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2011/01/27

英国王を再編集?

アカデミー賞最多12部門ノミネーションを果たした『英国王のスピーチ』の製作陣に動きが見られている。ハリウッドレポーターによると、既に大絶賛を受けているこの作品を再編集するかどうか検討中らしいのだ。

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現在この動きは本作のエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ね米配給権をも司るハーヴェイ・ワインスタイン、そして監督賞オスカー候補にも挙がっているトム・フーパー監督らによって牽引されている模様。彼らの目論見というのは作品の内容を大きく書きかえることではなく、ほんの一部分を編集すること。そして彼らのたったひとつの誤算―アメリカで「R指定」を取り覗きたいという想いに尽きる。

「17歳以下は保護者の同伴が必要」となるこのレーティング。本作には激しいセックスシーンも残虐な殺人シーンもましてや子供の喫煙なども無いのだが、唯一、思い通りに喋れない主人公が激しくFワードを連呼するという場面が登場する。猥雑な言葉に対する年齢制限の厳しいアメリカではこれがアウトとなった。これに加え、ヒトラーに関するセリフも一部で問題になったことは記憶に新しい。

だが場所が違えば文化も大きく異なる。同じ英語国であっても英国王のお膝元、イギリスでのレーティングは「12A」。これは「12歳未満には推奨しないながらも、保護者同伴ならOK」という比較的軽めのものだ(最初は米にならって厳しかったものの、再審査によって変更となった)。そして現在、英国ではレーティングの恩恵もあってか多くの観客を動員中で、3週連続ボックスオフィス首位を独走中だ。

この結果に製作者側はとても勇気づけられたという。アメリカでもレーティングさえ引き下げられれば、なお一層の観客動員が期待できる。そして何よりもファミリー層の動員が見こめる→上映館数、スクリーン数の大幅アップが見込めるという好循環に繋がっていくはず。そうやって興行的予測は簡単に成り立つものの、いざ本当に再編集にゴーサインが出るとなると、表現の自由が商業主義に屈しただの、またもやワインスタインの剛腕ぶりが作家性を踏みにじっただのと一部から揶揄されることも避けられない。非常にむずかしい判断どころだ。

今のところ、どっちに転んでもこの動きがオスカー授与式までに間に合う見込みはない模様。仮に本作に手を加えるようなことがあれば、トム・フーパー&ワインスタインは該当シーンの単調なカットではなく、創造性に満ちた再編集を試みたいと考えているそうだ。

いずれにしても『英国王のスピーチ』は素晴らしい作品だ。幸運にも日本でのレーティングは「G」。つまり子供から大人まで誰でも制限なく自由に観賞できる。アメリカではどこが「アウト」だったのかを考えながら観賞するのも面白いかもしれない。

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