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2010/11/15

【レビュー】ラスト・ソルジャー

「もう56歳だし、この先、身体の自由も効かなくなっていくだろう。若い頃できたこともどんどんできなくなっていく。今後はもっと末永く取り組めるアクションへとスタイルを変えていきたい」

『ベストキッド』のインタビューでこのように語っていたジャッキー・チェン。

これは一見、「限界宣言」にも受け取れるが、『ベスト・キッド』と『ラスト・ソルジャー』を立てつづけに目の当たりにすると決してそうではないどころか、老いてもなお舞い続けるジャッキーが今や人間性の深みをも追い求める域に達しているのを感じることができる

Littlebigsoldier
紀元前227年、中国がまだ統一とは程遠い頃。衛と梁はそれぞれ大量の兵士を投入して刃を交え、多くの命が失われた。戦場は見渡す限り死者だらけ。生存者はひとりもいないように思われた。が、そこにニセモノの弓矢を胸に突き立てたインチキな梁の兵士がひとり目を覚まし、ピンピンした様子で戦場を後にしようとする。そんな彼が目にしたのは手負いの衛の敵将。まだ息はある。こいつを捕虜にして梁に連れかえれば必ずや報奨が貰えるはず。兵士は敵将をグルグル巻きに縛って旅路を急ぐが、そんな彼らの前に謎の伏兵軍団が現れ、容赦なく命を狙う。やがてふたりは裏切り、裏切られ、時には協力しながら旅路を歩むことに―。

本作は中国メインで製作され、使用言語も北京語だ。なのでこれまでのジャッキーの身のこなし&セリフ回しのコンビネーションに漬かってきた人にとってはかなり異色のむずがゆさを感じるかも。そして本作が中国におけるジャッキー映画NO.1ヒットを記録したのも、当局による映画の完成度以上の計らいがあったことは想像に難くない。実際のところ『ラスト・ソルジャー』は設定は壮大に見えて、スケールは小さい。

などと、いちおう断り書きを挟んだうえで冒頭でも触れた「ジャッキーの老い」について考えてみると、やはり若さゆえの無茶を封じることで、その分、些細なアクションへの細やかな配慮がなされている。さてはマルセル・マルソーのパントマイムやフレッド・アステアのダンスのごとく、ジャッキーもまたその曲芸的な身のこなしを“表現文法”にまで高めようとしているのだろうか。

その意味でも、これまで破格のスタントシーンで有終の美を飾ることが多かったジャッキーが、今回ラストに決め込んだ渾身のポーズに驚かされた。これこそ老いたるジャッキーが進みたい領域なのだろう。そこには“意志”があり、“主張”があり、“理念”があり、なによりもジャッキー特有のヒューマニズムが詰まっていた。

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