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2011/01/21

きらきらしてる(MyFFF)

フランス発オンライン映画祭「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」のコンペティション作品「Tout ce qui brille(きらきらしてる)」を観た。

19252522_jpgrx_160_212f_jpgq_x20100幼なじみの年頃の女性エリーとリラは怒っても笑っても互いの心根を汲み取れるかけがえのない親友だ。パリ中心部から10分離れた郊外の公団住宅に暮らす彼女たちは、今夜もタクシーを乗り逃げして、セレブ気分でパーティーへ繰り出す。その目的は素敵な出逢い?それとも今の自分を忘れたいから?ひょんなことから本当のセレブと友達になってしまう彼女たち。リラはこの世界の住人になろうと必死になり、知らないうちに多くの人の心を傷つけてしまう。そしてエリーは、その煌びやかな非日常に段々と虚しさを感じるようになっていく―。

エリー役のジュラルディン・ナカッシュが主演と監督を兼任した意欲作。フランス公開時に口コミでじわじわと人気を拡げていったのも頷ける、若気の至り(勢い?)に繊細さを混ぜ合わせた巧みなガールズ・ムービーだ。パリの街並みにクレヨンで落書きしたかのような可愛らしいオープニングで心をつかまれ、それぞれが辿る心の変移に年齢を重ねるのとはまた違った精神的な成長を感じずにいられない。

ほぼ二人を中心に展開していく物語において、その脇を固めるキャラクターも印象深い。『ザ・ビーチ』や『8人の女たち』に出演するヴィルジニー・ルドワイヤンも子持ちのセレブという特殊な役柄でエリー&リラを未知なる世界にいざない、タクシー運転手の(エリーの)父親は娘との関係にギクシャクしながらも小動物的なまなざしで変わらぬ慈愛を注ぎ続ける。また親友のスポーツ・インストラクターは持ち前のキビキビした性格でハッキリ答えの出ない主役ふたりのケツを容赦なくひっぱたいて助言をくれる。そんなささやかな人々が本当にきらきらしている。

そのことに気がつくとき、エリーの表情が、瞳がまったく違う輝きを放ち始める。どんな宝石よりもきらきらした輝きを探すために彼女たちの冒険はこれからも続いていくのだろう。それぞれに居場所は違っても。相変わらずの親友のままで。

そして同じ想いを抱えた大勢の人々がバンリュー(郊外)から集まってくるからこそ、パリの街は今夜も相変わらず、煌びやかな“きらきら”を放ちつづけるのだろう。

●本作はmy French Film Festival開催期間中、こちらのページより有料視聴できます。

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