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2010/10/30

【レビュー】ゴダール・ソシアリスム

ジャン=リュック・ゴダールの最新作、『ゴダール・ソシアリスム』を試写。モンタージュ!モンタージュ!世間は映画祭で手いっぱいなのに、JLGときたら相変わらず、たったひとりの手の内にて大勢の観客を巻き込んでのモンタージュ祭りだ。

Godardsocialisme

冒頭、映画の開始と同時に二匹のオウムかインコが映し出されて、画面は「ピー」と無機質な調整音で満ちる。かと思えば、次に続くのは大海原。男と女の会話。そこに足を挟めてくる謎の喋り声、ハッハッハと高らかな笑い。金時計の少年。「出航!出航!」 そして豪華客船はアフリカを見捨ててヨーロッパの国々へ。

恥ずかしい話だが、僕にはこの映画のストーリーがサッパリわからなかった。普段の劇映画で見慣れた線形に貫かれるストーリーではなく、本作ではまさにイマージュがモンタージュされ、寝てるのか覚めているのか分からぬ夢のように、人間の意識下へと照射されていく。いつものゴダール節ってやつ。恐らく、いつの日か、自宅に宇宙人が来訪し、僕と彼らの意識と意識と重ね合わせてそれぞれの身の内話をした場合、これと全く同じことが起こると思うのだ。まあ、僕の家に来てくれればの話だが。

映像に加え、サウンドも奇想天外に紡がれる。ふたりの個体が言葉を交わしながらも、その実、全く別の場所に存在するかのような音声の断絶。まるで対話者が別の次元で言葉を投げ合っているような孤独を感じた。きっとこの旅、この豪華客船においては、そうやって時空を超えることが可能なのだろう。そこにノイズさえもが入りこみ、またどこからか高らかな笑い声。繰り返される「こんな事ども」という文字。これ、真面目にやってるのか?笑わせようとしているのか?

で、こんなことが3部形式で続く。これらを脳内でどう組み合わさるべきなのか、3D技術の発展によってますます“観ること”の刺激に依存しっぱなしの僕らにとって、その退化しかけた創造力を精一杯に働かせるお時間だ。恐らくその理解力でいえば、僕なんて最下位レベル。でも、それでいいと思っている。参加することに意義がある。これは観賞ではなく、ある種の“体験”。もちろんそこに正解なんて存在しない。ゴーダールに聞いたって何も答えてはくれない。あるいは一言、こう口にするはずだ。

"NO COMMENT."

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