリー賞を受賞したのは"Force of Nature: The David Suzuki Movie"。

最優秀カナダ映画賞に選出されたのは"Incendies"という作品。カナダ人監督による長編第一作目を対象に選出される初監督作品賞にはデボラ・チョウ監督の"The High Cost of Living"が選ばれた。

Beautiful_boy
また、国際批評家連盟賞にはショーン・クー監督の"Beautiful Boy"が選ばれた。本作は10月後半に開催される東京国際映画祭(奇しくもトロントと同じ略称"TIFF"が用いられ、ツイッターをはじめネット上ではかなり混乱する)のコンペティション部門へのエントリーも決定している。かなり、かなーり深刻な題材なのだが、果たしてこれがいかに日本の第一号の観客たちに受けとめられるか、配給会社も注視して臨むことになるだろう。

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全米興行成績Sep.17-19

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Sep.17-19 weekend 推計

01 The Town (-) $23.8M
02 Easy A (-) $18.2M
03 Davil (-) $12.6M 
04 Resident Evil:Afterlife (↓)$10.1M
05 Alpha and Omega (-) $9.2M
06 Takers (↓) $9.0M
07 The American (↓) $2.8M
08 Inception (↑) $2.0M
09 The Other Guys (↓)$2.0M
10 Machete (↓)$1.7M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

■ひとたびスランプに陥った人間が逆境を糧に立ち上がる姿は、それ自体が映画のワンシーンのようでもあり、観客の胸を突き動かす震度も激しさを増す。この男、ベン・アフレック。いつの間にか俳優業では鳴かず飛ばずとなっていた彼が、自身の監督・主演作"The Town"で力強いカムバックを果たした。

Thetown
■監督作としては『ゴーン・ベイビー・ゴーン』(←拙ブログのレビューに飛びます)も世間に激賞された作品ではあるが、今回はそれを凌ぐ絶賛と賞賛とが彼と作品を厚く包み込んでいる。オープニング3日間の興収は2380万ドル。共演はジェレミー・レナー、レベッカ・ホール、ジョン・ハム、クリス・クーパー。製作費は4000万ドル。各紙の興行レビューによると客層や興収変移などから同じワーナー作品『ディパーテッド』にも似た動きが読み取れるという。

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イーストウッドの助言

現在、初監督作として“ボスニア紛争下でのラブストーリー”を準備中というアンジェリーナ・ジョリーに、巨匠がメディアを通じてアドバイスを送った。

最新作"Hereafter"上映のためにトロント映画祭を訪れていたクリント・イーストウッドは、Peopleによるインタビューの席でかつて『チェンジリング』で共闘(監督&主演として)を果たしたアンジーへのコメントを求められ、「俳優たちよりもたくさん睡眠を取ること」「良い仕事をするには、自分が何を求めてるか、何を模索しているかを見極め、それを追究すること」と語った。

巨匠はさらに言葉を続け、「私には彼女がちゃんとやれると分かっている。監督業について論じあったことはないが、彼女は素晴らしい仕事の倫理観を持っているし、それにとても賢い子だ。取りく組みの成果を楽しみにしているよ」と、エールを送っている。

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2010/09/19

25周年雑誌のシドゥベ

米ELLE誌の25周年号の表紙を飾ったカボレイ・シドゥベ。『プレシャス』で一躍“時の人”となった27歳のシンデレラもこの起用には大喜びだったそうだ。

が、世の中には様々な意見を持った人がいらっしゃり、THE HOLLYWOOD REPORTERによると「肌の色が白く輝き過ぎている!」と目を尖らす人も少なくないという。米編集部は「肌の色を明るくするような操作はしていません」「これはファッション撮影です。照明もレッドカーペットで撮られたパパラッチ写真のようなものとは全く違うんです」などと釈明に追われている模様

また同誌ではこの記念号に合わせてシドゥベのほか、ミーガンフォックス、ローレン・コンラッド、アマンダ・セイフリードら4人のモデルを起用し、4種類のカバーを用意。だが、他の3人は全身の4/5ほどが写り込んでいるのに対し、シドゥベの写真だけは顔から胸の部分までが大写しになったものだった(参照)。

これに対しても一部で批判が巻き起こり、編集部は「我々は“世界を変える活力溢れる4人の女性”というテーマでこのカバーを製作しました。これらすべてを手に取ってご覧になっていただければ分かると思いますが、それぞれが各々の方法で、また各々の理由をもって撮影されています」と釈明している。

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ヴェネツィア映画祭の更なる余波

クエンティン・タランティーノ率いる審査委員団がソフィア・コッポラの"Somewhere"を最高賞=金獅子賞に指名して幕を閉じたヴェネツィア国際映画祭。

タランティーノの元恋人ソフィアの受賞のみならず、長年の友人アレックス・デ・ラ・イグレシア監督(スペイン)やタランティーノの師匠筋にもあたる伝説のBムービー監督モンテ・ヘルマン(アメリカ)の受賞など、その発表直後から「身内びいきだ!」として批判が続出していたが、ここにきてイタリア文化相サンドロ・ボンディまでもが雑誌"Panorama"の取材にて審査結果を批判し、どれほど本気なのか分からないが「次回は私が審査委員長を選びたい」と発言する事態にまで発展している。イタリア政府は本映画祭の予算1200万ユーロのうち700万ユーロを拠出しており、文化相に言わせれば「それくらいの権利はある」と言いたいところなのだろう。

また、あまりにストレートすぎるこの発言に対しても「政府が関与するとなると映画祭の中立性を損なう」「そんなこと、どこの国でもやってない」「イタリア映画が受賞できなかった腹いせだ」と批判する声が少なくない。

67年に及ぶ長い歴史によって育まれ、いまや世界3大映画祭のひとつに数えられる祭典ではあるが、一時期はムッソリーニ政権下におけるファシズム色が暗い影を落としたこともあるゆえ、文化相の発言はさすがにまずかったかなと思われる。

が、一方で、彼の「タランティーノ氏は人々や伝統の機微といった、いまや洗練とは程遠く時代遅れともされるものに対して全く関心を払っていない。そういう(偏った)ビジョンが彼の審査基準に大きな影響を及ぼしている」(Panorama)という指摘は納得できる部分もある。

これと対になる要素として、カンヌ映画祭で審査委員長を務めたティム・バートンの言葉が思い出される。彼は自作と同じ超常的な題材を扱いながらも全く別アプローチを踏んだ『ブンミおじさん」を最高賞に選出し、総評としてこう述べたのだった。

「この映画祭を通じて、自分とは全く異なる物の見方が存在することに深く気づかされました」

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ミックマック

ジャン・ピエール・ジュネの映画からは「ひとりじゃない」という声が聞こえる。幻聴なのかな、と思っていたが、『ミックマック』からも、やっぱりいつもと同じ声が聞こえた。これはたったひとりの闘いに挑むはずだった孤独な男に、こちらからだと御免こうむりたいくらいに癖の強い仲間たちが「ひとりじゃない」と寄り添ってくれる映画だ。それもダークな薄明かりに赤と緑が鮮烈に映り込み、おもちゃ箱のようなメロディー響く幻想世界の中で。

Micmac
かつて地雷処理中の事故で父を失い、自身も突発的な事件に巻き込まれて頭に銃弾の残った男が、特殊な能力(それも人畜無害な)を持った仲間たちの助けを借りながら、地雷、銃弾を製造した殺傷兵器メーカー2社(しかも向かい合わせで建っている)にリベンジを挑む物語。

イラク戦争で人類が直面した、争いを繰り返す人間の性とそれを利用したビジネス。または政治が資本主義の暴走を止められなかった時代。あらゆる映画作家たちがこれらの悔悟を何らかの作品へと直接的、間接的に発露させる中、ジュネはこんなにも楽しく手のひらに地球全体の混沌を集約させてみせ、それを真上からパンッと叩き潰してしまった。

この映画の主人公は頭に銃弾を抱えながらもごく平和的なリベンジを目論み、軟体女はどんな壮絶な形状にも自らを柔軟に適応させ、また仲間の男は廃材を用いて死の商人たちとは真逆の素晴らしき創造性を発揮してみせる。かといって彼らは闘いの果てに平和を叫ぶわけでもなければ、失ったものを取り返そうとするわけでもない。その先にはただ単に普通の生活が続いていくだけだ。おかしな仲間たちとの、ごくありきたりな生活が。

そんな彼らが最後に仕掛けるとびきりの大逆襲が楽しい。傍から見ればただの悪ふざけのようだが、これまでのジュネに比べて人間の創造性を遥かに深く掘り下げた、胸のすくような大岡裁き。

そもそも人間の想像力ってやつは何かが欠けることによってかえって膨らむ。映画だって限定された四角い窓から世界を見渡すことで全く違う風景が見えてくるもの。この性質を最大限に利用して巨悪にユニークな鉄槌を下す様があまりに楽しいだけに、その裏側に隠されたジュネの本気度100%の想いが透けて見えてくる。顔では笑っていても、これはジュネ、世の中に対してかなり怒っているな、と感じた次第。

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2010/09/18

食べて、祈って、恋をして

『SATC』に触れた男性観客が「説得力がない」といくら酷評を展開したところで、その言説が放たれる立ち位置そのものが説得力に欠けているように、『食べて、祈って、恋をして』もきっとその類の女性賛歌なのだろう、と思いきや、世の中には意外と旅好きの男性、自分探しの男性も数多いもので、これは男女問わず現状に行き詰った誰もが気持ちよく飛べる映画なのかもしれない。

Eatpraylove_2 
物語はニューヨークに住む物書きの女性が自分の結婚生活に疑問を抱き、そこから他の男性のもとへ飛び出してみるもなんだかうまく行かず、これはもうやりたいことをとことん突き詰めるしかない、と1年間をかけてイタリア→インド→バリを巡る。この体験をもとに書かれたノベライズ本が原作になっているので、ハリウッドを飛び出して撮影された現地の風景をバックに、その渦中で感じたひとつひとつの“気づき”が2時間20分の旅路の中でリアルな体温を持って響いてくる。

目一杯の美味しいものやロケーション、それにゴージャスな選曲の数々が“動くガイドブック”として目を楽しませる、だけではない。イタリアの街路に佇む遺跡の数々が、今や朽ち果て、ホームレスの住処と化しているような光景にも目を向け、歴史や人生の儚さ、それでも続いていく生、を感じさせたりもする。

また、「祈って」パート=インドで主人公を待ちうけていたものはヒンズー教の神様というよりも、『扉をたたく人』のリチャード・ジェンキンスなのだった。普段は温厚なおじさん役が多い彼が、今回は意地の悪い修験者として登場し、ジュリア・ロバーツの人格をことごとく否定しにかかる。なんなんだ、この男は。他の役者ならばあまりにトリッキーに映る役だが、とにかくジェンキンスなのだから許される。

旅路がバリへと進むと、おじいちゃん占い師の手厳しい洗礼が待っている。以前の旅行で人生を揺さぶる言葉をかけてくれたはずの彼(おじいちゃん)が、今度は主人公のことを知らないというのだ。この瞬間のジュリア・ロバーツの「えっ?」という顔がいい。自分を特別だと思い込んでいた人間の、出鼻をくじかれた表情だ。なるほど、人間は否定されて、また自分を取り戻していく。この映画の主人公もこの後、かえって解き放たれた表情に変わっていく。まあ、その後は「恋をして」パート(with ハビエル・バルデム)が本格化し、普遍的な物語が個人の物語へと集約されていくので、観客としての共振値は減少するのだが。

つまりこの映画は、自分を解放して(イタリア)→否定され(インド)→誰でもなくなって、そして自分を見つけ出す(バリ)という旅路を辿る。まるでひとつの精神的な修行だ。本作の観賞後に果たしてほんとうに「イタリアン・ピッツァが食べたくなった!」という絵に描いたようなオサレさんがいるのかどうか。人の嗜好は複雑だが、僕はむしろ全ての約束事をキャンセルして、自分の生き方について考えてみたくなった。といっても、ここまでくると映画とは全然関係ない領域の話だが。

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2010/09/17

ワインスタインの実態にカメラが迫る!

トロント映画祭において話題作の米配給権を2つ獲得し、一躍“台風の目”と化していたIFCフィルムズ。お手製ヒーローの活躍を描いた"Super"、ヴェルナ―・ヘルツォークによる3Dドキュメンタリー"Cave of Forgotten Dreams"に続き3匹目に狙ったのは、あのワインスタイン兄弟の片割れに関するドキュメンタリーだった。

IFCは本作のカナダを除く世界配給権を獲得する見込み。

"Unauthorized: The Harvey Weinstein Project"と題された本作は、ハーヴェイ・ワインスタイン(兄)の辿ってきた道程を振り返ったもの。製作、監督を務めたカナダ人フィルムメーカー、バリー・アヴリッチの言葉を借りると彼は"The Last Tycoon"でも"The Last King"でもなく、"The Last Bully(いじめっ子)"なのだそうだ。これは買い付けた作品を意のままに切り刻んできた“ハーヴェイ・シザーハンズ”との名称と共鳴するところがあるかもしれない。

Harvey
コンサートのプロモーターとしてキャリアをスタートさせたハーヴェイ・ワインスタインが、着の身着のままカンヌに乗り込み最初の交渉をまとめるところから、後にアカデミー賞の作品賞に輝くまでの過程、また弟ボブや部下、それにハリウッドの業界人らとの一筋縄ではいかない入り組んだ関係性なども、膨大なインタビューを通じて浮き彫りにしていく。

これまでのところワインスタイン側はこの作品についてノーコメントを貫いているという。良くも悪くも、ハリウッドにおける製作や配給、マーケティングの手法に数々の革命を巻き起こしてきた重鎮の裏話なだけに、いったいどの程度まで深く切り込めているのか気になるところだ。そして万が一、本作が兄弟の底知れぬ怒りを買ったとしたら・・・。バリー・アヴリッチの今後のキャリアと身の上が心配でならない

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フレディ・マーキュリー役にあの男!?

Deadline Hollywoodのマイク・フレミング氏が驚きの情報を伝えている。タイトル未決定の映画企画において、あの伝説のバンドQUEENのヴォーカル、フレディ・マーキュリー役として『ボラット』『ブルーノ』のサシャ・バロン・コーエンが交渉入りしているというのだ。『クイーン』(!)や『フロスト×ニクソン』を手掛けてきたピーター・モーガンが2011年の製作開始に向けて脚本執筆中。バンドの黎明期から1985年のライヴ・エイド出演までがひとつの大きな流れとなるようだ(1991年のフレディ・マーキュリーの死は描かれない模様)。GKフィルムズ、デ・ニーロ率いるトライベッカ、クイーン・フィルムズが製作を担う。

なお、本作の権利には"We Will Rock You""Bohemian Rhapsody"をはじめとするクイーンの名だたる名曲群の本編使用も含まれるが、サシャ・バロン・コーエンが劇中でその歌声を披露するのか、あるいはフレディ・マーキュリーの歌声があてられるのかについてはまだ定かではない。

ケンブリッジ大卒のインテリ芸人であるがゆえにこれまで恐れを知らず数々のタブーに闘いを挑んできたバロン・コーエン。まさか彼の人生最大の挑戦(たぶん)が笑いを封じた破格のパフォーマンス能力が問われるものになろうとは。裏を返すと、これこそが彼にとって最大のタブー打開の道といえるのかもしれない。

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"Rabbit Hole"の底にオスカーが見える?

トロント映画祭でお披露目され、批評家筋にも観客にも高い評価を得ている"Rabbit Hole"(ジョン・キャメロン・ミッチェル監督、ニコール・キッドマン製作&主演)は、その北米での配給権をめぐってライオンズゲートとの間で交渉がまとまりそうだ。同社は本作の年内公開を目指し、これが実現すればオスカー戦線(とくに主演女優賞狙い)に名乗りを上げることになる。(Deadline Hollywood、THRほか)

Rabbithole
もともと2007年に舞台作品として上演され、脚本を手掛けたデイヴィッド・リンゼイ・アベア―にピュリッツァー賞をもたらした本作は、とある幸福な家庭に子供の死という悲劇が舞い込み、残された夫婦がその喪失感を背負いながら、家族や友人らと交流を重ねていく、というストーリー。映画版製作においては
ニコール・キッドマンが自ら権利獲得に向け乗り出すなど、自身のキャリアにおいてこれまでにない重責を担う覚悟を見せた。その甲斐もあって彼女の演技は『めぐりあう時間たち』(原題"The Hours")以来の絶賛を獲得している。各紙ともに主演女優、助演女優枠でのオスカー参戦を予想しているが、あの"Black Swan"のナタリー・ポートマンも押しも押されぬ絶賛ぶりを獲得しているので、これから年明けにかけて白熱した戦いを繰り広げていくことになるだろう。

また、監督のジョン・キャメロン・ミッチェルといえば舞台&映画として世に送りだした『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』で高評価を受け、続く『ショートバス』では前代未聞のオーガニズムを描きだし世間をアッと言わせた奇才でもある。これまでの作品歴と比較すると、全てを削ぎ落したところにあるいちばんオーソドックスな風景、つまり演出の底力を問われる作品と言えそうだ。

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2010/09/16

巨匠ヘルツォーク、3Dに挑む

ニュー・ジャーマン・シネマの代表格として『アッギーレ/神の怒り』『フィツカラルド』など度肝を抜く作品を世に送り出してきた巨匠ヴォルナー・ヘルツォーク監督、68歳。最近では『バッド・ルーテナント』も好評な彼が、なんとついに3Dカメラに興味を示した。。。!と映画関係者が色めき立ったのももうだいぶ前の話になるのだが、そうして巨匠が心血を注いで取り組んだ最新作"Caves of Forgotten Dreams"がトロント映画祭にてお披露目された。

今回、彼がカメラを向けたのは『アバター』や『アリス・イン・ワンダーランド』などのフィクションではなく、ドキュメンタリーの領域。

Herzok
南フランスにあるショーヴェ洞窟に描かれた3万2千年前の壁画(現存する最古の絵画とも言われている)を、3Dカメラによって詳細に記録しようというのである。

ということは、巨匠、さぞや昨今の3Dブームのトリコになられていらっしゃるんでしょうなあ。。。と軽く想像するのだけれど、実際はそれと真逆だった。LA Timesによると、ヘルツォークがこれまでに体感したことのある3D作品は『アバター』一本のみ。それも圧倒されるどころか、大きな失望を抱いたのだそうだ。

「上映中、何回も3Dメガネを外したよ。3D映像が絶えまなく飛び込んでくるのは私にとって心地のいいものではなかった。とても付いていけなかったね」

それがなぜ?

同記事に並ぶ次の言葉が印象的だ。

「これまで手掛けてきた58本の作品中でその手法を用いたことは一度も無いし、今後も用いる予定は無いんだが、このドキュメンタリーでは(洞窟壁画の)描き手の作意をきちんと汲み取ることが重要だった。あの壁画の窪みや膨らみ、それに壁に垂れ下がった岩肌をひとたび目にすれば、これはもう3Dでなければならないことは明らかだった」

そうやって完成した本作は新たな3Dの可能性を提示し、トロントの観客を大いに魅了。その後の売買も順調に進み、IFC Filmsがアメリカ配給権を取得。テレビ放映権はヒストリー・チャンネルが保有しているという。

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パラノーマル日本版

たった130万円足らずの製作費をもとに世界中にスリルとサプライズをもたらすインディペンデントの下剋上を成し遂げたハンディカム・ホラー『パラノーマル・アクティビティ』。現在、アメリカでも続編製作が進行する中、それと同時並行して、ここ日本をも舞台に“もうひとつの”続編が製作されているというニュースが飛び込んできた。

Paranomal
筆者はこのニュースをEMPIREScreen Dailyという流れで把握したのだが、それによって伝わってきたタイトルは、"Paranormal Activity: Tokyo Night"。『パラノーマル』を日本配給し大ヒットさせたプレシディオが製作を手掛ける。監督は「放送禁止」などでも有名な長江俊和。

ストーリーは交換留学生としてサンディエゴに滞在していた少女が帰国時に“あの存在”を日本に引き連れてきてしまう・・・というもの。ビデオ撮影という限定状態の中で恐怖を演出するなんて、ジャパニーズ・ホラーのお家芸ではないか。これは本家よりももっともっとシンプルかつ震え上がるような恐怖が生まれてきそう。大いに期待したいものだ。

いっそのこと、これを通過点に世界中にこの企画の輪が広がれば、各国独自の様々な恐怖文化が反映された独自の世界地図ができあがっていくのではないか。それはもはや、かつて日本の民話を地道に訪ね歩いた柳田國男の現代版、それもワールドワイド版に等しい。

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"127 Hours"で気絶?発作?逃亡?

トロント映画祭にてダニー・ボイル監督の"127 Hours"が上映された。ボイルにとってトロントは、2年前に『スラムドッグ・ミリオネア』の存在を映画界に知らしめた相性抜群の土地。それに続く最新作がどのような新境地を切り開いているのか、観客も業界も目を凝らしてその真価を確かめようとしていたわけだが。。。

結果から言って、作品はかなりの高評価を獲得している。ジェームズ・フランコ演じる冒険家がたった一人で渓谷に分け入り、遭難、それから決死の覚悟で生還するまでを、ダニー・ボイル印の肉体的&精神的にリアルかつファンタジックな映像演出で綴っていく。

が、それに伴い、そのスクリーニングで巻き起こった観客のリアクションについても徐々に外部へと浸透しはじめている。実は、トロントに先駆けて上映されたテルライド映画祭でも同じ事態が報告されているのだが、今回も本作の“とあるシークエンス”において、そのあまりの壮絶さゆえに失神、発作、客席からの逃亡、またスクリーンを直視できずに視線を宙に投げ出す観客の姿が観測されたという。

The Wrapの記者はその状況についてこう述べている。

I cannot remember a reaction to a film like this in a very long time, perhaps not since "The Exorcist" sent audiences scurrying for the doors.

(こんなリアクションは長らく記憶にない。恐らく『エクソシスト』で観客がドアに殺到して以来だろう)

もちろん"127 Hours"におけるボイルの映像演出はいたずらに観客の心を極度の緊張状態へ押しやろうとするものではなく、主人公の精神的葛藤によりリアルに肉薄しようとした結果であることは想像に難くない。

とはいえ、このリアクションによって、"127 Hours"はひとつの“伝説”の地位を獲得した。何よりもスクリーニングに立ち会い、無事生還を果たした観客たちの達成感には計り知れないものがあったことだろう。

それはまさに主人公の若き登山家と気持ちを共振させた瞬間だったかもしれない。

<追記>

その後、アメリカでの公開が始まり、ハリウッド在住7年目の友人にして俳優/カリグラフィー・アーティストでもある高綱草子さんのツイートがあまりに的確に映画&劇場の様子を伝えていたので転載しておきます。

「ダニー・ボイル最新作「127 hours」を。大自然を冒険中、落石に右腕を挟まれ身動きがとれなくなった青年の127時間。自分は自分の意志で生きていることに改めて気付かされた。監督独自のサイズと野心と創造性と普遍性に敬意。ジェームズ・フランコがエクセレント!オスカーノミニー期待大!

また、こちらの「問題のシーンで失神しませんでした?」との質問には「さすがに気絶はなかったが目を覆った」と返答。「でもそのくらいの衝撃が“生きる”ってことなんだと思った」とも。

アメリカではニューヨークとロサンゼルスでそれぞれ2館ずつの上映で、金~日の1館あたりのアベレージが6万6千ドルを越えている。土曜の朝の回ではソールドアウトも出るなど劇場もかなり混み合っているとのレポートを目にしていたのだが、当の高綱さんはというと、

すいてる時間を狙ったので、6割くらいの入りだった。お客さんの呼吸がよく聞こえた。全編静か〜に息をのんで集中してる空気でした。主人公は一カ所にスタックしてるけど、ダニー作品らしく迫力とスピードはずっと落ちない。最後は泣いてる人も。あ、私含めです。

なるほど、ツイートの印象からすると、失神するどころか映画から逆にとてつもないエネルギーを貰ってきたかのような感じですね。

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2010/09/15

ホビット、来年1月に撮影開始?

この手の情報には幾度となく煽られてきたので、さすがに心の動きも鈍化してきたが。。。。

『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚を描く"The Hobbit"について、魔法使いガンダルフことイアン・マッケランがThe Bolton newsの取材に「来年の1月には撮影がはじまるんじゃないかな」と語ったとして注目を集めている。

MGMの身売り劇をめぐってはこれまで、恐らく売値を吊りあげるためと思われるが、"The Hobbit"のみならず『007』新作もダシに使って真偽定かではない様々な情報が飛び交ってきた。が、ここにきて、いよいよスパイグラス・エンタテインメントとの間で交渉がまとまりつつあるという話がエンタメ情報のみならず、ウォールストリート・ジャーナルなどの経済分野からもまことしやかに聞こえてきて、今回ばかりはひょっとするとひょっとするのではないか、と人々も聴き耳を立て始めている。

なお、ギジェルモ・デル・トロの監督降板の後、ピーター・ジャクソンがメガホンを取るのでは?と目されているものの、まだオフィシャルな声明は出されていない。つい先日には主人公ビルボ・バギンズ役としてマーティン・フリーマンが打診されているとの報もあるが、彼の去就についても現時点で定かな情報はひとつもない。

また、MGM周辺からは「007」新作撮影を2011年の夏から秋にかけて予定しているというウワサも聞こえてきている。これも話半分に聴いておきたい。まあ、なにはともあれ、世の中にはすべて順序というものがある。まずはディテールをあれこれ画策するよりも、大元であるMGMとスパイグラスの交渉がいち早くまとまることを切に願うことにしよう。そうじゃないと、何も始まらないのだ。

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トロント効果と公開時期

アカデミー賞戦を占う上でトロント映画祭は重要なスタート・ポイントとなる。

というのも、ハリウッド内では毎年9月1日を境に各社がオスカー・キャンペーンに移行するのが習わしとなっており、映画祭の会期はこの転換期にピタリと一致する。インディペンデントの製作会社にとってはトロントというアメリカに近すぎず遠すぎない場所で、スタッフ&キャストを伴って大量投入稼働させ、業界全体に対して自作の船出の瞬間を盛大に祝福&アピールできるというわけだ。

もちろん国内からは数多くの全権委任のバイヤーが集結し、自らが「これだ!」と思ったものやスクリーニング中の観客たちを大いに燃え上がらせた、突発性の高い“伝説”の誕生に各々が即座に対応できる状況が形作られている。

Tiff

このようにしてトロントでの高評価を得てオスカー戦線に名乗りを上げた作品には、昨年の『プレシャス』や『マイレージ、マイライフ』、そのまた前の年の『レスラー』や『スラムドッグ・ミリオネア』などが挙げられる。これら水揚げされたばかりの生モノたちは、即座にオスカー候補の条件となる“年内公開”の品質表示札が付けられ、その年内ギリギリに確保された緊急公開日を待つこととなる。これを得られることは映画にとってとても幸福な人生といえよう。

だが、逆に買い付けた配給会社がすでにその年のオスカー狙いの秀作を大量に抱え込んでいる場合はどうだろう?景気や流行などの影響で年内公開にふさわしくない、と判断されたなら?また年内公開可能な劇場が押さえられなかったら?当然それらの場合には配給側でドラスティックな取捨選択がなされ、あるものは年内公開のゴーサインが出され、またあるものは年をまたいだその向こう側までワインの熟成期間のごとく“寝かされる”こととなる。

では、『スラムドッグ』と対極に、熟成を経てオスカーを受賞することなど、過去にあり得たのだろうか?

ふたつ例を挙げよう。ひとつは直近の『ハート・ロッカー』。そしてもうひとつは『クラッシュ』。

どちらもトロントでお披露目されながら、年内公開が叶わなかった作品だ。でもそれがかえって功を奏したのか、あるいは巡り巡った強運のせいか、トロントの18カ月後、両作品とも製作者に作品賞オスカー像をもたらす快挙を遂げた。だが、どちらも米国内での公開は5月6月。オスカー狙いにしては関係者に中途半端な印象を与えるタイミングであり、この判断からは配給側が完全にオスカーを捨てていたことが伺える。

Crash
つまりこれらの作品は公開後、まさに自力でムクムクと立ちあがり、多くの観客の祝福を吸収しながら、もはや誰にも見逃すことのできない伝説の怪物へと成長していったのである。これらが仮に順調な「年内公開」を迎えていたとして、これほどのセンセーションを巻き起こし得ただろうか?答えに詰まる。勝負はすべて時の運というしか術がない。

今年の現象としては、トロントでの初披露組ではないものの、同じタイミングでフォックス・サーチライトがテレンス・マリック最新作"Tree of Life"の取得を発表したものの、同社の公開スケジュールは"Black Swan"や"127 Hours"といったオスカー狙い作品ですでに飽和状態。この状況だと2011年公開組へと回されそうな勢いだ。本気でオスカーを狙うとなると、その公開時期には1年以上の熟成機関を必要とするかもしれない。

Rabbithole
また、今年のトロントでお披露目されたロバート・レッドフォード監督作"The Conspirator"や『ヘドウィグ』で名高いジョン・キャメロン・ミッチェル監督作"Rabbit Hole"などは配給権の売買は無事まとまりそうなものの、年内公開が可能か否かについてはギリギリの決断が待たれることになりそうだ。

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ジョン・カーペンターの不在

トロント映画祭にてジョン・カーペンター監督の9年ぶりとなる最新作"The Ward"がお披露目され、キャストや製作者らが一堂に会した。が、この瞬間をいちばん待ち望んでいたはずのカーペンター監督の姿がどこにも見当たらない。いったい彼はどこへ・・・?

THRのブログ"Heat Vision"がその理由を明かしてる。なんと彼はロスに留め置かれたままで、せっせと陪審員の義務に従事していた模様(裁判が継続している間は外部との接触を遮断されることもあるので)。これまでにも法が許す範囲内でそのお呼びのかかる瞬間をズルズルと引き延ばしてきた彼だったが、よりによってこんなタイミングで通知が届いてしまい、今度ばかりはどうにもならなかったようだ。

なお、この事態を事前に予言したのか、カーペンター監督はトロントでの挨拶代わりにビデオメッセージを録画しており、今回の舞台挨拶の折にはそれが上映されたという。

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彼女が消えた浜辺

かつてチェーホフの芝居は僕に教えてくれた。重要なことは舞台に現れない。僕らは舞台の外にまで想像力を働かせて、ここで何が起きているのか、その会話にどのような心の機微を滲ませているのか察知しなければならない。『彼女の消えた浜辺』を観ながら感じたのもまさにそのことだった。

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大学時代の友人たちが集い、ヴァカンスに出かけたカスピ海の浜辺。真っ暗いトンネルを抜け、陽光に照らしだされた彼らは、まるで学生時代に戻ったかのように大声をあげてはしゃいでいる。そこにまだ打ち解けづらそうに佇む女性がひとり。名前はエリ。彼女はどうやら、仲間のひとりが気を利かせて連れてきたゲスト要員のようだった。彼女こそ紛れもない本作の中心人物。そして中盤以降、肝心のエリは忽然と姿を消してしまう。

仲間たちはとある事実に気づき愕然とする。彼らは「エリ」という名前以外、何にも彼女のことを知らなかった。いや「彼ら」だけではない。僕ら観客だって、何も知らなかったのだ。重要なことは舞台に現れない。僕らはエリについて想像力を働かせるしか術がない。はたして彼女はどこへ消えたのか?そして彼女はいったい何者だったのか?

本作は何も答えらしきものを提示してはくれない。だが、とても正直だ。僕らがただ圧倒的に「他人のことを知らない」ということに対して正直だ。「知らない」と気づいた瞬間から、みな初めて「知ろう」とする。懸命に想像力を働かせようとする。そうしておぼろげながら像を結んだものは、実物のエリとは違う“可能性の産物”でしかないのかもしれないが、それでもそうやって想像することでしか、僕らは相手へと近づけない。

そうやってようやくスタート地点に辿りついたときに、彼らと僕らはともに思い出すだろう。

ああ、あの時エリは、

全身で喜びを表現しながら、浜辺で凧を揚げていたっけなあ、と―。

彼女があんなに笑ったのは、後にも先にもこの時だけだった気がする。

本作はイラン映画である。それも我々がよく目にする反政府的なイラン映画(ゆえにイラン国内では上映禁止)ではなく、国内で年間観賞者数NO.2にまでのぼりつめた作品だという。海外映画祭での高評価が多くの国民を劇場へと呼び寄せたことは想像に難くないが、一方でかくも鋭い感性を持ったアスガー・ハルハディという監督がこの映画に何らかのメッセージを込めているような気がしてならない。

エリの不在をとおして、彼らは、僕らは、ともに同じ景色を観ていた。

そこには政治や宗教や文化、何の隔たりも存在しない。

誰の眼前にもごく平等に広がった、絶え間なく波の打ち寄せる、美しいヴァカンスの浜辺なのだった。

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2010/09/14

デ・ニーロ×パチーノ×スコセッシ?

現在、3Dファンタジー「ユゴーの不思議な発明」を製作中のマーティン・スコセッシが、次回候補作のひとつに挙げているのが"The Irishman"。本作は実在の殺し屋フランク・The Irishman・シーランにまつわるノンフィクションが原作となっており、パラマウント&トライベッカ製作のもと、ロバート・デ・ニーロとスコセッシが共同で舵取りを行い、デ・ニーロ自身が主演を務める予定だ。脚本はスティーヴ・ザイリアン。

そしてこのたびDeadlineが「本作の共演者にアル・パチーノ、ジョー・ペシの名前が挙がっている」と報じて世間を歓喜させている。まるで滅多に拝めない流星群がここ1、2年のうちに複数回めぐってきたかのような幸福。『ゴッド・ファーザーPart2』(厳密に言えば共演ではないが)、『ヒート』(これが最初の歴史的共演として名高い)、そして『ボーダー』(これは逆に歴史から抹殺されそうなほど酷評された)と続いてきたパチーノ×デ・ニーロの邂逅が、ここに再び実現するのだろうか。若き頃は互いをライバル視しすぎて遠ざかっていた二人だが。。。昔のライバルは今日の友。わだかまりがたやすく霧消するほどふたりが歳をとったということか。

なお、先述のDeadline記事内では、「その他の次回候補作」として遠藤周作の「沈黙」のタイトルが挙がっている。いや、これだけではない。スコセッシは「シナトラ」にも手をつけ、すでに撮り終わったTVシリーズ"Boardwark Empire"についても今後さらに意欲的に展開させていきたいと目論み、知らないうちにジョージ・ハリスンにまつわるドキュメンタリーまで撮り終わっていた。そう、彼は同時進行で複数の企画に取り組み、現時点で抱えている企画もあまりに多すぎるのだ。

スコセッシのハートを射止めるのは、果たしてどの企画か?

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レッドフォードがリンカーン暗殺の真相に迫る

トロント映画祭でワールド・プレミアを迎えた話題作の中に、ロバート・レッドフォード監督作"The Conspirator(共謀者)"がある。これはリンカーン暗殺という歴史的大事件に翻弄された人々をめぐる人間ドラマ。この映画のあらすじを読むと、なんと、こんなことがあったのか、とたいそう驚かされる。

The_conspirator06_3どうやら本作の主人公は、被害者のリンカーンでもなければ、実行犯として名高いジョン・ウィクリス・ブースでもないらしい。警官隊の追跡を受けて射殺された彼の他にも、本件に関わったとされる容疑者は複数人いた。彼らはすぐに捕縛され、それぞれが絞首刑、終身刑を言い渡された。

かつて下宿のオーナーだったメアリー・サラットもその中のひとり。ロビン・ライトが演じるこの主人公は、結果的に「米史上はじめて公権力によって処刑された女性」となして名を刻むことになった。しかし彼女は本当に“疑わしき”だったのか?メアリーの弁護人(ジェームズ・マカヴォイ)は調査を進めるうちに本当は彼女は無実であることを悟る。が、一方の彼女は自分の非をすべて認め、刑を受けると主張する。  はたして彼女は自分の身と引き換えに守ろうとしていたものとは・・・?

ビッグネームが揃っているものの、昨今の経済不況と「死刑執行の話」の組み合わせはミスマッチのようで、現時点でそれほど熱狂的な評判が昇ってきているわけでもない。トロントでの売買交渉は決して順調とは言えない模様。(まあ、いちばん交渉金額が高い時期でもあるので)

が、ひとつの知識として、そこから始まる人間ドラマとして、日本人にとっては歴史の勉強込みでちょっと気になる存在と言えるかもしれない。

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2010/09/13

"Super"な映画がトロントに降臨!

ベネツィア国際映画祭が幕を閉じる前からマスコミの関心はすっかりトロントへと移行済み。ヴェニスで知名度の低い監督が最高賞を獲得するものとタカを括っていたらソフィア・コッポラが受賞するというサプライズもあり、海外情報サイトの各社とも多少慌てて情報のカバーにあたっていたようだが。。。

とにもかくにもトロント映画祭である。毎年オスカー戦線に深く食い込む秀作が多数お披露目されることから、業界関係者、観客ともにその瞬間を見逃すまいと、かなりの気合いを入れて挑んでいる様子が伝わってくる。

が、インディペンデント界のひとつの傾向として上げられるのが、不況を反映してか、絶望の淵、あるいはそれに準じた暗いテーマ性を扱う作品で飽和状態であること。それらの作品は確かに名作であり芸術作品かもしれないが、ビジネスとして難しい。単純なバランス問題として、観客が思わずコブシを突きあげたくなる瞬間が、映画にも、生活にも、いま圧倒的に欠如している。。。というわけだ。

そんな中、注目を集めている1本が先日もご紹介したコリン・ファース主演の"The King's Speech"。これはすでに先行するテルライド映画祭にて上映されており、1年前にワインスタインカンパニーによって米配給権が買われている。

そしてトロントでは、先週金曜日の夜中にもう一本の驚愕作がお披露目された。それがジェームズ・ガン監督・脚本作"Super"である。

はい、これ、ドーン!

Super
どうだ、誰がどう見たって列記としたスーパーヒーローじゃないか。超カッコいいぜ!

・・・とあなたが思うか否かは勝手だが、"Midnight Madness"という枠組みでプレミア上映された本作は、まさに"Kick-Ass"につづく「お手製スーパー・ヒーローもの」。

麻薬のディーラーのもとへ走った妻を取り戻そうと、主人公はスーパーヒーロー"クリムゾン・ボルト"へと変身(?)する。大した能力もないのにレンチを片手に(危ないじゃないか!)敵を威嚇する危なげなヒーロー。彼のそばには、なんとあのエレン・ペイジまでもが相棒として参戦。彼女のコスチュームもダサ過ぎてやばい。はたして彼らの行く末に待ち構えるものとは!?

まあ、この作品を目撃した観客の熱狂ぶりは最高潮に達していたようで、その上映直後から今度は各社による激しい争奪戦がスタート。その結果、DeadlineによるとIFCフィルムズが競り勝ち、全米での配給権を手にした模様。

決してこのような作風ばかりを賞賛するわけではないが、なんだかその場にいなくとも、観客の「ああ、ヤバいもん、観ちゃったよ」という感慨がはっきりと伝わってくるかのようだ。間違ってもオスカー絡みの映画じゃないのだけど、まるで過去の東京ファンタスティック映画祭を彷彿とさせるこの手のノリって、どこか懐かしいというか、映画祭自体を根っこから元気にしますよね。

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全米興行成績Sep.10-12

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Sep.10-12 weekend 推計

01 Resident Evil:Afterlife(-) $27.7M
02 Takers (→) $6.1M
03 The American (↓) $5.9M
04 Machete (↓)$4.2M
05 Going the Distance (→) $3.8M
06 The Other Guys  (↓) $3.6M
07 The Last Exorcism (↓) $3.4M
08 The Expendables  (↓) $3.2M
09 Inception(→)$3.0M
10 Eat Pray Love (↓)$2.9M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

■レイバー・デイ明けの全米興行は1年の中でも最も風吹かぬ状態となる。そんな渦中に狙いを定めて3200を超える劇場にて2000以上の3D上映スクリーンを擁して封切られた『バイオハザードⅣ アフターライフ』が難なくNo.1の座を獲得。「コンバージョンではない、3D撮影によるアクション」との触れこみが功を奏して、シリーズ中で最高のオープニング興収(推計2770万ドル)を記録した。夏に公開された他のブロックバスター映画に比べれば製作費(『4』の製作費は6000万ドル)も興行収入も低めだが、まあ、こういう季節の溝で封切られるからこそ効果を発揮するシリーズと言えるだろう。スタジオ側からは何の発表もないものの、5作目もあり得る、との見方が強い。

■2位以下は軒並み低い数字が続く。推計に基づボックスオフィス総売り上げは8200万ドルに留まるとか。

■2位は順位的にしぶとさを見せる"Takers"。累計興収は4810万ドル。先週首位の"The American"は累計を2600万ドルとした。"Machete"も高評価の割には数字を伸ばせず、先週比63%減というひどい数字が出ている。累計興収は2082万ドル。"The Americans""Machete"ともに製作費の2000万ドルは越えている。

■スタローン監督・主演作『エクスペンダブルズ』は累計興収がいよいよ1億ドル到達間近。製作費8000万ドルもとうに越えていることから、スタローンが構想中の続編についても実現する可能性が出てきた、かな。

■なお、Sep.10-12の週末興行では『トワイライト・サーガ/エクリプス』が再登場。クリステン・スチュワート演じる“ベラ”というキャラクターの誕生日を祝うべく1200館規模の上映体制が敷かれた。その効果もあって、2億9800万ドルを越えたあたりで踏みとどまっていた興収は再び前進。あと一息で3億ドル突破のところまで来ている。

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2010/09/12

ソフィア・コッポラが金獅子賞を獲得

9月1日より11日間に渡って開催されてきた映画の祭典は、ソフィア・コッポラ監督作"Somewhere"を最高賞=金獅子賞に選出して幕を閉じた―。審査員長タランティーノによると、審査員の全員一致で決まったとのこと。

詳しい受賞一覧はこちら

本作の舞台はハリウッドにある伝説的ホテル“シャトー・マーモント”。ここでアルコール、ドラッグ、セックスにまみれ自堕落かつ空虚な日々を送るハリウッド俳優(スティーヴン・ド―フ)が、ある日とつぜん11歳の娘の訪問を受けたことで、その父娘の交流を通じて少しずつ自分を見つめなおしていく。。。という物語。

Golden_lion
ソフィアが偉大な父(フランシス・フォード・コッポラ)のもとで空気のように見つめてきた日常風景がこの映画のひとつの源泉になっていることは言うまでもないが、これまたソフィア印の、幻想的なまでに淡い光が全編を優しく包み込む作品に仕上がっている。受賞スピーチでは"Thanks to my dad for teaching me,"との感謝の言葉も述べられたそう。

また、『アンナと過ごした4日間』で知られるポーランドの巨匠イエジー・スコリモフスキ監督作"Essential Killing"は、審査員特別賞を獲得したほか、主演のヴィンセント・ギャロに男優賞がもたらされた。ギャロが演じたのは全シーン通して一言もセリフの無いタリバン兵の役。英ガーディアンによると、ヴェニスでの日々をパパラッツィから逃れるようにしてやり過ごしたという彼は受賞時にもステージに登場することはなく、代わりに受賞したスコリモフスキ監督が"Vincent! Come on, are you here?" と呼びかける場面もあったそうだ。

なお、ギャロ自身も製作・監督・脚本・主演・音楽・編集を手掛けた"Promises Written in Water"をコンペ部門に出品していたが、こちらは残念ながら何の箸にも棒にもかからなかった。

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2010/09/11

『ミレニアム』女優、ハリウッドへ進出

THRの情報によると、スウェーデン版『ミレニアム』3部作で世界中の観客の度肝を抜いたノーミ・ラパスが、『シャーロック・ホームズ2』にて待望のハリウッド進出を遂げる見通しとなった。

ロバート・ダウニーJr.&ジュード・ロウによるホームズ&ワトソン、それに監督のガイ・リッチーもそのまま登板となる。あらすじはまだ明らかにされていないものの、宿敵モリアーティ教授とホームズの対峙が描かれる一方、ホームズの兄マイクロフトも登場するとか。

気になるラパスの役柄は謎のままだ。一部では“フランス人ジプシー役”という噂もあるらしいのだが。。。ワーナー・ブラザーズは今年の終わりにも本格的な製作に入る予定。全米での公開日は2011年12月16日。

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舞台「スパイダーマン」を語る

プレビュー公演の初日が11月21日に迫ったブロードウェイ・ミュージカル版「スパイダーマン」。

このたび、演出家のジュリー・テイモア、音楽担当のBONO&THE EDGEがABCのGMA(Good Morning America)に生出演し、史上最高の製作費ともウワサされる本作の中身について語った。

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イーストウッド最新作、予告編

クリント・イーストウッド最新監督作"Hereafter"の予告編が到着した。

巨匠が初めて“スーパーナチュラル”の分野に切り込んだこの野心作、いったいどんな仕上がりになっているのか?主演は『インビクタス』に引き続きマット・デイモン。脚本は『クイーン』『フロスト×ニクソン』のピーター・モーガン。来週初頭にトロント映画祭にてその全貌が明らかになる。

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2010/09/10

テレンス・マリック新作、米配給会社が決定

「伝説の」とは巨匠にありがちな安易な形容詞であるが、テレンス・マリックほどその言葉に打ってつけの監督はいない。各メディアによると、このたび最新作"Tree of Life"(ショーン・ペン、ブラッド・ピット主演)のアメリカにおける配給会社がフォックス・サーチライトに決定した模様。(Deadline  THR ほか)

本作をめぐってはカンヌ映画祭に出品されるか?と期待されながらも完成が間に合わず、この秋にいずれかの映画祭で披露されるものともウワサされていたが、それも叶わず。製作を手掛けたビル・ポーラッド率いるリバー・ロード・エンタテインメントは、当初、ポーラッドの出資するApparitionという会社に配給を委託しようとしていたが、5月のカンヌ直前に責任者が辞職するなどのゴタゴタが続き、7月以降には従業員の解雇など会社を畳み始めた気配すら伺え、もはや賞レース常連の巨匠作品を手掛けられる体力は残っていないものと見られていた。

そこにきて今回の配給会社決定である。フォックス・サーチライトは現在のところ、"Black Swan""127 Hours""Never Let Me Go"などアカデミー賞狙いの作品を軒並み抱えており、これに"Tree of Life"が加わるとパンクしてしまうどころか、自社の配給作品どうしが賞レースにおいて共食いをはじめることにもなりかねない。ゆえに、これを2011年公開分に回す決断を下したようだ。

これによって、来年度のオスカーを本気で狙うとなると1年くらい作品を寝かすことにもなりかねないが。。。まあ我々は観客として辛抱強く待つことにしよう。

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リンチによる雑誌編集

デヴィッド・リンチが雑誌を手掛けると、どうなるか?

雑誌の中にさらに小さな雑誌が組み込まれていたり、読者のデジャヴ感を煽るような写真ばかり掲載してあったり、美しいモデルがいつの間にか忽然と姿を消していたり。。。想像するだけで楽しい。

そんな夢が実現した。イギリスのガーディアンによると、このたびリンチが舞台演出家のロバート・ウィルソンと共にライフスタイル・マガジン"Wallpaper"10月号の特別編集を手掛けたそうだ。

Wallpaper
残念ながらリンチの映画のような混沌ぶりは無いようだが、それでも読者はストライプ模様を使った目の錯覚により写真がうごめくのを楽しめたり、QRコードを利用して携帯ごしにウィルソンの映像作品にアクセスできたりもするらしい。

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サルコジ夫人は解雇されてません!

The Hollywood Reporterがマスコミ騒動の顛末を報じている。イギリスのゴシップ・ネタといえばDaily MailかNews of the Worldなどに取りざたされることが多いのだが、今回もサルコジ夫人ネタでDaily Mailが書きたてた。ウディ・アレンの新作"Midnight in Paris"に出演しているカーラ・ブルーニ(サルコジ仏大統領夫人)の全シーンが、彼女にちょっと似た相貌のあるリア・セイドゥを代役に撮り直しされたというのだ。

しかしリア・セイドゥの代理人はフランスのVoiciに「追加キャストとして参加しただけ」とコメント。カーラ・ブルーニが解雇されたわけでないことを裏付けた。

もっとも今後の編集作業によってはアレンの一存でバッサリとカットされてしまうこともあるだろうから、映画が完成してみないことには何とも結論の出しようがない。本作は例年通り、5月のカンヌにてお披露目される見通し。

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2010/09/09

ヘンゼルとグレーテルの魔女退治

ウィル・フェレルとアダム・マッケイがプロデューサーとして長らく格闘中のホラー・コメディ"Hansel and Gretel: Witch Hunters"に新情報が持ちあがった。

これらはヴェネツィア国際映画祭に参加中のジェレミー・レナー(『ハート・ロッカー』)がノルウェーの情報サイトのインタビュー中にポロリと漏らしてしまったことに由来するらしいのだが、先日のノルウェー語サイトを要約した記事のそのまた孫記事(EMPIRE)が報じるものなので、あくまで話半分として受けとめてほしい。曰く、現在ジェレミー・レナーとオリジナル『ミレニアム』3部作のノーミ・ラパスがヘンゼル&グレーテル役として交渉入りしているという。

本作はお菓子の家をめぐる魔女との忌まわしき過去から15年後、立派な魔女ハンターに育った兄妹の行く末を描いた物語。雪山で襲い来るナチス・ゾンビの恐怖を描いたノルウェー・スプラッター『処刑山』(原題"Dead Snow")のトミー・ウィルコラが監督を務める。

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ベンサム(本人)に出逢った

ロンドン滞在時、「最大多数の最大幸福」つまり功利主義理論でおなじみのジェレミー・ベンサム氏(1748~1832)に遭遇する機会に恵まれた。墓地を参拝したわけではない。紛れもない本人に逢ったのである。

現在どこの本屋でも平積みにされているマイケル・サンデル氏の"Justice"を紐解いていただければすぐに理由はわかるだろうが(77ページ参照)。。。

つまり、こういうことだ。

Bentham
ここはロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ内。真ん中の木製ボックスに鎮座するのがジェレミー・ベンサム先生(本人)である。後進を末永く啓発すべく遺言に「遺体を保存せよ」と記した彼。その死後、頭部だけは腐敗が進んで取り変えられたものの、今なお剥製のような状態でその場に佇んでいる(これも“最大幸福”の内なのか?)。

Bentham02_2 
この、人呼んで"Jeremy Bentham's Auto Icon"は、大学の100周年と150周年の運営審議会の折に台車に乗って議場へと運ばれ、議事録には"present but not voting(出席すれど投票なし)"と記されたそうだ。

ちなみにユニバーシティ・カレッジを卒業した映画人にはクリストファー・ノーラン監督がいる。『インセプション』のロケにこの学び舎を使うほど愛校心にあふれる彼もまた、ジェレミー・ベンサムに触発されながら大学生活を送っていた一人というわけだ。

などと感慨に耽っていたら、サークル活動中と思しき学生がAuto Iconに"HI!"と挨拶して通り過ぎていった。彼の威厳はいまだ健在らしい。

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キング「ダーク・タワー」が映画&TVシリーズへ

スティーブン・キングの「ダーク・タワー」シリーズを、『ビューティフル・マインド』や『天使と悪魔』などを手掛けてきたロン・ハワード、アキヴァ・ゴールドマンらが映画化するのは既報の通りだが、これにワーナーとの競合を打ち破ったユニバーサル映画&TV部門が参画を果たし、映画3部作の狭間をTVシリーズが橋渡しするという構想が実現できる見通しとなった。

キングの「ダーク・タワー」シリーズには7巻と短編、それにコミックが存在する。ハワードらは『ビューティフル・マインド』の頃からシリーズを映像化したいと考えていた。キングは、J.J.エイブラムスらの製作会社に本作の映像化を認めていたものの、エイブラムスらは結局この権利期間中に映像化を実現することが叶わずじまい。この権利変換のタイミングをずっと待ち続けていたハワードらが喜び勇んで飛びついたというわけだ。

今のところ映画版第1作と最初のTVシリーズはロン・ハワードが監督する予定だという。

TVシリーズの興隆のせいか、最近こうして映画製作者らの間で「ひとつのキャラクターを長期間かけて描いていきたい」とする傾向が強まっている。マーティン・スコセッシも"Boardwalk Empire"でTVシリーズに進出することについて同じような理由を語っている。

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2010/09/08

イーストウッド、過去の決断を明かす

ロサンゼルスタイムズのジェフ・バウチャー氏が、同紙内の映画ブログ"Hero Comprex"にてクリント・イーストウッドに対して行った『ヒアアフター』についてのインタビューの一部を紹介している。話題の中心は昨今の映画界におけるスーパーヒーロー流行りについて。ここでイーストウッド御大は意外な事実を明かしている。「もうずいぶんと昔のことになるが―」と始まった彼の述懐とはいかに?

曰く、70年代、ワーナーブラザーズの社長フランク・ウェルズがイーストウッドのもとを訪れ、「スーパーマン役をやらないか?」と持ちかけたことがあるという。さらにこれだけに留まらず、その数年前にはまた別口にて、ショーン・コネリーが離脱した後のジェームズ・ボンド役も持ちかけられていたという。

どちらも退けたからこそ今のイーストウッドがあるわけだが、彼をそう決断させた理由はいったい何なのだろう。前述の記事内に登場する印象的な言葉があった。

"I always liked characters that were more grounded in reality."

間違ってもタイツを履く選択肢はあり得なかったというわけだ。

しかし、はたして60年代のジェームズ・ボンドが今のダニエル・クレイグ版のようなリアリティに包まれていたら?そしてヒーロー物が決して絵空事ではなく、ひとりの人間としての葛藤を描く現在の潮流を宿していたなら?今となっては想像するしかないが、それもまたひとつの可能性だった、ということか。

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状況一変、ゴダール参加か?

昨日、世界を飛び交った「ゴダール、アカデミー名誉賞授賞式への参加を辞退か?」の報が一変。The Hollywood Reporterをはじめ各紙が伝えるところによると、アカデミー協会はゴダールから丁重なる手書きの返信を彼のアシスタント経由で先週受け取っていたことを認めた。その手紙のなかで彼はアカデミー協会に謝意を示し、自らを他の受賞者(Kevin Brownlow、Francis Ford Coppola、Eli Wallach)に続く"the fourth musketeer(4人目の銃兵)"と表現。スケジュールが許せば11月13日にロサンゼルスで開かれる名誉賞授賞式に参加する、とも綴っているという。

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オスカー有力視の歴史ドラマが登場

テルライド映画祭にて上映された"The King's Speech"が話題となっている。上映終了後は5分間のスタンディング・オベーションが続き、評論家筋の間では早くもオスカー候補入り確実視する者もいる。

イギリスとオーストラリアの合作による本作は、エリザベス現女王の父にあたるジョージ6世が主人公。

Kingsspeech
幼少時より身体が弱く、吃音も激しかった彼は、自ら国政には不向きと自覚し軍部で働くことを志すのだが、ある時、彼の兄にあたるエドワード8世が米国人女性ウォリス・シンプソンとの恋を燃え上がらせ王位を捨ててしまい(このエピソードをベースにした新作をあのマドンナが製作中)、不本意ながらジョージに王位がめぐってくる。「ああ、いやだ、いやだ」と愚痴をこぼしながらも、常に国の行く末を見極め、「善良王」とまで呼ばれるようになった。

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ジョージ6世を演じるのは、日本でも『シングル・マン』が公開待機中のコリン・ファースだ。ジョージ6世を語る上で欠かせないのは、第2次大戦下のエピソードだ。彼の吃音は王座についてからも深刻な問題として頭をもたげ続けていたが、オーストラリア人のスピーチ・セラピスト(ジェフリー・ラッシュが演じる)との友情などもあり、なんとか乗り切る術を模索していく。そして恥ずかしさを乗り越え、国難に耐え抜く国民を芯から勇気づけるべくスピーカーからラジオから、数々の激励を飛ばしたという。

監督は、テレビシリーズ「第一容疑者」や日本でDVDスル―となってしまった「くたばれユナイテッド」でも評価の高いトム・フーパー。何かと名作=暗い映画が多い中、かなりポジティブなつくりとなっていることも高評価の一因のようだ。

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2010/09/07

キュアロン新作にナタリー浮上

The Hollywood Reporterのブログ"Risky Buisiness"によると、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』や『トゥモロー・ワールド』などで名高いアルフォンソ・キュアロンの最新作"Gravity"の主演として、先週ヴェニスとテルライドで"Black Swan"を披露し高評価を得たばかりのナタリー・ポートマンの名前が急浮上している。8000万ドルをかけ3D製作される本作は、宇宙空間でのアクシデントの後、ヒロインがたった一人で生き抜いていくという物語。メインとなる俳優には『キャスト・アウェイ』や"127 Hours"のような技量と求心力が求められることとなる。

Blackswan
同役をめぐってはつい先日、アンジェリーナ・ジョリーの離脱が発表されたばかり。"Swan"での注目の高まりを受けて、キュアロン監督はスクリーンテストもせぬまま、すでにナタリーへのオファーを済ませてしまった模様。彼女はこれから脚本を読み、参加の是非を熟考することになる。

なぜこれほど駆け足にキャスティングが行われているかというと、共演(助演)のロバート・ダウニーJr.に"The Avengers"や『シャーロック・ホームズ2』が控えているため、それ以前の1月下旬には撮影を行う必要があるからだ。

対するナタリーは、"Black Swan"のほかに、ロマ・コメ"No Strings"、コメディ"Highness"、そしてマーヴェル・コミックの"Thor"の劇場公開が控えている。また現在、テレンス・マリックがブラッド・ピットと共に進めているプロジェクトに彼女を起用したいと考えているようで、一方『恋に落ちたシェイクスピア』の脚本家トム・ストッパードもナタリーを主演に据えた作品を執筆中だとか。大人気ですね。

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ダニー・ボイル新作で緊急事態

コロラド州のテルライドで開催中の映画祭にてダニー・ボイルの新作"127 Hours"が非公式上映された。同映画祭は2年前に『スラムドッグ・ミリオネア』がワールド・プレミア上映された場所でもあり、ボイル監督にとってはまさにラッキー・プレイス。ゲンかつぎにはもってこいというわけだ。

127hours
"127 Hours"は、主人公アーロン・ラルストンがロッククライミングの最中、落石に腕を挟まれ、生き残るために切れ味の鈍いナイフで腕を切断して脱出した実話が基になっている。主演はジェームズ・フランコ。彼は劇中、ほとんど一人で孤独な格闘に従事している。

スタッフには脚本家サイモン・ビューフォイを初め『スラムドッグ~』の参加者も多数集結しているが、ご覧の通り全編が躍動感に満ちた前作とは全く異なり極めてチャレンジングな手法が取られている。そして見せ場となる切断シーンではかなり生々しい演出が続き、観客に極度の緊張&焦燥を強いたためか、indie Wireによると2回のスクリーニングで1人ずつ、急病人が発生してしまったという。

だが、観客側には高評価が広がっている模様。とりわけこの主人公のモデルとなったアーロン・ラルストンはたいそう心を動かされ、「わたしの記憶をみんなで追体験したかのようだ」と語っている。

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全米夏興行レビュー

全米映画業界でサマーシーズンといえば、「5月の最初の週末」から「レイバー・デイ(労働者の日)」までを指す。つまり9月6日(月曜日)をもってそれが終了したことになる。年間興行収入の実に40%を占めると言われるこの時期、果たして今年はどのような傾向にあったのだろうか。

まず、Hollywood.comの調べによると、興行収入的には昨夏に比べ2%上昇。しかし、もちろんこの上昇分は3D料金がもたらしたもので、総観客数的に見ると逆に昨年よりも3%下落しており、その数は1997年以降のどの夏興行に比べても劣っているという。

思い出せば、まだリーマン・ショックの影響が強かった昨夏、テレビの海外ニュースでは「多額の出費を惜しんだ消費者が、旅行よりも比較的安価で済ませられる映画に足を運んでいる」との報が伝えられていた。結果的に昨夏の映画興行は前年比5%アップを記録。これは映画業界にとって「不況が呼び込んだ特需」と呼ばれた。また消費者側の3D作品への物珍しさも健在だった。

今年はその真価が問われる年だ。観客側も3Dには様々なタイプがあり、重要なのは目新しさではなく作品全体の質の高さであることにとっくに気がついている。

今夏の最高興収を記録したのは『トイ・ストーリー3』。これを含め今夏は7本の3D作品が封切られたが、結果、売り上げTOP10にランクインしたのは4本のみ。『キャッツ&ドッグス2』"Step Up 3D""Piranha3D"は共にヒットに至らず撃沈した。まあ、『エアベンダー』もギリギリ滑り込んだ観が否めないが。

逆に3Dの特色を位置付けたのは『怪盗グル―の月泥棒』だった。公開当初、3Dスクリーンの多くを『トイ・ストーリー3』や『エアベンダー』に奪われながら、映画本来の面白さで子供たちを魅了し、結果的に3Dスクリーンからの興収は全体の4割にとどまったという(残りはすべて2D版からだった)。

また2D映画では、続編やリメイクでなく“オリジナル”な創造性を見せつけた『インセプション』の大ヒットや、今夏最大のサプライズヒット『ベスト・キッド』の存在も大きい。

また、アメリカ国内で期待ハズレに終わった作品が海外興行の盛り上がりで大いに助けられるというケースも多数見受けられた。『プリンス・オブ・ペルシャ』『SATC2』『ナイト&デイ』『ロビン・フッド』はその典型。中でもトム・クルーズ株の米国内における暴落は著しく、それが海外では未だにいくらかの信用度を保持していることも証明された。

幾多もの不安材料を抱えながらも、全米興行収入はこれまでのところ史上最高のペースを爆走中。秋~冬には『ハリー・ポッター』や『トロン・レガシー』なども控えるが、さて懸案の客足を取り戻すことはできるのか?

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ゴダール、オスカー名誉賞授賞式には出席せず?

米アカデミー協会はつい先月、ジャン=リュック・ゴダールにアカデミー賞名誉賞を贈ることを発表したが、ゴダール側はこの授賞式への参加に後ろ向きな構えのようだ。そもそも今回の授与通知に対してなんのレスポンスも表明していなかったことは映画界に様々な憶測を呼んでいたが、このたびThe Australianがゴダールの暮らすスイスへと乗り込み、コメントを引き出している。

車から降りたゴダールは取材陣に対し「通知は受け取った」とだけ語り足早に去って行ったという。その場に残された妻アンヌ=マリー・ミエヴィルは、ゴダールの79歳という年齢を引き合いに彼が渡航を望んでいない旨をコメント。また今回の授賞式が世界に生中継される「アカデミー賞受賞式」とは別に11月に開催されるものであることも後ろ向きな理由のひとつとして示唆した。

ただし、これは受賞拒否というわけではないようだ。ミエヴィルによるとゴダールは授与通知に対して返答する用意があり、授賞式にはプロダクションの代表者が代理出席する可能性も強いという。

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アバター2よりも先に取り組むこと

『アバター特別編』の上映に合わせ、『アバター2』への具体的な言及が目立っていたジェームズ・キャメロン監督だが、ここにきてそれよりも前にやるべきことを見出したようだ。サンパウロの新聞が報じたキャメロンの発言内容をAFPが翻訳して紹介している。

これによると、かねてよりアマゾン巨大ダム建設に反対を唱えていたキャメロンは、この建設により大規模な移住を余儀なくされるシクリン・カヤポ族の生活に強く惹かれ、これまでにも彼らの招きにより現地を訪れ幾度もカメラを回してきた。この映像で構成されたドキュメンタリーは12月末に発売予定の『アバター特別編』DVDの特典映像として収録される予定だという。

またこれとは別に、今度は3Dカメラを用いたドキュメンタリー製作も計画しているという。この作品の発表の形態はまだ未定だが、カヤポ族の生活や文化、そしてダム建設への反対を活写する内容になる模様。曰く、「彼らに(ダム建設反対の)協力を求められ、これを見ぬふりはできなかった」。

キャメロン監督にとっては『アバター』のナヴィ族の闘争がこの地球上で、目の前の現実として巻き起こっているわけで、まさに避けては通れない選択だったのだろう。

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2010/09/06

ヤン・デ・ボンが『ムーラン』監督に

The Hollywood Reporterによると、ディズニーのアニメーション作品としてもお馴染みの「ムーラン」が、『スピード』のヤン・デ・ボン監督のもとで実写映画プロジェクトとして動き出している模様。

そもそも本作は史実ではなく、6世紀ごろに書かれた詩をもとに伝播していった伝説として名高い。古代中国にて、一家の一人娘が騎馬民族の侵攻から国や家族を守るべく男装して従軍し、大きな功績を成し遂げていく。。。という物語。まあ、いわば中国の『ジャンヌ・ダルク』ですね。

今回の主演には既にチャン・ツィイーが決まっているようだ。中国系とカナダ系、イギリス系などの製作会社出資のもと、あくまで独立系としての製作となる。

ただし「ムーラン」といえば、つい最近にも『東京攻略』のジングル・マ監督、『少林サッカー』のヴィッキー・チャオ主演で実写映画化されたばかりなのだが(先日もロンドンのHMVでDVDを見つけたばかりでした)。。。それらは無かったことにするのか、あるいは今回は英語映画として進めて差別化を打ち出していくのか。少なくともこのニュースに触れた中国人は「また?」と感じることだろう。

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全米興行成績Sep.03-05

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Sep.03-05 weekend 推計Sep.08 20:37更新

01 The American (-) $13.0M
02 TakersMachete (↓) $11.4M
03 MacheteTakers (-) $11.3M 10.8M
04 The Last Exorcism(↓)$7.6M
05 Going the Distance (-) $6.9M
06 The Expendables (↓) $6.6M
07 The Other Guys (↓) $5.4M
08 Eat Pray Love (↓) $4.8M
09 Inception(↓)$4.5M
10 Nanny Mcphee Returns (↓)$3.6M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

■アメリカでは9月の第1月曜日はレイバー・デイ(労働者の日)。だが例年、映画興行においては、なんともカゲロウの鳴き声が聞こえてきそうな裏寂しい季節として知られている。今年も首位12作品の合計額は昨年同様、年間最低レベルの興行収入となった。

The_american
■ジョージ・クルーニー主演の"The American"がNo.1を獲得。世界を股にかけた殺し屋がイタリアにある中世風の田舎町で過ごす日々を描く。クルーニーのスモークハウスが製作を担い、オランダ出身のロック・フォトグラファーとして知られ、映画進出作『コントロール』が絶賛されたアントン・コービンが監督を務める。血気盛んなエンターテインメントというよりは、アート系寄りか。他の新作に先んじて水曜より封切られ、日曜日までの累計興収は1611万ドルほどになる見込み。

■先週首位の"Takers"は興収比率を44%ダウンさせて2位3位に落ち付いた。通常50%ほど落ちることを考慮すると、ある程度下げ止まり効果が働いている。累計興収は3800万ドルほどで、2週目にして製作費の3200万ドルをカバーした形となる。

■ロバート・ロドリゲス&イーサン・モニキスが共同監督を務める"Machete"は、主役顔としてはあまりにクセの強すぎるダニー・トレホをフォローすべく、ロバート・デ・ニーロ、ジェシカ・アルバ、ミシェル・ロドリゲス、スティーヴン・セガール、リンジー・ローハンらが揃い踏み。70年代のB級アクションを彷彿とさせる作品に仕上がった。観客の6割がラテン系だという。

■先週2位の"The Last Exorcism"は4位。製作費180万ドルにして既に累計は3250万ドルほど。『パラノーマル・アクティビティ』や『REC』を彷彿とさせるドキュメンタリー・タッチのホラー先週のこの欄にて「全米興行では観客の満足度がかなり低い」とお伝えしたのだが、Roling Stone、US Weekly、EMPIREやTotal Film、Guardianなどでは軒並み高評価を獲得している。評論家筋にはウケがいいということか。

■ドリュー・バリモア&ジャスティン・ロング主演のロマンティック・コメディ『遠距離恋愛 彼女の決断』は5位スタートとなった。

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イスタンブール

無事、帰国いたしました。

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ロンドン・ルートン空港から南東方向へ4時間のフライト。サビハ・ギョクチェン空港からバス、フェリーを乗り継いでボスポラス海峡を渡り、イスタンブールの旧市街へ。

イスラム圏はちょうどラマザン中ということもあり、夕べの祈りはテレビでも生中継。その後、日暮れと同時に人々がワンサカと家から迫り出してきて、まるでお祭りのように話す!食べる!はしゃぐ!

なかでも地元の子供たちの喜びようっていったらなかった。夜なのに凧を揚げたり、光る棒(ライトセーバーみたいな)をビュンビュン言わせて闘ってみたり、夜24時ころまでキャーキャー走り回ってたり(寝ろよ!)。日中に我慢した分だけ、日が暮れたあとの解放感は皆ひとしおなんですね。
P1010484
▲画像が傾斜しているのは、波の力によるものです。

政教分離の国とはいえ、ここイスタンブールでは“お祈り”が生活の中心のようでした。朝4時過ぎにだって、街のスピーカーから平然と大音量のお祈りが鳴り響く。窓あけっぱなしで寝てたので、思わず何事かと飛び起きてしまいました。
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スルタン・アフメット・ジャーミィでは日本語堪能なトルコ人にも遭遇。

「ボクはあと1か月したら、軍隊に入るんだ。そこで死ぬかもしれない。もしも生まれ変わったら、ボクは日本人になりたいな・・・」

突然の告白。「そうか、大変だね。。。」と返すしかなく、思いのほかシンミリしたムードに浸ってしまった。が、一言だけ言っておく。。。

お前が客引きだってことは最初から知ってんだからな!!!(「地球の歩きかた」に書いてあったんだぜ)

軍隊に入るって話は、嘘かもしれないし、本当かもしれない。ただ、彼の表情がどこか翳って見えたのは事実だった。

その直後、「飲みに行こうよ」と半ば強引に連れていかれそうになったので、「じゃあね」と別れを告げて脱出してきた(このようにして絨毯屋や旅行会社に連れていかれ、法外な値段を突きつけられる事例が後を絶たないそうだ)。

多くの日本人を騙してる奴かもしれない。が、それでも、もし軍隊の話が本当ならば、どうか死なないで帰ってきてほしい。

そしていつの日か、

彼が語っていた、日本でトルコ料理の店を開くという夢を、本当に叶えることができますように。。。

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トラブル・イン・ハリウッド

映画業界の暴露モノとしては最高に楽しく、哀愁に満ち、なおかつリアリスティックでさえある。00年以降、これといった業績に恵まれていなかった俳優ロバート・デ・ニーロにとって、『トラブル・イン・ハリウッド』(原題"What Just Happened")は久々の快心の作といえるのではないだろうか。

What_just_happened_2 
ハリウッドとは世界で最も華々しいステージでありながら、その水面下では息継ぎするのもままならないほどの終幕のない苦悶の日々が続くところ。ここで生き抜けるのは相当ずぶとい神経の持ち主か、専制君主、あるいは安定剤とセラピーとでみっちり自己コントロールできている人に限る。そして今日もまた、同業者がひとり首を吊ったとのニュースが日刊業界紙で瞬時に拡がっていく。明日は我が身。出資者、映画監督、製作会社、映画スター、それに別れた妻への未練なども盛り込み、敏腕プロデューサー、ベンの断崖絶壁&孤軍奮闘の一日が今日もはじまる・・・。

往年のデ・ニーロといえば“デ・ニーロ・アプローチ”の名でも有名なとおり、肉体から魂の髄までその役柄に成りきる俳優術について取りざたされることが多いが、本作『トラブル・イン・ハリウッド』ではそれとは真逆の、これほどリアルなデ・ニーロは他にないのではないかと思えるほど、実生活でも映画製作者、映画祭運営などに携わる彼の苦しい胸の内が沁みだしてくる作りとなっている。そもそも本作の製作をも担う彼にとって、ここで描かれるあらゆる情景は“本当にありえたかもしれない”エッセンスに満ちているのだろう。(ただし、これほど近い境遇であっても自分と切り離し、やっぱり列記とした演技アプローチを仕掛けてくるのがデ・ニーロの術なのだが)

現在、世界的に映画会社の倒産、買収、合併などが相次いでいる。それらのドラスティックな光景を、フランスでは『あの夏の子供たち』が詩情豊かに描き、またハリウッドでは本作のようにシニカルなコメディとして想いが綴られる。だが両作品に共通して感じたのは、映画のためにボロボロになりながら奔走し散って行った多くの人たちへのレクイエムの奏でだった。

映画は作品で勝負、と人は言う。確かに、観客を魅了する映画にはその背後に立つスタッフの気配を忘却させる力がある。ひとつの創造性の発露のために、彼らは消えるために、立つ。亡霊のように。

僕が感じたレクイエムとは、実はどんなに些細な映画作品にだって聞こえる、ある種の通奏低音なのかもしれない。

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2010/09/05

スコット・ピルグリムvs. 邪悪な元カレ軍団

コミック、ゲーム、音楽。それらの要素が融合して、これまでに観たことのない新ジャンル・ムービーが誕生した。

Scot

『ホット・ファズ』のエドガー・ライト監督が手がける"Scott Pilgrim vs. The World"。雪に覆われたカナダの街を舞台に、職なし、バイトなし、ロック・バンドではベース担当の青年スコット・ピルグリムのエキセントリックなラブストーリーが幕を開ける。すべては、髪を真っ赤に染めた配達員ラモーナがローラー・ブレードで彼の視界に滑り込んできた瞬間にはじまった。スコットの体内で何かが音を立てる。それはつまり、ゲーム・スタート!の合図というわけだ。

少しずつ彼女との距離を縮めゆくスコットだったが、その先々で謎の男たちが敵意むきだしに襲い来る。「ファイト!」 突如として戦闘モードが始動。彼らはラモーナの元カレだった。一癖も二癖もある変人揃いの元カレ軍団はどうやら7人存在するらしい。はたしてスコットは、すべての敵をなぎ倒し、ラモーナの愛を勝ち取るボーナス・ステージへと辿りつけるのか!?

本作は新たな恋に付き物のオーソドックスな精神的葛藤を、ロールプレイング、コミックのコマ割、対戦型アクション、テレビのコメディ・ショウ、ボリウッド・ムービー、それに可視化して繰り出されるロック・ミュージックの洪水等などを核融合させながら、前人未到のアドベンチャー・ロック・オペラとして描きだしていく。

なにしろ映画冒頭のユニバーサルのファンファーレからしてファミコン時代のドット絵&チープな電子音楽なのだ。まるで、ようやく手に入れたソフトをファミコン本体にぶっ刺して、いよいよスタート画面が映し出されようかというときの高揚感。そうそう!これだよね!僕らの共通感覚は。

間断なくアイディアの注ぎこまれた表現文法はかなり鮮烈だ。そして本作もまた、リアリズムが登場人物の主観世界にまで及びゆく昨今の潮流を力強く後押しする作品と言えそうだ。

つまり人間の主観とは、本来、SF以上にファンタジックでアドベンチャラス、そして何よりも“自由”なもの。本作はそのことを本能的に体感させてくれる画期的な一作である。

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2010/09/03

イリュージョニスト

友人の結婚式のために帰郷した際、滞在先のホテルの朝食ルームでなぜか映画の話題がチラホラと漏れ聞こえてきた。「昨日、テレビで変な映画を見ちゃった」「ああ、あのアニメでしょ!おばあちゃんが自転車で走るやつ!」 彼らの会話の中心には夜中にたまたま放送していた『ベルヴィル・ランデブー』の存在があった。そして僕もまた、夜中の3時近くまでテレビの前でその映画の釘付けになっていた張本人だった。翌日に友人代表の大事なスピーチが控えていたにもかかわらず。。。

そのシルヴァン・ショメー監督が描く最新アニメーション『ザ・イリュージョニスト』。期待が高まらないわけがない。イギリス滞在の最後の日にミニシアターに足を運ぶと、お年寄りから子供まで大盛況の客入りだった。各紙のレビューでも絶賛に次ぐ絶賛。

Illusionist

1950年代、パリの劇場で幕を開ける。ひとりの老奇術師が観客の前に立ち、ひと昔の芸風で失笑を買っている。興行主からは「もうこなくていいよ」と告げられ、彼は新たな劇場を探して英国へと旅立つ。しかし軽音楽が大流行のロンドンでもまた観客の相手にされるはずもなく、彼はキングス・クロスの駅から列車に乗り込みどんどん北上していく。そこでたどり着いたひとつの田舎町。ひとりの少女。次々に技を繰り出す老奇術師を本当の魔法使いだと思いこんだ彼女は、旅立つ彼の後をこっそりついていくのだが。。。

ジャック・タチの脚本をもとに形作られた本作、実は劇中にコミュニケーションが成立するような台詞が一行たりとも登場しない。すべてを動きと音だけで伝え、それによって言語を越えたところに芽生える老奇術師と少女との絆、奇術"illusion"が放つ残り香、消えゆく時代への哀愁といったものをより鮮明に浮かび上がらせている。

奇術師は少女の耳元からサッと硬貨を取り出す。少女はそれを真実だと思いこんで大いに喜んで見せる。あの赤い靴も、白いコートも、あれもこれもと指をさす。奇術師はその願いを叶えてやろうと懸命になって奔走する。

はたして彼らの末路は幸福なのか、不幸なのか。世の中どんどんillusionが消え去っていく。信じる心も失われている。奇術師が少女に渡した手紙に書かれていた言葉は、50年代のみならず、今の観客の心をも大きく揺さぶるものがある。

奇術は奇跡ではない。事実を異なった角度で見つめる行為に過ぎない。映画もまた然り。1秒間に24コマの静止画が目の前を通り過ぎていくことによって、残像のイリュージョンが積み重ねられていく。たかが虚構。だがそれらが映し出されている間だけは、観客もその世界の法則にどっぷりと身をゆだねているのも、また事実。

クライマックス、消えゆくネオンの灯りと共に、真っ暗になる。しかしこれが奇術に付き物のワン・ツー・スリーのカウントだと考えればどうだろう。

「スリー」のあとに映画の幻は確実に消え去る。しかし、観客の心の中には瞬間移動を遂げた宝物のように、この映画の記憶がどっしりと残っている。どんなに時代が変わろうとも、この不思議だけは唯一信じられるもの。そう思いませんか?

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イギリスへ帰還

ファティ・アキン監督の『愛より強く』、『クロッシング・ザ・ブリッジ』、『そして、私たちは愛に帰る』などの作品群や、世界的に評価は高いが日本ではひとつも劇場公開されていないヌリ・ビルゲ・ジュイラン監督作、そして東京国際映画祭で上映された『私のマーロンとブランド』や『ふたつのロザリオ』などを通して、私のトルコへの憧れは年々増していきました。そしてようやく念願叶ってイスタンブールへ上陸。たった二日間の濃厚な滞在を経て、なんとか無事にイギリスまで帰ってこれました。

ご存じの通り、イスタンブールはボスポラス海峡を隔ててヨーロッパ側とアジア側とに隔たれた都市。たまたまロンドン・ルートン空港からの便がアジア側のサビハ・ギョクチェン空港に乗り入れたこともあり、そこからバス→フェリーを乗り継いで、照りつける陽光に朦朧となりながらも、まさに文化が境界線を越える瞬間を体感できたことは私にとって非常に貴重な経験です。

夕べの祈りをテレビで中継していたこと、ラマザン中の夕暮れ後は大人も子供もお祭りのように盛り上がっていたこと。スルタン・アフメット・ジャーミィ周辺では頻繁に客引きに遭遇したこと。道に迷って途方に暮れていると何処かのおじさんが目的地まで連れてってくれたこと。男性の店員は愛想がよいのに、女性はニコリともしてくれなかったこと。渋滞にぶつかるととりあえずブー!とクラクションを激しく鳴らすこと。泥だらけの野良犬がそこかしこにフラついてたこと。朝4時過ぎにやっぱり大音響の祈りで叩き起こされたこと。

額に尋常じゃないほどの汗を浮かべながら、股関節が外れそうになるほど歩き回りました。この痛みが癒える頃にはもう日本に着いているでしょうか。4日の午前中に帰国いたします。いつ更新されるか知れない本ブログをご覧の皆さま、関係者各位には諸々ご迷惑をおかけしておりますが、今回の旅で移動した距離の分だけ、また今回刺激された五感の分だけ、今後の仕事に大いに反映させて参りたいと思います。

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