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2010/11/30

『詩』イ・チャンドン監督Q&A at 東京フィルメックス

11月28日、東京フィルメックスが最終日を迎え、クロージング作品として『詩』の上映が行われた。

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舞台挨拶とQ&Aに登場したイ・チャンドン監督は、見た目はかなり劇画調の風貌ながら、話し方はとても穏やかで、時にチャーミングな一面さえ披露。満席となった観客はその思わぬギャップに心を掴まれていた様子だった。以下、その模様を記録しておく。ご興味おありの方はご覧ください。ただし思いっきりネタばれしておりますのでご注意を。

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R.I.P 裸の銃を持つ男

Leslienielsen

なにか書こうと思ったが、なにも思いつかない。頭の中が真っ白になった。どんな名優や大物俳優の逝去よりもただ呆気にとられた。映画の中みたく、次の瞬間には「ウソでした、ははは」と記者会見場に飄々と現れそうで、そのタイミングをもう待ってみたが、いつまで経っても彼の姿はなし。

Rest In Peace...

そしてどうか、天国でも裸の銃を。

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オスカー授賞式の司会が決定!

昨晩、突如として浮上したウワサが速攻で確定した。

次回オスカー授賞式の司会にジェームズ・フランコとアン・ハサウェイが決定。昨年のスティーヴ・マーティン&アレック・ボールドウィンからグッと若返りを果たすことになった。

Oscar
『スパイダーマン』で名を馳せたジェームズ・フランコは新作"127 Hours"でもオスカー候補入りが確実視されている。『プラダを着た悪魔』でお馴染みのアン・ハサウェイは水曜には最新作"Love and Other Drugs"が全米公開されたばかり。ふたりはそれぞれ過去に"Saturday Night Live"でも成功裏に司会を務め上げた実績があり、大観衆を前に生放送の進行役もいける、とアカデミー協会側から太鼓判を押された形となる。

第83回アカデミー賞授賞式は、2011年2月27日に開催。

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2010/11/29

フィルメックス閉会式にて

東京フィルメックスで審査員特別賞を受賞した『独身男』のハオ・ジェ監督は、壇上に呼び出された瞬間からなんだか周囲に恐縮しまくりで、賞状をもらっては腰の位置までうやうやしくお辞儀し、トロフィーを手渡されてはまた腰の位置まで身体を沈ませた。その様子に観客は微笑ましさと可笑しさと「ちょっと不思議ちゃんなのかな?」という想像を頭の中で膨らませる。

受賞コメントを求められ、彼はマイクの前でまず「はあ~」と深いため息をついた。まるですべての魂がその場で抜け落ちてしまうかも、ってくらいに想いの丈が詰まった「はあ~」だった。映画祭ディレクター、審査員、観客、そして出演した村人への感謝の言葉が続いて、これで終わりなのかな、と誰もが思った。でも終わらなかった。

「とても個人的なことですが、私の父に感謝の言葉を捧げさせてください。実はこの映画の脚本は、最初、私と母と父とで構想しました。そして父は、この映画の製作中、2008年に亡くなりました。けれど私は、製作中も、いまこの瞬間も、父が全く別の世界から私を見守ってくれているのを感じています―」

彼の語り口が、これまたとても優しく、詩を味わうみたいにじっくりと胸に沁み込んでくる。

そして彼は、これまでの腰の低い、うやうやしい感じから目線をグッと持ち上げ、会場全体を仰ぎ見ながら、またあの優しい口調をこう響かせた。

「お父さん、あなたの息子は大丈夫です。これからも一緒にがんばっていきましょう」

これには通訳さんが喋れなくなってしまった。彼女は「ごめんなさい」という仕草を挟んでから、掠れ声で言葉を訳した。その様子を媒介にして、僕らもなんだか堰を切ったように胸が一杯になった。

ハオ・ジェ監督は29歳。これからどんな作品を手掛けていくのだろうか。

―お父さんと共に。

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北米興行成績Nov.26-28

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Nov.26-28 weekend 推計

01 Harry Potter 7 (→) $50.34M
02 Tangled (-) $49.1M
03 Megamind (↓)$12.8M 
04 Burlesque (-)$11.8M
05 Unstoppable (↓) $11.7M
06 Love and Other Drugs
(-) $9.8M
07 Faster (-) $8.7M
08 Due Date
(↓) $7.3M
09 The Next Three Days (↓)$4.8M
10 Morning Glory (↓)$4.0M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

■木曜日のサンクス・ギビング・デイから連なる週末は映画館の掻き入れ時。昨年の『ニュー・ムーン』『しあわせの隠れ場所』が牽引した昨年に続き今年も大勢が劇場に詰めかけた。

■現在の推計段階では『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』(リンクは拙ブログのレビューに飛びます)が"Tangled"を僅かに上回って興行成績のトップを死守している。『ハリー・ポッター7Part1』はこれで国内累計が2億2040万ドル、全世界のトータルでは6億960万ドルに達している。なお、伝統的ジャンルと新しさをミックスしたディズニーのミュージカル・アニメーション"Tangled"は大方の予想以上に動員がよく、サンクス・ギビング・デイの週に公開を迎えた作品としては『トイ・ストーリー2』に次ぐ歴代2位の週末興収だという。初日の水曜から日曜までの5日間の累計は6900万ドル。

■"Megamind"はその累計興収がちょうど製作費と同じ1億3000万ドルに達した。クリスティーナ・アッギレラ主演の『バーレスク』も水曜日からの封切組。興収の面ではそれほど歌って踊れていない様子。もっとも上位3作品までがファミリー層向けなので、これからの巻き返しに期待といったところか。女性が『バーレスク』なら、男性は『アンストッパブル』。累計興収は6000万ドルに達したが、製作費の1億ドルはまだ遠い。

■新作組は地味な出だし。ジェイク・ギレンホールとアン・ハサウェイという『ブロークバック・マウンテン』の共演組が揃い踏みした"Love and Other Drugs"は6位スタート。ドウェイン・ジョンソン主演のアクション"Faster"は7位。

■トップ10圏外に視野を広げると、11位には徐々に劇場数が増加中の"127 Hours"の姿が迫っている。アカデミー賞に向けて非常に効果的な、息の長い興行展開。さらには19位に今年のオスカー最有力と言われる""The King's Speech"が初登場。たった8館での限定公開ながら、1館あたりのアベレージは87500ドルというとんでもない数字を記録している。

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2010/11/26

『ロビン・フッド』会見での一幕

『ロビン・フッド』の記者会見での出来事。

開始時間になってもなかなか始まらない。まあ、これは来日会見ではよくあることだ。

そして司会者より質疑応答は20分程度、フォトセッションは多分(クロウの性格上)短めになるだろう…との事前アナウンスが行われた。会場に集う内の何人かは、かつてこの映画のインタビュー中に怒って席を立って帰っていったという彼の武勇伝を脳裏によぎらせたかもしれない。何せ野獣、グラディエーターと呼ばれた男なのだ。

しばらく時間が経過し、スタッフの空気が変わる。誰もが動物的直感で到来を確信する。来た、あいつが来た。

そして、ラッセル・クロウの登場―。

そこにはピリッとスーツを着こなし、時折笑顔さえ見せる彼の姿があった。でも油断なるものか。彼は野獣なのだ。グラディエーターなのだ。最後の最後で我々は手痛いしっぺ返しを食らうかもしれない。

そして懸案のフォトセッションが始まる。

誰もが俄かに緊張感を抱き、みぞおちの辺りがうずく、そのひと時。

事件が起こった。我々は驚愕した。悪い冗談、あるいは、神のいたずらかと思った。

こともあろうにラッセル・クロウは、TVカメラ陣に向けて満面のスマイルと、ピースサインを投げかけたのだ。

Russel
その瞬間、多くが歓声を上げ、思わず拍手を送り、会場は発火したみたいに温まった。

野獣なんてどこにもいなかった。

そこにいたのは、ひとりの紳士的で心穏やかな戦士だった。

『ロビンフッド』は12月10日、全国ロードショー。

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The Depths

作家主義に焦点を当てつづけ早11回目を迎えた東京フィルメックス。24日は濱口竜介監督の『The Depths』の上映が行われた。本当に出来たてほやほや状態だそうで、監督曰く「ワールドプレミアです!」とのこと。会場には濱口監督の前作『PASSION』に魅了された人やキム・ミンジュンをはじめとする出演者のファンの方々が期待を胸に多数詰めかけていた。

本作は東京藝大大学院と韓国国立映画アカデミーが共同で製作。2校間で行われたコンペでこの脚本が選ばれ、その後、濱口監督に「やってみないか?」と声がかかったという。

Depths_2

作中では韓国語と日本語、ふたつの言語が乱れ飛ぶ。そしてなにかと“関係性”について考えさせられた。男と女、男と男、女と女、写真家と被写体、対向車線。それらは互いに並走し、交錯し、離反していく。またその一連の過程はカメラを介した「観察し、照準を合わせ、撮る」という儀式的動作とも連動し、呼吸を同じくしているように思える。

主人公は韓国人の写真家ぺファン。親友の婚礼のために来日した彼が空港から都心部へ向かう列車内で映画は幕を開ける。おもむろに外へ向けられるカメラ。ファインダー越しに映る車窓の風景。続くシャッター音。写真家という神の視点によって、街の風景が次々と切り取られていく。そこに荘厳かつ神秘的な音楽が重なると、映画はまるで“序曲”と言わんばかりの静かな胸の高まりを獲得する。(またクライマックスがこれと対を成していることにも注目したい)

披露宴は新婦の逃亡でお通夜のような転調を余儀なくされる。彼女はこともあろうに女の恋人と共に式場を去っていった。それを間近で目撃しながら親友に打ち明けられないぺファン。いやそれよりも彼は、新婦が去りゆくなか、眼前を風のように通り抜けていった青年の相貌が忘れられない。あのとき、彼は無心でシャッターを切った。そして運命のいたずらはふたたび彼らを結びつけることに。。。

Depths

予想のつかない物語の陰影を深めるのは各キャラクターの動きだった。あらゆる動きがレンズ越しに“照準”をギリギリまで絞っていくかような息の長い動線で綴られる。風船をつかまえようと跳び上がる動線もしかり、階段をくだり煙の流れに導かれ建物の角を曲がる動線しかり。見つめ、見つめられる関係を越えて鏡を突き破って脱出する激情しかり。すべてが流れに流れて最後は然るべき場所ににピタリと照準を合わせ、着地する。その研ぎ澄まされ方。精度の高さは、時に身ぶるいを覚えるほどだ。

またカメラの仕組み同様、ギリギリまで絞られた照準がふと振り切れると、ふたたび像は乱れ、重なりは離反していく。僕にはラストシーンに象徴されるものがまさにその緊張感を越えた一瞬のように思えた。対向車線で繰り広げられるこのワンシーンこそ映画的カタルシスの宝庫だ。不意を突かれるあまり、知らぬ間に「あ…」と声にならない声を上げてしまった。

監督によるとdepthとはカメラ用語の“深度”を意味し、それに複数形のsをつけると今度は“人の心の奥底”という意味に転じるのだという。このタイトル通り、すべてのキャラクターと俳優が照準を合わせ、心の奥底を剥きだしにして、覚悟を決めて役を演じきっている。

またQ&Aで村上淳さんは監督の力量をこう表現した。

「濱口監督の傑出した才能のウワサはずっと聴いてたんですが、今回はじめて一緒に仕事してみて本当に映画と真っ直ぐに向き合ってる監督だなと感じましたね。何よりも『よーい、スタート!』の声がデカイんですよ。これってすごく大切なこと。俳優にとって実に頼もしい存在に思えました」

また映画祭の林ディレクターが「前作の『PASSION』をご覧になってる方はどのくらいいらっしゃいますか?」と聴くと、かなり大勢の方が手を挙げられていた。

自主映画然とした佇まいの前作に比べ、本作は有名俳優を起用し、それなりの予算とスタッフを用いて監督の進化ぶりが手に取るように分かる作品なのだそうだ。そうか、これだけの人が濱口竜介という才能をすでに前から知り、期待し、育ててきたのか。僕はまだ『PASSION』を観ていない自分を猛烈に恥じた。いつか機会があれば必ず観よう。そして『The Depths』のこともできるだけ語り継いでいこう。

今後、濱口監督が日本の映画界を牽引していく存在になる過程をしかと注視していきたい。このブログを読むことはないだろうが、こっそりとお礼さえ書き添えておきたい。この映画こそ映画祭の醍醐味だ。僕は得体のしれない才能と、彼が刻みこんだ崇高な影に出逢った。素晴らしい作品をありがとうございました。

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2010/11/23

北九州市民映画祭

12月4日、北九州は小倉にて、北九州市民映画祭なるものが開催される。

映画祭といっても、たった一日のみ。国籍の違う二人の映画作家に焦点をあてる企画なのだが、この内容を見て驚いた。これまでにも故郷・北九州を舞台にいくつもの作品を撮り上げてきた青山真治の参加表明は頷けるとして、なんと韓国からあの巨匠イ・チャンドン監督が参戦するという。

しかもカンヌ映画祭で脚本賞を受賞した『詩/ポエトリー』を引っ提げて。

本作は11月20日~28日開催の映画祭「東京フィルメックス」でもクロージング作品として選定されているが、すでにチケットはソールド・アウト。しかも現時点では配給先も決まっていないので、このチャンスは大変得難いものと言える。

Chandon
小説家であり、教師でもあり、数年前までは韓国政府の文化大臣まで務めていたイ・チャンドン。彼の作品は美しく繊細でありながら、同時に僕らの既成概念さえ突き動かす原動力を秘めている。それは決して難解という意味ではない。イ監督はむしろ、これらの深い哲学的、宗教的、道徳的な問いかけを、まるで空気や陽光をも思わせる自然な語り口で優しく観客に提示してみせるのだ。

その余韻は家路を急ぐ30分や1時間では到底消えることはない。それどころか、1年後や10年後もずっと体内に留まり続け(逆に大きくなって)、観客それぞれの心にずっと生の意味を問い続ける。これぞイ・チャンドンの魔法。過去の観賞記録を探してみたところ、拙ブログにも下記のレビューが保存されておりました。

*拙ブログ内のイ・チャンドン作品レビューはこちら
シークレット・サンシャイン』 『オアシス

というわけで、傑作と名高い『詩』をまだ観れていない筆者はふと思い立ち、12月4日、長崎への帰省途中に北九州へ立ち寄ることにしました。親友の結婚式を翌日に控えた強行軍ですが、仕方ありません。なにしろイ・チャンドン、そして青山真治なのですから。

そのときふたりがいったいどんな言葉を交わすのか、この目でしかと目撃してきます。

■第1回北九州市民映画祭 李滄東監督×青山真治監督=

【会 期】 2010年12月4日(土)
【会 場】 「
小倉昭和館」   北九州市小倉北区魚町4-2-9 
【主 催】 北九州市民映画祭実行委員会(北九州しねま研究会)
【協 力】 日中韓・東アジア文学フォーラム2010 in 北九州実行委員会
      東アジア文学フォーラム日本委員会
【後 援】
北九州市
北九州市にぎわいづくり懇話会集客ビジネスモデル認定事業
【Special Thanks】
     
株式会社シグロ
     FINECUT Co., Ltd.(韓国)
     アテネ・フランセ文化センター
     TOKYO FILMeX

【プログラム】
 10:00~ 『EUREKA』 217分
 13:50~ 『オアシス』 132分
 16:45~ 『赤ずきん』 35分 
         
※青山真治監督最新作!九州初公開!
 17:40~ 特別試写会 『詩』(仮題) Poetry 139分 
         
※イ・チャンドン監督最新作!九州初公開!
 20:10~ イ・チャンドン監督×青山真治監督対談 (約90分予定)

※全4プログラムです。
 ①『EUREKA』、②『オアシス』、③『赤ずきん』、④対談&『詩』特別試写会


【チケット料金】
前売  : 1プログラム 800円、フリーパス 3000円
当日  : 1プログラム 1000円
前売券絶賛発売中!!      
※フリーパスは前売のみ販売。
※対談チケット(前売800円、当日1000円)をご購入頂いた方のみ
 『詩』特別試写会(無料)をご鑑賞できます。

【問合せ・前売券予約場所】
 ・プログラムその他の問合せ
  北九州市民映画祭実行委員会(吉武) 090-1349-7362 or 093-582-4785
 ・前売券予約先
  電話 093-551-4937(予約専用@小倉昭和館)
  FAX 093-582-4785(吉武)
  mail :
kitaqcinema@gmail.com

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東京フィルメックス開催中

現在、東京ではアジアを中心に作家主義の作品を数多く集めた第11回東京フィルメックスを開催中。

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画像の真ん中は『アンチ・ガス・スキン』(韓国)のキム・ソン監督です。この映画がまた凄かった。ガスマスクを被った殺人鬼が街の人々を恐怖のどん底に陥れる中、顔に毛が生えた少女、ソウル市長候補、スーパーマンになりたいカンフー馬鹿、米軍兵士といった4人の主人公たちがそれぞれに激しいパラノイアに蝕まれていく。コメディとホラー、どちらに転ぶのか分からない不可思議さを持った作品。

正直、ラストの暴走には着いていけなかったけれど、そういう観客の好みが大きく分かれるところこそ、実は監督の大切な想いや自我が埋め込まれたポイントだったりもするわけで、映画祭のお客さんたちもそういう作家主義の特性を充分理解されているご様子。その後のQ&Aではお客さんの問いかけによって作品に込められた監督の意図が次々と明らかになり、ベールが一枚一枚と剥がされていくのを感じた。

これぞDVD観賞などでは得られない、真の意味でのライブ体験。どんな映画も最終的にはゲストと観客のコール&レスポンスによって完成形へと変化を遂げていくのだ。

<追記>
『アンチ・ガス・スキン』Q&Aの模様を知りたいというメールを幾つか頂きましたので、ちょっと時間がなくて取材レコーダーのデータを文字起こしすることはできないのですが、ノートにメモしたことを記載しておきます。

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ファティ・アキン来日

ヨーロッパ映画界における最重要人物のひとり、ファティ・アキン監督が来日した。

ドイツ人ながら、トルコ系移民二世としての視座から特殊かつ凄まじくパワフルな映画を作りだす逸材。個人的にはイギリスの劇場で観た『愛より強く』に激しく打ちのめされ、しばらく座席から身を起こすことができなかった思い出がある。それに続く『そして、私たちは愛に帰る』もまた国際線の機内映画で観たが、もう前作とは違う手法、違う角度、違う語り口からヘビーなパンチをお見舞いされ、これもまた座席でノックアウト。

Soulkitchen
彼の最新作『ソウル・キッチン』はそんな前2作に渡る深刻なテーマとはかなり趣きを異にする。

監督曰く、「前2作がかなりヘビーな内容だったので、ちょっと“ブレイク”を入れたかった。気持ちがハッピーになれるような、“閑話休題”的な、そんな1本を。それがこの映画なんだ」とのこと。

彼が親しい仲間たちと住み慣れた街並みとで自由に羽ばたいた作品、『ソウル・キッチン』。“ブレイク”作だったにも関わらず、本作はヴェネツィア国際映画祭でなんと審査員特別賞を受賞してしまった。つまり、押しても引いても凄かったわけである、この男は。

本作はドイツのハンブルグを舞台に「王様のレストラン」と「わらしべ長者」を混ぜ合わせたような物語が展開する。

ファティ・アキン印ともいうべき“移民コミュニティ”がフィーチャーされ、家族が描かれ、ソウルフードが描かれ、そこになぜか“ソウルミュージック”が鳴り響く。

いわば、ドイツ製の、黒人が一人も出てこない、ドイツ製のブラックムービー。

この胃袋がビックリするほどの違和感を日本人はどう受け止めるか。いまだ誰も味わったことのないこの珍味を、どうぞ召し上がれ。

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2010/11/22

北米興行成績Nov.19-21

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Nov.19-21 weekend 推計

01 Harry Potter 7 (-) $125.1M
02 Megamind (↓) $16.2M
03 Unstoppable (↓)$13.1M 
04 Due Date (↓)$9.15M
05 The Next Three Days (-) $6.75M
06 Morning Glory
(↓) $5.2M
07 Skyline (↓) $3.4M
08 Red
(↓) $2.5M
09 For Colored Girls (↓)$2.4M
10 Fair Game (↑)$1.47M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

■首位に立ったのはもちろん『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』(リンクは拙ブログのレビューに飛びます)。オープニング週末興収1億2500万ドルは『炎のゴブレット』の記録を抜き去り、シリーズNO.1の出来高。ダークナイト』(オープニング1億5800万ドル)を頂点とするオープニング週末興収記録としては『アイアンマン2』に続く史上6位。もしも当初の予定通り3D公開されていたならばこれらの順位をひっくり返すこともできたかもしれない。

■ただし、AP通信の分析によると「観客動員数の面では、最新作と『炎のゴブレット』、それに1作目『賢者の石』はほぼ同じくらい」とのこと。昨今のチケット料金の上昇に助けられたというわけだ。

■なお、アメリカ以外の国々では、イギリスが2800万ドル、ドイツが2180万ドル、オーストラリアが1480万ドル、日本が1400万ドル、ロシアが1230万ドル。全世界トータルで興収3億3010万ドルとなる。

■主人公たちが大人への階段を昇る本作、どうやら客層も様変わりしているようで、今回は18歳から34歳までの観客が25%を占めた。9年前の『賢者の石』ではたった10%しか集客できなかった層だ。ワーナーのダン・フェルマン氏は「かつて親の車で劇場へ連れてきてもらっていた子供たちが、いまや自分の運転で深夜興行に足を運ぶようになっている」と分析している。

■先週の覇者"Megamind"は興収を1620万ドルに落とし2位へ。3週目での到達興収は1億950万ドル。製作費は1億3000万ドル。2週目のアンストッパブル』は先週比42パーセントダウンの1310万ドル。累計興収は4200万ドル。製作費1億ドルまではまだ遠い。デュー・デート』の累計は7270万ドルほど。製作費の6500万ドルも回収済み。

■『クラッシュ』のポール・ハギス監督作"The Next Three Days"は5位スタートとなった。ラッセル・クロウ演じる大学講師が殺人の罪で収監された妻を脱獄させようと画策するサスペンス。

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台湾アカデミー賞発表

台湾のアカデミー賞として名高い金馬賞の各部門が発表され、本年度の作品賞にはチャン・ツォーチ監督の『愛が訪れる時』(英語タイトル"When Love Comes"が輝いた。ツォーチ監督は2002年にも『きらめきの季節/美麗時光』で同賞を受賞しており、今回は最多の14部門にノミネートされていた(受賞できたのは作品賞と2つの技術賞)。なお、『愛が訪れる時』は現在開催中の東京フィルメックスでも金曜日の夜に上映される。

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監督賞は東京国際映画祭でも上映された『4枚目の似顔絵』のチョン・ホンモン監督が受賞。下馬評では『愛が訪れる時』のチャン・ツォーチか、あるいは9部門ノミネート"Bodyguards and Assassins"のテディ・チャンが有力との見方が強かったが、それらを覆してのサプライズとなった。同作ではハオ・レイが助演女優賞を獲得している。

主演男優賞には『モンガに散る』のイーサン・ルァン、主演女優賞は"City Monkey"のリュウ・ウーピン。

今回47回目を迎えた金馬賞、その歴史はもちろん中国との政治的関係に揺れながら刻まれてきた。審査対象になるのは台湾、香港やマカオを含む中国、マレーシア、シンガポールなどで製作された中国語映画。以前は中国映画が全面的に扱われない時期もあったが、1990年に入ってからは候補入りが許されるようになった。しかし依然として台湾映画、香港映画が賞をさらう傾向は強いようだ。

中国国内や海外でも評価の高い"Bodyguards and Assassins"は結局メーキャップ&衣装デザイン部門のみの受賞となった。

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2010/11/21

オランダでアーティストが大規模デモ

政府の財政緊縮が加速するヨーロッパ。ギリシアの財政破たんに続いてスペインやポルトガルも火の車と言われ、こういうときに真っ先に切り捨てられるのは文化政策、つまりアートだ。先日にはローマ映画祭の開会式にて映画人たちが大規模なデモをはじめて映画祭以上の話題をさらったが、ところ変わって、ヴァン・ゴッホやレンブラントを輩出し、芸術家の保護が手厚そうなオランダでも先週より文化人がアムステルダムやハーグの中心部に集結して大規模なデモを巻き起こしている。

現在、オランダ政府はこの先の5年間で芸術活動に関する予算を総額2億ユーロ(2億7400万ドル)カットする方針を表明しており、これに加えて先週の木曜日には映画、演劇、コンサートのチケット価格にともなう消費税を6パーセントから19パーセントに引き上げるとの法案が議会を通過。

ちなみにオランダでは生活必需品への消費税は6パーセントに抑えられており、それ以外は19パーセント。これまでは芸術鑑賞も生活に欠かせない重要な支出と考えられていた。が、その崇高な理念もこの不況によって大きな方向転換を余儀なくされた恰好となる。

ハーグでデモを呼び掛けた団体はオンライン上で「文化予算の大幅削減とチケット価格の急騰によって、このままでは文化活動は一部の富裕層だけの娯楽となり、一般市民には縁遠い存在となってしまうだろう」との声明を発表。当日は劇場や映画館での仕事を終えた人々が集まり、トランペット奏者の消灯ラッパに耳を傾け、その後1分間に渡って沈黙のときを過ごしたという。

日本も近い将来、オランダと同じ方向性をたどるのだろうか?また、そのとき、我々には声をあげる意志と論理が残っているだろうか?

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2010/11/20

ゾンビランド脚本家、監督デビュー

『ゾンビランド』で一気に名声を高めた脚本家コンビ、レット・リース&ポール・ワーニックが"Doc and Howie"というコメディにて監督デビューを果たすことが決まった。

彼らは『ゾンビランド』後もひっきりなしに仕事に追われ、現在関わっている脚本企画を挙げると、『ゾンビランド』続編(ソニー)、『G.I.ジョー』続編(パラマウント)、"Deadpool"(FOX)、"Cowboy Ninja Viking"(ディズニー)。それにコンビのオリジナル企画"Earth vs Moon"(ユニバーサル)などもある。

Zombie
"Doc and Howie"はそのオリジナル脚本をTVドラマ脚本家&製作者スティーヴ・レフが執筆し、昨年より業界内で評判を呼んでいた企画。タイトルロールのコンビがふとした偶然で高齢女性の死に遭遇することから予想外の事態に巻き込まれていく。来年の初夏に製作開始予定。

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ディカプリオがJFK暗殺の謎に挑む

オリバー・ストーン監督作の『JFK』から19年、今度はディカプリオがワーナーと組んでJFK暗殺の真相に迫る新作映画に製作・主演することになりそうだ。

原作はラマー・ウァルドロンとトム・ハートマンが機密処理の解かれたばかりの資料をもとに著した"Legacy of Secresy"。「ルイジアナ・マフィアのボス、“カルロス・マルセロ”による暗殺指令説」というこれまで全く知られていなかった可能性に焦点を当てる。ディカプリオはFBIへの情報提供者を演じる。。

暗殺から50年後となる2013年の公開を予定

ディカプリオの代理人は「現在のところ、レオとのコラボレーション経験のある映画監督が興味を示しており。。。」とも語っているが、それがマーティン・スコセッシなのかどうかについてはまだ明らかにされていない。

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リンカーン役、決定!

ドリームワークスを司るスティーヴン・スピルバーグとステイシー・スナイダーが連名で公式発表。

スピルバーグが長らく温め続けてきたアブラハム・リンカーンの伝記映画の主演に、『マイ・レフト・フット』と『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で2度のオスカーに輝くダニエル・デイ=ルイスが決定した。

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このプロジェクトは当初リーアム・ニーソンに白羽の矢が立っていたものの、この夏、彼はひそかにリンカーン役を降板していたことを明かした。また、スピルバーグ自身も『タンタンの冒険』の次に"War Horse"を選択するなど、なかなか「リンカーン」への舵取りを決断できずにいた。

スピルバーグはつい先日も"Robopocalypse"への関与を発表したばかり。だが優先順位は「リンカーン」が高く、2011年秋に撮影が始まり、劇場公開は2012年暮れ、との見方が強い。

本作はドリス・カーンズ・グッドウィンによる"Teams of Rivals"をベースに、"Angels in America"や『ミュンヘン』のトニー・クシュナーが脚本を執筆。南北戦争中のリンカーンが喧々諤々の閣僚をいかにしてまとめあげ国民を終戦へと導いたかにスポットを当てた人間ドラマとなる

"Teams of Rivals"はオバマ大統領の愛読書のひとつとしても知られている。

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2010/11/19

スーパーマン俳優探し始まる

Deadlineによると、ワーナーブラザーズ、クリストファー・ノーラン(製作)、ザック・スナイダー監督がタッグを組む新「スーパーマン」の主役探しが始まった模様。といっても今回はスター発掘、あるいはまだTVドラマなどでしか知られていないような28歳~32歳の若手の俳優を数百人リストアップして候補を絞っていく戦術をとるようだ。撮影は来年6月ごろからの予定。

この情報が「確定」だとすると、TVドラマ「マッドメン」や映画『ザ・タウン』で存在感を魅せ、新スーパーマン候補と言われてきたジョン・ハムは落選ということになり、彼が語っていた「僕はスーパーマン役を演じるには歳を取り過ぎてるよ」とのコメントもその裏付けとなる。

逆に『ソーシャル・ネットワーク』にウィンクルヴォス兄弟役で出演しているアーミーハマー(一人二役!)も有力候補と噂されてきたが、現在24歳。以前彼は「今度のスーパーマンは年齢を上げるらしいよ」とジョン・ハムとは真逆のコメントを口にしており、つまるところ、ふたりの証言を重ね合わせると、ちょうど今回のニュースに挙がってきた「28歳~32歳」という年齢層が浮かび上がってくる。

いずれにせよ製作陣はあまり間口を限定せずに広く俳優探しを展開していく模様。

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2010/11/18

【レビュー】ハリー・ポッターと死の秘宝Part1

2001年から続いてきた映画版もいよいよ最終章へ突入。11月19日公開の「Part1」と、2011年7月15日公開の「Part2」で正真正銘のフィナーレとなる。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』よりシリーズを統率してきたデイヴィッド・イェーツ監督曰く、「Part1はロードムービーに、Part2はオペラと呼ぶにふさわしい壮大なものになる」とのこと。さて、今回の“ロードムービー”とやら、完成度のほどは?

その冒頭、今回初登場となる英国俳優ビル・ナイの超アップ映像が風雲急を告げる。ビル・ナイとイエーツといえば『ある日、ダウニング街で』(05)の主演&監督コンビとして高評価を受けた仲。ついにこの俳優が顔を出してきたことからも、シリーズ最終レーンのゴングの高鳴りが聞こえてくる。

彼が演じるのは新たな魔法大臣。ついに公に悪の帝王ヴォルデモートの復活を認め、もう世界は安全ではなくなった、と事実上の非常事態宣言を発令する役割だ。

その切羽詰まった渦中でくだされる魔法使いそれぞれの決断、別れ、そして旅立ち。

ハリー、ロン、ハーマイオニーらは大人たちのもとを離れ、7つの「分霊箱」を探す旅に出る。それらはヴォルデモートの魂を分離し、彼の力を最強たらしめている秘密でもある。ハリーたちがヴォルデモートを倒す唯一の方法は、これら分霊箱をひとつひとつ破壊し、悪の帝王の力を少しずつ削ぎ落していくことだった―。

Harry_2

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2010/11/16

ブラピの会社がチリ鉱山事故映画を製作か?

33名の作業員が無事救出されたチリ鉱山事故をめぐり、ブラッド・ピット率いるプランBがその映画化権料として数百万ドルを提示して交渉中であるとサンティアゴ地元紙El Mercurioが報じた

プランBの代表者はすでに2、3度、チリに直接乗り込んで、一連の事故をめぐり英雄となった作業員たちの出演も視野に入れながら諸条件を提示しているという。

作業員たちの代理人は現在のところ1日に10件ほどの同様のオファーが寄せられていることを明かしている。彼らは最終的な製作会社をどこにするか決定する前に、それによって発生する権料を平等に分配するための会社を設立する予定だという。

チリでは救出成功で世界が湧いたたった5日後から"Antonio Recio's The 33 of San Jose"という映画が製作開始を迎え、その配給権は完成前からAFM(アメリカン・フィルム・マーケット)にて売買。結果、アルゼンチンの映画会社がそれを獲得している。

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プランBによる製作映画には上記の他に『食べて、祈って、恋をして』『50歳からの恋愛白書』、それに伝説の監督テレンス・マリックによる最新作"Tree of Life"などがある。

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トルコのリベンジ映画

今年の5月、トルコのガザ支援船がイスラエル軍によって急襲され9人の乗組員が死亡した事件をベースに、トルコ側が"The Valley of the Wolves-Palestine"というリベンジ映画を製作中。来年1月28日の公開を前に国内の劇場では予告編が流れ始めており、トルコーイスラエル間のさらなる関係悪化を危惧する声も広がっている。

AP通信によると、本作はトルコ国内で放送されているTVシリーズ"Vally of the Wolves"の映画版。ナショナリストのスパイが暗躍する本シリーズはその過激な作風により物議を醸すことも多いが、国民の間では高い人気を誇っているという。今回の映画版では主人公らが先の支援船襲撃事件の指揮した司令官らを見つけ出し鉄槌を下すという趣向。予告編はこのように仕上がっている

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2010/11/15

「ウルヴァリン2」じゃなく「ウルヴァリン」

ダーレン・アロノフスキーがHitFixの記者に語ったところによると、彼が次回作として監督にあたる予定の『ウルヴァリン2』はその正式タイトルからナンバーを取り払い、"The Wolvarine"となるようだ。これまでの「X-メン」シリーズや「ウルヴァリン」とも切り離した一つの独立した作品として手掛けていきたい構え。

現在、『π』以来のアロノフスキー組、マシュー・リバティークが撮影を担当する方向で調整が進んでいる。彼は『アイアンマン』シリーズを手掛けるなどヒーロー物撮影の経験も持ち合わせている。

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アカデミー功労賞授賞式

ジャン=リュック・ゴダールが授賞式に来る、来ないで揉めたアカデミー功労賞授与式。もともとオスカー授賞式の中で執り行われていたこのセレモニーだが、TV中継への影響もあってせっかくの受賞者スピーチが30秒に制限されてしまうことや、受賞者を増やして会員の労を讃えたいといった想いから11月に分離され、理事たちの臨席のもとリラックスしたムードで開催されることになった。もちろんそこには功労賞=視聴率の下がりがちな地味なパートと捉えるテレビ局側の思惑も反映されている。

結局、ゴダールのサプライズ登場などあるはずもなく、セレモニーは予定通りつつがなく執り行われた。今年の受賞者はゴダールのほかに映画監督のフランシス=フォード・コッポラ、俳優のイーライ・ウァラック、監督・歴史家・作家のケヴィン・ブローンロウ。

ゴダールへの授与パートでは6人の理事たちがそれぞれに彼の与えた影響力についてスピーチ。つづくウァラックにはジョシュ・ブローリン、デ・ニーロらがスピーチし、クリント・イーストウッドが授与役を担当。ブローンロウにはケビン・スペイシーらがスピーチを捧げた。

また、コッポラは妻、ロマン(息子)、ソフィア(娘)と共に列席。授与時には『ゴッドファーザーPart2』に出演したロバート・デ・ニーロやコッポラを師と仰ぐジョージ・ルーカスらが壇上で彼の偉業を讃えた。

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北米興行成績Nov.12-14

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Nov.12-14 weekend 推計

01 Megamind (→) $30.0M
02 Unstoppable (-) $23.5M
03 Due Date (↓)$16.0M 
04 Skyline (-)$12M
05 Morning Glory (-) $9.4M
06 For Colored Girls
(↓) $6.8M
07 Red (↓) $5.0M
08 Paranormal Activity2
(↓) $3M
09 Saw 3D (↓)$2.9M
10 Jackass 3D (↓)$2.3M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

Megamind
■"Megamind"がNO.1を獲得。金曜日の時点では2位の『アンストッパブル』に首位を譲っており、その後も僅差の闘いを繰り広げていたが、結果的にはファミリー層への訴求力が上手を取り、憎めない悪キャラによる天下が2週連続で成し遂げられることに。週末の興収は先週比35パーセント落ち(これも驚異の下げ止まり!)で3000万ドル。累計興収は早くも9000万ドルに近くに。製作費は1億3000万ドル。

同じドリームワークス・アニメの『ヒックとドラゴン』もこれとほぼ同じ興収変化を歩んでおり、1週目に4300万ドル→2週目に2900万ドルといった具合。『ヒック~』は米国内興収だけで2億1700万ドルをマークしたが、"Megamind"はどこまで迫れるだろうか。

■2位にの『アンストッパブル』はトニー・スコット監督が『サブウェイ123』に引き続き列車をメインに据えたアクション。2001年に実際にオハイオで起きた無人列車の暴走事件にインスピレーションを得て創作されている。週末興収は2350万ドル。トニー・スコットとデンゼル・ワシントンのコラボレーションはこれで5作目。5作中で最も高い出だし(ほんのわずかだが)となった。ちなみに過去のトニー・スコット作品で最高のオープニング興収は『ビバリー・ヒルズ・コップ2』の2650万ドル。累計興収で最も高いのは『トップ・ガン』の1億7700万ドルだ。(共に物価の変動こそあるものの、金額だけみるとそのような結果になる)

■3位にはデュー・デート』。先週2位からワンランク・ダウン。『ハングオーバー』の成功とダウニーJr.の起用、あと「こんなところでカー・アクション!?」的な趣向もあったりして製作費は6500万ドルとコメディにしては高めの設定。現在までの累計が5900万ドルなので、今週中にはクリアできるか。なお、トッド・フィリップス監督ご一行は、ただいま『ハングオーバー2』の製作まっただ中。今朝の最新ニュースによると特別出演のリーアム・ニーソン、ポール・ジアマッティに加えて更にビル・クリントンまでもが登場することになった模様。

■4位には前々から予告編が話題を呼んでいた低予算SFムービー"Skyline"登場。エイリアンがアメリカを大襲撃。フタを開けてみると公開規模の関係もあってかそれほど数字は伸びず、興収1200万ドル弱。製作費は1000万ドル近辺とのことなので、とりあえずは回収できているわけだが、関係者ももうひと踏ん張り期待したかったところだろう。

■朝のネットワーク番組を舞台にレイチェル・マクアダムス、ハリソン・フォード、ダイアン・キートンを配して送るコメディ"Morning Glory"は興収960万ドルスタート。『ノッティング・ヒルの恋人』のロジャー・ミッチェルが監督を務め、「LOST」のJ.J.エイブラムスが製作。『プラダを着た悪魔』を脚色したアライン・ブロッシュ・マッケンナが脚本執筆を担当している。

■さて、TOP10圏外では今週も"127 Hours"が元気だ。先週の4館から全米22館へと上映拡大され、週末の1館あたりのアベレージは2万600ドルほど。これから年末に向けて少しずつ話題を浸透させていく段取りか。2年前のスラムドッグ・ミリオネア』の浸食ぶりが想いだされる。

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【レビュー】ラスト・ソルジャー

「もう56歳だし、この先、身体の自由も効かなくなっていくだろう。若い頃できたこともどんどんできなくなっていく。今後はもっと末永く取り組めるアクションへとスタイルを変えていきたい」

『ベストキッド』のインタビューでこのように語っていたジャッキー・チェン。

これは一見、「限界宣言」にも受け取れるが、『ベスト・キッド』と『ラスト・ソルジャー』を立てつづけに目の当たりにすると決してそうではないどころか、老いてもなお舞い続けるジャッキーが今や人間性の深みをも追い求める域に達しているのを感じることができる

Littlebigsoldier
紀元前227年、中国がまだ統一とは程遠い頃。衛と梁はそれぞれ大量の兵士を投入して刃を交え、多くの命が失われた。戦場は見渡す限り死者だらけ。生存者はひとりもいないように思われた。が、そこにニセモノの弓矢を胸に突き立てたインチキな梁の兵士がひとり目を覚まし、ピンピンした様子で戦場を後にしようとする。そんな彼が目にしたのは手負いの衛の敵将。まだ息はある。こいつを捕虜にして梁に連れかえれば必ずや報奨が貰えるはず。兵士は敵将をグルグル巻きに縛って旅路を急ぐが、そんな彼らの前に謎の伏兵軍団が現れ、容赦なく命を狙う。やがてふたりは裏切り、裏切られ、時には協力しながら旅路を歩むことに―。

本作は中国メインで製作され、使用言語も北京語だ。なのでこれまでのジャッキーの身のこなし&セリフ回しのコンビネーションに漬かってきた人にとってはかなり異色のむずがゆさを感じるかも。そして本作が中国におけるジャッキー映画NO.1ヒットを記録したのも、当局による映画の完成度以上の計らいがあったことは想像に難くない。実際のところ『ラスト・ソルジャー』は設定は壮大に見えて、スケールは小さい。

などと、いちおう断り書きを挟んだうえで冒頭でも触れた「ジャッキーの老い」について考えてみると、やはり若さゆえの無茶を封じることで、その分、些細なアクションへの細やかな配慮がなされている。さてはマルセル・マルソーのパントマイムやフレッド・アステアのダンスのごとく、ジャッキーもまたその曲芸的な身のこなしを“表現文法”にまで高めようとしているのだろうか。

その意味でも、これまで破格のスタントシーンで有終の美を飾ることが多かったジャッキーが、今回ラストに決め込んだ渾身のポーズに驚かされた。これこそ老いたるジャッキーが進みたい領域なのだろう。そこには“意志”があり、“主張”があり、“理念”があり、なによりもジャッキー特有のヒューマニズムが詰まっていた。

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2010/11/13

G.P.の"Glee"パフォーマンス

アメリカで11月16日に放送される「Glee」には臨時教員役としてグウィネス・パルトロウが登場。そこでのパフォーマンス映像がすでにネットで出回っている。彼女が披露するのはシーロー・グリーンの楽曲"Fuck You"をTV用に歌い変えた"Forget You"。歌声といい振り付けといい、なかなか堂々たるものです。

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2010/11/12

バットマン3の女優選び開始

"The Dark Knight Rises"という新タイトルが発表されたばかりの「バットマン3」。クリストファー・ノーラン監督は2012年7月20日の公開に向けていよいよ動きを本格化している模様。先日にはトム・ハーディーの出演が報じられたばかりだが、今度は女優選びだ。

候補に挙がっているのは、レイチェル・ワイズ、ナオミ・ワッツ、ブレイク・ライブリー、ナタリー・ポートマン、アン・ハサウェイ、キーラ・ナイトレイ。

Deadlineによると、重要な役を演じる2人の女優をキャスティングすべく、ノーランはこれらの候補と近日にも面接にあたる見込み。一人は新たにブルース・ウェインが恋する相手、もう一人は悪役という噂だが詳細は不明。

トム・ハーディーとこの女優がふたり揃って悪役を演じるとの見方もある。

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W.アンダーソン最新作に大物俳優が続々

ツイッター上では昨日お伝えした話題だが、Deadline情報によると『ライフ・アクアティック』『ザ・ロイヤル・テネンバウムス』などで知られるウェス・アンダーソンの最新監督作"Moon Rise Kingdom"のキャスティングにあたり、ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、それに彼のレギュラー俳優ビル・マーレイが揃って交渉入りしているという。撮影開始は来年の春頃を予定。

本作は60年代のニュー・イングランドを舞台に、ふたりの年若き男女が駆け落ちすることから、街をあげての大捜索がはじまる。。。というストーリー。だがその裏側には住民たちのこんがらがった事情も見え隠れして。。。

捜索隊の隊長にエドワード・ノートン、行方不明の女の子の母親役にマクドーマン、またその旦那役にビル・マーレイ、その母親と密会を繰り返す保安官役にブルース・ウィリス、という寸法。そしてスウィントンに関しては何の情報も挙がってきていない。これらはまだ交渉段階ゆえ、今後の変更もあり得る。

ウェス・アンダーソンとロマン・コッポラ(ソフィア・コッポラの兄、フランシス=フォード・コッポラの息子)が脚本を手掛けている。

そうそう、ウェス・アンダーソンといえば、"Fantastic Mr. Fox"の日本公開がようやく決定。2011年3月シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー、配給はショウゲート。本作に関する拙ブログの過去レビューはこちらから

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G.P.その歌唱力のほどは?

なぜ、いま歌いだしたのか?米人気ドラマ「Glee」へのゲスト出演&パフォーマンスにも注目が集まるグウィネス・パルトロウ。2000年には彼の父親ブルース・パルトロウが監督する"Duets"でもその歌唱力を披露したが、今回はひと味違う。なんと昨晩、カントリー・ミュージック協会の授賞式にてステージに立ち、ギター片手に"Country Strong"という楽曲を披露したのだ。この曲は彼女が主演する新作映画の主題歌。もちろんモロに映画のPRを兼ねたパフォーマンスではあるのだが。。。この歌声の安定感、さすがコールドプレイのクリス・マーティンの奥様だ。

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2010/11/10

トム・ハンクス、54歳にして4D体験。

米TBSで始まったコナン・オブライエンの新番組にゲスト登場したトム・ハンクス。盟友コナンのために男を見せた。

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エメリッヒ低予算SFが製作中止に

先日お伝えしたばかりだったローランド・エメリッヒの低予算SF"The Zone"が製作中止となった。来週にも撮影開始を迎えるはずだったスタッフは皆、突然のトップ決断に肩を落としているという。

本作はエメリッヒお得意の「エイリアン襲来」というテーマを、最近の潮流となってきた「発見映像」という形で提示するというものだった。予算も普段の1億ドル強からすれば格安の500万ドル。まさに不況のご時世には取っ掛かりやすい題材だったというわけだ。しかし製作費が格安であるということは、同時に「中止」の判断もしやすいということでもある。

エメリッヒ側からは詳しい中止理由が明らかにされていないが、『パラノーマル・アクティビティ』や『クローバーフィールド』に加え、J.J.エイブラムスが手掛ける"Super 8"やワーナーが準備中の"Dark Moon"、それに『ウォンテッド』のティムール・ベクマンベトフが指揮する"Apollo 18"などなど、“発見映像モノ”への取り組みが最高潮を迎えている昨今、もはや"The Zone"が打って出る余地は無いと判断したのでは?との見方が広がっている。

"Apollo18"がその公開時期を"The Zone"の前月に定めた影響も大きかったのではないだろうか。

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2010/11/09

米裁判所、『イリュージョニスト』タイトルの有効性を認める

"The Illusionist"と"The Illusionist"。ハリウッドで繰り広げられた同一タイトルをめぐる訴訟に決着がついた。

訴えを起こしていたのは、2006年に公開されたエドワード・ノートン主演の映画"The Illusionist"(邦題『幻影師アイゼンハイム』)側のIllusionist Distribution, LLC。原告の主張によると、来月アメリカで公開されるフランスのアニメーション"The Illusionist"(邦題『イリュージョニスト』)の英題は商標侵害にあたり、消費者の混乱を招きかねない、という。(各リンクは拙ブログのレビューに飛びます)

だが連邦判事は、この" Illusionist"という言葉が指し示す範囲には1983年公開の同名映画、1952年以降に出版された14冊の書籍、なおかつ数千に及ぶマジシャンも含まれるとし、Illusionist Distribution, LLCが同タイトルのオリジナリティを主張できる有効性は低いと判断。また2006年製の映画と今回公開を迎えるフランス製アニメーション映画とは全く中身も異なり、消費者が混同する可能性は極めて低いとして、訴えを棄却する決断を下した。

よってアニメーションの"The Illusionist"はそのままのタイトルで公開を迎えられることになる。ジャック・タチが遺した脚本をもとに『ベルヴィルランデブー』のシルヴァン・ショメが監督を務める本作。すでに世界中で大絶賛を獲得しており、つい先日にもクロックワークス&スタジオジブリ共同配給による日本公開が報じられたばかり。アカデミー賞戦線ではアニメーション部門において『トイ・ストーリー3』『ヒックとドラゴン』とのデッドヒートが期待されている。

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ザック・エフロン、本当に『AKIRA』に?

『フロム・ヘル』『ザ・ウォーカー』のヒューズ兄弟が監督を務める予定のハリウッド版『AKIRA』の主演にザック・エフロンが内定?その報は世界中のファンを驚かせた。

情報の出どころはあまり一般向けとは言い難い映画サイトだった。ひとつはbloody-disgusting、そしてもうひとつは /Filmこれらのサイト内で扱っている関係者情報も様々で、「オファー済み」とするものもあれば、「交渉成立までにはまだ程遠い」とするものもある。

そしてこれらの情報には、リメイク版の舞台が崩壊後のネオトーキョーではなく、アメリカ(ニューヨーク?)である旨も記されている。大佐役にモーガン・フリーマン?との噂も。

また、原作漫画は1988年公開のアニメーション映画版と少々内容が異なっていることから、ハリウッド・リメイク版は原作漫画の内容を生かした2部作になるとの噂も存在するようだ。

何はともあれ、すべては噂の域を出ていない。が、ひとつ懸念されるのは、このキャスティング情報が出回ったことで各サイトの読者コメント欄が「ファンには受け入れがたい」とか「ザックにとっても得策とは言えない」との声でいっぱいになっていることだ。この企画が再び暗礁に乗り上げないことを祈るばかりだ。

ちなみに独自のルートで情報を探る映画サイトの多くはこのニュースを未掲載のままやり過ごしている。まだ信頼に足る情報が集まっていないと考えているからなのだろう。

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ジャックマン、オスカー司会を断る

次回オスカー授賞式は2011年2月27日。これに向けてTV中継の製作チームが活動を開始している。まずは司会者探しだ。

Deadline情報によると、エグゼクティブ・プロデューサーを務めるブルース・コーエンとドン・ミッシャーはまず第一候補として一昨年の授賞式を成功を圧倒的なエンタテインメントぶりで統率したヒュー・ジャックマンに狙いをを定めアプローチを重ねたものの、これはあえなく撃沈。というのも、ジャックマンは2月下旬か3月上旬に『ウルヴァリン2』の撮影を控えているからだ。(ちなみに本作はダーレン・アロノフスキーが監督を務め、ニューヨークと日本での撮影が予定されている)

ジャックマンのもとには昨年もオファーが舞い込んだのだが、「2年連続はちょっと。。。」との理由で断っていた。「だったら今年こそは!」とコーエン&ミッシャーも交渉に力を入れていたはずなのだが、今回も残念、という結果に。

さて、司会者の座がいったい誰の手に?

昨年は11月3日にスティーヴ・マーティン&アレック・ボールドウィンの名が発表されていたことを考えると、製作者側の表情にも少々焦りの色が発露しはじめている頃合いか。

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2010/11/08

"127 Hours"観賞者ツイットをご紹介

ついにダニー・ボイル最新作"127 Hours"がアメリカで封切られた。

127hoursボイルにとって『スラムドッグ・ミリオネア』でのオスカー受賞後、初となる新作発表。

これまでのところ映画祭その他の上映で観客の大絶賛を獲得しているが、それと同時に毎度のごとく失神者が出るという、ある意味、神がかり的な作品としての噂も高まるばかり。

果たしてその実態はどうだったのか?

そこで、ハリウッド在住7年目の友人にして俳優/カリグラフィー・アーティストでもある高綱草子さんのツイートがあまりに的確に映画&劇場の様子を伝えていたので、思い余って勝手に転載します。本人に見つかって怒られたら削除するので、その折はご了承ください。

「ダニー・ボイル最新作「127 hours」を。大自然を冒険中、落石に右腕を挟まれ身動きがとれなくなった青年の127時間。自分は自分の意志で生きていることに改めて気付かされた。監督独自のサイズと野心と創造性と普遍性に敬意。ジェームズ・フランコがエクセレント!オスカーノミニー期待大!

また、こちらの「問題のシーンで失神しませんでした?」との質問には「さすがに気絶はなかったが目を覆った」と返答。「でもそのくらいの衝撃が“生きる”ってことなんだと思った」とも。

アメリカではニューヨークとロサンゼルスでそれぞれ2館ずつの上映で、金~日の1館あたりのアベレージが6万6千ドルを越えている。土曜の朝の回ではソールドアウトも出るなど劇場もかなり混み合っているとのレポートを目にしていたのだが、当の高綱さんはというと、

すいてる時間を狙ったので、6割くらいの入りだった。お客さんの呼吸がよく聞こえた。全編静か〜に息をのんで集中してる空気でした。主人公は一カ所にスタックしてるけど、ダニー作品らしく迫力とスピードはずっと落ちない。最後は泣いてる人も。あ、私含めです。

なるほど、ツイートの印象からすると、失神するどころか映画から逆にとてつもないエネルギーを貰ってきたかのような感じですね。

ちなみに、高綱さんは11月1日よりLAのサウス・パサデナにあるカフェにてカリグラフィーの個展を開催中です。詳細はこちらから(本人に未承諾のままリンクしております。怒られたら削除します)。

ロスの由緒ある演技学校でメソッド演技を学んだ彼女は、演劇と同じ方法論を用いて書を描きます。映画のワンシーンから、俳優の一挙手一投足から様々な想いが流れ込んでくるような、そんな彼女にしか創りだせない不思議なカリグラフィー・ワールドが広がっています。

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北米興行成績Nov.05-07

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Nov.05-07 weekend 推計

01 Megamind (-) $47.65M
02 Due Date (-) $33.5M
03 For Colored Girls (-)$20.1M
04 Red (↓)$8.85M
05 Saw 3D (↓) $8.2M
06 Paranormal Activity2
(↓) $7.3M
07 Jackass 3D (↓) $5.1M
08 Hereafter
 (↓) $4.02M
09 Secretariat (↓)$4.00M
10 The Social Network (↓)$3.6M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

 
■ハロウィンシーズンのおどろおどろしさも払しょくされ、ウィル・フェレルとティナ・フェイ、ブラッド・ピット、ジョナ・ヒルがヴォイスキャストを務めるドリームワークスの3Dアニメーション"Magamind"がNO.1を獲得。ヒーローに負けてばかりの悪役キャラの健気な奮闘を描く。監督は『マダガスカル』のトッド・マクグラス。スタジオ側は興収5000万ドル越えを期待していたようだが、それには一歩及ばない4765万ドル。興収の66パーセントは3Dスクリーンからのもの。57パーセントが女性客で、25歳以下の観客が52パーセントを占める。

■2位には『ハングオーバー』のトッド・フィリップス監督がザック・ガリファナキスとロバート・ダウニーJr.を率いて送るコメディ『デュー・デート』。妻の出産を控えた男(ダウニーJr.)が出逢ったトラブルメーカーのせいで飛行機搭乗を距離され、男どうしのアメリカ大陸横断を余儀なくされる。興収3350万ドル。観客層の内訳は53パーセントが男性、25歳以上が69パーセント。これもまた長期的なランクインが期待できるか。製作費は6500万ドル。

■3位にはアメリカ黒人層には圧倒的な信頼を誇るタイラー・ペリー監督作"For Colored Girls"。これまで手掛けてきたコメディ・シリーズでは初登場1位を連発してきたペリー作品だが、今回は有名戯曲を脚色し、ジャネット・ジャクソン、サンディ・ニュートン、ウービー・ゴールドバーグなどを配置し力強い女性映画を作り上げた。3位デビュー。観客の82パーセントが女性客で、87パーセントが25歳以上だという。

■やはり支持する観客の年齢層が高まると映画は最初期のエンジン全快は弱いものの、その代わりに長いスパンで長距離飛行を続けられる。中高年スター総出演の『RED/レッド』もまさしくその好例だ。4週目を4位で通過し、累計興収は7200万ドルほどに。製作費は5800万ドル。晴れて日本での公開も1月29日に決定した。

■先週の覇者『ソウ・ザ・ファイナル 3D』は5位へ降下。先週末の興収と比較すると63パーセント落ち。パラノーマル・アクティビティ2』も勢いは削がれてきたが、累計は7700万ドルほどに達している。製作費は300万ドル。

■さて、TOP10圏外でも注目作が登場した。ダニー・ボイル監督が『スラムドッグ・ミリオネア』以来となる新作を発表。"127 Hours"。岩に手を挟まれ身動きが取れなくなった主人公がとある決断を下して生還するまでを描く。すでに映画祭などで大絶賛を獲得していた本作は、それと同時に“とあるシーン”の衝撃によって上映中に気絶する人も出ているというトンデモなさ。NYとLAで2館ずつという計4館での限定公開では金~日の1館あたりのアベレージが6万6千ドルを越える大健闘。

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2010/11/07

ヨーロッパ映画賞ノミネート発表

ヨーロピアン・フィルム・アカデミーが選出するヨーロッパ映画賞のノミネートが発表された。

今年はロマン・ポランスキー監督作『ゴースト・ライター』の作品・監督・男優枠ほか7部門が最多。09年ヴェネツィアで金獅子賞受賞『レバノン』(5部門)、ベルリン映画祭最高賞のトルコ映画"Honey"(3部門)がこれを追う。

作品賞候補には、上記3作品のほか、カンヌでグランプリ(次点)のグサヴィエ・ボーヴォワ監督作『神々と男たち』、ファティ・アキン監督作『ソウル・キッチン』、アカデミー外国語映画賞受賞のスペイン=アルゼンチン産『瞳の奥の秘密』という多彩な顔触れが揃った。

受賞作は2300人に昇る会員の投票で決定する。今年の発表は12月4日。

ちなみに昨年の受賞作はミヒャエル・ハネケ監督作『白いリボン』でした。ハネケ自身も監督賞を受賞している。

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【レビュー】ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ

はじまりはビートルズ・ナンバーの出だしのコードだった。

しかし、そこに響くのはほんの1コードのみで、それ以上でも、それ以下でもない。つまりこれは名曲が名曲になる以前の物語。歴史はまだ何も完成されておらず、ジョン・レノンはまだ皆の知るジョン・レノンではない。それどころか、この先どんなコード進行で人生を歩んでいけばよいのか皆目見当もついてない様子の、まさに文字通りの"nowhere boy"がここにいる

Nowhere_boy
伯父さん、叔母さんの手で育てられたジョンは、ある日、近所に理由ありの女性が住んでいることを知る。

ジョンにはすでに漠然とした確信があった。意を決してノックした扉から彼を招き入れた彼女。それはジョンの実の母親だった。十数年ぶりに突如として母子関係を復活させたふたりは、これまで失ってきた時間を取り戻すかのように、レコードを高鳴らせ、それに合わせダンスのステップを踏む。だがその交流は、やがて長年ジョンを息子のように育んできた叔母の知るところとなる。小言ばかりで口やかましくカチカチ頭の叔母だが、彼女もまた誰よりもジョンを愛する“育ての母親”だった。こんな二人の狭間で影響を受けながら、若きジョンは仲間と出逢い、いつしか音楽を奏ではじめる。。。

イギリスではビートルズ伝説の“プリークエル”として瞬く間にスタンダードのひとつに数えられるまでになった本作。今なお多くの人々に純粋なラブ&ピースを届けつづけるジョン・レノンの人生の源流にはこのような生い立ちと家庭環境があったのかと、エピソードのあちこちに納得と発見が詰まっている。

そして本作の独自性は、これまで男目線で語られることの多かったビートルズの起源に、(オノヨーコ以外の)新たな女性の視点を付与したこと。それも“母性”と“慕情”によって伝説を綴るという方法論を取ったことにある。

監督を務めたのはこれが長編一作目となるサム・テイラー=ウッド。これまで写真を中心に様々な芸術活動を展開してきた彼女が題材として“ジョン・レノン”を選択したのも興味深い。なぜなら彼女は自身のキャリアの最初期に、かつてアニー・リーボヴィッツがジョン・レノンの死の数時間前に撮影したオノ・ヨーコとの有名な愛のツーショット写真の“パスティーシュ”を発表しているからだ。きっとこの頃からジョン・レノンに引き込まれる何かを感じていたのだろう。

そして愛の文脈でいえば、彼女もまた、この映画をきっかけとして主演のアーロン・ジョンソンと出逢い、そして20以上の歳の差をものともしないカップルと化してしまった。

本作を観ていると時間が経つにつれアーロン演じるジョン・レノンの表情がどんどん精悍さを帯びてくるのが手にとるようにわかる。それは物語の集約における重力的な作用である以上に、撮り手と被写体とのレンズを隔てた化学反応によるものなのだと、無粋ながら勝手にそう受けとめている。そのほうがロマンティックだから。

二人のあいだには7月に元気な女の赤ちゃんが生まれたそうだ。これもまたジョンが間接的にもたらしたラブ&ピースということか。

そう考えると、どうやら相当なまでに縁起のいい本作だが、エンドクレジットで故人への謝意が綴られているのも忘れ難い。奉られた名前は、アンソニー・ミンゲラ。『イングリッシュ・ペイシェント』などで名高い彼はテイラー=ウッドの才能が芸術面のみならず映画にも通用することをいち早く見込み、彼女の初短編映画においてプロデュースを買って出た経歴を持つ。

すでに亡くなってから数年経つが、ジョン・レノン然り、素晴らしい偉業や人物の思い出は永遠に記憶の中に留まりつづける。それに伴う感謝の気持ちだって生涯にわたって消えることはない。『ノーウェアボーイ』のエンディングからそんなことに気づかされた。

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2010/11/06

スコット・ピルグリム4大都市を行脚

もはやリベンジ合戦だ。観客&批評家の間で高評価を連発しながら、米映画興行成績ではまさかの苦杯を舐めた"Scott Pilgrim vs. The World"。その11月9日に迫ったDVD&ブルーレイ発売にともない、エドガー・ライト監督率いる出演者、スタッフが上映会&サイン会ツアーに乗りだす。

Scott_pilgrim
まず5日のトロントを皮切りに、6日はボストン、7日、8日はニューヨーク。また11日には一気に西海岸のハリウッドに飛んで、監督、原作者、マイケル・セラ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジェイソン・シュワルツマン、ブランドン・ルース、アナ・ケンドリック他の出演者たちが一堂に会しサイン会を行う。

新作キャンペーンでもないのに、これほどイベントを打つのは極めて異例。まあ、この作品自体、映画という小さな枠組みでは到底とらえきれない奇想天外なシロモノなので、この先、フィルム、DVD、ブルーレイ、ネット配信、テレビ放送とあらゆる手段を駆使して幅広い観客層を獲得していくことを期待したい。

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キャメロン・クロウ新作にヨハンソンが交渉入り

『あの頃ペニー・レインと』のキャメロン・クロウ監督がマット・デイモンを主演に繰り広げる動物園再建物語、"We Bought a Zoo"。そのヒロイン役としてスカーレット・ヨハンソンが最終交渉に入っている模様。

We_bought
本作は筆者ベンジャミン・ミー自身の体験記がベース。イギリスの田舎町にある潰れかけた動物園を買い取って再建すべくアメリカからイギリスへと渡ってきた家族の奮闘、そして約200種類もの動物たちとの心温まる交流を描く。ヨハンソンは末期がんに侵された妻を演じる予定。

キャスティングに際してはヨハンソンのほかにもレイチェル・マクアダムスやエイミー・アダムスなど名だたる女優陣が候補に挙がっていた。

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『高慢と偏見とゾンビ』新監督、決定

デヴィッド・O・ラッセル(『スリー・キングス』)が離脱を表明してからディレクターズ・チェアが真空状態となっていた映画版「高慢と偏見とゾンビ」。ここしばらく新監督の選考に務めてきたライオンズゲート社だが、ついにマイク・ホワイトへとオファーを出した模様。ホワイトは『スクール・オブ・ロック』や「オレンジ・カウンティ」で脚本の腕を奮い、"Year of the Dog"では監督デビューを果たしている。

「高慢と偏見とゾンビ」はセス・グレアム=スミスがすでにパブリック・ドメイン扱いの名作「高慢と偏見」のクラシカルかつロマンティックなキャラクター&文体の中に血の気の多いゾンビVS人間の描写をまぶし全く新たな世界観を築き上げた小説で、ヒップホップの音楽手法になぞらえて“マッシュアップ小説”とも呼ばれている。

この映画化権をナタリー・ポートマンが取得し、デヴィッド・O・ラッセルに監督をオファー、自身も主演することを視野に入れて企画を進めてきたが、ここにきてふたりともその座を退き(ポートマンは引き続き製作を担う)、その後任選びに注目が集まっていた。

現在、「主演はスカーレット・ヨハンソン&ブラッドリー・クーパー?」などという噂もあるが、まだ正式に決定したわけではない。さて、マーク・ホワイト、この難易度の高い素材をどう料理するか?

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2010/11/05

舞台版スパイダーマン、初日に間に合うか?

ブロードウェイ史上最高額の製作費をかけて準備中のミュージカル版「スパイダーマン」に当局の調査が入り、11月14日に予定されるプレビュー公演初日に遅れが生じる可能性が出てきた。

ニューヨークタイムズによると、本作にはステージ&客席上での浮遊シーンをはじめ数多くの仕掛けが用いられており、これまでリハーサル中に2人のパフォーマーが負傷したことを受け、ニューヨーク州の労働局が調査に乗り出していた。が、水曜日に行われた担当官の立ち会いでは全ての仕掛けを準備することができず、大部分のチェックを後日に回すことになってしまったという。残り10日足らずですべての仕掛けに安全性の認可が下りない場合、プレビュー初日は延期せざるをえなくなる。

本作"Spider-Man: Turn Off the Dark"は舞台「ライオンキング」や映画『タイタス』『フリーダ』で知られるジュリー・テイモアが演出を務め、U2のBONOとThe Edgeが音楽を担当している。本来ならば今年の2月に公演が行われる予定だったが、2009年に製作費の捻出が難航し一時ストップ状態に陥っていた。その後、U2やローリング・ストーンズのコンサートのプロモーターとしても知られるマイケル・コールがプロデューサーとして名乗りを上げたことで、同企画はようやく軌道に乗って動き始めていた。

コール氏によると今回の製作費は6000万ドルが計上されており、この数字は「シュレック・ザ・ミュージカル」が誇っていた史上最高額の製作費の約2倍にあたるという。

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2010/11/04

恐怖映画のポスターに禁止処分

英国のJAROにあたるASA(Advertising Standards Authority)はイーライ・ロス製作のホラー映画"The Last Exorcism"のポスターに禁止措置をくだした。このポスターには「あまりにショッキングで公共の場には不適切」とする苦情が幾つも寄せられていた。

本作のポスターは2種類。1つは真っ白いドレスを血で染めた少女が背中をありえない角度に折れ曲げているものと、もう1つはスパイダーウォークを彷彿とさせる体勢の少女が部屋の天井角からこちらを見下ろすというもの。今回ASAによって禁止処分が出たのは前者となる。IMDBに掲載してある画像をリンクしておくので、周囲にお子様がいないことを確認してご覧ください。まあ、確かにお子様にとってはトラウマになりそうな衝撃デザインかもしれない。僕はむしろ後者のデザインのほうが怖いですが。

R-15の本作は、英国で9月に公開済み。信仰心を捨てた牧師が最後の悪霊払いに挑む様をドキュメンタリー・クルーが密着取材するという趣向。これまでのところ「斬新!」「駄作!」と、観る人によって評価が真っ二つに分かれている。

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キャメロン、3Dの未来を語る

11月2日、ビバリーヒルズにて開催されたBlu-Conにてジェームズ・キャメロンが登場。今月公開の『ハリー・ポッター』最新作が3Dコンバージョン作業を完了させられず泣く泣く2D公開となったことを例にとり、「撮影終了後に急ピッチで3Dコンバージョン作業を詰め込む時代は終わる」と発言し、3D撮影の流れは3Dテレビの普及やコンテンツ、放送局の拡充によってますます加速していくとの見方を示した。

ただし悪く言われがちなコンバージョンにも例外はある。彼曰く、「コンバージョン作業は、新作ではなく、時代を越えて愛されるライブラリー作品に関して適用されるべきだ。たとえば、ジョーズやETやインディ・ジョーンズや未知との遭遇、そしてタイタニック・・・

そう、先日『アバター2&3』の正式製作を発表したばかりのキャメロンには、これらの準備と並行して3D版『タイタニック』公開に向けて念入りなコンバージョン作業を進めていく大仕事が待っている。

また、この日、キャメロンは3D技術の未来についても言及。「あと8年~10年もすれば、我々はあらゆるメディアを3Dメガネなしで立体的に享受するようになるだろう」とのこと。

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2010/11/03

【レビュー】スプリング・フィーバー

春の微熱―。

寝てるのか覚めているのかもよくわからない。私の意識はただ宙を彷徨い、気づけばぼんやりと夜明けの南京を眺めやっている。すべてが青に包まれるこの瞬間。ふと春の嵐が吹き荒れる。水面は幾重にも波動を膨らませ、森の木々は音を立てて騒ぎ立て、そして私の胸の内も少し、ざわめく―。

『スプリング・フィーバー』の映像に触れながら、そんな心の声が聞こえたような気がした。

Spring

『天安門、恋人たち』でタイトル通りの中国のタブーを扱い、当局より5年間の活動中止処分を受けたロウ・イエ監督。それは映画監督にとって死刑宣告にも等しいものだったろう。

だがロウ・イエはその処分をものともせず、当局の許可を一切受けぬままに『スプリング・フィーバー』を撮り上げてしまった。いわゆるゲリラ撮影というやつだ。監督にとっても俳優にとっても、ある程度の覚悟を必要とする仕事だ。そんな表現者としての大勝負の心情を、ロウ・イエは闘争心や憎しみに例えるでもなく、ただひたすら“春の微熱”へと昇華させている。少なくとも僕にはそう感じられた。

そこには大規模な経済発展を遂げる表向きの中国とはまた別の顔があった。この価値観の多様ぶり。そこで写し取ったものを芸術性へと発露させる卓越した手腕。転んでもただでは起きないどころか、それを作品として持ち上げていく得体の知れぬパワーに驚嘆させられる。

**

人目を避けて激しく求めあう男と男がいる。夜な夜な繁華街に繰り出す彼らを、背後からひとりの探偵が追う。彼は男の妻に頼まれ、彼らの情事を逐一報告する役目を担っていた。探偵にも女の恋人がいた。が、ふとしたきっかけが運命を変える。差しのべられた手。彼もまた、気づけば境界を高く越え、深い微熱に呑みこまれようとしていた。。。

中国で同性愛がどれほど受け入れられているのか分からない。が、欧米ほどオープンでないことはよくわかる。身を切るほど哀しく織りなされる愛の風景は、「夜の闇」と「探偵の出現」によってフィルム・ノワールのごとく妖艶かつスリリングに展開。やがて闇(ノワール)は朝の光に中和され、観客は夜明け前の“青”が支配する極めて幻想的な情景へといざなわれていく。

果たして、この映画の中のたったひとりでも、望むべき愛を貫けた者はいただろうか。誰かにその愛を祝福してもらえただろうか。その運命に後悔はなかっただろうか。

そこに答えは存在しない。

男はただ微熱だけを携えながら、ひとり南京の街を歩き、雑踏へと飲みこまれていく。

そんな姿がこの中国で孤独にカメラを回し続けるロウ・イエそのもののように思えた。映画製作という究極の愛撫の手段を禁じられた男が、なお愛を叫んでいる。またその愛は、当局からすればイビツで出来そこないの愛かもしれないが、この狂おしい2時間に身をさらすと、まるで祖国への熱を帯びた恋文のように感じられてやまない。

この世のすべては春風のいたずらのごとく移り変わる。中国社会も然り。その変移はこの国が『スプリング・フィーバー』とロウ・イエという才能を徐々に体内へと受け入れていく過程とも言えるのかもしれない。

ロウ・イエを定点観測していれば、中国文化の体内温度が手に取るようにわかる。彼がこれからもジャ・ジャンクーと並ぶ“中国社会の映し鏡”として世界の注目を集めていくことは間違いない。

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マルフォイ役俳優、ラドクリフを賞賛

『ハリー・ポッターと死の秘宝 part1』の公開を前に、すでにそれぞれの新たな道を歩み始めている各出演者たちの媒体露出が増えてきた。LAタイムズにはポッターの宿敵マルフォイ役を演じたトム・フェルトンが登場し、よき友人でもあるというハリー役のダニエル・ラドクリフについて賞賛の声を惜しまなかった。

「ダニエルは僕より2歳若いけれど、凄く尊敬している。仕事に対してとても真面目で、映画の撮影が無い時期も演技やスピーチのレッスンを受けたりして常に自分のスキルを磨いている。そしてなおかつ撮影現場ではリラックスした態度でみんなに接するんだ。なにしろ彼は初対面の相手の名前をみんな一遍で完璧に覚えちゃうんだよ。僕でさえ2度目、3度目じゃないと覚えられないのに。彼なら優秀なセールスマンにだってなれるよ」

映画の中での敵役どうしが、実生活でよりよい友好関係を築いているエピソードは聞いてて心が和む。

『ハリー・ポッター』で意地悪な伯父さん役を演じるリチャード・グリフィスについても同じことが言える。

映画の中では仲の悪いハリー&伯父さんだが、ダニエル・ラドクリフの舞台進出にあたり、誰よりも親身になって彼を支えてくれたのは、他でもないグリフィスだったそう。ラドクリフ&グリフィスは舞台「エクウス」(ピーター・シェーファー作)でも共演している。

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ディカプリオ、殺人鬼に

かつて連続殺人鬼H.H.ホームズの話を聞かされたとき、僕はそれが映画の中の話だとばかり思っていた。ハンニバル・レクターの元ネタかと思われるほどの壮絶な悪夢を、レオナルド・ディカプリオ率いる製作会社アピアン・ウェイが映画化することになった。しかもディカプリオ自身が主演で―。

原作はエリック・ラーソンによるノンフィクション、「悪魔と博覧会」。19世紀の終わり、アメリカ社会はシカゴ万博開催に向けて一気に盛り上がりを見せていた。そこにこの時代を駆け抜けた象徴的な男がふたり。ひとりは万博の成功に向けて心血を注ぐ建築家ダニエル・H・バーナム。そしてもうひとりは、この華やぎの裏側で不気味にうごめく医師、H.H.ホームズ。あろうことか、後者はアメリカで最初のシリアル・キラーだった。

彼は後に“マーダー・キャッスル”なるものを作り上げ、世界中から集まってくる観光客をここへ収容、次々に殺害していった。その数、27~200ほど。なにしろこのホテル内にはガス室から覗き窓、それに火葬場さえもが備わっており、足を踏み入れたが最期、人知れずこの世から痕跡を消してしまうわけである。

2003年にはトム・クルーズが映画化権をキープし、自身が殺人鬼を演じようとしていたが、それを知ったディカプリオは別企画を立ち上げてこれと全く同じ題材にあたろうとした。が、結局どちらも霧消してしまい、その後、本の権利が満を持してディカプリオのもとへ巡りくることに。

脚本家、監督、それにスタジオ探しはこれからスタート。ディカプリオは今後、クリント・イーストウッド監督作にてFBI長官フーバーを演じた後、この“殺人鬼”という新境地に本腰を入れていくものと見られている。

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2010/11/02

ターセムと白雪姫

『ザ・セル』『ザ・フォール』などのショッキングな映像美が持ち味のターセム・シンが、リラティヴィティ・メディアとの契約に合意し、「白雪姫」を題材にした映画を撮ることになった。

面白いのは、ユニバーサルも同じ「白雪姫」モノ"Snow White and the Huntsman"を準備中なことだ。こちらはジョニー・デップ級の有名どころをキャスティングしようと躍起のようですが。はたしてどうなることやら。

他では「ヘンゼルとグレーテル」を扱った映画企画も複数進んでおり、映画界はちょっとしたグリム童話ブームに突入している模様。

ターセムは現在、ギリシア神話を扱った最新作"The Immortals"の仕上げ作業に入っている様。アメリカでの公開は2011年の11月ごろを予定している。

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中国で孫悟空が3D映画化

突然だが、孫悟空を英訳すると"Monkey King"、西遊記は"Journey to the West"というそうだ。

というわけで、AP通信によると、中国=香港の強力タッグのもと本国映画としては破格の製作費6000万ドルをかけた3D映画"Monkey King"の撮影がはじまっているという。孫悟空役はドニー・イェン。そのほか、チョウ・ユンファ、ケリー・チャン、アーロン・クォック、セシリア・チャンなどが出演する。監督は『ドッグ・バイト・ドッグ』『軍鶏』のソイ・チェン。

中国では『アバター』が国内最高興収となる2億600万ドルを記録しており、今回の"Monkey King"プロジェクトからは国を挙げての「追い越せ」コールが聴こえてきそうだ。本作はハリウッドから特殊技術のスペシャリストが招聘され、撮影5か月、ポスプロ作業に15か月をかけるという。公開は2012年を予定。

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バズ・ラーマン、次回作に照準?

DEADLINEによると、ムーラン・ルージュ!』のバス・ラーマン監督がF.スコット・フィッツジェラルド原作の「グレート・ギャッツビー」映画化に向けて、正式発表ではないものの、いよいよ照準を絞り始めている模様。

つい先日も本作に関するワークショップ開催のニュースが世間を騒がせたが、このときギャッツビー役を担ったディカプリオとキャラウェイ役のトビー・マグワイアはそのままに、今後のワークショップではヒロインのデイジー・ブキャナン役を様々な女優候補で入れ替え、それぞれの化学反応を試していきたい構えのようだ。

現在その候補に挙がっているのは、レベッカ・ホール、キーラ・ナイトレイ、アマンダ・セイフライド、ブレイク・リブリー、アビー・コーニッシュ、ミッシェル・ウィリアムズ、スカーレット・ヨハンソン、ナタリー・ポートマン。

ラーマンは映画企画の始動時にこのようなワークショップを開催することで知られている。

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EMPIREに『タンタンの冒険』画像、初登場

ピーター・ジャクソン製作、スピルバーグ監督作『タンタンの冒険』(正式邦題未定)の本編画像がWEB版EMPIREにてお披露目された。

Empiretintincover
雑誌EMPIRE最新号よりも一足早く登場したWEB用画像は、この表紙カットのほかに2つ。「タンタン」の原作ファンにとってはこれまでなかなかイメージの湧かなかった“3D版タンタン”が初めて具体的に受けとめられる瞬間となることだろう。

『アバター』と同じくモーション・キャプチャー技術を使って動きを取りこんでいる本作。タンタンに生命を与えているのは『リトル・ダンサー』でもお馴染みのジェイミー・ベル君だ。出演はほかにアンディ・サーキス、サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ダニエル・クレイグなど。

イギリスでの公開は2011年10月26日。アメリカではちょっと遅れて年末。ピーター・ジャクソンは今後も2作目、3作目の「タンタン」を映像化していきたい構えのようだ。

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ノーミ・ラパス、元夫と映画共演

オリジナル版『ミレニアム』にて“ドラゴン・タトゥーの女”=リスベット・サランデルとして一躍世界の注目を集めたノーミ・ラパス。『シャーロック・ホームズ2』への出演が決まったほか、リドリー・スコットが出かける『エイリアン』前章の主役候補としても名前が挙がっている彼女だが、ハリウッドのメインストリームだけでなくヨーロッパでの仕事も忘れてはいない。しかも今回、新たに元夫とも一緒に仕事をするという。

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それはボス・ホグバーグというスウェーデン人ボクサーの物語(タイトル未定)。元夫のオーラ・ラパスが『レイジング・ブル』を彷彿とさせる栄光と失墜の実在ボクサーを演じ、ノーミは彼の日常に変化をもたらすキャバレー歌手を演じる。実生活で7年間連れ添い、つい最近離婚したばかりというオーラ&ノーミが映画の中でも夫婦役を演じることになる。

ちなみにアメリカではオリジナル版最終章『ミレニアム/眠れる女と狂卓の騎士』が全米153館で劇場公開されたばかり。オープニング興収($915000)や1館あたりのアベレージ($5,980)など、シリーズ通して見るとやや勢いが削がれてはいるものの、まずは堅実なヒットぶりが伺える。

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2010/11/01

北米興行成績Oct.29-31

先週までの復習は各自こちらで行ってください。

【Oct.29-31 weekend 推計

01 Saw 3D (-) $24.2M
02 Paranormal Activity2 (↓) $16.5M
03 Red (→)$10.8M 
04 Jackass 3D (↓)$8.4M
05 Hereafter (↓) $6.3M
06 Secretariat
(→) $5.1M
07 The Social Network (↓) $4.7M
08 Life as We Know It
(↓) $4.0M
09 The Town (→)$1.95M
10 Conviction (↑)$1.8M


*推計興収が僅差の場合、確定後にランキングが入れ替わる場合があります。

Saw3d_2 
■昨年に引き続き今年も『SAW』と『パラノーマル・アクティビティ』のハロウィン戦争が勃発。これでシリーズ最終章と宣言している『ソウ・ザ・ファイナル 3D』がオープニング3日間で2420万ドルを売り上げNO.1を獲得した。観客層は56パーセントが男性、25歳以下が57パーセントを占める。製作費2000万ドル程度と言われているので、今回も損失無し。ただし今作のオープニング興収も、先週一足早く封切られたパラノーマル・アクティビティ2』の記録4000万ドルには敵わなかった。

ちなみに『SAW』はギネスブックにて「史上もっとも成功したホラーシリーズ」として認定済み。全7作のうち2作~5作目までは公開週末の興収3000万ドル超え&NO.1が定位置となっていたが、6でいよいよその神話が崩れ、もはやこれまでか、と思われた矢先に飛び出した起死回生の方法論が「3D」だった。これによって前作よりもそのオープニング興収を1000万ドルほど上乗せしたことになるが、果たしてこれはスタジオ側にとって成功か、不発か。はたまたシリーズはこれで本当に終わってしまうのか。その真意はジグソウとライオンズゲートのみぞ知る。

■『パラノーマル・アクティビティ2』は累計興収を6570万ドルとした。製作費は格安(全米公開作としては格安)の300万ドルと言われているので、今回もかなりの収益を生みだしたことになる。

■3週目を3位で折り返した"Red"はクールに製作費の5800万ドルをカバー。"Jackass 3D"はついに興収1億ドルを突破。クリント・イーストウッド監督最新作"Hereafter"の売り上げは3週目にして製作費5000万ドルのようやく半分に到達しようかというところ。

ソーシャル・ネットワーク』(←拙ブログのレビューに飛びます)は7位へランクダウン。累計興収は8000万ドル近辺にまで達した。東京国際映画祭のクロージング作品として上映されたベン・アフレック監督作『ザ・タウン』(←拙ブログのレビューに飛びます)はしぶとく9位に残留。来週の今頃には9000万ドル突破しているか。

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ロン・ハワード最新作で大論争勃発

『アポロ13』や『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズで知られるロン・ハワード監督の最新作"The Dilemma"をめぐって騒ぎが拡大している。全米で来年1月に封切られる本作、つまりまだ誰も完成品を観ていない作品なのだが、問題となっているのはヴィンス・ヴォーン演じる主人公が「電気自動車はゲイだ!」と口にするシーンだ。しかも予告編にもバッチリ入っていたことから騒ぎが一気に拡大してしまった。

ゲイの人権を守る団体は「こういう表現が差別につながる」として猛抗議を続けており、問題のシーンはつい先日予告編から削除されたものの、当の本編に関してはロン・ハワード監督も「私は自分の感覚を信じる。検閲には屈しない」と徹底抗戦する構えを崩していない。

もちろんハワード監督側もゲイを非難するような主張はなんら持ち合わせておらず、彼曰く、この場面ではヴォーン演じる主人公が何が正しくて何が良くないことなのか、その判断がむちゃくちゃになり、ついそのセリフを口走ってしまう。。。といったものなのだそうだ。

"The Dilemma"はその邦題を『僕が結婚を決めたワケ』として1月14日に日米同時公開。長年の同棲生活にケジメをつけ恋人にプロポーズしようとする40歳の独身男性ロニーが、ちょうど同じタイミングで親友夫婦の泥沼化などを目撃したりして、絵に描いた結婚ビジョンがどんどん崩壊して価値観が大暴走を始めてしまう、という物語。

『ダ・ヴィンチ・コード』などで論争には事欠かなかったハワード作品だが、まさかこんな事態に陥るとは。

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