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2010/10/31

エメリッヒ、再びエイリアン襲来劇に着手か?

『インデペンデンス・デイ』や『2012』をはじめ、尋常じゃないレベルのブロックバスター・ムービーを手掛けてきたローランド・エメリッヒ監督。そんな彼の次回作は?というと、実はエリザベス1世統治下の英国を舞台に「シェイクスピアは誰だ!?」という謎をめぐるサスペンス"Anonymous"を製作中なのだ。すでに撮影は終わり、あとは編集&仕上げの作業のみ。で、その作業も目処がついたのか、いよいよ更なる次作の話が浮上してきた。

『2012』のインタビューでは「こういうディザスター系に挑むのはこれで最後」と語っていたエメリッヒだが、現在着々と企画が温められている"The Zone"はこれもまたエメリッヒが大得意とするエイリアン襲来モノ。ただし、これまで1億ドルはくだらなかった製作費が今回は500万ドルとかなりの低予算になる見通し。

時代も変われば映画の描き方も変わる。"The Zone"は世に言う「映像発見モノ」というスタンスを取る。何かが起こった後の「見つかった映像」を形作っていくわけだ。主人公は40、50代のジャーナリストと20代の黒人カメラマンになる予定。クローバーフィールド』や『パラノーマル・アクティビティ』でもお馴染みのこのリアリティ醸成の潮流に、まさかのエメリッヒが挑むことになるとは。今後の成り行きを楽しみに待ちたい。

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2010/10/30

【レビュー】ゴダール・ソシアリスム

ジャン=リュック・ゴダールの最新作、『ゴダール・ソシアリスム』を試写。モンタージュ!モンタージュ!世間は映画祭で手いっぱいなのに、JLGときたら相変わらず、たったひとりの手の内にて大勢の観客を巻き込んでのモンタージュ祭りだ。

Godardsocialisme

冒頭、映画の開始と同時に二匹のオウムかインコが映し出されて、画面は「ピー」と無機質な調整音で満ちる。かと思えば、次に続くのは大海原。男と女の会話。そこに足を挟めてくる謎の喋り声、ハッハッハと高らかな笑い。金時計の少年。「出航!出航!」 そして豪華客船はアフリカを見捨ててヨーロッパの国々へ。

恥ずかしい話だが、僕にはこの映画のストーリーがサッパリわからなかった。普段の劇映画で見慣れた線形に貫かれるストーリーではなく、本作ではまさにイマージュがモンタージュされ、寝てるのか覚めているのか分からぬ夢のように、人間の意識下へと照射されていく。いつものゴダール節ってやつ。恐らく、いつの日か、自宅に宇宙人が来訪し、僕と彼らの意識と意識と重ね合わせてそれぞれの身の内話をした場合、これと全く同じことが起こると思うのだ。まあ、僕の家に来てくれればの話だが。

映像に加え、サウンドも奇想天外に紡がれる。ふたりの個体が言葉を交わしながらも、その実、全く別の場所に存在するかのような音声の断絶。まるで対話者が別の次元で言葉を投げ合っているような孤独を感じた。きっとこの旅、この豪華客船においては、そうやって時空を超えることが可能なのだろう。そこにノイズさえもが入りこみ、またどこからか高らかな笑い声。繰り返される「こんな事ども」という文字。これ、真面目にやってるのか?笑わせようとしているのか?

で、こんなことが3部形式で続く。これらを脳内でどう組み合わさるべきなのか、3D技術の発展によってますます“観ること”の刺激に依存しっぱなしの僕らにとって、その退化しかけた創造力を精一杯に働かせるお時間だ。恐らくその理解力でいえば、僕なんて最下位レベル。でも、それでいいと思っている。参加することに意義がある。これは観賞ではなく、ある種の“体験”。もちろんそこに正解なんて存在しない。ゴーダールに聞いたって何も答えてはくれない。あるいは一言、こう口にするはずだ。

"NO COMMENT."

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2010/10/29

トム・クルーズ、MI-4のサブタイトルを明かす

ドバイで撮影の始まっている『ミッション・インポッシブル』最新作の記者会見が行われ、主演のトム・クルーズが本作の正式なタイトルについて「"4"という数字ではなく、"Ghost Protocol"と呼んでほしい」と示唆した。

現時点では"Mission:Impossible"の直後にそのまま"Ghost Protocol"と銘打ちたい構えのようだ。"Mission: Impossible   Ghost Protocol"なるほど、目指すは「007」みたく第何作目かを意識することなく長寿を誇れるシリーズということか。

"Ghost Protocol"はドバイが重要な舞台となり、そのほかモスクワ、プラハ、バンクーバーなどで撮影が続いていく。先の金融危機で大打撃を受けたドバイだが、昨今では少しずつ回復の兆しがあるとも言われ、本作の撮影によって更なる活気が取り戻せるか、期待したいところだ。

トム・クルーズに加え、ジェレミー・レナー、ポーラ・パットン、サイモン・ペッグ、ヴィング・レイムズ、レア・セドゥ、ミカエル・ニクヴィスト、アニール・カプールらが出演。『Mr.インクレディブル』のブラッド・バード監督による初の実写映画としても注目が集まる。全米での劇場公開は2011年12月16日を予定。

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2010/10/28

【レビュー】ザ・タウン

ボストンの犯罪多発地区―。

『ダークナイト』のオープニングをも思わせる周到な銀行強盗から幕を開ける。ドクロのマスクを被った男たちは機敏にその場を征圧し、ひとりも犠牲者を出さぬまま巨大な金庫から大金をせしめ取る。そこでマスク越しに出逢った女性支店長と強盗団リーダーのダグ。彼らが街角で再会するとき、そこには仄かな愛情が芽生えはじめることに。

Thetown_2 
と書くと、『ザ・タウン』がまるでロマンティック・コメディか何かだと思われてしまうかも。本作を観る前の筆者の懸念もそこにあった。きっと10年前くらいならベン・アフレック主演でそういうジャンルもあり得たのだろう。

だがこの触感、これまでと全く違うのだ。映画は冒頭から終盤まで常にストイックに駆け抜ける。男女のロマンティックな要素も身を切るように辛く、切ない。そして街に広く展開するアクションシーンはまるで『ヒート』を彷彿とさせるほど熱く渇いている。恐らく低温ヤケドとはこのことを言うのだろう。

同じく故郷ボストンを舞台にした『ゴーン・ベイビー・ゴーン』もそうだが、監督進出後のベン・アフレックにはある種の堅い決意が伺える。それは、知らないことはやらない、理解できないことはやらない、自分に嘘はつかない、ということだ。彼はかつて他の監督や製作者によってめちゃくちゃにされてしまった「俳優ベン・アフレック」の肖像を、ここで立て直し、見事に機能させてみせる。あの目の物悲しさ、想いをストレートには伝えられないもどかしさ、負の連鎖を止められない悔しさ。きっと誰もが彼の等身大の演技&骨太な演出に感銘を受けることだろう。

そして何よりも、この映画の主人公は、やはりひとつの“街”なのである。

このコンセプトが鮮明だからこそ本作はかくも素晴らしく仕上がった。なにしろベンは原作小説「強盗こそ、我らが宿命」(チャック・ホーガン著)の映画化にあたり、まるでドキュメンタリーでも作るみたいに、その土地の人間に話を聞き、犯罪に手を染める側、それを取り締まる側の苦悩と葛藤に耳を傾け、ストーリーは二の次だとでも言わんばかりに、その香り立つほどのリアリティが作品内に自ずとひとつの真実の砦を築いてく過程を見守った。そして『ゴーン・ベイビー・ゴーン』と同じく地元の俳優やエキストラたちを数多く起用し、彼らがほんとうに泣けてくるほど素朴で温かいリアルな呼吸を本作に吹き入れている。

それら故郷の街並みや人々の暮らしがまるで細胞のごとくうごめき、それぞれを支えあうことでひとつのキャラクター=タウンが立ちあがった。ブルックリンを舞台にした『クロッシング』(アントワン・フークア監督)もそうだが、映画は地元と一体化したとき、他では決してありえない異様な身体を獲得し、さらに進化・増殖することを辞めない。

これはまさしくベン・アフレックにしか描けなかった故郷へのラブレターであり、この不況期における力強い街興しでさえあるのだろう。全てにおいて新しい映画作りのかたちがここにはある。それを他でもないベン・アフレックが成立させてしまったことが嬉しくてならない。役者として一度はハリウッドから見放された男が、である。この逆襲はとても華麗で、なおかつ心から信用できる。なにしろ彼はいま、ありのまま、なのだから。

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ジョージ・クルーニー次回監督作の資金調達に目処

ジョージ・クルーニーが『かけひきは恋のはじまり』に続く監督作として温めている"The Ides of March"の製作パートナーシップが締結され、本作はクルーニーのSmoke House、レオナルド・ディカプリオのAppian Wayに加え、Exclusive MediaとCross Creekの参加が決まった。2月に撮影開始。

大統領予備選の壮絶な駆け引きを扱った本作はボー・ウィリモンによるオフ・ブロードウェイ作品"Farragut North"が原作となる。主人公となる広報担当者には一時クリス・パインの起用が確実視されていたが、その後、彼に代わりライアン・ゴスリングの登板が決定。共演には対抗馬の選挙対策指揮官にポール・ジアマッティ、ニューヨーク・タイムズの記者にマリサ・トメイ、対策本部のインターン・スタッフにエヴァン・レイチェル・ウッド。そして候補者指名獲得をめざす州知事役をクルーニー自らが演じる。主人公の上司役として噂のあったフィリップ・シーモア・ホフマンの名前は発表されていない。

作者ウィリモン自身が2004年に民主党内の予備選に出馬したハワード・ディーン陣営に従事していたこともあり、本作には外側からは伺い知れないリアルな視点が満載。ジョージ・クルーニーの手掛ける作品には、これはTV司会者などを務める彼の父親の影響なのか、たびたびジャーナリスト的な視点が入り込むことが多く、その意味でも本作はまさに打ってつけのサスペンスといえそうだ。

ちなみに"Ides of March"とは3月15日のこと。ジュリアス・シーザーの暗殺された日として有名。

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【レビュー】ビューティフル・ボーイ

衝撃が走った。息子の通う大学で銃乱射事件が発生。死者はすでに20名を越え、史上最悪の大惨事に発展していた。ニュースを耳にした父母は幾度も息子に連絡を取ろうとするが、叶わず。やがて捜査官が玄関のチャイムを鳴らす。「亡くなりました」の言葉に絶望がよぎる。「続きがあります」と彼。この機に及んで何を付け加えるというのか?

「犯行は息子さんの手によるものでした―」

Beautiful_boy_2 
TIFFコンペティション作品『ビューティフル・ボーイ』を観た。すでにトロントでも国際批評家連盟賞を受賞しているキャリア組。衝撃的事件を扱ってはいるが、犯行シーンなどの血なまぐささは微塵もなく、静謐な雰囲気を持続させながら、マイケル・シーンとマリア・ベロによる夫婦の心象に寄り添っていく。

遺された者たちには生涯克服できない重みが圧し掛かる。息子は何を考えていたのか?あのとき何を言おうとしていたのか?どうしてこんな目に逢わなきゃいけないのか?いったいなんてことしてくれたんだ?そのいずれの想いも、受け取り手はなく、ただ虚しく夫婦のもとに跳ね返ってくるだけ。

こういう映画を観ていると、ときどき、どうしてこんな苦しみを見つめなければいけないんだろう、と考えることがある。言うまでもなく世界にはとてつもない不幸や悲劇が満ち満ちているが、あえて映画でその苦しみを僕らが追体験する意義とはなんなのだろうか。

おそらくこの手の絶望は「もしも私がそうだったら。。。」という疑似体験を目指すものではない。その喪失感の深さによって逆にそれが存在したときの尊さこそを浮き彫りにしていくものなのだろう。

と考えたときに、この夫婦間が醸し出す魂の彷徨に、2時間のドラマを越えていく長い長い旅路を感じたのだった。一朝一夕では成しえない魂の共振。登場人物として、役者として、彼らがいかに各々の精神力をキープしつつこの物語を築き上げてきたか。その創造性の作業に圧倒される。とりわけモーテルでの一発撮りシークエンスには感情の呻きが見事ななまでに刻み込まれていた。そして辿りついたひとつの想いが、あまりに崇高で、美しく、切なかった。

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バットマン3のタイトル決定。そしてあの怪人は出ません。

『バットマン』シリーズのクリストファー・ノーラン監督がLAタイムズのブログ"Hero Complex"に語ったところによると、ノーラン自身が監督を務める『バットマン3』のタイトルは"Dark Knight Rises"になる模様。

2012年の公開に向けて徐々に準備が進められている本作だが、今回さらに明かされたのは、本作でも『インセプション』に引き続き3Dカメラは使用しない、ということ。

それから、ウワサの挙がっていた「リドリー」の登場は予定されていないそうだ。

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2010/10/27

アバター2&3、発進!

ついにジェームズ・キャメロンとフォックスが『アバター2&3』製作について合意に達した。

まずキャメロンは2011年初頭から脚本執筆に着手し、年末から本格的に製作をスタートさせる。2作をまとめて撮るかどうかについては脚本が完成した時点で改めて決定を下すとのこと。現時点での公開目安は『アバター2』が2014年12月、『3』が翌年の12月。

キャメロンといえば、つい先日にもソニーのもとでアンジェリーナ・ジョリー主演「クレオパトラ」を3Dで撮るかも、というウワサが流れたが、今回の公式発表でこの可能性は霧消したのだろうか。ソニー側の反応を待ちたいところだ。

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ニュージーランド政府、ホビットを死守

2日間に渡り続いてきたワーナー・ブラザーズとニュージーランド政府の協議の末、『ホビット』は結局そのままニュージーランドで製作されることに。ジョン・キー首相が記者会見で明らかにした。

ただし政府は750万ドル×前後篇の税金控除に加え、ワーナー側との将来的なパートナーシップを維持していくために1000万ドルのマーケティング費支出を約束。合計2500万ドル分を負担することになった。こうまでしなければ他の候補国に勝てなかったということか。

また、NZ政府は今回の火種となった労働関連についても迅速に議会で法整備を施すことを確約している。(現行ではスタッフ&キャストが被雇用者なのかあるいはフリーランス契約なのかその点の区別が曖昧なままだった)

これでとりあえずの障害は無くなった。

主演もマーティン・フリーマンに決定し、順調にいけば2月に撮影開始となる見込み。

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ダーレン・アロノフスキーの監督作、もう一本追加か?

公開前の"Black Swan"が早くも大評判となっているダーレン・アロノフスキー。この数カ月の間、彼の予定作として様々なタイトルが挙がってきたが、フォックスが進める『ウルヴァリン2』の監督就任がほぼ本決まりとされる中で、もう一本、"Machine Man"という作品を手掛けることになりそうだ。

マックス・バリーという作家がウェブ上で1日1ページずつ執筆を進めた本作は、メカ・オタクの技術者が自分の性能の劣る肉体部分を高性能のメカでグレードアップさせていく物語。その背後にはいつしか謎の勢力の影が忍び寄り。。。

脚本は『レスラー』、"Black Swan"のマーク・ヘイマンが担当。本作は『ウルヴァリン2』の次に製作されるものとみられている。

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【レビュー】心の棘 The Thorn in My Heart

手間さえ惜しまなければミシェル・ゴンドリーの創造性に手が届きそうな気がする。。。最近のゴンドリーは観客のそのような気持をあえて刺激しているかのようだ。この「手が届きそうな」と「実際」のあいだには大きな壁があるわけだが。「まずは一歩踏み出すことが重要」 彼はそう教えてくれてるのかもしれない。

東京国際映画祭はつづく。昨日は『エターナル・サンシャイン』や『僕らのミライへ逆回転』で名高いゴンドリーが自分の叔母さんの半生にカメラを向けた私的ドキュメンタリー『心の棘"The Thorn in my Heart"』を観た。

Lepinedanslecoeur
この叔母さん、何か特別な偉業を成し遂げたわけではない。長らく小学校教師として子供たちを見つめてきて、いま再び、カメラと共に懐かしき校舎を巡りゆく。。。といった体。懐かしき再会、子供たちとの交流、親族で囲む夕食。それらの心の旅路と撮りためられてきたゴンドリー家の記録映像の中で、常に凛とした叔母さんの口から、夫への、息子への秘められた想いが少しずつ語られていく。

まるでゴンドリーが親族のために作ったホームビデオのようだった。そこにはテレビや映画や書籍などにも増して自分に最も身近なストーリーがあり、ミステリーがある。それにシーンとシーンを繋ぐ列車ミニチュア、子供たちに手渡される透明マント、ドリー(横移動)撮影代わりに使われる車椅子。ドキュメンタリーといえどもミシェル・ゴンドリー流の手作り感が溢れる。『僕らのミライ~』に登場したジャズピアニストのそれみたいなファンシーさとはまた別種の趣だが。Thorn

私的ドキュメンタリーをスクリーンで垂れ流すなんて傲慢だ、という人もいるかもしれない。が、ゴンドリーがかねてより挑んでいるDIY精神、あるいは彼の書籍のタイトルを借りるならば"You'll Like This Film Because You're In It"の実践としてはこれまでにも増してその根幹の部分で真に迫っている。

つまり、映画づくりに聖域など存在しない。やろうと思えば誰だってやれる。自分のいちばん身近な、愛すべき大切な人を簡単に主役の座に据えられるし、彼女(あるいは彼)を全く知らない第三者にだって、まるでエッセイでも綴るみたいに、手軽に紹介することができる。映画スターなんて必要ないし、巨額の製作費もいらない。

2009年のカンヌで本作が発表されて久しいが、その後の時代の流れはどんどんそちらへと傾いている気がする。ヒーローやヒロインは要らない。いや、逆にいえば、見つめてくれる視線とカメラさえあれば、誰だってヒーローやヒロインになれる。そんな時代なのかもしれない。

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2010/10/26

バック・トゥ・ザ・フューチャー、25周年イベント

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が世に出て25年。このたび、DVD&ブルーレイ発売イベントで懐かしきキャスト&スタッフが顔をそろえた。その中でプロデューサーと脚本を手がけたボブ・ゲイルは続編製作の可能性を否定。「みんなこのシリーズを愛しているしね。台無しにしたくないんだ」と答えた。

とはいえ、想像の中なら話は別。この日はそれぞれのキャラクターが25年後どうなってると思う?というお決まりの質問も投げかけられ、マイケル・J・フォックスは「マーティは家族人だからね。いまの僕と同じことしてると思うよ」と4人の子供たちについて触れ、同席したリー・トムソンも同じく自分の子供への愛を表現。クリストファー・ロイドはドク・ブラウンの現在について、

「うーん、なにも変わってないんじゃないかな。彼は死ぬまで発明を続けると思うし、そのいくつかは巧くいって、残りはダメなんだろうけどね」

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ゴダール、アカデミー名誉賞授賞式には参列せず

米アカデミー協会は、11月13日に執り行われるアカデミー名誉賞授賞式にジャン=リュック・ゴダールが参列しないことを発表した。

同監督とアカデミー理事トム・シェラックとはこの案件に関して2ヶ月間連絡を取り合ってきたが、結果、両者はこのような結論に至った。はっきりとした理由は示されていない。

シェラックによると、ゴダールは改めて受賞への謝意を示すと同時に、今回同席するはずだったフランシス=フォード・コッポラをはじめ3人の受賞者たちにもよろしくと触れてあったという。

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2010/10/25

【レビュー】サラの鍵 Sarah's Key

ジャーナリスト出身のタチアナ・ド・ロネによるベストセラー小説が映画化。トロント映画祭でお披露目された本作は早くもワインスタイン・カンパニーによって米配給権が買いつけられた。そしてこのたび、東京国際映画祭コンペティション作品として日本の観客のもとにも到着。マスコミ上映ではあちこちから絶えずすすり泣きの声が聞こえていた。

Sarah_s_key 
それはドイツでもポーランドでもオランダでもない、フランスで起きたユダヤ人迫害事件。それも当時のフランス政府による措置だった。居住区の一斉検挙により競技場への移住を余儀なくされたユダヤ人家族。その娘サラの機転で、幼い弟の命は助かったかに思われた。が、その後の出来事が彼女の心に生涯拭い去ることのできない大きな悲しみを残すことに。

そして現代。ひとりの女性記者ジュリアがこの一連の迫害事件を追いかけていた。そして彼女が今まさに住もうとしているこの部屋に関する、思いがけない事実を知ることになる。

本作はサラとジュリア、人種も時代も違うふたりの女性の動線を交互に追いかけていくミステリーだ。当時のフランスでこのような事件が起こったのかと震撼させられると同時に、少女が咄嗟に下した決断、その後、少女が「鍵」をめぐる事実と直面した時の衝撃には誰もが心を震わすことだろう。またこんな暗黒の時代であっても人々の人間性は完全には枯れ切っていなかったことを、随所に、砂漠に湧いた一滴の水のごとく微かな潤いでもって感じさせくれる。

だが、本作における本当の「鍵」はまた別のところにも存在した。それは過去の真実を解き明かしたいとする現代からの視点であり、歴史という名の巨大で分厚い扉を押し開こうとする、記者として、女性として、母としての強靭な意志そのものである。

中盤以降、サラの消息を追うことは困難を極める。それに彼女には謎の部分も多い。それらが本作で完全には明かされないのは、登場人物の誰もが彼女の心理や彼女の人生の一回性を正確に把握することなど困難だからだ。

しかし後からその記憶の糸を地道に手繰り寄せていくジュリアには、それに代わる自分自身の一回性の経験と人生を持ち合わせている。時代が違えども、彼らは同じ人間であり(サラとジュリアは同じ女性でもあるし)、片方は他方のもうひとつの可能性と捉えることもできる。いまこうやって胸を痛めている想いを、かつてサラも同じように抱いていたかもしれない。そうやって他人という垣根や隔たりは突き崩される。そうやって過去と現在、人と人とは繋がっていく。

こうした想いが深まることによって人間が人間を物や家畜以下に扱ったあの時代を繰り返すことも、ましてや現代人が想像力を遮断して当時のあらゆる人たちを無条件に「悪人」と決めつけることも無くなるのだろう。すべての現在は過去からの連続性のもとにある。その原理を深く心に刻んでくれる名作が、またここにひとつ誕生した。それを可能にしたあの女優たちの卓越した圧倒的な演技と存在感に、心から拍手を送りたい。

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【レビュー】ジャック、舟に乗る Jack Goes Boating

今年も冬が始まる。春になって、もう少し温かくなったら、好きなあの女性と一緒にボートに乗りたい。でも、そのためにはまず、泳げるようにならなくちゃ。。。かくしてNYに暮らすハイヤー運転手ジャックの水泳特訓がはじまる。

東京国際映画祭にてフィリップ・シーモア・ホフマン主演&初監督作"Jack Goes Boating"を観た。それは慎ましく、愚直で、身につまされ、ちょっとだけ励まされる、30代、40代へのささやかな応援歌だった。

Jackgoesboating_2 
フィリップ・シーモア・ホフマンの初監督としての腕は、取り立てて洗練されているわけでもなければ、技巧に走るわけでもない。そこに広がるのは背伸びも誤魔化しもない、まさに等身大のジャックの日常。まるっきり無添加、無香料のホフマンの世界だった。

水泳指導を買って出た親友は、ジャックと共にプールに潜り「水中ではしっかりと目を見開くんだ」と言う。だらしなく突きだしたお腹を持て余しながら、ぶくぶく泡を立て、ぐほぐほとむせ返る。それでもジャックは必死に目を開こうとする。水中でそうしている間、喧騒は遮断され、世界はとても穏やかだ。それは巧くいかない自分の人生を水泡ごしに見つめる訓練のようでもある。目を閉じずに、ゆっくりと。それができて初めて次は「前に進む練習」へと移っていく。

自分の人生には何が必要で、今自分はどこに向かっていけばいいのか、また何を越えるべきなのか。これらの命題にレゲエのサウンド、あと友人たちのささやかな祝福が備わったなら、その後の結果がどうなろうと、その時点ではとりあえず、無敵なのかもしれない。この人生の第一歩ともいうべきクライマックスのドタバタを本作は戯曲の映画化らしく、室内の濃密な会話劇として抽出してみせる。

様々な情景にメタファーが香る。レゲエだってそう。ジャックは「レゲエの歌詞は分かりにくい」と言うが、「聞いてるうちになんとなく分かってくる」とも口にする。冒頭の「お前はラスタファリアンか?」との問いを後でもう一度繰り返したなら、ジャックはいつか「うん」と答えたかもしれない。NYの真ん中で立ち往生する彼が、なぜかレゲエの魂と近似値を取って歩みを進めている。その組み合わせが実に微笑ましい。きっとラスタファリズムとは世界の至る所に自然発生するものなのだろう。その中で歌われるメロディアンズの“バビロンの河”だって、世界中の至る所に。

相手役のエイミー・ライアンは『ゴーン・ベイビー・ゴーン』の悪母役や『グリーン・ゾーン』のジャーナリスト役とはまた違う役回り。目の鋭さから中年女性としての本音と建前のほとばしる彼女が、本作ではちょっと穏やかで、一筋縄ではいかない不思議ちゃんぶりを振りまいてくれる。

間違っても10代、20代が心酔するには夢がなさすぎるし、『クレイジー・ハート』みたいに枯れて初めて真意が体得できる映画とも違う。"Jack Goes Boating"は30代、40代の、ちょっと若さが立ち行かなくなった男女が初めて嗜むクスリのような。いや彼らが揃って挑戦する危険な水タバコのような。

そんな存在かもしれない。

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北米興行成績Oct.22-24

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Oct.22-24 weekend 推計

01 Paranormal Activity 2 (-) $41.5M
02 Jackass 3D (↓) $21.6M
03 Red (↓)$15.0M 
04 Hereafter (↑)$12.0M
05 The Social Network (↓) $7.3M
06 Secretariat
(↓) $6.9M
07 Life as We Know It (↓) $6.1M
08 Legend of the Gurdians
 (↓) $3.17M
09 The Town (↓)$2.7M
10 Easy A (↓)$1.7M

*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。


■まさか、まさか。誰もが苦笑いしながらその成り行きを見物していた『パラノーマル・アクティビティ2』が、ハロウィーン1週前の週末興行ランキングを制した。しかも驚くべきことに、批評家、観客による評価も軒並み「よくやった!」という賞賛が多いのだ。

Paranormalactivity2
木曜24:00以降にスタートした深夜興行では「R指定(17歳未満は保護者同伴)」作品として『ウォッチメン』を越える史上最高興収を記録。さらに週末3日間のオープニング興収4150万ドルはホラー映画に類別される作品としてこれまた『13日の金曜日』(2009)を越える史上最高額。観客層は25歳以下が61パーセント、女性が54パーセント。

前作はたった1万5000ドルの製作費で1億ドル以上の興収を叩き出したことで有名だが、対する本作の製作費は300万ドルほど。きっとこれに匹敵するくらいにマーケティング費が計上されていることと思われるが、それを差し引いてもローリスク、ハイリターン。『ブレアウィッチ・プロジェクト』続編の二の舞にはならなかった。

ちなみに、『パラノーマル』シリーズの国際的フランチャイズ企画として、この日本でもパラレルな第2章が製作されているのをご存じだろうか?日本製のアイディアだとさらにファンダメンタルな恐怖が倍増しそうな気が。これを成功させて、この先世界各国の多種多様な『パラノーマル』な風景を概観してみたいものです。

■1位に続き2位にもパラマウント作品が並ぶ。先週の覇者"Jackass 3D"はこの手のジャンル・ムービーにはありがちなことだが興収を先週比57パーセントほどズドンと下げた。だが累計は早く8700万ドルを突破。製作費2000万ドルと言われているので、こちらも利益ばかりが積み重なっていく。

■3位の"Red"は2週目としては先週比31パーセント減と下げ止まりが働いている。累計は4300万ドルほど。来週には製作費の5800万ドルをカバーできるか?

■全米での拡大公開を迎えたクリント・イーストウッド監督最新作"Hereafter"は興収1200万ドル程度にとどまった。御大、80歳の新境地。この先、根強い人気が続いていけばよいのだが。

■東京国際映画祭でもオープニング上映されたソーシャル・ネットワーク』(←拙ブログのレビューに飛びます)は5位へランクダウン。累計は7300万ドルほどにまで達した。製作費は5000万ドル程度と言われている。

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2010/10/23

スピルバーグ、次回監督作が決定

"War Horse"、『タンタンの冒険』(原題未定)の完成が待たれるスティーヴン・スピルバーグ監督。その次なる監督作としてSF黙示録"Robopocalpse"が正式に選ばれた模様。ロボットが反乱を起こした後の世界、生き残りをかけた人類の挑戦が始まる・・・という物語らしい。

・・・らしい?

そう、まだ誰もその確たる内容を知らない。原作の出版は2011年の6月なのだ。

Robopocalypse_2 
未完の状態で映画化権が取引された本作。脚色を手掛ける『クローバーフィールド』のドリュー・ゴダードは原作者ダニエル・H・ウィルソンから1ページ1ページ上がってくるごとにそれを随時脚本へと変換したという。

ウィルソンは作家業のほか、テレビ番組のホスト、ロボット工学の専門家としても知られた才人。ゆえに彼の理論に基づいた斬新な発想こそがスピルバーグ一味の欲するところなのだろう。

"Robopocalypse"は今のところ2012年1月に撮影を行い、2013年の公開を目指す予定。

ちなみに、スピルバーグの待機作"War Horse"と『タンタン』は公開日がそれぞれ2011年12月23日と12月28日に決定済み。同一監督作の公開日がこんなにも接近するのは史上稀に見る事態だ。

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『ハングオーバー2』メルの代役は、リーアム・ニーソン

即決だった。

スタッフ&キャストの理解が得られずメル・ギブソンへのカメオ出演オファーを断念した『ハングオーバー2』のトッド・フィリップス監督は、すぐさまその照準をリーアム・ニーソンへと変更。この日曜にもロスでその撮影が行われるという。

ちなみにリーアム・ニーソンとブラッドリー・クーパーは『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』でも共演した中。もしかするとそこらへんの厚いコネクションが働いたのかも。

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2010/10/22

『ハングオーバー2』、あの俳優のカメオ出演は無し

今週初頭に世間を騒がせた、メル・ギブソンの『ハングオーバー2』へのカメオ出演の話が消滅した。トッド・フィリップス監督は文書にてこの決定を発表。「スタッフ&スタッフの理解が得られなかったため」オファーを断念したそうだ。

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2010/10/21

【レビュー】ソーシャル・ネットワーク

フェイスブックの創始者マーク・ザッカーバーグ。ハーバード在学中に着想、拡大させたその壮大な構想の原点にはいったいどのようなエピソードが隠されていたのか?

ストーリーだけを追うと非常にオーソドックスな映画だ。ひとりの女性が手元から去った(というか付き合っていたのかさえ分からない)のをきっかけに、腹いせか、それともゲーム感覚か、とにかく瞬く間に世界中の5億人ものユーザーと繋がってしまった青年の話。

The_social_network
その意味で、これはメディアを使って神になろうとした『市民ケーン』かもしれないし、または領土拡張を図る新時代の『アレキサンダー』なのかもしれない。いやこれにとどまらず、『ソーシャル・ネットワーク』には、学園、恋愛、友情、裏切り、訴訟、ビジネス、誘惑といった映画の様々なジャンルが一緒くたにされ、コンピューターの演算処理のごとくジェットコースターのごときスピードでスリリングに絡まり、ほつれ、ほどけていく。特にそのセリフの速度、量たるや尋常ではない。

ただし、そこには全くの抒情性が欠落している。これら膨大なセリフの中に、ほんとうに大切なものは果たしてどれほどあるのか。デビッド・フィンチャーの演出、アーロン・ソーキンの脚本はこの物語を推し進める幾人かの登場人物の感情にベールをかぶせ、とりわけこの人間ともモンスターとも取れるひとりの青年の相貌を不気味なまでに創出していく。

そして面白いことに、本作のザッカーバーグは感情が読み取りにくい代わりに、自身が執筆しているブログでは他人に対する罵詈雑言をたやすく吐き出している。まさに感情を外付けハードディスクに保存しているかのようなキャラクター造型。きっと多くの観客が彼の佇まいに(良くも悪くも)人間の行きつく先を垣間見るのではないだろうか。そして彼の行動を俯瞰した時、実生活で叶わぬならばせめて構造的に人と繋がっていたいという、あまりに切実な想いを感じてしまうのは気のせいだろうか。

そうして翻弄されるうちに、ふと映画は終幕-。

え、ここで終わりなの?と驚いてしまった。あまりにあっさりと、余韻のない幕切れ。もしかすると2時間半、3時間くらいにも引き延ばせたかもしれないこの物語を、本作は2時間ちょうど(!)で終わらせる、というか切り上げているのではないか。これも抒情性を剥ぎ取るひとつの方法なのだろうか。例えるならば、サイトからログ・アウト、あるいはPCをオフにするの感覚と似ている。なんだかそのやり方も含め、本作自体が恐ろしいほどネットっぽくてリアルだ。

ただし、それでいてデヴィッド・フィンチャーの創り出すひとつひとつのシークエンスは、相も変わらず深い闇と仄かな光とが同居し、静謐な中に凄味を秘め、またあらゆる感情を削ぎ落していく怪物性をも十分に匂わせている。演技面でも若き俳優たちがこの状態を作り上げていくまでに何十回、何百回とシーンを繰り返させたそうだ。脚本家アーロン・ソーキンの目にはその演出ぶりが「そうすることでオペラ的な演技に向かおうとする本能を鈍らせ」るように見えたそうだ。このあたかも表面的な世界を作り上げるのに、実はとてつもない綿密な創作過程と研ぎ澄まされたビジョンを擁していることも忘れてはいけない。

多くのフィンチャー作品と違って一滴も血は流れないが、その上をゆく危険なものが脈々と流れていたような気もする。果たしてこの映画の電源を切った時、あなたの心の中には残るのはいったいどんな感情だろうか?

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ナイン・インチ・ネイルズとしても知られるトレント・レズナーによる楽曲がフィンチャーの映像&コンピューターをめぐるストーリーと怖いくらいの相性の良さでハマっています。

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ヴァン・ダムは心臓発作を否定。「100パーセント、元気さ!」

昨日、撮影現場で軽度の心臓発作を起こしたと報じられたジャン=クロード・ヴァン・ダムが、それらのウワサを一蹴。フェイスブックにてこのようなコメントを発表した。

「数時間前、ネットでオレが心臓発作に見舞われたってウワサを読んだよ!どうかそれらのデマを信じないで。ジャン=クロード・ヴァン・ダムは100パーセント元気さ。日々ファイトシーンに備えて身体を鍛えているし、ファンや友人たちに向けていつもとびきりの愛を送っているよ。 JCVD」

元気で良かった。。。でもこの件に関しては真偽を確かめようにも代理人に連絡とれず、なおかつレスポンスも悪い、といった3重苦がここまでウワサを拡大させる原因となったようだ。

というか、『エクスペンダブルズ』での不在をこんなニュースでカバーするとは。ヴァン・ダム、さすがだ。本当に単なるデマで、健康上なんの問題もなければよいのだが。

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『ホビット』のゴタゴタ、いよいよ最終局面へ

ようやくワーナー、ニューライン、MGMの交渉がまとまり、ピーター・ジャクソン監督のもとで来年の2月に撮影スタートできる見込みとなった『ホビット』。かの名高い『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚として、再びニュージーランドの大自然を背景にロケーションを組んでさあスタートかと思いきや、そうはいかないところが本作の呪いだ。

ご存じのとおり、これまで現地の俳優組合が世界の姉妹組合と手を結んで「これは組合の存在しない作品です。組合員は本作に参加しないように」とのお触れ書きを出したり、それに対しジャクソン側は「それなら我々はNZを出て他国で製作にあたる用意がある」と言いだし、これにはNZ政府や首相までもが「ちょっと待った!」と唱える始末。

そして、ここからが本筋だ。本日世界中に広まった情報によると、ワーナーはNZ国外への転出の可能性を検討しているらしく、たとえば『ハリー・ポッター』シリーズで使用されたUKのスタジオなどが候補に挙がっているという。これに対するアクションなのか分からないが、水曜にはNZの映画人たち1000人~1500人ほどが"Save The Hobbit"などと横断幕を掲げてデモを行ったとか。

そして俳優組合側はついに『ホビット』へのボイコットを撤回。

しかし依然として国外移転の可能性は残されている。ピーター・ジャクソン側によると「すべてはワーナー・ブラザーズの決断に委ねられている」とのこと。ある意味、国家的事業と言っても過言ではないこの映画。結局NZに落ち着く気もするのだが。。。ワーナーの最終判断に注目が集まっている。

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ジョニー・デップ、リメイク企画を始動

本日の映画系メディア各紙が伝えるところによると、ジョニー・デップが『パイレーツ・オブ・カリビアン4』のロブ・マーシャル監督と共に1934年の名作『影なき男』をリメイクしようとしているらしい。ダシール・ハメット原作によるこの推理ドラマは、探偵稼業を営みアルコール漬けの毎日を送っていたニックが主人公。富豪の娘ノラとの結婚を機に改心の毎日を送る彼だったが、訪れたNYでとある事件と遭遇することでつい古い習性が蘇ってしまう。気づくと彼らは夫婦そろって捜査に従事することに。。。

製作を担うワーナーブラザーズでは早くも脚本家探しに着手しはじめたとか。ジョニーがニック役を演じるとすると、ノラ役を誰が演じるのかも重要な決め手となる。製作にはジョニー・デップの製作会社Infinitum Nihilも参加。ただでさえ映画企画の山積み状態なデップだが、このリメイク、ほんとうに日の目を見る日が来るのだろうか。

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2010/10/19

バズ・ラーマンが「グレート・ギャッツビー」ワークショップ開催

Deadlineが面白い情報を伝えている。『ムーラン・ルージュ』で知られるバズ・ラーマン監督がニューヨークでF.スコット・フィッツジェラルド原作「グレート・ギャッツビー」のワークショップを開催したそうだ。彼がクレイグ・ピアースと共同執筆した脚本を使用し、レオナルド・ディカプリオがギャッツビー役を、トビ―・マグワイアがニック・キャラウェイ役、『ザ・タウン』のレベッカ・ホールがデイジー役をそれぞれ担当した模様。

同記事によると、これまでにもバズ・ラーマンは自身が温めている脚本に関して必ずワークショップを行ってきたという。ただしここで起用した俳優らが実際の映画版でその役を担うかどうかについては分からないそうだ。そもそもレオとトビ―は親友同士なので、互いに誘いあっての参加ということも充分考えられる。そしてデイジー役には他にもアマンダ・セイフリード、ナタリー・ポートマンが候補に挙がっているとの噂も。

だが現時点で、バズ・ラーマン自身、次回作に「グレート・ギャッツビー」を手掛けるとは何ら正式発表していない。まずはあくまで可能性を探るためのワークショップと捉えておいた方がよさそうだ。

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ゴッサム・アワード候補発表

ニューヨークを中心とするインディペンデント映画の祭典、ゴッサム・アワードの各部門ノミネート作品が発表された。今年の最多ノミネートは"Winter's Bone"(作品賞、アンサンブル賞、新人賞/ジェニファー・ローレンス)。

Wintersbone_2 
本作は今年の東京国際映画祭のワールドシネマ部門でも上映される。サンダンス映画祭でグランプリを受賞するなど評価の高い作品なので、もしもお時間ある方は足を運ばれることをお勧めする。日本での配給先が見つからない場合、これが最後の観賞チャンスとなる可能性もありますので。作品情報はこちら

ゴッサム・アワードの作品賞候補には、"Winter's Bone"の他に"The Kids Are All Right"、"Black Swan"、"Let Me In"、"Blue Valentine"が挙がっている。

なお、同じくインディペンデント映画の祭典と呼ばれるものにインディペンデント・スピリット・アワードがある。こちらは西海岸が中心となる。

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マーヴェル2作がディズニー作品に

ディズニーがマーヴェル・コミックの親会社となって久しいが、こと映画に関しては未だにパラマウントやソニー、フォックスなどが配給を手掛けるばかりで、ディズニーがどのような動きを見せるのかに関心が集まっていた。

が、このたびディズニーとパラマウントの間で交渉がまとまり、『アベンジャーズ』『アイアンマン3』はディズニー配給作となることが発表された。ディズニーはパラマウントにミニマム・ギャランティーとして1億1500万ドルを支払い、これらの作品が当初の予測よりも多額の興収を得た場合は別途追加の利益配分が行われる。『アベンジャーズ』の公開は2012年5月4日、『アイアンマン3』は2013年5月3日。

なお、同じくマーベル・コミック原作の『ソー』『キャプテン・アメリカ』は当初の予定通りパラマウント配給のままで公開される。『ソー』は2011年5月6日公開、『キャプテン・アメリカ』は同年7月22日に公開。

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アンジー監督作に再び撮影許可下りる

アンジェリーナ・ジョリー初監督のサラエボでの撮影が再びボスニア当局により認められた。

一時的に取り消されていた撮影許可は、当局の求めに応じて書類上の不備を修正し、なおかつ脚本提出で幾つかの確認がなされた上で回復される形となった。

本作は1992年~95年にかけてのボスニア紛争を舞台にしたラブストーリー。紛争前夜に出逢ったセルビア人男性と、ムスリムのボスニア人女性とが戦火の中で愛を育みあう物語と言われている。

が、AP通信によると、ボスニアでは(一部で)本作について、紛争下で深刻な傷跡をもたらした女性への集団暴行の加害者と被害者がいつしか愛を育み始める・・・などといった間違った筋書きが流布されており、これが本当であれば被害者の傷を蒸し返しかねないとして、戦争犯罪被害を受けた女性たちを支援する団体が現地での撮影許可を取り消すよう当局に申し入れていた。

このたび晴れて認可を回復した本作は、現在ハンガリーにて撮影中。サラエボでの撮影は11月になる模様。

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2010/10/18

【レビュー】エクスペンダブルズ

エクスペンダブルズ、つまり消耗品の話である。かつて80年代に第一線で活躍したハリウッド映画を代表する不死身のマッチョが、いまだに最前線でマッチョを続けている。生涯現役、というと聞こえはいいが、要は万年平社員と同じである。現にかつて主演シルヴェスタ―・スタローンとマッチョ度を競い合ったシュワルツェネッガーはとうに自分を消耗品でない地位にまで高めている。特別出演するこの映画の中でも・・・。Expendables_2ストーリーは単純至極。スタローンの指揮するゴロつき傭兵部隊が南米の独裁政権に闘いを挑む。ただそれだけ。“ジェイソン・ボーン”シリーズがアクション映画の定義を根底から覆してしまった昨今、20年前のアクションを地で行く本作はまるでファンタジーのように見える。殺戮の量も半端ではないし、火薬の量も常軌を逸している。あまりに現実離れした描写の数々をバカバカしいと放棄しそうになる。だが、一方で80年代を生きた男子ならば遺伝子レベルで確実に味を覚えてしまったあのカタルシスが蘇り、理性をすっ飛ばして身体が勝手に熱狂してしまう。

きっと僕らは『アリス・イン・ワンダーランド』の白ウサギならぬ、髑髏マークの轟音バイク軍団に導かれ、いつしかミッキー・ロークが営むバーに迷い込んでしまったのだろう。そこに漂うのは本作に登場するあらゆる武器にも増して強烈で危険な臭気を放つ“ノスタルジー”だ。これを鼻孔に感じてしまったら最後。大味な演技も、大げさなアクションも、洗練さとはかけ離れたジョークの類も、どれもツボにはまって、まるで自分自身があの頃の同窓会にでも参加しているような感慨に耽ってしまう。僕らはかつて、このノリ、この仲間たちが大好きだったんだ。そしてその同窓会には、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リーといった同ジャンルの後輩たちも顔を揃えている。

『ロッキー・ザ・ファイナル』『ランボー 最後の戦場』、そして『エクスペンダブルズ』。スタローンは自分たちがもはや絶滅危惧種であることを知っている。シュワちゃんのように政治家になるには滑舌が悪すぎることに知っている。だからこそ背水の陣を利用して最も泥臭い闘いを挑み、そして敵に対しても、観客に対しても見事勝利を収めてみせる。いや何よりも、30年前にアメリカ合衆国そのものを象徴したはずのマッチョな身体を、いまこの時代においてたまらない悲壮感として世界に提示できるクレバーさこそ彼の才能そのものである。

フィクションであれリアルであれ、フィクサー的に世界を動かすのがシュワちゃんだとすれば、スタローンは実行部隊としていち早く現場へ乗り込んでいく。しかしこのバランス感覚、計算高さからすると、現場主義のスタローンの方がよっぽど頭が切れる。そんな気がするのだ。最も泥にまみれた男こそ、フィクサーたるにふさわしい。

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北米興行成績Oct.15-17

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Oct.15-17 weekend 推計

01 Jackass 3D (-) $50.0M
02 Red (-) $22.5M
03 The Social Network (↓)$11.0M 
04 Secretariat (↓)$9.5M
05 Life as We Know It (↓) $9.2M
06 Legend of the Gurdians
 (↓) $4.24M
07 The Town (↓) $4.0M
08 My Soul to Take (↓) $3.16M
09 Easy A (↓)$2.65M
10 Wall Street:Money Never Sleeps (↓)$2.35M

*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

Jackass_3d_2 
■毎度お騒がせの「超バカ&危険なスタントに挑戦するぜ!」シリーズ最新作"Jackass 3D"が猛ダッシュを記録。関係者の事前予測では「3000万ドルいくかも!?」と、もうその時点で喜びの表情が伝わってくる状況だったようだが、フタを開けてみるとその更に先をゆく興収5000万ドル。製作費は2000万ドルと言われているので、これは現時点で大ヒットと断言していい。この結果と共に公開前に渦巻いていた「3D料金を払ってまで観たいか?」という懸念もいとも簡単に吹き飛ばされた。出口調査では60%が男性、67%が25歳以下だという。

■ちなみに2002年の映画版第1弾『ジャッカス・ザ・ムービー』はオープニング興収2280万ドル、累計6430万ドル。2006年の『ジャッカス・ナンバー・ツー』(←拙ブログのレビューに飛びます)はオープニング2900万ドル、累計7278万ドル。

■2位に立ったのはヘレン・ミレン、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコビッチ、ブルース・ウィリスが繰り広げるアクション・コメディ"Red"。

Red
“とある秘密”を知るがゆえに暗殺対象とされた元CIAトップエージェントたちが自分の持ち得るスキルと頭脳を駆使して生き残りをはかる物語。前々から評判を呼んできた本作だが、出演陣を見ても分かる通り中高年への訴求力が高く、出口調査でも58%が35歳以上だとか。まさにティーンの動員が多い"Jackass"の対抗馬としてふさわしい興行パフォーマンスぶり。年齢層が高いほど2週目以降の減少幅が緩やかになるので、今後も注視が必要だ。

ソーシャル・ネットワーク』は3位へランクダウン。累計興収は6300万ドル。先週試写して参りましたので、近いうちにレビューをアップいたします!

■公開2週目の"Secretariat"は興収的には低いが、先週比の下げ幅が25%という驚異の底力を発揮している(2週目作品の平均的な下げ幅は50%)。

■TOP10圏外では、北米6館で限定公開のはじまったクリント・イーストウッド監督最新作"Hereafter"が1館あたりのアベレージ4万ドル近くを叩き出している。今週末より全米拡大公開となるが、この勢いは持続できるだろうか?

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2010/10/14

ボスニア当局、アンジー初監督作の撮影許可を取り消し

ロイター通信によると、アンジェリーナ・ジョリーが製作中の自身の初監督作に対し、ロケ地の一部に決定しているボスニアの当局が撮影許可を取り消すとの通達を出した模様。当局は書類上の不備を指摘し、なおかつ、この作品の脚本の提出を求めている。

本作はボスニア紛争直前に出逢ったセルビア人男性とボスニア人女性とのラブストーリーとのこと。アンジー側の説明によると、政治的な主張などは全く含まれていないという。

が、先の紛争で心や身体に被害を受けた女性たちの団体は、この映画が被害者女性たちの心を逆なでしかねず、紛争の実態を捻じ曲げるものだとして当局に撮影許可を出さないよう要求していた。

1992年から95年にかけて10万人もの人々が殺されたというボスニア紛争。異文化、異教徒間の憎しみ合いと衝突によって、多くの女性たちが生涯癒えることのない悲惨な経験に見舞われてきた。その心の痛みはサラ・ポーリー主演作『あなたになら言える秘密のこと』の裏テーマにもなっていた。

はたしてアンジー側はこの問題を解決して映画を先に進めることができるだろうか。すでにブダペストで撮影に入っている彼女。もちろん「ボスニアで撮影しない」という選択肢もあるのだが、UNHCRの大使まで務めるアンジーなので、最良の解決策を模索してくれると堅く信じたい。

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俳優目線で観る『ソーシャル・ネットワーク』

いよいよ本日、日本でもマスコミお披露目となる『ソーシャル・ネットワーク』。

LAを拠点に演技&アート活動を展開する友人、高綱さんが自身のブログでこの映画における“演技”について面白い論を展開している。LAの名門演技学校でメソッドをみっちり学んできた彼女の目には、本作の演技がこれまでの伝統を覆すとても斬新なものとして映ったそうだ。

きっとこの先、映画においてネットやPCの占める割合はどんどん拡大していくだろう。それは人間が記憶をいちいち体内に抱え込むんじゃなくて、外付けでハードディスクに蓄積、あるいはクラウド・コンピューティング化していく時代。そりゃあ、感情表現の仕方も変わってくるよな。。。

普段、俳優という目線で演技を分析したことの無い自分にとっては非常に斬新なレビューだった。幸運にもストーリーにはほとんど触れていないので、ネタばれなしで読めます。いち早く予習したい方はぜひ。

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トム・ハーディ、ノーラン監督の「バットマン3」に出演か?

『インセプション』で成りすましの名手“イームス”としてチームに貢献したトム・ハーディ。

Deadlineの記者が関係者から入手した情報によると、この英国人俳優はノーラン監督が準備を進める「バットマン3」(タイトル未定)に重要な役で出演する見込みだそうだ。

Tomhardy
ただし情報はここまで。彼が何の役を演じるのかについては、悪役か否かも含めて、全く明かされていない。リドラ―かもしれないし、ロビンかもしれない。あるいはゲイリー・オールドマンとと共に闘う組織側の人間ということもあり得る。

トム・ハーディは現在製作が遅れている『マッド・マックス』シリーズ最新作"Mad Max:Fury Road"に主演するほか、『ぼくのエリ/200歳の少女』のトーマス・アルフレッドソン監督が手掛ける英国スパイ映画"Tinker, Tailor, Soldier, Spy"にてオールドマンと共演。マックG監督によるコメディ"This Means War"ではクリス・パイン、リース・ウィザースプーンと共演する。

そして日本ではあまり知られていないのだが、ハーディは過去にこんな作品にも出演している。

Bronson
この肉体改造ぶり、誰だか全く分からない。もはや怪人の域、とも言えそうだが。。。

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【レビュー】エル・トポ 製作40周年デジタルリマスター版

真っ青な空。一面に広がる砂漠。

そこに全身黒づくめの男が、馬にまたがってゆっくりと近づいてくる。手にはコウモリ傘。後ろには素っ裸の男の子がちょこんと座っている。男は目印のあたりで馬をとめ、少年に向かってこう言う。

「お前はもう7歳になった。さあ、“オモチャ”と“母さんの写真”を砂に埋めろ」

これが1970年の奇跡とまで言われた『エル・トポ』のファースト・インパクトである。セリフに意味を求めても答えは出ない。要はこの感覚に共感できるか、否かだ。ジョン・レノンだって、アンディ・ウォーホール、ミック・ジャガー、デニス・ホッパーだって、この映画に惚れ込んだ人なら誰もがこのオープニングに等しく心を震わせた。そして今、あなたも。

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激動の60年代を越え、70年代に到達した表現者の葛藤がここにある。監督を務めたのはアレハンドロ・ホドロフスキー。チリ出身のロシア系ユダヤ人。世界を放浪したあげくにメキシコに辿り着き、映画製作の道に迷い込んだのだとか。彼が60年代に『エル・トポ』を発していたなら、彼は革命家になったかもしれない。だが、彼は幸か不幸か70年代にまたがった。それはまた別次元の、新しい時代だった。

これはホドロフスキーの描く、詩的なアドベンチャーであり、ビザールなウェスタンであり、文明が破壊されたあとの未来世界、あるいは宗教的絵画のようでもある。

次々と予測を裏切り飛躍を遂げていく本作を見ながら、映画たるものこんなにも自由でいいのか、と驚愕した。と同時に、自由であることの恐ろしさに震撼した。『エル・トポ』には確かに奇想天外、荒唐無稽な創造性が極限まで詰まっている。しかしそれらはどれもが血のにじむほどの葛藤によって勝ち取られた戦利品。マーケティング理論に基づく大量消費社会とは見事にかけ離れた一点もののシロモノである。この先フォロワーが器用にマネしようったってできるものではないし、そもそも出資者がそうさせるはずがない。

旅する男=エル・トポはやがて神をも越えようとする。砂漠をグルグルと徘徊し、敵を見つけては勝負を挑み、汚い手を使ってでも必ず勝つ。古より繰り返してきた人類の歴史がこの砂漠でエンドレスに繰り広げられている。バックには何故か仏教的な読経の声。そしてこの無意味な闘いの果てに、男は悟りの境地に辿りつく。その瞬間、壁がメラメラと崩壊する。しかしその先には更なる壁がそびえたつ。きっと、その先、そのまた先にも。。。この孤独な闘いには終わりなどなど存在しない。するわけがない。

だからこそ、僕らは70年代だって00年代だって、変わらず怯まず自由を叫び、苦闘に身をさらす。壁を壊す。そのまた先を目指す。立ち止まる。泣き崩れる。裏切られる。殺す。殺される。そして僕らは、ジョン・レノンが、ウォーホールが、ミック・ジャガーがそうしたように、また等しく『エル・トポ』のラストシーンに立ち会うことになる。

それは奇しくも本作の冒頭へと連なる序章だった。まるで輪廻転生。これほど遠くまで旅してきたのに、僕らは箱庭から一歩も外に出ていなかったかのよう。これは絶望なのか?希望なのか?

そして哀しいかな、これまで熱に浮かされたように想いの丈を綴ってきた筆者にも、この映画が傑作なのか、駄作なのか、一向に答えがでない。

しかしこれだけは言える。そこには、ただ、圧倒的なパワーと創造性が渦巻いていた。いかなる尺度でも収まりきらない。その無規格、無秩序の幸福こそが『エル・トポ』そのものなのだ。

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2010/10/13

エイリアン序章、主演候補にナタリー・ポートマン?

"Black Swan"の手ごたえがナタリー・ポートマンの俳優人生に変化をもたらしている。もともと演技力と存在感には定評のあった彼女だが、ダーレン・アロノフスキーの放ったこの一作は彼女の内なる一面をさらに発露させ、早くも本年度の女優賞オスカーの呼び声も高まっている。またそんな彼女を早く囲い込もうと、様々な製作者が手を伸ばしてきているとの噂も聞こえてくる。

すでにポートマンにはマーヴェル・コミック原作の『マイティ・ソー』をはじめ数本の公開待機作があるものの、新作の予定などは発表されていないどころか、彼女自身が映画化権取得のために奔走した「高慢と偏見とゾンビ」の主演から降板(プロデューサーとしては関与)し、つい先日にはアルフォンソ・キュアロン監督作"Gravity"のオファーも辞退したばかり。ポートマン自身、"Black Swan"の直後に今度は何に挑むのか、その選択が今後の女優人生を決定づけることをしっかりと自覚しているようだ。

そんな中、ニューヨークマガジンのブログ版Vultureが、リドリー・スコットが手掛ける「エイリアン・プリークエル(前章)」の主演候補として彼女の名前がかなり高い順位で挙がっていると報じている。"Black Swan"も『エイリアン』シリーズも同じ20世紀フォックスが絡んでいることから、これは大いにあり得る選択肢だ。そして、この意向が既にポートマン側に伝わっているとすると、同じスペース・スリラーの"Gravity"をいち早く辞退したのも納得がいく。(ちなみに"Bkack Swan"のダーレン・アロノフスキー監督も、現在、やはりフォックスの『ウルヴァリン2』監督候補の最有力と言われている)

また「~プリークエル」にはスウェーデン版『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』に主演したノーミ・ラパスや、キャリー・マリガン、アビー・コーニッシュなどの出演も噂されている。現在、「LOST」シリーズのデイモン・リンデロフが脚本リライト中。3D公開も視野に入れてプロジェクトは少しずつ具象化を増している。

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ダフトパンクによる『トロン』スコアの一部を公開

すでに巷では幾度となく話題に昇っていることだが、12月17日公開の3DディズニーSF『トロン:レガシー』にはあのダフトパンクがオリジナル・ミュージックを提供している。1982年公開のオリジナル『トロン』のファンでもある彼ら。もっぱら劇判といえば撮影後の映像を見ながら形作っていくことが多いのだが、今回ダフトパンクのふたりは撮影前から企画にガッツリと参加し、この映画の世界観に身を浸していったそうだ。また音楽だけでは飽き足らず、本編中にはあのヘルメット姿のままカメオ出演まで果たしているとか。

そんな彼らの奏でる音色のほんの一部がフェイスブックにて公開された。視聴できるのは"The Game Has Changed"という曲の1分30秒分。気になる方はこちらのページの中盤付近にあるtrack listeningをチェックされたし。

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にはもうひとりの主演俳優がいた!?

製作から25年、ついにお蔵出しされた極秘映像が話題を呼んでいる。それはマイケル・J・フォックスの存在しない、もうひとつの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の世界。。。

ファンの間ではかなり知られていることだが、あの名作SF『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にはもうひとりの主演が存在した。彼の名はエリック・ストルツ。マイケル・J・フォックスよりも前に“マーティ”役としてキャスティングされながら、撮影開始5週間後にロバート・ゼメキスの苦渋の決断によって帰宅の途に就かされた。これはスタジオやキャストはおろか、この映画に関わったスタッフ全員にとって重い十字架を背負うような決断だったようだ。

しかし、結果はどうだろう。ストルツの端正過ぎる顔立ちに比べ、どこか顔に丸みを帯びたマイケルの目をキョロキョロさせたコミカルな存在感は、岐路に立たされたこの映画を光の照らす方へと導いてくれた。改めてこれらは奇跡的なキャスティングだったのだと思い知らされる。

賢者によると“If”で歴史を語ることは無意味らしい。だが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の製作から25周年を経過した今だからこそ、“ありえたかもしれない”もう一つの可能性について映像で紐解くことができる。さあ、ついにお蔵出しされた映像の一部で、この映画のパラレル・ワールドを感じてみてください。

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2010/10/12

『ナポレオン・ダイナマイト』が復活!(・・・ただしTVアニメ)

アイダホの田舎町で暮らすオタクな高校生ナポレオン・ダイナマイトをはじめ、マッチョとナードが入り混じったクセの強すぎる住民たちの青春ダメダメコメディ“Napoleon Dynamite”。国際線の中でこの映画と出逢った僕は、クライマックス付近で不覚にも涙してしまった。一撃必勝。なにしろダメな主人公が、ほんのワンシーンだけ、黄金のごとく光り輝くのだ。

Napoleondynamite
海外ではこの映画が予想外のヒットを記録し、登場キャラをあしらったTシャツやグッズまでも大流行になるという奇妙で熱い社会現象を巻き起こした。で、日本では、というと。。。海外コメディが力を持たない日本の映画興行向きではないとする判断によりDVDスル―。しかも邦題は「バス男」という、『電車男』の類似品あつかい。。。

まあ、そのような国内外の温度差が激しい“Napoleon Dynamite”なのだが、日本にも隠れファンは少なからず存在する。ということで今回はそのような奇特な方々に向けて一報を届けよう。

Heder
Deadline情報によると、この映画がFOX TV製作のもとTVアニメとして復活するという。Gosh !!映画版で監督を務めたジャレッド・ヘス&パートナーのジェルーシャ・ヘスが脚本を執筆し、これにTVアニメ「ザ・シンプソンズ」を手掛けてきたマイク・スカルが加わるという。3人はTVアニメ版の製作総指揮も担う。またナポレオン・ダイナマイト役のジョン・ヘダーをはじめオリジナルの役者陣も声優としてカムバックする予定。

通常、TVアニメは1シーズン13エピソードで構成されるそうなのだが、今回"Napoleon Dynamite"においてゴーサインがだされたのは6エピソード分。まずは様子見、といったところか。

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この2作品における主演ジョン・ヘダーの変貌ぶりときたら。。。

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『つぐない』ジョー・ライト監督の最新作は、ケミカルが音楽担当

『プライドと偏見』や『つぐない』のジョー・ライト監督が、自身に沁みついた“文芸映画”のイメージを一新すべく取り組んでいるアクション・スリラー"Hanna"。このたびニューヨークで開催中のコミック・コンベンションにて本作のスコアをケミカル・ブラザーズが担当することが明かされた。

Hanna_2 
これまで『ロスト・イン・トランスレーション』や『バニラ・スカイ』などで既存曲を提供してきたケミカルだが、映画音楽を書き下ろすのは今回が初となる。ちなみに、ジョー・ライトは90年代はじめ、ケミカル出演のレイヴに照明や映像などを手掛けるスタッフとして関わっていたという。

"Hanna"のUK公開は2011年4月。『つぐない』や『ラブリー・ボーン』に主演したシアーシャ・ローナンが幼いころより特殊訓練を積んで育ってきたティーンの殺し屋を演じる。ニキータ、ジェイソン・ボーン、エイリアスを彷彿とさせる新感覚アクションが期待できそうだ。

なお、ここ最近、大物アーティストの映画への参加が相次いでいる。ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーは『ソーシャル・ネットワーク』の音楽を担当、ダフトパンクは『トロン:レガシー』や『エンター・ザ・ボイド』(トーマ・バンガルテル名義)にオリジナル曲を書き下ろしている。

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新スパイダーマンの敵役決定!

新「スパイダーマン」に最後のピースが揃った。

『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督が3D映画として製作を進める本作。これまでスパイダーマン=ピーター・パーカー役にアンドリュー・ガーフィールド、ヒロインとなるグウェン・ステイシー役にエマ・ストーンと、フレッシュなキャスティングが続々と明らかにされてきたが、ついに敵役となる俳優が発表された。

その人物とは…?

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“ジェイソン・ボーン”第4弾にはボーン自身が登場せず!?

つい先日、“ジェイソン・ボーン”第4弾の監督にこれまでシリーズの脚本を手掛けてきたトニー・ギルロイが決定したとお伝えしたばかりだが、"Hollywood elsewhere"のジェフリー・ウェルズ氏が監督自身に確認したところによると、これらの報道には2、3の修正が必要だという。

まず、現時点での非公式な構想として、第4弾ではマット・デイモンはおろか、“ジェイソン・ボーン”そのものが登場しないようだ。全く新しいキャラクターによるオリジナル・ストーリーとなる(原作の「ボーン・レガシー」ともストーリーを異にする)。だが、これらはシリーズのリニューアルというわけではなく、あくまで前3作につづく新展開に位置づけられるそうだ。

なるほど、さすが名脚本家ギルロイだ。彼は、「ポール・グリーングラスが監督でないと復帰はしない」と第4弾への参加を阻むマット・デイモンを“捨てる”のではなく、“永久欠番”として残した。そしてとりあえずはスタジオ側がギルロイに求める企画推進を担いつつ、一方で5作目以降にマット・デイモン=ジェイソン・ボーンが復帰・合流する可能性をちゃんと用意していることになる。スタジオ側にとっても、デイモン&ポール・グリーングラス(彼も復帰は無いと明言しているが)にとっても、両者にとって痛みの少ない見事な解決策だ。

言うまでもなく、第4弾が成功しないことにはその後の展開などあり得ない。ギルロイが単なる中継ぎ投手で終わるか、グリーングラスに続く名監督の地位を確立するか。これはトニー・ギルロイ自身の闘いでもある。

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2010/10/11

全米興行成績Oct.8-10

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Oct.08-10 weekend 推計

01 The Social Network (→) $15.5M
02 Life as We Know It (-) $14.6M
03 Secretariat (-) $12.6M 
04 Legend of the Gurdians The Town(↓)$7.0M
05 My Soul to Take (-) $6.9M
06 The Town (↓) $6.35M
07 Wall Street:Money Never Sleeps (↓) $4.6M
08 Easy A (↓) $4.2M
09 Case 39 (↓)$2.6M
10 You Again (↓)$2.5M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

■王者に対して新作群が闘いを挑んだ週末、はじめはほぼ横一線だったものの、終盤には強力な口コミ効果が勝負を分けた。。。

■というわけで、先週と変わらず『ソーシャル・ネットワーク』が首位をキープ。先週末と比べると興収の下落率が30%に踏みとどまっており、通常の新作が2週目で平均50%下落することを考えると、これは驚異の下げ止まりと言っていい。累計興収は4,600万ドル。製作費の5000万ドルまであと一歩。なお、本作のモデルとなったFacebookのCEOマーク・ザッカーバーグはすでに社員と共に本作を試写していることが明らかとなっている。詳しくはこちらの記事を。

■2位にはキャサリン・ハイグル、ジョシュ・デュアメルとその真ん中に可愛らしい赤ちゃんが鎮座してお出迎えするコメディ"Life As We Know It"。夫婦でも何でもなかった二人の男女が、親友の死で遺された赤ちゃんを預かることになり、次第に家族のような絆で結ばれていくストーリー。観客の評価は真っ二つに分かれているようだ。劇場に集う観客の2/3が女性だという。

■3位には先日こちらの記事でもご紹介した"Secretariat"。伝説の競走馬をめぐるヒューマン&ホース・ドラマだ。少々古臭いとの指摘もあるが、出走シーンの迫力たるやそこらのアクション映画の出る幕がないほどだとか。女性の主人公をきっかけとするサクセス・ストーリーという面では、昨年サンドラ・ブロックが女優賞オスカーを獲得した『しあわせの隠れ場所』を彷彿とさせることも指摘されており、もしかするとアカデミー賞に向けて気になるダークホース的な動きをするのでは?と期待されている。

新「スーパーマン」の監督に決定したザック・スナイダーの放つ3Dアニメーション『ガフールの伝説』は累計興収4000万ドルほど。製作費の8000万ドルまであと2倍あるというのはつらい。だが作品を観た人によると、さすがに3Dの迫力は群を抜いているとか。(筆者はまだ観ておりません)。■同じくワーナーの"The Town"は累計を7400万ドルに伸ばした。製作費は4000万ドル弱。

■全体の興収の合計は9300万ドルにしか満たない。これは"Couple Retreat"が首位に立った昨年の同時期よりも15%も低い数字だ。

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【レビュー】冬の小鳥

この映画を観たのは昨年の東京国際映画祭の折だった。プレス試写では上映後もシーンと静まりかえり、僕は劇場の入っている建物を這い出るようにして太陽を煽ぎ、ようやく同伴していた知人と共に「すごかったね」と声を揃えた。たった90分足らずの中に映画の魔法が存分に詰まっていた。まるで金縛りにあったように、あの少女の圧倒的な目力に魅せられていた。入り口を観察していると、その後も同じ上映に立ち会った人たちが続々と金縛りから解かれ、陽光の下で正気を取り戻す様子がうかがえた。

Brand_new_life_3   
『冬の小鳥』はひとりの少女の“瞳の移ろい”で綴られる。父親と束の間の親子水入らず。あんなにも瑞々しい笑顔ではしゃいでいた彼女。父は普段よりも優しく、これが永遠に続く幸福かと思われた矢先、少女は人里離れたところに建つ施設で突如別れを告げられる。そこは身寄りのない子供らが暮らす孤児院だった―。

少女はまず自分が捨てられた存在であることを自覚することから始めねばならない。これは「小公女」ではなく、誰も迎えには来てくれない。自分は何も特別な存在ではないのだ。子供ながらにこの過酷な事実を受け入れる過程が、言葉少なに、実に丹念に描かれていく。誰かが本作を絶望の映画と呼んだ。ある意味ではそうなのかもしれない。が、本作はその絶望によって吸い出され空っぽになった器の中を、窓から差し込む光に代表される“寡黙な美しさ”が丁寧に満たしていく。

ふと立ち止まって考えてみた。「あの光はどこから来るのか?」 僕は本作が『シークレット・サンシャイン』のイ・チャンドン監督のプロデュースであることから、それが“神の介在”を意味するものなのかと思っていた。だが、上映が終わって資料を紐解くと、あの少女のモデルがウニ・ルコント監督自身だったことが明かされていた。その瞬間から、とみにあの光源の正体はルコント監督自身の想いだったのではないかと考えるようになった。

孤児院を巣立ち、フランス人の家族に引き取られ、やがて映画監督としてこの映画でデビューするチャンスを掴むことになる彼女。

幼いころ、大好きな両親からも目を背けられたこの主人公のことを、誰よりも慈しみながら見つめていたのは、やがて成長してこの現場に立った彼女自身だった。そんな気がする。だからこそ『冬の小鳥』はこんなに残酷なのに、逆にこんなにまで愛情でいっぱいなのだ。

お互いの顔は見えないが、ふたりはしっかりと目線を交わしていた。だからこそ少女は中盤からはっと前を向き、安心して未来に向けて歩き始めたのではないだろうか。

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2010/10/10

ゴズリング&ウィリアムズ共演、高評価の夫婦ドラマに厳しいレイティング?

映画業界で恐れられるMPAAのレイティング。これによって岐路に立たされてきた映画は数知れず。

そしてこのたびライアン・ゴズリング&ミシェル・ウィリアムズ共演の"Blue Valentine"に"NC-17(No Children under17)"が付与される可能性が浮上しているという。本作は崩壊間近の夫婦がもう一度かつての輝きを取り戻そうとする人間ドラマだ。

同作をサンダンス映画祭での上映後に買い付けたワインスタイン・カンパニーは、その後、若干の編集を施してカンヌとトロントに本作を出品。本作でのゴズリング&ウィリアムズの演技は一部で「アカデミー賞の演技部門でノミネートの可能性あり」とまで評価されており、12月末公開に向けた今後のワインスタイン・カンパニーの動向に注目が集まっている。

Blue_valentine

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マイケル・ケイン、55年前、父親に施した安楽死について告白

俳優マイケル・ケインがラジオ番組の収録で55年前の安楽死について告白した。

当時22歳だった彼は、肝臓がんに苦しむ父親の姿を見ておれず、医師に安楽死を求めたという。医師はその依頼を拒んだものの、後に「夜中に来なさい」と告げたそうだ。そうして真夜中の病室で、投薬量が上げられ、その日の5時12分、父親は静かに息を引き取ったという。享年56歳だった。

Harry_brown
最近、マイケル・ケインは自叙伝"The Elephant to Hollywood"の出版に合わせてメディア露出が増えている。

先月末のBBCラジオ出演の際、ケインは「小説を書かなくなったわけ」を披露した。原因は9.11にある。あの頃、ケインはまさにテロリストたちがロンドンの高層ビル群に突っ込んでいくという内容の小説を執筆中で、頭の中の創造の産物が実際に巻き起こってしまったのを目の当たりにして激しく動揺したそうだ。それで彼は書くのをやめたという。

そんな彼が80歳を間近に再び書こうとしている。彼はこの年齢をひとつの区切りとも考え、次の『バットマン』を終え(もし出れるなら、と前提しつつ)、その小説を書き終えたら、それでおしまいかな。。。と引退をも示唆している。

上の画像は昨年公開されて評価の高かったマイケル・ケイン主演のハードボイルド・サスペンス"Hayyr Brown"より。日本での公開はまだ決まっていない。

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2010/10/09

米ワーナーが緊急発表、『ハリポタPart1』は2D上映のみ

11月公開の『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』について米ワーナーが重大な決断をくだした(WBの英文リリースはDeadline Hollywoodに全文掲載されている)。

なんと、当初より予定されていた3D上映を急遽取りやめ、2Dのみにするとのこと。理由としては最高級のクオリティを維持しながらの3Dコンバージョン作業が公開日までに間に合わなくなってしまったことに尽きる。ワーナーと製作者が熟慮を重ねた結果、ハリーたちの長い長い旅路の最終章を楽しみにしているファンをガッカリさせたくない、との想いが先行し、作業を急ピッチで進めて納得いかないクオリティに仕上がるよりは2Dフォーマットで楽しんでもらうことがベストな選択肢だと判断したようだ。

なお、2011年7月公開の『死の秘宝Part2』は予定通り2D&3Dにて上映される。

恐らくワーナーとしては『タイタンの闘い』に続く3Dコンバージョンの正念場だっただけに、ここは失敗できないぞという強い想いがあったのだろう。かといって本シリーズは既に『ハリー・ポッターと謎のプリンス』にて“公開延期”というカードを切っているので、同じ轍を踏むことは是が非でも避けなければならなかった。。。

この事態を受けて、まずは中途まで進んでいた3Dコンバージョン作業&費用がムダになる。そして印刷物や予告編などに使用されている「3D公開」の文言も変更が余儀なくされることだろう。いや、そんな些末なことよりも、懸念すべきは3D上映にともなう追加料金を今回みすみす失ってしまうことだ。アメリカにおいては劇場観賞者数は減少しているものの、3D料金によって年間興行収入が歴代最高記録を更新しようとしている矢先である。今回の事態が後々にどのような影響を残していくのか注視していきたい。

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【レビュー】REDLINE

正直、『REDLINE』が好きだ。これは『アリエッティ』に比べても『カラフル』に比べても人間性に訴えてくるものは少ないかもしれない。だが、馬力がある。なりふり構わなさがある。7年の月日をかけて、手描きで10万枚もの作画を手掛けた執念がある。それは幼子が真っ白い画用紙に極太クレヨンでぐりぐりぐりぐりと同じ線を塗り固めていくときの、今となっては理由も分からないめくるめく陶酔感にも似ている。そんな誰しもが持ち得る原体験が視覚を通して全身を貫いていく。

REDLINE。。。それは宇宙最速最強のマシンを競うカーレース。スタートの合図が響く。一斉に爆音が地を揺らす。キムタクが声を演じる「とてもやさしい男"JP"」がルールにやさしく勝負をかけると、蒼井優の女子キャラがとてつもないど根性で「負けたくない!」とハンドルを切りまわす。ニトロが火を吹く、音速を超える、観衆を吹き飛ばす。人間を超えたメカ選手や異星人、魔法使いまでエントリー。そのどれもが五線譜に爆音を刻むメロディのようでもあり、国営軍が容赦なく弾薬の嵐を投下してくる荒野を乗り越え、ゴールまでの道のりをそれぞれのクレヨンでぐりぐりと塗り固めていく。

ストーリーやキャラはいつもの石井克人(本作の原案、キャラクター・デザインなどを担当)テイスト満載。やはりとてつもなくユルい。それが好物な人、苦手な人、様々だろう。が、このユルさには小池健監督の下支えがある。ユルさを支える根性がある。10万枚分のニトロがある。これらを1枚1枚乗り越え、マシンは原型をとどめぬほどにボロボロになりながらもなお演出のアイディアは尽きず、更なるゴールの高みを目指してひた走る。全力投球のユルさが目の前を音速で通過すると、もうそれはただのユルさではない。そういう風にしか生きられない、覚悟であり、定めなのだ。その想いが、車輪を失ってボディを地面に打ち付けてもなお前進するマシンのごとくギコギコ伝わってくる。

そうしてエンドロールを迎えて、正直ストーリーのことはほとんど覚えていないのだが、確かな想いだけが手元に残った。それはとてもやさしく、厚みを帯びたユルさだった。

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2010/10/08

人気急上昇、"Secretariat"は今年のダークホースになる得るか?

ヴェネツィアもトロントも終わり、『ソーシャル・ネットワーク』もそのベールを脱ぎ、すっかり賞レースの本命が出揃った気分に浸っていたが、決してそうではない。勝負はここから。年末にはコーエン兄弟の"True Grit"も待ち構えているし、それにこの先、昨年の『しあわせの隠れ場所』(原題"The Blind Side")のようなダークホースが出現しないとも限らない。。。

ダークホース?まさにその言葉にピッタリな作品が10月8日よりアメリカで封切られる。その名も"Secretariat"。競馬ファンの方ならばこのワードにビビッと来たのではないだろうか。そう、1970年初頭に絶大なる強さと人気を誇った3冠馬である。そしてこの名馬の活躍の裏側にはひとり女性の奮闘が隠されていた。

Secretariat

本作でダイアン・レインが演じるのはペニー・チェナリー。父の遺した馬を相続することになり、フツ―の主婦だった彼女は突如として“馬主”に。ジョン・マルコヴィッチ演じる調教師などの力を借り、セクレタリアトの活躍を間近で見守っていく存在となる。『仮面の男』や『ワンス・アンド・フォーエバー』の監督を務め、オスカー受賞作『ブレイブハート』では脚本執筆を手掛けたランダル・ウァレスがメガホンを取っている。

競馬ムービーといえば『シービスケット』が記憶に新しいが、今回はプロのジョッキーを起用したり、カメラを至るところに仕込んで走行シーンの迫力を活写したりと、レースの臨場感を最大限に掴み取る工夫がなされているほか、セクレタリアトの雄姿に湧きかえるスタジアムの歓声なども観客にこの不況期を吹き飛ばす高揚をもたらしてくれるに違いない。

『ソーシャル・ネットワーク』の話題で本作の話題など全く昇っていないが、この手のいわゆる“フィール・グッド・ムービー”は評論家が一概には絶賛しがたいジャンルでもあり、評価の要は観客自身となる。ゆえに公開後、どれほど口コミ効果が浸透していくかが本作の運命を決定づける重要なカギとなることだろう。

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マーク・ザッカーバーグ、従業員と共に『ソーシャル・ネットワーク』試写へ?

先週末に全米公開を迎え、早くも「オスカー最有力」とまで評判の高まっている『ソーシャル・ネットワーク』。

この映画をめぐってはFacebookの創始者ザッカーバーグを主人公に据えているだけあり、当の本人が本作に対してどのような態度を決め込むのか注目が集まってきた。前々から「恐らく観ることはないだろう」「映画で描かれていることは全くのフィクションだ」などとするコメントを発信してきた彼だが、一方で「オプラ・フィンフリー・ショー」に出演した際には映画について"fun"と語る一幕も披露されてきた。

だが、ここにきてUsMagazine.comが事実を確認。彼らがフェイスブックの広報に確認したところによると、先日、ザッカーバーグはスタッフと共に実際に本作の試写に足を運んだのだという。しかも関係者の証言によると、上映終了後には本編中に主人公らがグラスをかたむける“アップル・マティーニ”までもがスタッフに振るまわれたのだとか。

結局、ザッカーバーグはこの映画の存在を無視もしなければ肯定もしないという達観した態度を決め込んだわけだ。なるほど映画が観客にどのように受け止められたにせよ、事態を納めるにはこの選択肢がいちばん効果的な気がする。

またこの反応から察するに、一部で報じられていた訴訟の可能性などももはやゼロに等しいのかもしれない。

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【レビュー】乱暴と待機

本谷有希子と富永昌敬。ふたりの才能の出逢いは必然だったんだろう。本谷の文体にも富永の映像にもいつだって同じビートが息づいていて、今から考えてみると大谷能生のサクソフォンだってもうずいぶん前からふたりの作品の中でヒョルルルとうねりを聴かせていたのかもしれない。もちろん相対性理論の奏でる怪しげなポップス・ソングだって。彼らの作風を知る者にとってはまさに快心の一撃。ただし、常人には刺激が強すぎる。免疫なしで初めて映画に踏み入れるとむせ返るほどのシュール、いや臭気に愕然とするかもしれない。

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2010/10/07

ナタリー・ポートマン"Gravity"を辞退。スタジオはサンドラ・ブロックに照準変更。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『トゥモロー・ワールド』のアルフォンソ・キュアロン監督がワーナーと共に製作する宇宙空間スリラー"Gravity"。そのヒロイン役として交渉中だったナタリー・ポートマンがここにきてオファーを辞退し、スタジオは今度はすぐさま『しあわせの隠れ場所』でオスカー受賞のサンドラ・ブロックへと照準を移してアタックを開始している模様。

製作費8000万ドルとも言われ3D撮影が予定されている本作は、宇宙ステーションにスペースデブリ(宇宙ゴミ)が衝突し、多くの仲間の生命が奪われ、たった一人となった女性宇宙飛行士の運命を描くサバイバル・ストーリー。つまり本作は女優の力量が最大限ためされる作品であり、同時にもしも本作が酷評を買ったとした女優自身がその非の大部分を負いかねない。ハイリスク、ハイリターンな仕事なのである。その大役を名実ともに担える度胸の据わった女優はハリウッド広しといえども数えるほどしかいない。

当初の主演に決まっていたアンジェリーナ・ジョリーはこの夏になって突然の撤退を表明。その後、キュアロンは『ブラック・スワン』のお披露目と共に絶賛の的となったナタリー・ポートマンに熱心なラブコールを送ったが、両者の折り合いはつかず、キャスティングには至らなかったようだ。

共演にはロバート・ダウニーJrの起用.が決定済み。本作における彼の役は、言わばヒロインの引き立て役みたいな存在にとどまるらしいが、それでも『シャーロック・ホームズ2』『アベンジャーズ』などで大忙しの身体ゆえ、彼を繋ぎとめておくのも至難のワザ。せっかく確保してもらってるスケジュールをキャスティング遅延で先延ばしすることは、つまり本作が彼を失うことを意味する。スタジオ側とキュアロン監督とがキャスティングを急ぐ理由はそこにあるのだが。。。さて、サンドラ・ブロック獲得、なるか?

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ビグロー監督新作で、ハンクス&デップが共演?

まあ、現時点では可能性のひとつとして聞いてほしい。

昨日にも最新キャスティング(未決定)状況が報じられたばかりの"Sleeping Dogs"。『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー(監督)とマーク・ボール(脚本)が再びタッグを組む本作に、トム・ハンクスと共にジョニー・デップの名前が囁かれはじめている。両者は同じ役を争うのではなく、共演という形で想定されているようだ。もちろん、実現すれば、の話だが(現時点では両者ともに何のオファーも出されていない)。

Deadline Hollywoodのマイク・フレミング氏によると、すでにビグローはデップに話を持ちかけており、デップ自身もこの役とハンクスとの共演に興味を抱いているという。同記者の情報では"Sleeping Dogs"には5人のメイン・キャラクターが集い、その中の2人が映画をリードしていく役目を担うという。

ただし、このニュースを聞いて誰もが不安を感じるとおり、問題なのはジョニー・デップのあまりに過密なスケジュールだ。"Sleeping Dogs"の撮影時期として目されている来年2月はちょうどデップがティム・バートンと共に"Dark Shadows"に挑んでいる時期とかぶるとも言われ、"Dark Shadows"はデップの製作会社Infinitum Nihilが参加していることもありプライオリティが上となることは避けられない。今後の調整の行方に注目したい。

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ハリウッド版『瞳の奥の秘密』の監督決定

アカデミー賞外国語映画部門でオスカーを手にした『瞳の奥の秘密』(アルゼンチン)のハリウッド・リメイクに動きが見え始めた。ワーナーが権利を取得している本企画の監督がついに決定。『ニュースの天才』『アメリカを売った男』などの硬派なサスペンスで力量を発揮(監督・脚本)してきたビリー・レイがこの大役を担うことに。オリジナルで監督を務めたフォン・ホセ・カンパネラは製作総指揮を務めることになりそうだ。

ワーナーは数年前にも『インファナル・アフェア』のハリウッド・リメイク『ディパーテッド』を成功させているが、ビリー・レイが取り組むリメイク版『瞳の奥の秘密』も舞台は丸っきり現代アメリカに置き換えられて展開していく模様。そもそもオリジナル作品はアルゼンチンの政治史が色濃く反映されたサスペンスだっただけに、難易度の高い翻案作業に迫られそうだ。

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2010/10/06

『ぼくのエリ』監督、海外進出第2弾はSFアドベンチャーか?

ヴァンパイア・ホラーと初恋メロディを絶妙にクロスオーバーさせた異色作『ぼくのエリ/200歳の少女』で世界中の賞賛を集めた北欧監督トーマス・アルフレッドソン。彼は現在、記念すべき海外進出作として英国にてジョン・ル・カレ原作のスパイ小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」を映画化中(主人公の老スパイ“スマイリー”役にゲイリー・オールドマン。そのほかコリン・ファース、トム・ハーディー、マーク・ストロングらが出演)だが、なんとここにきて早くも海外進出第2弾の話までもがまとまりはじめている。

持ち上がっているのはフィリップ・リーヴ原作「ラークライト/伝説の宇宙海賊」。ワーナーが長らく温めてきたSFアドベンチャーだ。

Larklight
月からほど近くの宇宙住宅でビクトリア朝の調度品に囲まれながら暮らす姉妹が、ある日奇妙な生き物たちの襲来を受けたことで宇宙空間へと飛び出し、予想外のアドベンチャーに巻き込まれていく。どこか映画『ザスーラ』(これを手掛けたジョン・ファヴローは後に『アイアンマン』で大ヒットを飛ばした)を思わせる内容のようだ。

そもそも本作は『エリザベス』で名高いシェカール・カプール監督が手掛ける予定だったものの、方向性の違いから降板。その後長らくUp in the Airの状態に陥っていたが、ようやくの再起動の兆しが見え始めた。

現在、堕天使のパスポート』『イースタン・プロミス』の名脚本家スティーヴ・ナイトによってカプール版からのリライト作業が進められている。アルフレッドソンにとっては『ティンカー、テイラー~』の大人な味わいから再び子供の目線へと回帰する、まさに勝負作となりそうだ。

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『ハート・ロッカー』キャスリン・ビグロー監督の新作にトム・ハンクス出演か?

The Hollywood Reporterによると、『ハート・ロッカー』でオスカーを受賞したキャスリン・ビグロー監督と脚本家マーク・ボールが再びタッグを組んで進める新作サスペンス・アクション"Triple Frontier"あらため"Sleeping Dogs"の主演のひとりとしてトム・ハンクスの名前が挙がっているという。

本作の舞台はパラグアイ、アルゼンチン、ブラジルにまたがる国境付近。麻薬や銃器をはじめとする組織犯罪の温床とされるこの地帯を生き抜く5人の男たちの運命を描く。

トム・ハンクスへの正式なオファーはまだ出されていないが、ビグロー監督とは幾度か逢って話を進めている模様。『ハート・ロッカー』の次回作として俄然注目を集める本作のキャスト候補にはこれまでにもディカプリオ、クリスチャン・ベイル、ショーン・ペン、ジェレミー・レナーといった錚々たる顔触れがウワサされてきた。どれも一筋縄ではいかない俳優ばかりだが、ジェレミー・レナーなら前作の恩人のもとに是が非でも駆けつけてくれそうな気がする。

撮影日時の詳細は決まっていないが、製作陣は来年の初頭にでもスタートさせたい構えのようだ。

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新スパイダーマンのヒロイン正式発表。しかし。。。

ソニーピクチャーズが新スパイダーマンのヒロイン役に『ゾンビランド』や"Easy A"のエマ・ストーンを正式に抜擢。しかし。。。ここで最大のサプライズが発生した。なんとヒロインはヒロインでも、一昨日前にDeadline Hollywoodが関係者情報として報じた「エマ・ストーン=MJ(メアリー・ジェーン)」ではなく、彼女が演じるのはグウェン・ステーシーとのこと。

サム・ライミによる旧3部作では原作コミックにおけるMJとグウェンのキャラがミックスされてヒロイン像が描かれていたのは有名な話。オリジナルではピーター・パーカーはMJよりも前にグウェンと出逢って彼女に惹かれることになる。The Hollywood Reporterが関係者から入手した情報によると、マーク・ウェッブが監督を担う本作にはそもそもMJが登場しない(あるいはフォーカスされない)のだとか。

オリジナルではグウェンがグリーン・ゴブリンに殺され、ピーター・パーカーの心に深い傷を残すことになるが、今回は旧3部作で散々描かれたグリーン・ゴブリンとの対決は避けて、他の敵キャラを起用する模様。またこの肝心な悪役キャスティングのウワサとして依然としてフィリップ・シーモア・ホフマンの名前が浮上しつづけているのも気になるところだ。

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U2がミュージカル版「スパイダーマン」楽曲を披露

LAタイムズによると、ワールドツアーを展開中のU2が舞台上でブロードウェイ・ミュージカル「スパイダーマン」(上演タイトル"Spider-Man Turn Off The Dark"/12月公演)の楽曲を自身の手で演奏したそうだ。

10月3日のU2ポルトガル公演で披露されたのは"Boy Falls From the Sky"という曲。そもそもこの楽曲はABCの朝の情報番組"Good Morning America"にて舞台版の主演を務めるリーヴ・カーニー初披露したものだ(そのときのインタビュー映像はこちら)。

ブロードウェイ史上最高額の製作費をかけて鋭意準備中の「スパイダーマン」は、ミュージカル版「ライオンキング」や映画『タイタス』『フリーダ』などで知られるジュリー・テイモアが演出を務め、肝心の劇中歌をU2のボノ&THE EDGEが手掛けることで話題を呼んでいる。

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2010/10/05

ジェイソン・ボーン第4弾、監督決定

新「スーパーマン」監督決定のニュースと前後して、パラマウントが抱える“ジェイソン・ボーン”第4弾(仮タイトル『ボーン・レガシー』)も密かに監督決定の瞬間を迎えていた。抜擢されたのは、これまでにもボーン・シリーズの脚本チームに参加し、自身も映画監督として『フィクサー』『デュプリシティ』を手掛けてきたトニー・ギルロイ。彼は以前より本作の脚本執筆に携わっており、その延長線として今回の監督就任になった。

スタジオ側と前2作の監督ポール・グリーングラスとの確執により、主演のマット・デイモンも「ポールでなければ復帰はあり得ない」と語るまでに溝が深まっていた当シリーズ。製作陣は第4弾から思い切りリニューアルを図ることも視野に入れて企画を進めているが、一方でトニー・ギルロイというシリーズの支柱を擁することで暗にマット・デイモンに向けて復帰要請シグナルを送っているようにも見える。またファンの間でも彼の再登板を望む声は依然として大きい。

さて、マット・デイモンはこの動きになんと応えるか。それとも“ジェイソン・ボーン”はこのまま装いも新たに別キャスティングにて生命を吹き込まれ、ふたたび孤独な闘いに打って出るのだろうか。

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ホビットをめぐる近況

MGMの再建問題で長らく足踏み状態が続いている『ホビット』は、まだワンシーンも撮影していないにも関わらず、週がわりで想像を絶するニュースに見舞われている。

■先日お伝えしたように、ここ1、2週間のうちには俳優組合をめぐるトラブルが勃発(詳しくは拙ブログのエントリーをご覧ください)。世界ネットワークを生かした組合攻撃に対抗するピーター・ジャクソンが「そんなに言うんなら、こちらはニュージーランドを出て、東欧で撮る用意がある」と発言したことで、一気に火種が拡大している。

■数日後、ピーター・ジャクソンが『ロード・オブ・ザ・リング』『キング・コング』などで幾度も使用してきた特殊効果&ミニチュア・スタジオにて大火災が発生。出火原因はまだ調査中だが、この不測の事態が『ホビット』チームの「出ニュージーランド」を決定づけかねないとして地元民の不安が加速。

■これらの緊張関係に対してニュージーランドのジョン・キー首相が懸念を表明。『ホビット』を失うことはニュージーランドにとって大きな損失となると、政府が両者の仲介に立つことも辞さない構え。

■対して、こちらは嬉しいニュース。LAタイムズによると、ワーナーとその子会社ニューラインシネマとMGMが共に進める『ホビット』製作に向けた最終調整が大詰めを迎えている模様。この2部作に必要な予算は5億ドルあまり。ワーナーとニューラインがこの半分を担う用意があるとみられており、残り半分をMGMが引き受けるのが筋というものだが、もちろん多額の負債にあえぐ身にはそれもままならず、MGMがどの程度資金を集められるか、またどのような条件を手放し折り合いがつけるのかによって最終的な合意がなされる見込み。

■各スタジオ側の思惑としては第1部を2012年に、第2部を2013年の12月に公開したい構えだ。

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新スーパーマン、監督決定

『バットマン』シリーズのクリストファー・ノーランが"Godfather(多くの海外メディアもこの表現を好んで使っている)"的に推進する「新スーパーマン」の監督選びがついに結論に達した。今回白羽の矢が立ったのは『300 スリーハンドレッド』『ウォッチメン』『ガフールの伝説』のザック・スナイダー。この内部情報が流れた後に、Deadlineのマイク・フレミング記者自身がスナイダー本人に確認し、「(いま取り組んでいる)『サッカー・パンチ』が完成したら、取り組むことになる」という発言を引き出している。

今回の監督候補には他にもトニー・スコット、ジョナサン・リーヴスマン、ダーレン・アロノフスキー、マット・リーヴス、ダンカン・ジョーンズ、ベン・アフレックらの名前が挙がっていたが、製作陣との面談やアイディアの交換を進めていった結果、ワーナーとのコラボレーション経験が豊富で、グラフィック・ノベルの映像化に長けたザック・スナイダーが生き残った。

これまでの彼の作風からしてCGを絵具の如く散りばめた作品になることは避けられないだろうが、『インセプション』であれほど実写にこだわった(もちろんCGシーンはあるが)ノーランがあえてスナイダーを選出したのも興味深い話だ。ふたりの間に方向性の違いが生まれるようなことはないのだろうか。あるいはその差異さえも呑みこんで推進していってこそ、卓越したチームプレーが生まれるのだろうか。

なお、デイヴィッド・S・ゴイヤーが手掛けた本作の脚本には『スーパーマン2』のゾッド将軍(オリジナルではテレンス・スタンプが演じた)が再臨しているいう噂も。またスーパーマン役には、ザック・スナイダー監督の『サッカー・パンチ』つながりでTVドラマ「マッド・メン」で大注目を集めたジョン・ハムが抜擢されるのでは?という意見もいまだ根強いが、そのことを訊かれたハム本人は「僕は(スーパーマン役を演じるには)年齢を食い過ぎているよ」と一笑に伏した。ジョン・ハムは今、39歳-。

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2010/10/04

全米興行成績Oct.01-03

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Oct.01-03 weekend 推計

01 The Social Network (-) $23.0M
02 Legend of the Gurdians (→) $10.85M
03 Wall Street: Money Never Sleeps (↓) $10.1M 
04 The Town(↓)$10.0M
05 Easy A (↓) $7.0M
06 You Again (↓) $5.5M
07 Case 39 (-) $5.35M
08 Let Me In (-) $5.3M
09 Devil(↓)$3.67M
10 Alpha and Omega(↓)$3.0M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

■世界で5億人の登録者を誇るソーシャル・ネットワーキング・サイトFacebookの創設秘話に迫る成功と革命と裏切りと孤独の人間ドラマ『ソーシャル・ネットワーク』が首位を獲得。公開前から「オスカー最有力!」との呼び声高く、観客の期待感は最高潮に達していた。観客層は25歳以上が55パーセントを占める(概して年齢層が低いほど公開序盤に観客が集中し、年齢層が高いほど序盤以降でのふくらみが期待される)。ゆえに本作は息の長いヒットが期待できるのでは?との見方が強い。製作費は5000万ドルほど。

The_social_network
■当のFacebook本社は製作初期段階から脚本内容に関してクレームを出していたが、製作者は頑として聞かず、Facebook側も最後まで本作のPRに関わることなく平行線をたどり、「これは全くのフィクションである」と見解するにとどまっている。

■なお、昨年同時期の北米興行ランキングを見返してみると、なんと『ソーシャル・ネットワーク』と同じジェシー・アイゼンバーグ主演の『ゾンビランド』が、『ソーシャル~』とほぼ同額の興収を記録して首位に立っていた。

■2位は先週と不動、3Dフクロウ・アドベンチャー『ガフールの伝説』。製作費8000万ドル級で、現在までの累計は3000万ドルほどにしか達していないが、驚かされるのは2週目の下げ幅の踏みとどまり方だ。通常の新作だと2週目週末で(前週比)50パーセントほど下げるものを、本作では33パーセント減と下支えが効いている。これぞ3D映画の底力か、ファミリー映画の強さか、あるいは口コミで評判が広がっているのか。

■先週の覇者ウォール・ストリート』は3位にランクダウン。累計は3600万ドルほど。監督・主演のベン・アフレックに対する賞賛の声が鳴りやまない"The Town"は累計興収を6500万ドルほどまで乗せてきた(製作費は4000万ドル弱)。低予算800万ドルながら既に国内だけで4300万ドルを売り上げている"Easy A"は、主演のエマ・ストーンがこのたび新“スパイダーマン”のヒロインMJ役に抜擢される気配が濃厚となったことで、今後注目の度合いが増すかもしれない。

■レニ―・ゼルウィガーがホラーに挑む"Case 39"、北欧ホラーをハリウッド・リメイクした"Let Me In"はどちらも勢いの削がれた形で初週末興行を終えた。

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2010/10/03

ナイト&デイ

最初に断わっておくと、『ナイト&デイ』は世間で言われているほど酷い作品ではないどころか、トム・クルーズもキャメロン・ディアズもなかなか頑張っているし、超日常へのいざない方も、アクションの魅せ方も上手い。全米興行における不人気ぶりはひとえに数年前の「オプラ・フィンフリー・ショー」でのトムの奇行が彼に関するイメージを180度変えてしまったこと、それにこれまで王者を誇っていた者が足をすくわれる様子は恰好のマスコミの餌食となりがちなことに起因する。

Knight
空港で初めて出逢った男と女。女は「やった!素敵な偶然!」と浮足立つが、男にとってこれはすべて計算づくだった。彼は「オプラ・フィンフリー・ショー」さながらの奇行でもって事あるごとに彼女の前に姿を現し、ふたりに次々と襲い来る屈強な男たちを粉砕してはまたどこかへ去っていく。どうやら彼は、敵対する組織から天才青年の発明品を守っているらしいのだが。。。

つまり、ヒロインが“自称エージェント”の男にいいように翻弄され、東欧にまで連れまわされた挙げく、その終着地で本当の自分みつけた!という強引なプロット。おい!これは80年代か!?

そう、どこか80年代風なのである。しかも本作を見ていると、その80年代テイストの噴出と征圧によって、映画が予想外の内的世界を醸成していっているようにも感じられるのだ。

そもそもトム&キャメロンの美形も年齢には勝てないもので、本作でスクリーンいっぱいに映し出される顔面には時折シワが目立つ。ふたりとも10代、20代のピチピチした若手には到底かなわない域に達しており、これはメイクで隠すこともできたのだろうが、かなり意図的に露わにされている。それゆえ彼らが懸命にはしゃぎまわる姿は、まるで80年代、90年代に失ったものを必死に取り戻そうとしているようにも見える。

それを裏付けるかのように、二人は冒頭からして80年代風のオーバーアクションにて出逢いを果たし、ロマンティックな会話、雰囲気がわざとらしいくらい盛り上がりを見せ、ふとバックでは勢い余ってダリル&オーツの曲なんかが流れたしちゃったりもする。そしてこのムーディーな針がいよいよ振り切れようかという矢先、急転直下、雰囲気一転、まるでその懐古主義の針を揺り戻そうとするかのように、妖精ならぬ、屈強な武装勢力が銃を打ちならし襲いかかってくるわけである。

まさに80年代臭の肯定と反発。ノスタルジーの醸成と征圧。

『ナイト&デイ』はその2大要素の掛け合いによって相互作用するアドベンチャーだ。またそれによって化学反応を増して膨張していくものこそ、彼らが世界を股にかけて守り抜こうとする“無限大エネルギー”の正体なのではないか。少なくとも僕にはそう読みとれた。

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『ナイト&デイ』の監督は『3時10分、決断のとき』が高評価を獲得したジェームズ・マンゴールド。この人の作品、演出にハズレなし、かも。

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新スパイダーマンのヒロインは?

Deadline Hollywood情報によると、新『スパイダーマン』のヒロイン“MJ(メアリー・ジェーン)”キャスティングに関して、製作陣はエマ・ストーンにオファーを出す意向を固めたとのこと。

UPDATE!

その後、ソニー・ピクチャーズはエマ・ストーンが本作のヒロインとして抜擢されたことを正式発表。しかし。。。なんと彼女の役はMJではなく、グウェン・ステーシーとのこと。The Hollywood Reporterが関係者から入手した情報によると、新スパイダーマンにはMJは登場しない模様。

彼女はこれまでにも『ゾンビランド』や"Easy A"といったソニー絡みの作品をヒットに導いており、ミア・ワシコウスカ、ダイアナ・アグロン、ジョージナ・ヘイグ、ドミニク・マッケリゴットといった強敵を打ち破っての当確となりそうだ。なお、新『スパイダーマン』にはMJの他にもグウェン・ステーシーというピーター・パーカーの最初の彼女も出演する予定で、同記事によるとマーク・ウェッブ監督をはじめとする製作陣は残る4人の候補からグウェン役を選ぶ見込みだという。

ちなみにここ最近のソニー絡みの若手キャスティングは過去のソニー作で既に気心を知りあった人材に白羽の矢を立てつケースが目立つ。新ピーター・パーカーに抜擢されたアンドリュー・ガーフィールドも『ソーシャル・ネットワーク』にてソニー作品を経験済みだったし、リメイク版『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』主演のルーニー・マーラ―も同じ『ソーシャル・ネットワーク』出演組だ。この流れを受けて、MJキャスティングもエマ・ストーンに利があるのでは?との見方は少なからず存在した。『ゾンビランド』に主演するジェシー・アイゼンバーグも『ソーシャル・ネットワーク』に出演しており、ここらへんにひとつの流れが見てとれる。

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スーパースター健在!

世の中、“スター”と呼ばれる人はそうたくさんいない。大小スケールの差はあるものの、マイケルだったり、にしきのだったり、映画チャンネルだったり、やはりそれなりの人望と実力を集めてこその“スター”である。

と、ここで僕と同じ世代の人は、この言葉の甘美な響きにかつてミニシアターを興奮のるつぼに豹変させたひとりのインド映画大スターの記憶をよみがえらせることだろう。『ムトゥ 踊るマハラジャ』の冒頭、そこには主演俳優のクレジットとして“Super Star Rajni”の文字。そして桃源郷のごとき映画音楽と共に登場したのはラジニカーント、その人だった。

Rajni_2
あれから15年あまりが経過し、最近とみに、あの劇場のざわめき、映画にとってのライブ感覚の大切さを再認識するようになった。コミュニケーションのあり方が“箱型”ではなくどんどん“個室化”する現代、もうあの映画のような強烈なライブ体験はあり得ないのだろうか?

とそんなことを考えていた矢先に、インドからラジニカーント様の最新作のニュースが飛び込んできた。

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2010/10/02

リミット

人間の想像力は無限に広がりゆくものであると同時に、驚くほど手狭な空間で完結してしまうものでもある。こんなコペルニクス的発想の逆をついたミニマル・ムービーが『リミット』だ。原題はもっと簡潔に"Buried"、つまり、埋められちゃった・・・。

『SAW』に代表されるワンシチュエーションの衝撃をさらに突き詰め、ここに立ち現れる舞台はなんと地中に埋められた棺の中。寝返り打つのもままならないこの映画史上最悪、最強の極限状態で、主人公の生き残りをかけたリアルタイムの死闘が幕を開ける!

Buried_2
悪夢だった。目覚めたら地中の中。もちろんそこには照明なんてあるわけがなく、ファーストトカットでは暗闇に男の吐息だけが響き渡っている。その息遣いの変化だけで、男がいま目覚め、状況が理解できずに意識が混乱している様子が伝わってくる。暗闇でもがき、何度も身体をぶつけ、手探りで自分を、世界を把握しようとする。と、その指先にポケットのライターが触れる。カチッ、カチッ。鈍い金属音と共に噴き出す炎。いま、人類ははじめてオレンジ色の灯りを手に入れた。

男はなぜ、ここにいるのか?誰が、何のために彼を埋めたのか?ふと足元で携帯が鳴る。身体をへの字に曲げ、それをようやく手にする彼。二つ目の利器が周囲に薄青い光を放ち、それが本作2つ目の照明となって世界を照らし出す。

ストーリーに触れるのはもうやめておこう。というより、ここまで読まれたかたはすでに気づかれたのではないか。本作が小柄ながら極めて緻密な構造で織りなされていることを。話の進展に合わせて照明の彩りが移行する趣向も心くすぐるし、身動きできない主人公とは裏腹に、カメラは縦横無尽に上から下から、そして棺の壁を超越して驚くほど引いた位置から男の姿を見つめやったりもする。もちろん撮影は順撮りなどではないから、入念な撮影プラン、演技のボルテージ調整、膨大なカット数を呼吸ごとにプラモデルのごとく組み立てていく作業が求められるわけだ。

で、面白いことに、こんな閉鎖的な暗い映画なのに、僕の気分は鬱屈するどころか、すごく健康的になっていった。というのも、主人公がこの状況を打破しようと手を尽くす様が、そのまま人間の生きるべき姿にも重なって見えてきたからだ。

人はこの棺のように断絶した個体として生まれ、この状況から抜け出そうと、他人に向けて必死に手を伸ばし、誰かと繋がっていたいと切に願う。あるいは、断絶や壁や限界に手を触れてこそ、その先の世界があることを知覚できる。それを乗り越えたいとする欲求が生まれる。

純然たるエンタテインメントである本作はそんなことなど一言も主張しないが、それゆえに僕はこの映画に、小手先のアイディアにとどまらない、何か人間の本能に直接うったえかけてくるものを感じた。

ダニー・ボイルの"127 Hours"といい、“極限状況”はこれからの時代を照らすひとつのテーマとなりそうだ。

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ワンダーウーマン始動

ワーナーとジョエル・シルバーが10年近く温め続けてきたDCコミックのスーパーヒロイン「ワンダーウーマン」。70年代のテレビ版でもお馴染みのこのキャラが、結局スクリーンではなくテレビシリーズとして蘇ることになりそうだ。

Wonderwoman
・・・やはり、いつ、いかなる時代においても、このコスチュームは強烈だ。見るからに愛国主義的なこのキャラを、現代の視聴者たちは受け入れてくれるのかどうか。。。そんな不安を埋めるべく、今回の指揮を取ることになりそうなのが「アリーmyラブ」のクリエイター&脚本家としても知られるデヴィッド・E・ケリー。ヒットメイカーの名において現代版としてのつじつまを合わせてくれることが期待される。

ちなみに、「ワンダーウーマン」の映画化が進行していた2005年頃、一時期ジョス・ウェドンが脚本&監督としてこの企画にかかわっていたことがあるが、スタジオ側との方向性の違いにより降板を余儀なくされた。彼にとってこの経緯が挫折だったのか幸運だったのか分からないが、事実としていま彼は、アイアンマンやハルク、キャプテン・アメリカらを束ねて挑むマーヴェル・コミック映画"The Avengers"の監督として大忙しの毎日を送っている。ワーナー×DCで失ったものを、パラマウント×マーヴェルで取り戻すような格好だ。

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タイタニック3Dは2012年!

どうやら2012年は過去の大作に新たな生命が吹き込まれる“復活の年”となりそうだ。

つい先日、ジョージ・ルーカスが『スター・ウォーズ』6作品をすべて3D化して2012年を皮きりに毎年1本ずつ劇場公開していく旨、お伝えしたばかりだが、これに追いすがるように今度は『タイタニック』3Dも2012年に照準を合わせているというニュースが飛び込んできた。

THRによると『ファントム・メナス』の出走が噂されるのは「2012年のバレンタインデー付近」。毎年この時期は「チック・フリック」と呼ばれる濃厚な恋愛映画に女性客が集中することでも知られている(対する男性は2月初週のスーパーボウルでTVを独占)。男女間に微妙な断層が生まれる興行シーンにおいてこの歴史的大作が巨大な風穴を開けられるかどうか。現在のところ同時期に公開が決まっているのは『ゴーストライダー2』(これも3D)のみである。

対する『タイタニック』3Dは2012年4月頃の公開を予定。『ファントム・メナス』から10週以内に封切られる可能性も高いとあって、この過密ぶりが映画興行にどう影響するのか注視したいところだ。

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2010/10/01

クルーニー監督作、主演俳優決定か?

ジョージ・クルーニーが監督作として長らく準備を進めている政治ドラマ"Farragut North"。Deadlinen情報によると、この主演俳優にライアン・ゴスリングの名前が急浮上しているという。クルーニーらは既にゴスリングへのアプローチを開始しており、今後の交渉の行方に注目が集まっている。

舞台版がベースとなる本作は、戯曲を執筆したボー・ウィリモン自身が実際にスタッフとして参加した2004年大統領選が大きなインスピレーションの源泉となっており、野心あふれる若き選挙広報担当者があの手この手で壮絶な駆け引きに呑みこまれていく物語とのこと。

これまでレオナルド・ディカプリオや、舞台版で主演を務めたクリス・パインなどが候補に挙がってきたが、ここにきてライアン・ゴスリングの名前が登場するのは全くの予想外だった。その他のキャストとしてフィリップ・シーモア・ホフマンやポール・ジアマッティ、エヴァン・レイチェル・ウッド、マリサ・トメイなどが噂されている。撮影開始は3月ごろを予定。

ジャーナリストの父親の影響か、こと製作・監督作となると社会派の題材に切り込みがちなクルーニー。新ジャンル開拓に挑んだ前作『かけひきは恋のはじまり』が見事にコケてしまっただけに、得意ジャンルへの復帰に寄せる想いもひとしおだろう。

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白人ばかりのオスカーレース?

The Hollywood Reporterの記事にハッとさせられた。そうだ、今年は黒人がいない―。

9月に入ってハリウッドの映画会社は一斉にオスカー獲得に向かって動き始めている。上半期で評判の良かったものをアカデミー会員にいま一度印象付けようとDM作戦を展開したり、トロントで見つけた掘り出し物を年末のどの時期に公開しようかと悩んだり、マスコミは完成したての話題作の真価を固唾をのんで見守ったり。。。そうして完成が待たれていた『ソーシャル・ネットワーク』、"Let Me In"などもようやくスタートラインに出揃ったところで、僕らはこの事実に気がつくわけだ。

―黒人、というより有色人種が不在である、と。

この背景にはやはり映画業界を覆う不況があるようだ。ただでさえ映画製作が難しくなっているのに、そのうえマイノリティや彼らの物語にともなう深刻なテーマなどに取り組んでいては極度に観客を限定してしまうことになりかねない。またインディペンデントシーンにおいてこのような映画が製作されても米国内での配給会社が見つかならないというケースも多いようだ。

現在、オスカーレースへの出走が予想されているのは、"The King's Speech""127 Hours""Bkack Swan""The social Network""The Kids Are All Right""The Town"などなど。

一部で外国人勢は元気なようだ。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作"Biutiful"のハビエル・バルデムやイーストウッド監督作"Hereafter"のセシル・ドゥ・フランスが各部門に食い込むのでは、との見方もある。また、スウェーデン版『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』のノーミ・ラパスを候補入りさせるべく、配給会社がエージェントを雇ったという情報もある。

なにはともあれ、このままいけば白人だらけのオスカー授賞式になってしまう。これは10年前の第73回授賞式以来となる一大事だ。世界の多様性を垣間見られるはずの映画の祭典に、何らかの変化がもたらされようとしている。

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