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2010/09/05

スコット・ピルグリムvs. 邪悪な元カレ軍団

コミック、ゲーム、音楽。それらの要素が融合して、これまでに観たことのない新ジャンル・ムービーが誕生した。

Scot

『ホット・ファズ』のエドガー・ライト監督が手がける"Scott Pilgrim vs. The World"。雪に覆われたカナダの街を舞台に、職なし、バイトなし、ロック・バンドではベース担当の青年スコット・ピルグリムのエキセントリックなラブストーリーが幕を開ける。すべては、髪を真っ赤に染めた配達員ラモーナがローラー・ブレードで彼の視界に滑り込んできた瞬間にはじまった。スコットの体内で何かが音を立てる。それはつまり、ゲーム・スタート!の合図というわけだ。

少しずつ彼女との距離を縮めゆくスコットだったが、その先々で謎の男たちが敵意むきだしに襲い来る。「ファイト!」 突如として戦闘モードが始動。彼らはラモーナの元カレだった。一癖も二癖もある変人揃いの元カレ軍団はどうやら7人存在するらしい。はたしてスコットは、すべての敵をなぎ倒し、ラモーナの愛を勝ち取るボーナス・ステージへと辿りつけるのか!?

本作は新たな恋に付き物のオーソドックスな精神的葛藤を、ロールプレイング、コミックのコマ割、対戦型アクション、テレビのコメディ・ショウ、ボリウッド・ムービー、それに可視化して繰り出されるロック・ミュージックの洪水等などを核融合させながら、前人未到のアドベンチャー・ロック・オペラとして描きだしていく。

なにしろ映画冒頭のユニバーサルのファンファーレからしてファミコン時代のドット絵&チープな電子音楽なのだ。まるで、ようやく手に入れたソフトをファミコン本体にぶっ刺して、いよいよスタート画面が映し出されようかというときの高揚感。そうそう!これだよね!僕らの共通感覚は。

間断なくアイディアの注ぎこまれた表現文法はかなり鮮烈だ。そして本作もまた、リアリズムが登場人物の主観世界にまで及びゆく昨今の潮流を力強く後押しする作品と言えそうだ。

つまり人間の主観とは、本来、SF以上にファンタジックでアドベンチャラス、そして何よりも“自由”なもの。本作はそのことを本能的に体感させてくれる画期的な一作である。

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