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2010/10/09

【レビュー】REDLINE

正直、『REDLINE』が好きだ。これは『アリエッティ』に比べても『カラフル』に比べても人間性に訴えてくるものは少ないかもしれない。だが、馬力がある。なりふり構わなさがある。7年の月日をかけて、手描きで10万枚もの作画を手掛けた執念がある。それは幼子が真っ白い画用紙に極太クレヨンでぐりぐりぐりぐりと同じ線を塗り固めていくときの、今となっては理由も分からないめくるめく陶酔感にも似ている。そんな誰しもが持ち得る原体験が視覚を通して全身を貫いていく。

REDLINE。。。それは宇宙最速最強のマシンを競うカーレース。スタートの合図が響く。一斉に爆音が地を揺らす。キムタクが声を演じる「とてもやさしい男"JP"」がルールにやさしく勝負をかけると、蒼井優の女子キャラがとてつもないど根性で「負けたくない!」とハンドルを切りまわす。ニトロが火を吹く、音速を超える、観衆を吹き飛ばす。人間を超えたメカ選手や異星人、魔法使いまでエントリー。そのどれもが五線譜に爆音を刻むメロディのようでもあり、国営軍が容赦なく弾薬の嵐を投下してくる荒野を乗り越え、ゴールまでの道のりをそれぞれのクレヨンでぐりぐりと塗り固めていく。

ストーリーやキャラはいつもの石井克人(本作の原案、キャラクター・デザインなどを担当)テイスト満載。やはりとてつもなくユルい。それが好物な人、苦手な人、様々だろう。が、このユルさには小池健監督の下支えがある。ユルさを支える根性がある。10万枚分のニトロがある。これらを1枚1枚乗り越え、マシンは原型をとどめぬほどにボロボロになりながらもなお演出のアイディアは尽きず、更なるゴールの高みを目指してひた走る。全力投球のユルさが目の前を音速で通過すると、もうそれはただのユルさではない。そういう風にしか生きられない、覚悟であり、定めなのだ。その想いが、車輪を失ってボディを地面に打ち付けてもなお前進するマシンのごとくギコギコ伝わってくる。

そうしてエンドロールを迎えて、正直ストーリーのことはほとんど覚えていないのだが、確かな想いだけが手元に残った。それはとてもやさしく、厚みを帯びたユルさだった。

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